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東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

難聴の子に必要なセーフティネットという考え

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子どもが難聴だった場合、何をしてあげるのが一番良いことだろうと自分なりに考えてみました。よく出てくる支援方法としては、良い補聴器を購入する事、良く聞こえるようにさせてあげる事、これらです。しかし、個人的には、違う解釈をしています。

私がたどり着いた答えは、その子自身を受け入れてくれる環境づくりの方法を教えてあげる事です。どんなに良い補聴器でも、どんなに高い補聴器でも、現在の技術では、完全に聞こえるようにする事ができません。それであれば、難聴の本質であるコミュニケーション障害が出やすくなってしまいます。

私自身が思ったのは、このコミュニケーション障害をどのようにしたら、より少なくできるか……これを子どもに教える事です。

今回は、難聴の子ども達に必要なセーフティネットの重要性について、考えていきます。

難聴の本質は、コミュニケーション障害

問題の元となるのは、難聴の本質であるコミュニケーション障害です。こちらは、読んで字の如く、コミュニケーションに障害が起こる事を指します。

難聴の場合、聞こえにくい事で、聞き間違えてしまったり、聞かれた事に対し、変に答えてしまう事が考えられます。これらを繰り返してしまいますと、「ちゃんと聞いてくれない」「聞く気がない」と相手に思われかねません。何度もえ?え?などと聞き返してしまうと相手に鬱陶しく思われる可能性もあります。

また、音が聞こえにくいことに関しては、

  • 呼ばれたことに気が付かない
  • 不快な音を周囲に聞かせてしまう

これらの事も考えられます。不快な音に関しては、シャープペンのカチカチする音を聞かせたり、貧乏ゆすりのカタカタ鳴らす他、ドアを音の大きさ気にせず閉めずにしたり、声を大きくしてしまう事が考えられます。

自分自身の聞き取りが悪いと音の大きさに関して理解しにくいため、相手にとって不快に思う音を平気で出してしまう可能性もあります。こんなことをされてしまったら、相手がどのように感じるかはあらかた想像がつくでしょう。

音が聞こえにくいという状況は、マナーが欠けてしまう可能性を秘めています。二つに共通する概念は、マナーを欠いてしまう行為です。一部、子どもだから仕方ないと考えられる部分もありますが、それでもマナーを欠く行為の一つであることは変わりありません。

このような事を繰り返されたら周りの子はどのように思うのでしょうか。少なくとも良い印象はもたれません。難聴の子は、わざとこのようなことをしているわけではないのですが、このような事を相手にしてしまう危険性を伝える必要があります。早々から、このように思われる危険性について、難聴の子は知っておく必要があると、私は考えています。

難聴の本質であるコミュニケーション障害とは、周囲から誤解を受けやすくなる障害です。まず、この点を理解をする必要があります。

コミュニケーション障害を防ぐ

では、コミュニケーション障害を防ぐには、どのようにしたら良いのでしょうか。これらを深く理解するには、二つのカギが必要です。

そのカギは、

  • 自分の事を説明する事
  • 自分の状況を理解させる事

の二つです。この二つが合わさって、初めてコミュニケーション障害を軽減できます。

自分の事を説明する事

こちらは、上記のような状況を作り出さないようにセーフティネットを作る方法となります。難聴の本質は、コミュニケーション障害です。自分のことを説明する事によって、周囲からの誤解を軽減することができます。

難聴について話すのは恥ずかしいと感じたり、相手に強要させるように感じてしまい、嫌な印象を持つかもしれません。しかし、コミュニケーション障害であることを考えるとそのようなことはありません。

仮にですが、聞こえる子と難聴の子のお友達同士でお話していたとしましょう。難聴の子は、うまく聞き取れず、変に回答したり、え?っと聞き返したとします。するとお友達はむっとしてしまいました。この際、お話しているお友達がイライラしたり、むっと感じてしまうのは、自分の話しをなぜ聞いてくれていないのか、という思考から来ることが多くなります。

では、難聴の子は聞く気が無いからそう回答してしまったかといえば、そのような事はありません。どうしても聞き取りにくいことがあったり、変に聞き間違えてしまって、そのように回答してしまっただけになります。ということは、これらは誤解によって起こっていると考えられます。難聴である事、しっかりと聞き取れず変に回答してしまう事を予め話しておけば、どのように変わるでしょうか。恐らく上記のように、むっとされてしまう事は少なくなるのではないでしょうか。

