【改善例付】片耳難聴を補聴器で改善させる必要な知識まとめ


片耳難聴になり、医師に相談するものの耳を治療できなかった場合は、補聴器で改善させるという方法があります。しかし、片耳のみ難聴のケースは、特殊なケースが多く、耳の状態をしっかり把握した上で改善を考えて行くことが何よりも重要になってきます。

片耳難聴の場合、改善させるには、

  • 聞こえにくい耳側にくる音を聞こえる耳側へ転送するクロス補聴器で改善させる
  • 聞こえにくくなった耳に直接、補聴器をつけ、その耳を改善させる

この二つの方法があります。しかし、これらは、耳の状況によって選び方が異なります。

私自身も日々、片耳のみ難聴の方からご相談を受けたりするのですが、耳の状況を把握した上で、改善(補聴器の選定)を行うことで

  • 聞きにくい側から話しかけられてもわかるように(気づくように)なった
  • 騒がしい中での会話もわかりやすくなった
  • 聞きにくいことにことによるポジション取りを気にしなくなった

など、声をいただけるようになりました。特に仕事場、職場で困ってしまうケースが多く、それらの場所で活用している方が多くいます。

今回、片耳のみ難聴の方からご相談いただくことが多いため、実際にどのように考えて改善していければ良いのか。という点に関して、余すことなく記載していきます。改善方法から選び方、そして、実際にどのように改善したのかのお客様の症例まで載せていきますので、お困りの方は、ご参考にしてみてください。

なお、耳の状態を診てもらったことがない場合は、まず初めに耳鼻咽喉科に行くことをお勧めします。こちらは、残念ながら診てもらったけれども改善できなかったケースに該当します。治療ができれば、そちらの方が聞こえの改善もできますので、診てもらったことがない場合は、まず診ていただくことをお勧めします。

目次

片耳難聴を補聴器で改善させる基本

まずは片耳難聴の耳の状況から、どのように耳を把握し、改善していければ良いのか。どんな改善の仕方があるのか。というところをまとめていくため

  • 片耳難聴になった場合の耳の状況
  • 耳の状況を理解する二つの検査
  • 補聴器で改善させる手段と合う補い方
  • 片耳難聴になる症状別、改善方法

の四つに分けて記載していきます。

片耳難聴になった場合の耳の状況

片耳難聴に限らず、基本的にどのような難聴も

  • 耳が治療できるなら治療する
  • できない場合、聞きにくさを改善させるなら補聴器で行う

という流れでよくしていきます。詳しくは、以下に記載するのですが、今現在の技術では、補聴器を装用しても耳が治るくらいまで改善させることはできません。そのため、改善度の優先順位順に最良の方法を取れるようにし、改善していきます。

しかし、耳鼻咽喉科にかかり、残念ながら治療ができなかった場合は、補聴器でなるべく聞きにくさを減らしていくことになります。

ここからが重要になるのですが、治療ができない難聴は、ほぼ感音性難聴になります。

耳の中の図。内耳は、耳の奥にあり、そこで音を感じ取って、脳に音情報を伝える役割がある。

耳の中の図。内耳は、耳の奥にあり、そこで音を感じ取って、脳に音情報を伝える役割がある。

感音性難聴とは、上記の内耳と呼ばれる部分に何らかの障害が発生し、聞きにくくなる難聴全般を言います。

内耳は、耳の中を通ってきた音を受け取り、脳が理解できる電気信号に変えて脳に音を伝える役割を担っています。この部分が悪化してしまうと、耳の中を通ってきた音をうまくキャッチできなかったり、うまく信号に変換できず、脳に音情報を送れなくなったりします。

すると

  • 音そのものが聞きにくい
  • 音声がわかりづらい

といった症状が起こりやすくなります。音が聞こえにくいがために音声が理解しづらくなるという部分もありますが、感音性難聴の場合、音量が適量でも、音声の聞きにくさを感じることが出てきます。

これが治療できなかった場合における片耳難聴の状況になります。

耳の状況を理解する二つの検査と補聴器の適正

片耳難聴の場合、補聴器で耳を改善していくには、耳の状況を把握することが何よりも重要になってきます。これは、耳の状況ごとに改善させる補い方が異なるためです。

先ほど感音性難聴は、

  • 音そのものが聞きにくくなる
  • 音声がわかりづらくなる

の二つがあると記載しました。この二つの症状は、人によって程度が異なります。そのため、耳の世界には

  1. どの音(周波数)がどのくらい聞こえにくいのか
  2. 音声の理解度は、どのくらいあるのか

の二つを調べられるようになっています。

そして、それぞれ

  1. 聴力検査
  2. 語音明瞭度測定(語音弁別能検査)

で調べることができ、耳の状況を把握することができます。

聴力検査

聴力検査の項目では

  • 聴力図(オージオグラム)の見方
  • 補聴器で効果が望める聴力範囲

の二つを記載していきます。

こちらをご覧になっている方の中には医師に「補聴器はどうでしょうか?」と質問し、「補聴器は効果ないですよ」と言われた経験があったり、実際に聞こえにくくなった耳に補聴器をつけても効果が得られなかった方がいるかもしれません。

その理由は、補聴器はどのような聴力の方でも補えるものではなく、ある一定の聴力レベルの方にしか、効果が望みにくいためです。

聴力図(オージオグラム)の見方

基本的には、

こちらが主な聴力図の見方。記号は、いくつかあるが、基本的には、○と×を基準にみる。それぞれの記号がどの周波数がどのくらい聞こえにくいかを表してくれるのが、この聴力図になる。

こちらが主な聴力図の見方。記号は、いくつかあるが、基本的には、○と×を基準にみる。それぞれの記号の位置でどの周波数がどのくらい聞こえにくいかを表してくれるのが、この聴力図になる。

こちらの通りになります。周波数(横軸)とそれぞれの音の強さ(縦軸)、この二つを組み合わせることで、どの音がどのくらい健聴の耳から聞こえづらくなっているのか。それを把握できるようにしたのが、このオージオグラムです。

こちらが主な聴力の分類。○と×の部分を計算してだすもの。なお、世界保健機関WHOを基準に作っている。

こちらが主な聴力の分類。○と×の部分を計算してだすもの。なお、世界保健機関WHOを基準に作っている。

聴力には、いくつかレベルがあり

  • 正常:0~24dB
  • 軽度難聴:25~49dB
  • 中等度難聴:50~69dB
  • 高度難聴:70~89dB
  • 重度難聴:90dB以上
  • ※世界保健機関WHO基準

