【改善例付】片耳難聴になる5つの難聴を補聴器で改善させる方法


片耳難聴になり、医師に相談するものの耳を治療できなかった場合は、補聴器で改善させるという方法があります。しかし、片耳のみ難聴のケースは、特殊なケースが多く、耳の状態をしっかり把握した上で改善を考えて行くことが何よりも重要になってきます。

片耳難聴の場合、改善させる方法には、

  • 聞こえにくい耳側にくる音を聞こえる耳側へ転送するクロス補聴器で改善させる
  • 聞こえにくくなった耳に直接、補聴器をつけ、その耳を改善させる

この二つの方法があります。しかし、これらは、耳の状況によって選び方が異なります。

私自身も日々、片耳のみ難聴の方からご相談を受けたりするのですが、耳の状況を把握した上で、改善(補聴器の選定)を行うことで

  • 聞きにくい側から話しかけられてもわかるように(気づくように)なった
  • 騒がしい中での会話もわかりやすくなった
  • 聞きにくいことにことによるポジション取りを気にしなくなった

など、声をいただけるようになりました。特に仕事場、職場で困ってしまうケースが多く、それらの場所で活用している方が多くいます。

今回、片耳のみ難聴の方からご相談いただくことが多いため、それぞれの難聴から、どのように改善していくのが良いのか。その点に関してまとめていきます。また、補聴器に関して詳しく知りたい方のために補聴器とクロス補聴器での改善に関することも載せていきます。お困りの方は、参考にしてみてください。

なお、耳の状態を診てもらったことがない場合は、まず初めに耳鼻咽喉科に行くことをお勧めします。こちらは、残念ながら診てもらったけれども改善できなかったケースに該当します。治療ができれば、そちらの方が聞こえの改善もできますので、診てもらったことがない場合は、まず診ていただくことをお勧めします。

目次

片耳難聴になる5つの症状別、改善方法

片耳難聴になる症状は、主に

  1. 生まれつき片耳難聴
  2. 突発性難聴
  3. ムンプス難聴
  4. 手術の後遺症(聴神経腫瘍)
  5. 外リンパ瘻

の5つになります。多いのは、①〜③になります。

冒頭の通り、残念ながら耳の治療ができなかった場合は、補聴器で聞きにくさを改善させることができます。しかし、補聴器にも、

  • 聞きにくい耳に補聴器を装用して改善させる補聴器
  • 聞こえる耳側に聞こえない耳側の音を送って改善させるクロス補聴器

の二つの改善方法があります。

以下、自分の経験を元にそれぞれの難聴別にどのように改善したらベターになるかをまとめていきます。

①生まれつき片耳難聴

生まれつきの片耳難聴とは、その字の通り、生まれつき、右耳、あるいは、左耳が聞こえない状況の方になります。聞きにくくなった原因は、不明なことが多く、治療方法も有効なものが残念ながらありません。

生まれつきの片耳難聴の場合、多彩なケースがありますが、基本的に

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケース
  • 聴力は、軽度〜中等度で明瞭度は良いので補聴器で補うケース

の二極化する傾向があります。

聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケース

生まれつき片耳難聴で、聴力低下が大きいためにクロス補聴器で補うのは

生まれつき片耳のみ難聴で全く聞こえないケースは、ほとんどにおいて、こちらのように本当に全く聞こえていないケースが多い。

生まれつき片耳のみ難聴で全く聞こえないケースは、ほとんどにおいて、こちらのように本当に全く聞こえていないケースが多い。

このような聴力の場合です。まさに聞こえない側は、ほぼ何も聞こえない状態になります。この場合は、聞こえない耳側へ補聴器をつけても聞こえを改善できませんので、クロス補聴器で聞こえにくさをなるべく軽減していきます。

こちらに関しては、結構な頻度で見かけます。

聴力は、軽度〜中等度難聴で明瞭度は良いので補聴器で補うケース

こちらは、

片耳難聴でも軽度〜中等度難聴くらいの場合、意外に補聴器で補えるタイプをみる。難聴の程度としては、こちらくらいになる。

片耳難聴でも軽度〜中等度難聴くらいの場合、意外に補聴器で補えるタイプをみる。こちらは、あくまでも難聴の程度の例。実際には、様々な形の聴力が多い。

聴力的に軽度〜中等度難聴くらいの方に当てはまる内容です。

その場合、音声の理解度を調べ、クロス補聴器の方が良いのか、それともそのまま聞こえなくなった耳を補った方が良いのか。こちらを調べていくことになります。

耳には、音声の理解度を調べる測定があります。耳の場合、音が聞こえることと音が理解できるのは、別で考えるためです。中には、聴力は正常だけれども、音声の理解度が低い。という方もいます。耳は、聴力が全てではありません。

軽度〜中等度難聴の方の明瞭度を調べてみると意外にあるケースがある。その場合は、補聴器でなるべく聞きにくくしていった方が良いケースが多い。ただ、聴力やこのパーセンテージによっては、クロスの方が良いケースもあるので、二つとも試してから決めるとより良くなったりする。

軽度〜中等度難聴の方の明瞭度を調べてみると意外にあるケースがある。その場合は、補聴器でなるべく聞きにくくしていった方が良いケースが多い。ただ、聴力やこのパーセンテージによっては、クロスの方が良いケースもあるので、二つとも試してから決めるとより良くなったりする。

それを調べた図が、上記のものになります。数値が上にいくといくほど、理解度が高く補聴器の効果も望みやすくなります。

気のせいかもしれませんが、生まれつきの片耳難聴で、中等度くらいまでの難聴の方を調べてみますと、それなりに良い方をみます。明瞭度(明瞭度とは音声の理解度のことを表します)が良い場合は、そのまま補聴器で補い、仮に悪かった場合は、クロス補聴器の方が聞こえを補えます。

生まれつき片耳難聴のケースのまとめ

今のところ多いのは、聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケースでしょうか。

その他、特徴として、他の症例では、軽度〜中等度難聴でも明瞭度が悪いケースがあるのですが、生まれつき片耳難聴の場合は、意外に明瞭度があることが多いです。

ですので、耳の状況をしっかり把握し、どちらで補ったら良いのか。しっかり考える必要があるケースになります。

②突発性難聴

突発性難聴とは、突然片耳のみ聞きにくくなる難聴の一種で、

  • 聴力低下(軽度〜重度)
  • 耳が詰まった感覚
  • めまい
  • 耳鳴り

が起こる症状です。治療に関しては、48時間以内に病院に行き、治療を始められれば、改善できる確率が高くなったりするのですが、治療後の予後に関しては、3割が完治、3割が改善、3割が全く変わらず。と、様々な状況になります。

そして、突発性難聴の耳の状況は、非常に多彩で補聴器で改善を考える際、耳の状況をしっかり確認することが何よりも重要になる症状となります。

今のところ確認できているパターンは

  • 聴力低下が大きすぎるためクロス補聴器で補う
  • 軽度〜中等度の難聴だけれども明瞭度が低いためクロス補聴器で補う
  • 音が歪んで聞こえるため、クロス補聴器で補う
  • 軽度〜中等度難聴でかつ明瞭度が良いため補聴器で補う

の4パターンが確認できています。

聴力低下が大きすぎるためクロス補聴器で補う

こちらは、突発性難聴になり

突発性難聴により、聴力が低下した場合、いくつか考えられるパターンの一つ。全く聞こえないケースもよくみる。

突発性難聴により、聴力が低下した場合、いくつか考えられるパターンの一つ。全く聞こえなくなってしまったケースもよくみる。

このくらいまで聴力低下した方になります。このようなケースは、補聴器で聞こえにくくなった耳側を補うことができないため、クロス補聴器で補い、なるべく聞きにくさを減らしていきます。

軽度〜中等度の難聴だけれども明瞭度が低いためクロス補聴器で補う

こちらは、

意外に見るパターン。明瞭度が低い場合は、高域が大きく低下しているケースをよく見る。

意外に見るパターン。明瞭度が低い場合は、高域が大きく低下しているケースをよく見る。

聴力は、このくらいでも

明瞭度が低い場合は、クロス補聴器で補うのが良い。ただ、50%、60%くらいの場合、クロス補聴器か、一般の補聴器か、どちらが良いか、簡単でも良いので、試して見るとより判断はしやすくなる。