と、それぞれ分かれています。

わかりにくい方用に図に記載すると、このようになる。数値を理解する場合は、それぞれの数値の意味を理解することが重要になってくる。

わかりにくい方用に図に記載すると、このようになる。数値を理解する場合は、それぞれの数値の意味を理解することが重要になってくる。

聞こえている方は、基本的に0~10dBで聞こえており、0~24dBまでは、聞きにくさをほとんど感じないため、正常の範囲内になります。それ以降になると聞きにくさを感じるようになりますので、難聴の分類になります。

補聴器で効果が望める範囲

結論から記載しますと

赤で囲まれた聴力範囲内になります。ここの部分に半分以上の数値が集まっていれば効果が望めることが多くなります。実際には「片耳難聴の方がもし補聴器を使うとしたら」という前提にたった場合になります。

まず今現在、片耳難聴の方に限ってお話ししますと、補聴器を装用して改善した方が良い聴力範囲は、40~70dBくらいまでになります。これよりも聴力が軽い場合は、現状改善できる数値より聴力の数値の方が良いため、改善できる幅が少なく、逆にこれ以上聴力が低下しますと、補聴器を装用することで、何かしら音を感じることはできるかもしれませんが、音声を聞き取る。という部分は難しくなってきます。

特に90dBくらいまで聴力が低下すると、基本的に補聴器を装用しても、聞こえるようになった感覚は、あまり感じません。音は入る感覚はあるのですが、音声が理解しやすくなるレベルまで改善させることが困難になりますので、聞こえの改善は、ほとんどできません。

聴力ベースでみた場合、数値としては、30〜40dBまで聞こえるようになると望ましい。しかし、聴力低下が大きいとここまで改善させることが、困難になる。

聴力ベースでみた場合、それなりに効果を感じる数値としては、30〜40dBまでになる。(▲は、補聴器ありの数値、△は補聴器なしの数値)しかし、聴力低下が大きいとここまで改善させることが、困難になる。

補聴器の世界には「補聴器を装用してどのくらい聞こえを改善できたか」を聴力ベースでみる測定があったりするのですが、補聴器でそれなりに効果を感じるようにするには、30~40dBくらいまで補聴器で聞こえるようにする必要があります。

補聴器は、聴力ごとに改善できる数値が異なる。聴力無視で、どの補聴器でも一律に改善ができるのであれば、補聴器でも改善できるかもしれないが、現実は、そうではない。つまり、耳の状況を把握しながら、どのように改善したら良いか。という思考が必要になる。

重要な事実は、補聴器は、聴力ごとに改善できる数値が異なるという事。仮に聴力関係なく、どの補聴器でも一律に改善ができるのであれば、補聴器でも改善できるかもしれないが、現実は、そうではない。つまり、耳の状況を把握しながら、どのように改善したら良いか。という思考が必要になる。

しかし、聴力低下が大きくなるとそこまで改善させることが困難になります。そのため、聴力低下が大きい方については、聞こえにくい側に補聴器をつけることは、推奨していません。効果が非常に望みにくいためです。

語音明瞭度測定(語音弁別能検査)

こちらでは、

  • 測定結果の見方
  • 測定結果と補聴器の適性判断

の二つに関して記載していきます。

片耳難聴で耳が治療できない場合、感音性難聴であることを記載しました。そのため、左右の耳別に仮に補聴器のように大きく音を聞かせた場合、どのように理解できるのか。を可視化する測定があります。それが語音明瞭度測定です。

語音明瞭度測定の見方

基本的には

このようになります。縦軸が正解数で横軸が音の大きさになります。

この測定は

聴力検査と同じ部屋で行われることが多く、あ、じ、きなど言葉を一つづつ流し、どのくらい理解できるか、正解できたかを調べる測定です。言葉を一つずつ流す理由は、単語だと想像できてしまうため、なるべく想像できないような単語そのもので調べていきます。簡単に言えば「ちゃんとその人の状態を把握できるようにする」これを行えるようにしています。

こちらを行うことで、感音性難聴の一つの症状である音声の理解度の低下レベルを調べることができます。

測定結果と補聴器の適性

補聴器の適性は、一番良い%が50%以上の場合になります(一般的な補聴器適合の見方の場合)。それぞれの%状況は、

パーセンテージ別、意味合い。聴覚医学会や一般的な知識的には、50%以上あれば補聴器の適正ありとみなせる。ただ、実際に改善している身としては、60%、できれば70%は、欲しい。というのも50%レベルだと、日常会話がしばしば理解できないレベルなので、理解できないことも多く感じやすい。

パーセンテージ別、意味合い。聴覚医学会や一般的な知識的には、50%以上あれば補聴器の適正ありとみなせる。ただ、実際に改善している身としては、60%、できれば70%は、欲しい。というのも50%レベルだと、日常会話がしばしば(多々)理解できないレベルなので、理解できないことも多く感じやすい。

この通りになります。

こちらは、左が健聴。右が軽度〜中等度難聴のレベルの測定例。右は、音を大きくする事で、どんどん理解力が上がっていることがわかる。

こちらは、左が健聴。右が軽度〜中等度難聴のレベルの測定例。右は、音を大きくする事で、どんどん理解力が上がっていることがわかる。

測定時、仮にこのような結果が得られた場合は、一番良い数値が90%ですので、補聴器の適性ありと見なせます。

こちらは、右側の聴力、中等度難聴くらいの方を測定した仮のデータ。音を大きくしているのに関わらず、思ったより、理解力が伸びていないのがわかる。なお、このようなケースは、正解数が低いという客観的な事実より、受けた本人が「全然わからない……」という主観事実の方が強く出やすい。受けてみてどう感じたかも実は、重要な判断基準になる。覚えておこう。

こちらは、右側の聴力、中等度難聴くらいの方を測定した仮のデータ。音を大きくしているのに関わらず、理解力が伸びていないのがわかる。なお、このようなケースは、正解数が低いという客観的な事実より、受けた本人が「全然わからない……」という主観事実の方が強く出やすい。受けてみてどう感じたかも実は、重要な判断基準になる。覚えておこう。

しかし、一番良い数値が25%だったら、たとえ聴力が補える範囲内でも、適合外になります。

この数値が低い場合、音を大きく入れても音声を聞きやすくすることが困難になります。そして、この理解度を補聴器であげることはできません。感音性難聴の障害部分になりますので、補聴器でどうこうできるものではありません。