明瞭度が低い場合は、クロス補聴器で補うのが良い。低い場合は、聞こえにくい耳に音を入れても理解度が上がりづらく、聞こえるようになった感覚は、非常に感じにくい。

音声の理解度を調べてみると、このように低い場合が当てはまります。このような場合は、たとえ補聴器で補える聴力範囲内でも聞こえの改善がうまくできないため、クロス補聴器でなるべく聞きにくさを減らしていきます。

音が歪んで聞こえるため、クロス補聴器で補う

こちらは

歪んで音が聞こえるケースは、低い音は聞こえているが、高い音になるにつれ、大きく聴力低下しているケースに見ることがある。

歪んで音が聞こえるケースは、低い音は聞こえているが、高い音になるにつれ、大きく聴力低下しているケースに見ることがある。

聴力的に軽度〜中等度難聴くらいが多く、ただ、日常生活上の大きな音は響いて聞こえたり、聴力低下した耳側で音を聞くと不快感がある方になります。この場合は、クロス補聴器で改善した方が無理なく改善できます。

軽度〜中等度難聴でかつ明瞭度が良いため補聴器で補う

聴力の低下としては、

突発性難聴になっても明瞭度および、聴力低下の量がそこまで重くならないケースもある。

突発性難聴になっても明瞭度および、聴力低下の量がそこまで重くならないケースもある。

このくらいで、言葉の聞きやすさを調べる測定を行うと

明瞭度が良い場合は、そのまま補聴器を装用して聞こえを補う方が良いケースが多い。ただ、明瞭度が60%、70%くらいだと、クロスの方が改善できるというケースもあった。実際には、二つとも試してみて効果を見るのが良い方法にはなる。

明瞭度が良い場合は、そのまま補聴器を装用して聞こえを補う方が良いケースが多い。ただ、明瞭度が50%、60%くらいだと、クロスの方が改善できるというケースもあった。実際には、二つとも試してみて効果を見るのが良い方法にはなる。

のような結果がでた場合、聞こえる耳側に補聴器をつけ、改善させた方が良いケースが多くなります。

ただ、難しいのは、このようなケースでもたまにクロス補聴器の方が聞こえが良いというケースです。明瞭度が圧倒的に良いケース(90%〜100%など)は、補聴器の方がよくなることが増えるのですが、50%、60%と微妙なラインになってくると、クロス補聴器の方が良いというケースも出てきます。

判断基準の境目はどうしても悩みやすく、実際に改善させる場合、クロス補聴器、一般的な補聴器の二つを試聴してみて、どのくらい改善するのかを見比べて、どちらが良いかを選択できると、できる限りの改善はできるようになります。

わからない場合は、実際に考えられる改善方法を実際に試し、かつ記録をつけて補聴器の相談をすると改善がしやすくなります。

突発性難聴の改善のまとめ

突発性難聴は、今現在確認されている急性疾患のどの疾患にも当てはまらず、かつ急性の難聴を突発性難聴と定義しています。そのため、様々なケースをみます。

それに加え、突発性難聴の治療を行なった場合

  • 治療により完治が3割
  • 改善はできたけれども聞きにくさが残るのが3割
  • 全く改善できなかったケースが3割

など、予後も様々な状況ですので、非常に多彩にわたります。生まれつき片耳難聴と同じく、耳の状況をしっかりとみて、どのように改善していったら良いかを考えるのが何よりも重要になる症状です。

③ムンプス難聴

ムンプス難聴とは、おたふく風邪にかかった際に発することがある難聴です。主に15歳以下の時におたふく風邪になってしまい、そのまま、片耳のみ聞こえにくくなることがあります。

ムンプス難聴の場合は、片耳のみ重い聴力低下であるケースが大半です。

ムンプス難聴は、高度の難聴を発するため、だいたい聴力そのものが大きく低下していることが多い。私も基本的に見るのは、このような大きく聴力が低下してしまったケースになる。

ムンプス難聴は、高度の難聴を発するため、だいたい聴力そのものが大きく低下していることが多い。私も基本的に見るのは、このような大きく聴力が低下してしまったケースになる。

私の方でも、このような聴力の方を多くみます。

そのため

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補う

というやり方で改善させていくのがベストです。

④手術の後遺症(聴神経腫瘍)

手術の後遺症で聞こえにくくなったケースは、私が体験したのは、

  • 聴神経腫瘍で手術せざるを得なくなったケース

になります。こちらは、腫瘍摘出手術をしないと、後々命に関わるものなため手術せざるを得ません。

いくつか症例をみたことがあるが、手術により、聴神経を切ってしまった場合、ほぼ聴力失聴となり、全く音を感じない状態になることが非常に多い。

いくつか症例をみたことがあるが、手術により、聴神経を切ってしまった場合、ほぼ聴力全失聴となり、全く音を感じない状態になることが非常に多い。

このようなケースで聴力低下する場合は、ほぼ全失聴することが多いため

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補う

で改善していきます。

⑤外リンパ瘻

外リンパ瘻とは、耳の中にある内耳と呼ばれる部分に圧がかかり、内耳に穴が空いてしまったり、破裂することで、

  • 聴力低下(高度〜重度)
  • 耳が詰まった感覚
  • 耳鳴り
  • めまい

を引き起こす症状です。飛行機やダイビングなどの急激に体に圧がかかった際に、発症することがあります。

外リンパ瘻になった方をみてきましたが、総じて、聴力低下が重く、補聴器では補えない聴力になります。

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補っていく

のがベストです。

片耳難聴になる症状別、改善方法のまとめ

片耳のみ難聴になるケースで、主に治療ができないケースに関して、補聴器で有効的に改善させる方法をまとめてみました。言ってしまうと非常に単純なのですが、

  • 補聴器で改善できそうなら補聴器
  • 補聴器では補いきれないものは、クロス補聴器

となります。

片耳のみ難聴になる方は、特殊なケースが多いため、耳の状況を測定しながら、状況を把握し、改善していくことが重要です。

こちらではわかりやすく、各症状の改善傾向について記載させていただきました。しかし、傾向を見ることは、重要ですが、過信すると誤りが起こりやすくなります。ちゃんと耳の状況を確認しながら改善していくことが何よりも重要です。

片耳難聴を改善させるために必要な補聴器と耳の知識

さて、ここから先は、より詳しく知りたい方へ向けて記載していきます。片耳難聴を改善させる方法には、

  • 補聴器を装用して改善させる
  • クロス補聴器を装用して改善させる

の二つがあると記載しました。それぞれの特徴についてみてみましょう。

補聴器

こちらでは、

  • 補聴器の基本
  • 片耳難聴を改善する際に知っておきたい補聴器のこと
  • 片耳難聴を補聴器で改善させるパターン

の三つを主に記載して行きます。

補聴器の基本

こちらでいう補聴器とは、一般的な補聴器で、聞こえにくくなった耳側に補聴器をつけて改善させる機器を指します。

耳にかけるタイプから

耳の中に入れて使用するタイプなど、様々な形があります。

この方法で改善させられる片耳難聴の方は

  • 聴力は、中等度くらいまで
  • 語音明瞭度(音声の理解度のこと)がある程度ある方

の二つを満たした方のみになります。

そして、補聴器を装用しても効果が出にくいケースは

  • 聴力低下が大きいケース(90dB以上)
  • 語音明瞭度が低いケース(50%以下)
  • 音が歪んで聞こえてしまうケース

の三つとなります。

片耳難聴を改善する際に知っておきたい補聴器のこと

まず、残念ながら補聴器は、どんな方にも適合する万能な機器ではありません。補聴器が有効なのは、耳が活用できる方のみになります。

耳の場合、見る要素としては、

  • 聴力 ※聴力検査で知ることができます
  • 音声の理解度 ※語音明瞭度測定(語音弁別能検査)で知ることができます

の二つがあります。

聴力検査の見方と補聴器で効果を望める数値

聴力検査といえば、おそらくやったことがある方も多いかと思います。

こちらが主な聴力図の見方。記号は、いくつかあるが、基本的には、○と×を基準にみる。それぞれの記号がどの周波数がどのくらい聞こえにくいかを表してくれるのが、この聴力図になる。