この部分は、どちらかというと、この測定を実際にやってみるとよくわかります。語音明瞭度測定は、補聴器の効果を擬似的に体験できますので、音量が大きくなることで、音声が理解しやすくなるのか、そうでないのか。%の見方はありますが、それ以上に測定してみた体感の方がしっくりきます。

%が低い方は、音は適量なのに理解できない感覚が強く、%が高い方は、大きく入るとわかる感覚の方が強くなります。実際に改善を行なっている私自身も%と実際にやってみた体感(聞こえた感覚)で判断することが多いです。

片耳難聴を補聴器で改善させる手段と合う補い方

片耳難聴を改善させるには、

  • クロス補聴器で改善させる
  • 一般的な補聴器で改善させる

の二つがあります。上記には、補聴器の適性に関して記載しましたので、もしかしたらなんとなく想像ついている方も多いかもしれませんが、結論から記載しますと、クロス補聴器は

  • 聴力低下が大きいケース(90dB以上の聴力低下)
  • 音声の理解度が低いケース(50%以下)
  • 耳を補うと音が歪んで聞こえるケース

に適合し、一般的な補聴器は

  • 聴力は、軽度〜中等度難聴で明瞭度はできれば70%以上

のケースに合います。

ここからは実際に私自身が改善させてきて感じているところも含め、記載していきます。

クロス補聴器で改善させる

こちらは、クロス補聴器で改善させる知識として

  • クロス補聴器の基本
  • クロス補聴器が合う耳

の二つに関して記載していきます。

クロス補聴器の基本

クロス補聴器とは、聞こえない耳側にくる音を聞こえる耳側へ送り、聞こえを改善させる機器です。

実際のものは、このようになります。聞こえる耳側には補聴器を装用し、聞こえない耳側には、クロスと呼ばれる音の転送機をつけます。

このようにすることで、聞こえる耳側へ聞こえない耳側からの音が常時転送されるようになります。

聞こえる耳側は、聞きにくくならないように、このような耳せんをつけて、こちらからも聞こえるようにします。

片耳で聞こえない耳側の音も聞こえる側の音も聞こえるようにしたのが、クロス補聴器になります。

片耳難聴の場合、補聴器で補えないケース(聞こえない耳側に一般的な補聴器をつけても改善できないケース)が非常に多く、そのような方々をどのようにしたらよくできるのか。聞こえなくなった耳側に補聴器をつけても改善ができないのであれば、聞こえる耳側で聞こえない耳側の音を聞けば良いのではないかと逆転の発想をして作り出されたのが、こちらの機器です。

幸い今現在は、インターネットやスマートフォンのおかげで無線の技術が上がり、急激にクロス補聴器の聞こえや扱いやすさがよくなってきました。まさに時代の恩恵を受けて、徐々によくなってきた補聴器でもあります。

クロス補聴器が合う耳

結論で記載した通りですが

  • 聴力低下が大きいケース(90dB以上)
  • 音声の理解度が低いケース(50%以下)
  • 耳を補うと音が歪んで聞こえるケース

の三つです。

聴力低下が大きいケース

基本的に

このような聴力の方が該当します。よくみるのは

  • 生まれつき片耳難聴
  • 突発性難聴
  • ムンプス難聴
  • 手術の後遺症により失聴

の四つです。手術の後遺症というのは、聴神経腫瘍により、腫瘍摘出手術をせざるを得なく聴神経(内耳と脳を繋いでいる神経のこと。ここが傷ついてしまうと聞こえなくなります)、を傷つけてしまったケース(構造上、傷つけざるを得ないケースが非常に多い)になります。耳の病気の中には、このようなものもあります。

この四つに共通するのは、聴力低下した耳側がほぼ全く聞こえないことです。聴力低下が大きい場合(90dB以上)聞こえにくい耳に補聴器をつけても改善ができないため、クロス補聴器で改善させていきます。

こちらは、医師に「補聴器は効果がない」と言われやすい典型的なケースになります。

音声の理解度が低いケース

基本的に

音を大きくしても一定の理解力が得られない場合は、補聴器の効果が望みにくい。

音を大きくしても一定の理解力が得られない場合は、補聴器の効果が望みにくい。

このような理解度の方が該当します。よくみるのは

  • 突発性難聴

になります。

注意点は、たとえ聴力が補聴器で補える範囲内だとしても明瞭度が低い場合は、補聴器の効果が望めないことです。

このようなケースもクロス補聴器の方が状況をより改善できます。

判断のポイントは、語音明瞭度測定を行なった後の%とご自身で実際に測定を受けてみて、音を大きくすることで理解できそうか、これは難しい……と感じるか。この%と体感の二つで理解することです。

あくまでも私自身が改善を行なってきて理解していることですが、%が低い場合と体感は、ほぼ一致するため、二つの視点を持てると非常に良いですね。

耳を補うと音が歪んで聞こえるケース

片耳難聴の方の中には、聞こえにくい耳側に音が入ると歪んで聞こえる、不快に感じる。というケースが存在します。このようなケースは、

  • 突発性難聴

の方に今まで確認できています。元々聞こえにくい方というより、初めは聞こえていたけれども何らかの形で失聴したケースにみられます。

このような場合もクロス補聴器の方が改善できます。と言いますか、補聴器で聞こえにくい耳側を聞こえるようにすると、よりその不快感、歪んだ感覚が強くなってしまうため、クロス補聴器の方が無理なく改善ができます。

一般的な補聴器で改善させる

一般的な補聴器で改善させる知識として

  • 一般的な補聴器の基本
  • 一般的な補聴器で改善した方が良いケース

の二つに関して記載していきます。

一般的な補聴器の基本

基本的に聞こえなくなった耳側につけて改善させる方式を一般的な補聴器とこちらでは明記しています。

耳にかけて使用するタイプや

耳の中に入れて使用するタイプがあります。

どの補聴器もその耳を補う。という部分は共通する要素で、上記のように補聴器を装用して、元々の聞こえを改善させるのが、一般的な補聴器です。

一般的な補聴器で改善した方が良いケース

結論で記載した通り

  • 軽度難聴〜中等度難聴の範囲で明瞭度が良いケース

の一つになります。

聴力に関しては、このようになり

明瞭度は必ず上がる方ではないと補聴器ではまず効果は出ない。

明瞭度は必ず上がる方ではないと補聴器ではまず効果は出ない。

語音明瞭度測定の結果は、このようになります。

聴力検査と語音明瞭度測定の二つについて記載した際、補聴器の適性に関しても記載しました。それぞれ要約し、実際に補う場合を考えると、

  • 聴力は、軽度〜中等度難聴までの範囲
  • 明瞭度は、低いと効果がでず、60%、できれば70%は欲しい

となります。聴力は重くなると補えなくなりますし、明瞭度は、低くなるとなるほど、音はわかりますが、音声の理解ができなくなります。

そのため、この二つが合わさった時のみ有効です。今の所、みたことがある症状は

  • 生まれつき片耳難聴
  • 突発性難聴

の二つです。この二つは、たとえ病名が同じでも人によって耳の状況が大きく異なるので、実際には、ちゃんと耳の状況を把握した上で考えなければならないのですが、この二つのケースで、有効なケースをみています。