こちらが主な聴力図の見方。記号は、いくつかあるが、基本的には、○と×を基準にみる。それぞれの記号の位置でどの周波数がどのくらい聞こえにくいかを表してくれるのが、この聴力図になる。

低い音から高い音まで各周波数を調べ、どのくらい聞こえにくくなっているのかを調べるのが聴力検査です。主な見方は、上記の通りになります。基本的にみる数値は、気導と書かれているもので、右が○、左が×で表記されているものになります。

周波数以上に横の軸、すなわち聴力レベルの方が見方として重要になるのですが、それぞれ

  • 正常:0~24dB
  • 軽度難聴:25~49dB
  • 中等度難聴:50~69dB
  • 高度難聴:70~89dB
  • 重度難聴:90dB以上
  • ※世界保健機関WHO基準

と、分かれています。

わかりにくい方用に図に記載すると、このようになる。数値を理解する場合は、それぞれの数値の意味を理解することが重要になってくる。

わかりにくい方用に図に記載すると、このようになる。数値を理解する場合は、それぞれの数値の意味を理解することが重要になってくる。

聞こえている方は、基本的に0~10dBで聞こえており、0~24dBまでは、聞きにくさをほとんど感じないため、正常の範囲内になります。それ以降になると聞きにくさを感じるようになりますので、難聴の分類になります。

片耳難聴の場合における補聴器の判断は、約70dBより軽いこと。それ以上、重くなると、クロス補聴器の方が改善がよくなる傾向がある。

片耳難聴の場合における補聴器の判断は、約70dBより軽いこと。それ以上、重くなると、クロス補聴器の方が改善がよくなる傾向がある。

そして、ここからが重要なのですが、この検査で、〜65dBくらいまでであれば、補聴器で聞こえを補う方が効果が高くなりやすくなります。

聴力ベースでみた場合、数値としては、30〜40dBまで聞こえるようになると望ましい。しかし、聴力低下が大きいとここまで改善させることが、困難になる。

聴力ベースでみた場合、それなりに効果を感じる数値としては、30〜40dBまでになる。(▲は、補聴器ありの数値、△は補聴器なしの数値)しかし、聴力低下が大きいとここまで改善させることが、困難になる。

補聴器を装用して、それなりに聞こえを改善させる場合、上記の部分まで補聴器を装用して、改善させる必要があります。しかし、ここまで改善させられるのは、聴力が〜65dBくらいまでになります。それ以上に聴力が低下すると、ここまで改善させるのが困難になります。

重要なのは、補聴器は、聴力が重くなると重くなるほど、それに伴って聞こえの改善値が下がってしまうことです。

もしかしたら、このページをご覧になっている方の中には、医師に「補聴器はどうでしょうか?」と質問し、「補聴器は効果がない」と言われた方もいらっしゃるかもしれません。それは、聴力が重くなると改善値が低くなるため、何らか音は、聞こえるかもしれませんが、音声の聞き取りには役に立たないためです。

語音明瞭度測定の概要と補聴器で効果を望める数値

耳の世界には、もう一つ測定するものがあります。それが、語音明瞭度測定(ごおんめいりょうど測定)です。中には、語音弁別能検査という場合もありますが、どちらも意味は、同じになります。

こちらの測定は、あ、じ、き、などの一つの言葉を聞こえる音の大きさにした際、どのくらい音声が聞き取れるのか、という部分を調べる測定です。耳の場合、少し前に記載した通り、音が聞こえることと音声が理解できることは、別になりますので、このような測定もあります。

基本的に聴力検査をする部屋で行われることが多く

このように聞こえた通りに紙に記載し、どのくらい理解できるのかを調べていくものになります。

見方は、単純で、右耳が赤い○、左側が青い×で記されています。縦軸は、正解数で、ここが上にいくと行くほど、良い状態です。横軸は、音の強さを表しており、どのくらい音を大きくすると、正解率がよくなるのかを見れるようになっています。

パーセンテージ別、意味合い。聴覚医学会や一般的な知識的には、50%以上あれば補聴器の適正ありとみなせる。ただ、実際に改善している身としては、60%、できれば70%は、欲しい。というのも50%レベルだと、日常会話がしばしば理解できないレベルなので、理解できないことも多く感じやすい。