片耳難聴を補聴器で改善させる手段と合う補い方のまとめ

片耳のみ難聴の方は、状況が多彩にわたるため、耳の状況を把握した上で改善を行うことが重要です。クロス補聴器や一般的な補聴器もありますので、どれを選ぶかではなく、どう改善させたらもっともよくなるのかを考え、選択するのが一番良い方法です。

ものを主体に考えるのではなく、改善を主体に考える。といえばわかりやすいかもしれません。

片耳難聴になる症状別、改善方法

片耳難聴になる症状は、主に

  1. 生まれつき片耳難聴
  2. 突発性難聴
  3. ムンプス難聴
  4. 手術の後遺症

の四つになります。多いのは、①〜③になります。

それぞれどのような傾向があるのか。そこから改善方法に関して載せていきます。

こちらも私自身が実際に体験したケースをベースに記載していきます。

①生まれつき片耳難聴

生まれつきの片耳難聴の場合、多彩なケースがありますが、基本的に

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケース
  • 聴力は、軽度〜中等度で明瞭度は良いので補聴器で補うケース

の二極化する傾向があります。

聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケース

生まれつき片耳難聴で、聴力低下が大きいためにクロス補聴器で補うのは

生まれつき片耳のみ難聴で全く聞こえないケースは、ほとんどにおいて、こちらのように本当に全く聞こえていないケースが多い。

生まれつき片耳のみ難聴で全く聞こえないケースは、ほとんどにおいて、こちらのように本当に全く聞こえていないケースが多い。

このような聴力の場合です。まさに聞こえない側は、ほぼ何も聞こえない状態になります。この場合は、聞こえない耳側へ補聴器をつけても聞こえを改善できませんので、クロス補聴器で聞こえにくさをなるべく軽減していきます。

こちらに関しては、結構な頻度で見かけます。

聴力は、軽度〜中等度難聴で明瞭度は良いので補聴器で補うケース

こちらは、

片耳難聴でも軽度〜中等度難聴くらいの場合、意外に補聴器で補えるタイプをみる。難聴の程度としては、こちらくらいになる。

片耳難聴でも軽度〜中等度難聴くらいの場合、意外に補聴器で補えるタイプをみる。こちらは、あくまでも難聴の程度の例。実際には、様々な形の聴力が多い。

聴力的に軽度〜中等度難聴くらいの方に当てはまる内容です。

その場合、音声の理解度を調べ、クロス補聴器の方が良いのか、それともそのまま聞こえなくなった耳を補った方が良いのか。こちらを調べていくことになります。

軽度〜中等度難聴の方の明瞭度を調べてみると意外にあるケースがある。その場合は、補聴器でなるべく聞きにくくしていった方が良いケースが多い。ただ、聴力やこのパーセンテージによっては、クロスの方が良いケースもあるので、二つとも試してから決めるとより良くなったりする。

軽度〜中等度難聴の方の明瞭度を調べてみると意外にあるケースがある。その場合は、補聴器でなるべく聞きにくくしていった方が良いケースが多い。ただ、聴力やこのパーセンテージによっては、クロスの方が良いケースもあるので、二つとも試してから決めるとより良くなったりする。

気のせいかもしれませんが、調べてみますと、生まれつき難聴の方の場合、それなりに良い方が多いです。明瞭度が良い場合は、そのまま補聴器で補い、仮に悪かった場合は、クロス補聴器の方が聞こえを補えます。

生まれつき片耳難聴のケースのまとめ

今のところ多いのは、聴力低下が大きいためクロス補聴器で補うケースでしょうか。

その他、特徴として、他の症例では、軽度〜中等度難聴でも明瞭度(明瞭度は音声の理解度のことを表します)が悪いケースがあるのですが、生まれつき片耳難聴の場合は、意外に明瞭度があることが多いです。

ですので、耳の状況をしっかり把握し、どちらで補ったら良いのか。しっかり考える必要があるケースになります。

②突発性難聴

突発性難聴の耳の状況は、非常に多彩で耳の状況をしっかり確認することが何よりも重要になる症状です。

今のところ確認できているパターンは

  • 聴力低下が大きすぎるためクロス補聴器で補う
  • 軽度〜中等度の難聴だけれども明瞭度が低いためクロス補聴器で補う
  • 音が歪んで聞こえるため、クロス補聴器で補う
  • 軽度〜中等度難聴でかつ明瞭度が良いため補聴器で補う

の全パターンが確認できています。

聴力低下が大きすぎるためクロス補聴器で補う

こちらは、突発性難聴になり

突発性難聴により、聴力が低下した場合、いくつか考えられるパターンの一つ。全く聞こえないケースもよくみる。

突発性難聴により、聴力が低下した場合、いくつか考えられるパターンの一つ。全く聞こえないケースもよくみる。

このくらいまで聴力低下した方になります。このようなケースは、補聴器で聞こえにくくなった耳側を補うことができないため、クロス補聴器で補い、なるべく聞きにくさを減らしていきます。

軽度〜中等度の難聴だけれども明瞭度が低いためクロス補聴器で補う

こちらは、

意外に見るパターン。明瞭度が低い場合は、高域が大きく低下しているケースをよく見る。

意外に見るパターン。明瞭度が低い場合は、高域が大きく低下しているケースをよく見る。

聴力は、このくらいでも

明瞭度が低い場合は、クロス補聴器で補うのが良い。ただ、50%、60%くらいの場合、クロス補聴器か、一般の補聴器か、どちらが良いか、簡単でも良いので、試して見るとより判断はしやすくなる。