パーセンテージ別、意味合い。聴覚医学会や一般的な知識的には、50%以上あれば補聴器の適正ありとみなせる。ただ、実際に改善している身としては、60%、できれば70%は、欲しい。というのも50%レベルだと、日常会話がしばしば(多々)理解できないレベルなので、理解できないことも多く感じやすい。

ここからが重要ですが、測定して得られた数値の意味が、上記の通りになります。そして、補聴器の適合ですが、基本的に50%以上が適合になります。50%以下は、残念ながら、補聴器を装用しても、聞こえの効果が乏しくなってしまいます。

こちらの測定は、音を大きく入れることで、本当に聞きやすくなるのか?を調べる測定で、残念ながら音を大きく入れたとしても、理解度が上がらない場合は、補聴器を装用しても、理解度が上がらないケースが多いため、結果が低い場合は、補聴器の効果も望みにくくなります。

そして、この理解力は、残念ながら今現在、どのようにしてもあげることができません。もちろん補聴器を装用してもあげることはできません。

片耳難聴で補聴器で改善させるパターン

これらの理由により、片耳難聴で補聴器を使う場合、効果が得られやすいのは

  • 聴力は、中等度難聴まで
  • 明瞭度は、50%以上、できれば、70〜80%は欲しい

の二つを満たした場合になります。聴力は、重くなると重くなるほど、改善値が低くなり、聞こえを改善しにくくなりますし、明瞭度が低いと音は聞こえるけれども音声が全然わからない、となるためです。

なお、②は、実際に改善させている身として感じることになります。

どちらか一つでも欠ける場合は、クロス補聴器の方が、聞こえを改善できます。

クロス補聴器

クロス補聴器とは、聞こえる耳に補聴器をつけ、聞こえない耳側には、音の送信機をつけて使う機器です。

実物は、このようになります。見た目は、一般的な補聴器と変わりがありません。補聴器と送信機の2つがあって、初めて機能する機器です。

音を送る送信機と音を受信する補聴器があることで、聞きにくい側からくる音を聞こえる耳側へ常時転送することができます。

そして、聞こえる耳側は、耳を塞がないようにし、両方からの音を片側だけで聞こえるようにします。

形状もいくつかあり、組み合わせごとに効果が異なったりします。このような異なる組み合わせや

両耳とも耳あなのものもあります。クロスと書かれた方が転送用のもので、補聴器と書かれている方が聞こえる耳側に装用するものです。

こちらを使う方は、補聴器では、効果が見込めない方になります。具体的には

  • 聴力低下が大きい方(90dB以上)
  • 明瞭度が低い方(50%以下)
  • 音が歪んで聞こえる方

の3つです。この3点は、補聴器では補えないため、クロス補聴器で補ってあげると聞きにくさを改善しやすくなります。

もしかしたら、薄々、気が付いている方もいるかもしれないのですが、クロス補聴器は、一般の補聴器で改善できない片耳難聴の人のために作られました。

上記に記載させていただいた通り、一般的な補聴器は、聴力の低下が大きかったり、明瞭度が低下していると効果はほとんど出ません。

片耳難聴の方が困っていないのであればそこまでする必要はないのかもしれませんが、実際には、

  • 聞こえにくい側から話されると気がつかないことがある
  • 騒がしい中だと相手のお話がわからない
  • 会議やグループでお話する際、聞きにくくて話に参加できない

など、困るということを聞き、なんとか改善させる方法はないかということで、作られたのが、クロス補聴器です。

実は、昔からある技術だったのですが、今現在、通信機器の技術がどんどん上がってきており、そのおかげでクロス補聴器の性能も上がってきました。そこから、徐々に知られてきたのが、クロス補聴器になります。

片耳難聴を改善させるために必要のまとめ

さて、まとめていきます。こちらでお伝えしたかった重要なポイントは

  • 補聴器では補えない耳の状態がある
  • 耳の状態は、聴力検査や語音明瞭度測定によって理解することができる
  • クロス補聴器は、補聴器で耳を補えない方の要望から生まれた機器