明瞭度が低い場合は、クロス補聴器で補うのが良い。低い場合は、聞こえにくい耳に音を入れても理解度が上がりづらく、聞こえるようになった感覚は、非常に感じにくい。

音声の理解度を調べてみると、このように低い場合が当てはまります。このような場合は、たとえ補聴器で補える聴力範囲内でも聞こえの改善がうまくできないため、クロス補聴器でなるべく聞きにくさを減らしていきます。

音が歪んで聞こえるため、クロス補聴器で補う

こちらは

歪んで音が聞こえるケースは、低い音は聞こえているが、高い音になるにつれ、大きく聴力低下しているケースに見ることがある。

歪んで音が聞こえるケースは、低い音は聞こえているが、高い音になるにつれ、大きく聴力低下しているケースに見ることがある。

聴力的に軽度〜中等度難聴くらいが多く、ただ、日常生活上の大きな音は響いて聞こえたり、聴力低下した耳側で音を聞くと不快感がある方になります。この場合は、クロス補聴器で改善した方が無理なくできます。

軽度〜中等度難聴でかつ明瞭度が良いため補聴器で補う

聴力の低下としては、

突発性難聴になっても明瞭度および、聴力低下の量がそこまで重くならないケースもある。

突発性難聴になっても明瞭度および、聴力低下の量がそこまで重くならないケースもある。

このくらいで、言葉の聞きやすさを調べる測定を行うと

明瞭度が良い場合は、そのまま補聴器を装用して聞こえを補う方が良いケースが多い。ただ、明瞭度が60%、70%くらいだと、クロスの方が改善できるというケースもあった。実際には、二つとも試してみて効果を見るのが良い方法にはなる。

明瞭度が良い場合は、そのまま補聴器を装用して聞こえを補う方が良いケースが多い。ただ、明瞭度が50%、60%くらいだと、クロスの方が改善できるというケースもあった。実際には、二つとも試してみて効果を見るのが良い方法にはなる。

のような結果がでた場合、聞こえる耳側に補聴器をつけ、改善させた方が良いケースが多くなります。

ただ、難しいのは、このようなケースでもたまにクロス補聴器の方が聞こえが良いというケースです。明瞭度が圧倒的に良いケース(90%〜100%など)は、補聴器の方がよくなることが増えるのですが、50%、60%と微妙なラインになってくると、クロス補聴器の方が良いというケースも出てきます。

境目はどうしても悩みやすく、実際に改善させる場合、クロス補聴器、一般的な補聴器の二つを試聴してみて、どのくらい改善するのかを見比べて、どちらが良いかを選択できると、できる限りの改善はできるようになります。

わからない場合は、実際に考えられる改善方法を実際に試し、かつ記録をつけて判断すると改善がしやすくなります。

突発性難聴の改善のまとめ

突発性難聴は、今現在確認されている急性疾患のどの疾患にも当てはまらず、かつ急性の難聴を突発性難聴と定義しています。そのため、様々なケースが当てはまるようになっています。

それに加え、突発性難聴の治療を行なった場合

  • 治療により完治が3割
  • 改善はできたけれども聞きにくさが残るのが3割
  • 全く改善できなかったケースが3割

など、予後も様々な状況ですので、非常に多彩にわたります。生まれつき片耳難聴と同じく、耳の状況をしっかりとみて、どのように改善していったら良いかを考えるのが何よりも重要になる症状です。

③ムンプス難聴

ムンプス難聴は、片耳のみ重い聴力低下であるケースが大半です。

ムンプス難聴は、高度の難聴を発するため、だいたい聴力そのものが大きく低下していることが多い。私も基本的に見るのは、このような大きく聴力が低下してしまったケースになる。

ムンプス難聴は、高度の難聴を発するため、だいたい聴力そのものが大きく低下していることが多い。私も基本的に見るのは、このような大きく聴力が低下してしまったケースになる。

私の方でも、このような聴力の方を多くみます。

そのため

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補う

というやり方で改善させていくのがベストです。

④手術の後遺症

手術の後遺症で聞こえにくくなったケースは、私が体験したのは、

  • 聴神経腫瘍で手術せざるを得なくなったケース

になります。こちらは、腫瘍摘出手術をしないと命に関わるものなため手術せざるを得ません。

いくつか症例をみたことがあるが、手術により、聴神経を切ってしまった場合、ほぼ聴力失聴となり、全く音を感じない状態になることが非常に多い。

いくつか症例をみたことがあるが、手術により、聴神経を切ってしまった場合、ほぼ聴力全失聴となり、全く音を感じない状態になることが非常に多い。

このようなケースで聴力低下する場合は、ほぼ全失聴することが多いため

  • 聴力低下が大きいためクロス補聴器で補う

で改善していきます。

片耳難聴になる症状別、改善方法のまとめ

基本的には、初めの方に記載した通り

  • 聴力検査
  • 場合によっては語音明瞭度測定

の結果により判断していきます。上記の内容は、実際に私が経験してきたことから、記載してみました。どの場合も基本的には、上記の二つの測定を行いつつ、耳の状況を確認し、どのように補ったらもっとも改善できるかを考えていくことが重要です。

傾向を見ることは、重要ですが、過信すると誤りが起こりやすくなります。ちゃんと確認することが何よりも重要です。

片耳難聴の聞きにくさとクロス補聴器の効果

ここからはさらに内容を進めていきます。片耳難聴のケースは、特殊なケースが多く、どちらかというと補聴器で聞こえない耳側を補うことができないことが多いです。

そのため以下の内容は、クロス補聴器について記載していきます。なお、片耳難聴を補聴器で補うケースを理解したい場合は、(ただいま製作中…しばらくお待ちください)をご覧ください。そして、以下の内容は、

このような聴力を想定して記載していきます。

片耳難聴の聞きにくさの状況

片耳難聴の場合、片耳が聞こえないことで

といった状況になりやすくなります。内容を並べてみますと

  1. 聞きにくい側からお呼びかけ、音が気がつきにくい
  2. 周囲が騒がしくなると聞きにくくなる
  3. 複数の肩とお話しする際に聞きにくいさを感じやすい
  4. 音の方向感覚がわからない

の四つです。

片耳のみ難聴になるとどうしても聞こえない側から話されたり、その方向からの音に気がつきにくくなってしまいます。そして、周囲が騒がしくなってくるほど、聞きにくさが強くなってしまい、困ってしまうことが増えてきます。

会議や打ち合わせなど、囲んでお話する際も聞きやすい耳側に人を集めることができればなんとか理解しやすくなるのですが、会社の状況、その時の状況次第では、それもできないこともあり、聞こえる時と聞きにくい時があったりします。

また、音の方向感覚がつかめなくなってしまうため、ものを落とした際にどこにいったかわかりづらかったり、後ろから自転車の音が聞こえた際、誤まって自転車のいる方へ避けてしまったりなど、ヒヤヒヤする部分もあったりします。

これらが片耳のみ難聴になると起こることです。

片耳難聴に対するクロス補聴器の効果

こちらに関しては、実際にクロス補聴器を使われているお客様からの評価、聞いたことをまとめていきます。

クロス補聴器で改善できること

クロス補聴器の効果は、まとめますと

このようになります。

①〜③は改善できるのですが、④だけ改善できず、以前と変わらない状態になります。そして、①〜③もそれぞれ効果が異なります。

あまり周囲が騒がしくない環境下であれば、聞きにくい側からの呼びかけ、音に関しては、結構わかるようになるようで、7〜8割くらい理解できることが多いようです。

騒がしい中での改善に関しては、周囲の騒がしさによって異なります。

  • ファミレスの中
  • 少し騒々しい職場(オフィス内の仕事環境)
  • 一般的な車の通りの道路

などは、6〜7割くらい理解しやすくなるようです。普段は、聞きにくい側に来られると少し騒々しくなるだけで理解しにくくなる傾向があるかと思いますが、理解のしやすさは、上がるという方が多いです。

しかし、かなり騒々しい中、例えば

  • 居酒屋の中
  • 地下鉄の電車の中
  • 工事現場付近での会話

などは、騒がしさのレベルが非常に強くなりますので、4〜5割ほどという評価が多いです。中には、そのような環境でも聞こえるという方もいるのですが、どちらかというと、聞こえる時もあれば、わかりにくい時もある。という状態の方が多いです。もしかしたら話し手によって変化するのかもしれません。

複数の方とのお話は、主に

  • 打ち合わせ
  • 会議
  • 食事の際に囲んでお話する時

などになります。こちらは、ごにょごにょ話す方は、まだ聞こえにくい傾向があるのですが、そうでない限り全体的によくなることが多いようです。

クロス補聴器で改善できないこと

これは、

  • 音の方向感覚

のみになります。

音の方向感覚は、二つの耳で聞いて、それぞれの耳に入ってくる(音を感じる)時間差で理解しているため、片耳で全ての音をきくクロス補聴器では、残念ながら改善させることができません。

この点だけ、補聴器の有無で変わらない点です。

クロス補聴器の形状別種類とその特徴

クロス補聴器には、いくつか組み合わせ、形状があります。その種類と特徴は

このようになります。

こちらが両耳とも耳かけタイプ

こちらが耳かけ補聴器、耳あなクロスのタイプ

こちらが両耳とも耳あな形を使うタイプです。

初めに結論を書いてしまいますと片耳のみ難聴の場合、

  • 両耳とも耳かけ形のクロス
  • 耳かけ補聴器、耳あなクロス

のどちらかを選ぶことになります。両耳とも耳あな形のタイプは、聞こえる耳側が聞きにくくなるという重大な欠点があるため、今現在の状況では、使用(購入)をオススメしていません。

両耳とも耳かけタイプ

初めに載せたのがこちらのタイプです。

耳の上に載せて使用するタイプで

ここから音を拾い、聞こえをよくしていきます。

このタイプの特徴ですが

  • 音を拾う範囲が最も広い
  • 耳を塞がないので、不快感がかなり少ない
  • 置く位置に何があり、髪の音などが入る

となります。

音を拾う範囲が最も広い

それぞれのクロス補聴器は、音を拾うマイクの位置が異なります。そのため、聞こえ方というのは、クロスごとに変化する状態です。

かなり大雑把になるのですが、耳かけ形の場合、耳の上に載せるせいか、音を拾う範囲が最も広いです。人の耳は、基本的に前方の音を中心に聞くようになっているのですが、耳かけ形は、全方向から音を感じるような感覚になります。

そのため

  • 会議
  • 打ち合わせ
  • 騒々しくないオフィスの中

などで改善がしやすくなります。片耳難聴の方で弱くなりやすい聞こえない側の後ろからの音も聞こえるようになるため、主にオフィスの中で仕事をする方に好まれる傾向があります。

上記のようなところでお悩みの方には、オススメです。

耳を塞がないので不快感がかなり少ない

こちら以外のタイプは、聞こえにくくなった耳側を塞ぐ必要があります。一部の聴力の方には、耳を塞ぐとこもった感覚やふさがった感覚が出ることがあります。それが、最も少ないのがこちらのタイプです。

聞こえにくくなった耳にもこのような耳せんを使用し、ふさがった感覚が出ないようにしています。

ただし、ふさがった感覚、こもった感覚は、〜中等度難聴くらいまでの方が出やすくなります。それ以上の聴力低下がある場合は、ほとんど感じなくなります。

置く位置に難があり、髪の音などが入る

耳かけ形のクロスは、耳の上に補聴器を載せます。補聴器には、音を拾うマイクが付いているのですが、その位置は、先ほどの通り

ここですね。この部分は、髪がマイクに当たったり、メガネをかけている場合、そのツルが補聴器に当たったりします。すると、その時の音がしたりします。

マイクがものに当たりやすい位置にあると、本来聞こえなくて良い音も聞こえるようになります。ただ、この感覚は、常になるということもなく、使っていると慣れてしまう方も多いものでもあります。

耳かけクロスのまとめ

私の方で耳かけクロスをオススメするケースは、

  • 会議で聞きにくさを感じやすい
  • 打ち合わせなどで聞きにくさを感じやすい
  • オフィスの中で仕事し、騒がしい中で仕事することが少ない

というケースには、オススメしています。この形状の利点は、音を拾う範囲が広いことです。騒々しくないところであれば、最大限、その利点を活かすことができます。

耳かけ補聴器、耳あなクロス

2番目に載せたタイプが、耳かけ補聴器、耳あなクロスの組み合わせになります。

補聴器は、耳にかけるのですが

クロスは、耳の中に入るようになります。クロスのマイクで主に音を拾いますので、人が本来している音の拾い方ができるのが大きな特徴です。人の耳は、後ろの音などは、前方と比べると聞きにくくして、主に前方を中心に聞くようにしています。