の3つです。

基本的に、片耳のみ難聴の方を改善する場合、耳の状況を把握し、どのように補っていくのかを考えます。その際にポイントになるのは、聴力測定と語音明瞭度測定(必要があれば行い、耳の状況を把握していきます)の結果になります。そこから、補聴器で補った方がいいのか、クロス補聴器の方が良いのか、考えていくことになります。

内容が細かくなってしまい、どちらかというと販売員的な知識の方が多くなってしまいましたが、これが、片耳のみ難聴の方を改善させる際に必要な補聴器、耳、測定の知識です。

そして、聴力低下する症状別に改善方法をまとめたのがはじめに記載させていた片耳難聴になる5つの症状別、改善方法となります。

お客様の声と実際に改善させた症例

重要な部分は、すべて上記に記載させていただきました。しかし、上記の内容だけではわかりにくい部分もあるかと思います。そのため、実際に私自身が対応して改善した例に関しても記載しますので、参考にしてみてください。

各内容のリンク先に実際にどう考えて改善させていったのか、その部分も記載してみました。その部分も合わせて見るとより理解しやすいかもしれません。

生まれつき難聴で重度難聴のケース

こちらの方は、生まれつき左耳のみ難聴の方でした。補聴器では補えないレベルの聴力でしたので、クロス補聴器で改善を行いました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【車内で聞きやすく】生まれつき左側が聞こえない方、クロス補聴器で改善しました

幼い頃、ムンプス難聴になり重度難聴のケース

こちらの方は、幼少の頃、ムンプス難聴になってしまい、それ以降、右耳が失聴してしまったケースです。こちらも補聴器では補えないレベルの聴力でしたので、クロス補聴器で改善を行いました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【席を気にしなく】ムンプス難聴の方、クロス補聴器で改善しました

片耳、突発性難聴になり、かつもう片耳がメニエール病になった方のケース

こちらの方は、左耳が突発性難聴になった後に、右耳がメニエール病になってしまい、聞きにくくなってしまった方になります。

片耳のみ難聴の場合、このような複合型もあります。例えば、生まれつき片耳が聞こえにくい方で、年齢を重ねることで、聞こえが良い方も聞きにくくなる……という状態です。

こちらの方の場合は、クロス補聴器で補いつつ、最終的には、まだ聞こえやすい側の右側も補えるバイクロスという補聴器で補っていきました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:突発性難聴により聞きにくくなった方、バイクロス補聴器にて改善しました

突発性難聴になり、中等度難聴のケース

こちらの方は、左耳が突発性難聴になってしまい、治療を行なったのですが、残念ながら完治しなかった方になります。

耳の状況を調べてみると、明瞭度が悪いため、クロス補聴器で改善しました。実際には、補聴器で補ってみて、その聞こえの効果とクロス補聴器での効果を比較し、クロス補聴器で最終的に改善させていったケースです。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【聞きにくい側の音声が理解しやすく】突発性難聴、片耳中等度難聴の方をクロス補聴器にて改善しました

突発性難聴になり聴力低下したが、補聴器で改善させたケース

こちらは、突発性難聴により、左耳が聴力低下した方を補聴器で改善させたケースです。私のところは、一般のお店や病院で改善できなかった方が来ることが多いのですが、少なからず、このようなケースもあります。

突発性難聴になったのですが、耳の状況を調べてみると明瞭度があることがわかったため、聞こえにくくなった耳を直接補聴器で補い、聞こえを改善させました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【会議で聞きやすく】左側のみ中等度難聴(突発性難聴)の方の改善を行いました

突発性難聴で音が歪んで聞こえるケース

こちらの方も突発性難聴になってしまい、治療で完治しなかったケースです。上記のケースと異なるのは、日常生活上で聞きにくくなった耳に音が入ると音が歪んで聞こえてしまい、不快、異質に感じてしまう方でした。補聴器でとても補える状況ではなかったため、クロス補聴器で改善させたケースになります。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【音が歪む】突発性難聴の方、クロス補聴器で改善をしました

手術により耳が聞こえにくくなってしまったケース(聴神経腫瘍)