こちらの機器の特徴は

  • 騒がしい中での聞こえは、このタイプが一番評価が高い
  • 一部の聞こえなくていい音がしない
  • 電池の寿命が短い

の三つになります。

騒がしい中での聞こえは、このタイプが一番評価が高い

あくまでも消去法ですが、騒がしい中での聞こえは、このタイプが一番評価が高いです。

耳は、基本的に前方の音を中心にきくようになっています。かつ騒がしい中でもある程度、前方を意識して聞けるようにするため、後ろの音の入り方と前の音では、前からの音の方が優先的に入るようになっています。その耳の仕組みを利用できるせいか、耳かけクロスと耳かけ補聴器、耳かけクロスの二つを比較すると、まだ耳かけ補聴器、耳あなクロスの方が騒がしい中は、聞こえが良い評価が多いです。

耳かけ形クロスは、全方向から聞こえるというメリットがあるのですが、騒がしい中だと逆に拾いすぎて様々な音に邪魔されてしまい、聞きにくくなることが増えてきます。

一部の聞こえなくて良い音がしない

こちらの場合、マイクが

この位置にあります。耳かけ形のマイクは、耳の上にあるため髪の音やメガネのツルが当たった音などがするのですが、こちらの場合、音を拾う位置に当たるものがほとんどないため、そのような余計な音がしません。

そのぶん、快適でもあります。

電池の寿命が短い

聞こえを改善させる仕組み、仕様は、非常に良いのですが、電池の寿命が短いという欠点があります。

実際には、小さいタイプ、大きいタイプとあるのですが、

小さいタイプは、一つの電池で2〜4日くらいしか保ちません。※補聴器は、電池交換式になります。

その点が欠点になります。

耳かけ補聴器、耳あなクロスのまとめ

こちらのタイプをオススメするケースは、

  • 騒がしい中での聞き取りを最も重視するケース

になります。欠点もいくつかありますが、良いところも多いのが、こちらのタイプの特徴です。

両耳とも耳あな形のタイプ

最後がこちらの両耳とも耳あな形のタイプです。しかし、基本的に片耳のみ難聴の形には、オススメできません。

それは

  • 聞こえる耳側が聞こえにくくなりやすい
  • 自分の声が大きく、異なって聞こえる

の二つがあり、今現在、私の方からこのタイプを片耳難聴の方にオススメすることはありません。

これは、理論だけで決めたのではなく、実際に片耳のみ難聴の方に試した後で「これは現状とても使える状態ではない」と判断し、このようにしています。

聞こえる耳側が聞きにくくなりやすい

両耳とも耳あな形のタイプを使用する場合、聞こえる耳側も

このような耳あな形を使用します。耳あな形は、耳の中に必要な部品すべて詰め込むため、形状上、小さくすることがかなり難しい状態です。

上記のように穴をあけ、聞こえるようにしてみたこともあったのですが、聞きにくさを軽減することはできませんでした。

実際に作って試した結果、以前なら聞こえていた少し小さい声の方、あまりはっきり話さない方の声が余計に聞きにくくなり、マイナスの部分が強く出てしまいました。

自分の声が大きく異なって聞こえる

耳の中を何かで詰めると、自分の声が大きく感じたり、内側で響くような感覚になります。手のひらで耳全体を覆っていただき、声を出してみると、大きく聞こえるように、その感覚が常につきまとうようになります。

プラスして、耳あな形の場合、耳のすぐそばにマイクがあるため、自分の声も大きく聞こえやすくなります。

特に聞こえる耳側に耳あな形の補聴器をつけるとその感覚を強く感じるケースが多くあります。

両耳とも耳あな形のタイプのまとめ

こちらの場合、特に聞こえる耳側が聞こえにくくなるという欠点が強く出てしまうため、あまりオススメしておりません。そして、自分の声が大きく異なって聞こえる部分に関しても強く感じてしまうため、非常に使いづらいクロス補聴器です。

二つのダブルパンチで、あまりオススメできないのが両耳とも耳あな形のクロスになります。

クロス補聴器の形状別種類のまとめとの性能

片耳難聴でクロス補聴器を選ぶ場合、これらの種類があります。そして記載した通り、実質

  • 両耳とも耳かけ形のクロス
  • 耳かけ補聴器、耳あなクロス

のどちらかを選ぶことになります。それぞれ最も改善したいところ、困っている部分から決めるのがいいでしょう。とはいえ初めはわかりにくいかと思いますので、実際に試してみて決めると、それぞれの特徴を理解しながら選択できるため、わかりやすくなります。

なお、実際に選ぶ要素は

  • 形状
  • 性能

の二つがあります。クロス補聴器の性能に関して知りたい場合は、「クロス補聴器に搭載されている性能と基本の3要素」をどうぞ。性能も大切ですが、クロス補聴器の場合、形状の方が大きな改善要素を持ちます。そのため、こちらを優先的に記載しました。

お客様の声と実際に改善させた症例

重要な部分は、すべて上記に記載させていただきました。しかし、上記の内容だけではわかりにくい部分もあるかと思います。そのため、実際に私自身が対応して改善した例に関しても記載しますので、そちらをご覧になってより理解を深められれば幸いです。

各内容のリンク先に実際にどう考えて改善させていったのか、その部分も記載してみましたのでご参考にしてみてください。

生まれつき難聴で重度難聴のケース

こちらの方は、生まれつき片耳のみ難聴の方です。補聴器では補えないレベルの聴力でしたので、クロス補聴器で改善を行いました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【車内で聞きやすく】生まれつき左側が聞こえない方、クロス補聴器で改善しました

幼い頃、ムンプス難聴になり重度難聴のケース

こちらの方は、幼少の頃、ムンプス難聴になってしまい、それ以降、耳が失聴してしまったケースです。こちらも補聴器では補えないレベルの聴力でしたので、クロス補聴器で改善を行いました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【席を気にしなく】ムンプス難聴の方、クロス補聴器で改善しました

突発性難聴になり、中等度難聴のケース

こちらの方は、突発性難聴になってしまい、治療を行なったのですが、残念ながら完治しなかった方になります。

耳の状況を調べてみると、明瞭度が悪いため、クロス補聴器で改善しました。実際には、補聴器で補ってみて、その聞こえの効果とクロス補聴器での効果を比較し、クロス補聴器で最終的に改善させていったケースです。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【聞きにくい側の音声が理解しやすく】突発性難聴、片耳中等度難聴の方をクロス補聴器にて改善しました

突発性難聴で音が歪んで聞こえるケース

こちらの方も突発性難聴になってしまい、治療で完治しなかったケースです。上記のケースと異なるのは、日常生活上で聞きにくくなった耳に音が入ると音が歪んで聞こえてしまい、不快、異質に感じてしまう方でした。補聴器でとても補える状況ではなかったため、クロス補聴器で改善させたケースになります。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【音が歪む】突発性難聴の方、クロス補聴器で改善をしました

手術により耳が聞こえにくくなってしまったケース

こちらは、聴神経腫瘍を取り除くため、手術を行い、聴力を失ってしまったケースになります。耳の状況を調べてみると、全失聴の状況でしたので、クロス補聴器で改善させいていきました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:聴神経腫瘍摘出により聞こえなくなった方、クロス補聴器で改善しました

突発性難聴になり聴力低下したが、補聴器で改善させたケース

こちらは、突発性難聴により、聴力低下した方を補聴器で改善させたケースです。私のところは、一般のお店や病院で改善できなかった方が来ることが多いのですが、少なからず、このようなケースもあります。

突発性難聴になったのですが、耳の状況を調べてみると明瞭度があることがわかったため、聞こえにくくなった耳を直接補聴器で補い、聞こえを改善させました。

どのようなところでお困りでしたか?

補聴器で改善してみていかがでしょうか

このお店で購入(相談)したのはなぜですか?

実際のアンケート

実際の改善例:【会議で聞きやすく】左側のみ中等度難聴(突発性難聴)の方の改善を行いました

改善例のまとめ

それぞれの実際の改善例に関しても記載してみました。実際の症例をみてみて、理解がより深まったのであれば幸いです。

なお、片耳難聴の改善例に関しては片耳のみ難聴の症例改善集にまとめてあります。こちら以外のものも多くありますので、もっと知りたい場合は、ご参考にどうぞ。

片耳難聴関係なく全体の改善症例をみたい場合はお客様の症例紹介をご覧ください。補聴器での改善に関して知りたい場合は、こちらにまとめてあります。

よくいただく質問のQ&A

Q、耳を治療中なのですが、補聴器相談をしても良いのでしょうか?聞きにくくなってしまい困っています。

誠に恐れ入ります。耳を治療中の場合は、まず治療に専念していただくことをオススメします。耳は治るに越したことはありませんし、治療できる可能性があるのであればそちらを優先されてください。

残念ながら治療ができないということがわかった段階でご相談するのが一番良い状態です。

Q、クロス補聴器は、聞こえる耳側を悪化させることはないのでしょうか?

結論から記載しますと、今のところ、聞こえにくくなったケースは、ありません。しかし、今まで以上に聞こえる耳側へ音が入るため、負担がかかることは、間違いございません。

補聴器に関しては、必要以上に大きな音は入れないようにしています。そのため、負担はかかることはたしかなのですが、必要以上に大きく入れないようにもし、同時に耳を保護するようにもしています。

このようにして、聞こえを改善させることと耳を保護すること、この二つを両立させています。

Q、クロス補聴器はどのくらいするのでしょうか?

お値段に関しては、クロス側、補聴器側の二つが必要になるため、282,600〜644,200円まで幅広くあります。私のところででる価格帯は、20万台後半から30万円台が多いです。

Q、クロス補聴器は、保証期間などあるのでしょうか?

クロス側は、1年間の保証期間、補聴器側は、2年間の保証期間があります。この間に故障した場合は、無償で修理になります。

Q、クロス補聴器の耐久年数は、どのくらいなのでしょうか?

一般的な補聴器もクロス補聴器も変わらないのですが、約5年になります。とはいえ人によって異なるのが大半で、良い補聴器が出たということで買い換える方は、2〜3年くらいの頻度で買い換え、長く使う方は、5〜7年くらい使うケースもあります。

実際には、手入れなども影響してくるため、一概には言えないのですが、このようになります。それを平均にすると、約5年くらいになります。

Q、クロス補聴器には、いつくか組み合わせがあるようですが、どちらの方が多いのでしょうか?

あくまでも私のところですと、

  • 耳かけ補聴器、耳あなクロス:6
  • 両耳とも耳かけクロス:4

で耳かけ補聴器、耳あなクロスの方が多い状況です。しかし、人によって聞こえを改善させたい場所、状況が異なりますので、ご自身の状況をもっとも改善できるのはどちらかを考えながら、試聴したり、体験してみて選択するのが良いかと思います。

Q、補聴器に関してもっと理解したいです

その場合は、補聴器で耳を改善させる手引書をどうぞ。こちらに基本的な内容は全部載せています。

片耳難聴を補聴器で改善するまとめ

片耳難聴を補聴器で改善させる場合、大切なのは、耳の状況を把握することになります。そして、それぞれの状況に合わせた補い方をすることが何よりも重要になってきます。

片耳のみ難聴のケースは、特殊なケースが多く、それぞれの耳の状況を理解しないと最大限聞きにくさを改善させることが難しくなってしまいます。実際に現場で改善を行なっている私自身は、それを強く感じます。

少し難しい内容だったかもしれませんが「どの補聴器がオススメですか」とものを主体にするのではなく耳の状況をしっかり把握し、それぞれに合わせたやり方(合わせた補聴器)で改善する。というところが伝われば幸いです。改善を主体にするという事ですね。

そしてもし聞きにくさを感じており、お悩み中ならなるべく早めに改善させることをオススメします。悩んでいる間は、辛いですし、ずっとその状態が続くのは、すごくきついことです。

クロス補聴器や補聴器は、耳を治すことはできないものですが、その負担を和らげてくれる、改善することはできます。それらを試聴でも良いので経験され、ご自身にとってどうなのか。今のご自身の状況をよくすることだけを考えていきましょう。

その場合、相談先は、耳鼻咽喉科の補聴器外来か、もしくは、直接補聴器販売店に行くかになります。私のところで相談されても良いですし、他のところでも大丈夫です。扱っているところ、片耳難聴に関して理解されているところは少ないのは、申し訳ないのですが、やってくれるところはしっかりとしてくださいます。

私のところでは耳の状況を把握した後でどのように補うのが良いのかご説明し、それぞれ試聴機を用意して、気軽に試せるようにしています。耳の状況は一通り、こちらで測定できるようにしていますので、データがない方でもお引き受けしています。ご希望の方は、お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

ということで、少しでもお悩みの部分が改善に向かったのであれば幸いです。