こちらは、聴神経腫瘍を取り除くため、手術を行い、残念ながら聴力を失ってしまったケースになります。耳の状況を調べてみると、右耳は全失聴の状況でしたので、クロス補聴器で改善させていきました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:聴神経腫瘍摘出により聞こえなくなった方、クロス補聴器で改善しました

外リンパ瘻により、聴力低下したケース

こちらは、右耳が外リンパ瘻になってしまい、その際に聴力低下してしまった方です。聴力の低下が非常に大きく、補聴器では補えない範囲なため、クロス補聴器で改善していきました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:聴神経腫瘍摘出により聞こえなくなった方、クロス補聴器で改善しました

改善例のまとめ

それぞれの実際の改善例に関しても記載してみました。実際の症例をみてみて、理解がより深まったのであれば幸いです。

なお、片耳難聴の改善症例に関しては片耳のみ難聴の症例改善集にまとめてあります。こちら以外のものも多くありますので、もっと知りたい場合は、ご参考にしてみてください。

片耳難聴関係なく全体の改善症例をみたい場合はお客様の症例紹介をご覧ください。補聴器での改善に関して知りたい場合は、こちらにまとめてあります。

改善に関するQ&A

Q、耳を治療中なのですが、補聴器相談をしても良いのでしょうか?聞きにくくなってしまい困っています。

誠に恐れ入ります。耳を治療中の場合は、まず治療に専念していただくことをオススメします。耳は治るに越したことはありませんし、治療できる可能性があるのであればそちらを優先されてください。

残念ながら治療ができないということがわかった段階でご相談するのが一番良い状態です。

Q、クロス補聴器に関して詳しく知りたいのですが、何かありますか?

クロス補聴器に関しては、【自分に合う?】クロス補聴器をしっかり理解するための4つのポイントにまとめています。こちらをご覧ください。

Q、私の場合、片耳が全く聞こえなく、かつ、聞こえている方も少し聞きにくいのですが、そのような場合でもクロス補聴器は、使えるのでしょうか?

その場合は、クロス補聴器か、もしくは、バイクロス補聴器かの2つに一つです。バイクロスとは、クロスのように聞こえない耳側は、まだ聞こえる耳側へ音を転送し、かつ、少し聞きにくくなっている耳側は、補聴器の役割をして、聞こえを補う補聴器です。

こちらについては両耳難聴でより片耳が聞こえにくい方に有効なバイクロス補聴器に記載しています。

Q、補聴器に関してもっと理解したいです

その場合は、補聴器で耳を改善させる手引書をどうぞ。こちらに基本的な内容は全部まとめています。

片耳難聴を補聴器で改善するまとめ

片耳難聴を補聴器で改善させる場合、大切なのは、耳の状況を把握することになります。そして、それぞれの状況に合わせた補い方をすることが何よりも重要になってきます。

少し難しい内容だったかもしれませんが「どの補聴器がオススメですか」とものを主体にするのではなく耳の状況をしっかり把握し、それぞれに合わせたやり方(合わせた補聴器)で改善する。というところが伝われば幸いです。改善を主体にするという事ですね。

そしてもし聞きにくさを感じており、お悩み中ならなるべく早めに改善させることをオススメします。悩んでいる間は、辛いですし、ずっとその状態が続くのは、すごくきついことです。

クロス補聴器や補聴器は、耳を治すことはできないものですが、その負担を和らげてくれる、改善することはできます。それらを試聴でも良いので経験され、ご自身にとってどうなのか。今のご自身の状況をよくすることだけを考えていきましょう。

その場合、相談先は、耳鼻咽喉科の補聴器外来か、もしくは、直接補聴器販売店に行くかになります。私のところで相談されても良いですし、他のところでも大丈夫です。扱っているところ、片耳難聴に関して理解されているところは少ないのは、申し訳ないのですが、やってくれるところはしっかりとしてくださいます。

私のところでは耳の状況を把握した後でどのように補うのが良いのかご説明し、それぞれ試聴機を用意して、気軽に試せるようにしています。耳の状況は一通り、こちらで測定できるようにしていますので、データがない方でもお引き受けしています。ご希望の方は、お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

ということで、少しでもお悩みの部分が改善に向かったのであれば幸いです。