先ほどの子に「耳が悪くて聞き間違えたり、聞き返したりするんだ。でもお話を聞いていないわけではないよ」と予め話されていれば、変に返答しても「聞こえなかったのかな?聞き間違えちゃったのかな?」と理解してくれる可能性があります。さらにその子にとっては、「しっかりとお話は聞いていますよ」というメッセージを送る事にもなります。話しを聞いていないと思われる可能性が減れば、トラブルは少なくなります。それは、お話してくれるお友達にとっても、難聴の子にとっても、どちらにとっても良いことになります。

全ての原因は、誤解によるものです。この誤解を取り除いてくれるのが、自分の体の事を話す事です。これらは、決して相手に強要したりするものではありません。むしろ、そのような誤解を相手に与えてしまい、誤解によって相手を不快にさせない行為となります。

すなわち自分の体の事を話す事は、相手を気遣う行為であり、自分自身を守る行為でもあります。この二つの側面を持ってるのが、自分の体の事を話す事です。

自分の状況を理解させる事

難聴の事を自分自身で理解する事も重要です。聞こえにくいという事は、適切な物音の大きさもわからない事にも繋がります。音の大きさがわからなければ、知らず知らずに大きな音を聞かせてしまい、周囲の方々を不快にさせてしまう危険性をもっています。これは、非常に恨みを買いやすい行動ですので、しっかりと理解しなければなりません。難聴である事は、このように不快な音を相手に聞かせてしまう可能性を自分は持っていると理解する必要があります。

もし、これらがないとどのようになってしまうのでしょうか。恐らく鬱陶しい人、やかましい人と勘違いされてもおかしくありません。うるさくしたり、気になる音を平気で出してしまっては、仲良くなりたいと思う子は少なくなってしまいます。周囲から避けられないためにも、最低限のマナーは、子どもの内から身につけていく必要があると私は考えています。

重要なのは、こちらに関しても勘違いによるものです。難聴の子が意図してそのようにしているのではなく、聞こえないがために、そのようにしているという事です。

それであれば、普段から気が付いた時に周囲が教えてあげる事が必要になります。聞こえないでそうなっているのであれば、聞こえにくい事で相手を不快にしてしまっている可能性を難聴の子に説明し、音について気をつけていけば、コミュニケーション障害を軽減できます。

難聴の子も意図して相手を不快にしたいと思う子は、ほとんどいないでしょう。「自分がされたら嫌だと思う事は、相手にしないようにしようね」と応援しつつ、音について学んでいければ良いと考えています。

自分の難聴を説明するには

上記では、難聴を自分で説明する事についてのメリットについて記載してみました。

では、どのように自分自身の難聴について説明すれば良いのでしょうか。ここは、正解がない部分でもあります。そのため、私自身がやっていた事を記載していきます。あくまでも私自身がやっていた事になりますので、正解ではありません。他に有効な方法があれば、そちらでも良いでしょう。

私がやっていたのは、「耳の聞こえが悪いです。聞きにくくて、呼ばれた時にわからなかったり、変に話しちゃう事があります。でも、わざとはしていません」このようにお友達から話していました。話していたのは、小学校低学年の頃からだったと思います。小学校では、両親が難聴である事を言っていましたが、これで解決したのは、席が前になるだけでした。お友達同士での会話は、改善できません。そのため、良くお話する子には、小さい頃から自分で話していました。

それらを繰り返し、小学校4年生でクラス替えをした際、自己紹介という事で、自分の耳の事をクラスメイト全員の前で話した事があります。非常に緊張していたので、今でも記憶に残っています。

初めて一緒になる子もいましたが、元々同じクラスの子もおり、たまにその子が説明してくれる時もありました。今考えれば、非常にありがたい存在でした。

自分の経験を振り返ってみると、自分の事を説明するのは、まず個人に説明し、その後、全体に関して説明しています。個人に説明し続ける事で、自分の説明に自信を持ち、全体に説明できたのだと考えています。0に小さな1を足し続けて、少しずつできるようにしたという事になります。何事もしたい事はすぐにできるようになりません。したいと思うなら、練習も必要になると考えています。

恥ずかしい気持ちもあるかもしれませんが説明する事によって、徐々に薄れてきます。ここは、回数をこなして慣れていくしかありません。お話しあるのみになります。

あとがき

難聴の子に対して重要な事を考えてみました。個人的思考としては、やはり難聴の事を話せる事が生活上、非常に重要なウエイトを占めると思っています。どうしても誤解されやすいからこそ、説明の必要があります。こちらは、難聴に関する事ですので、子ども、成人同様です。

自分でセーフティネットを作るという意味でも、自分自身で話せる様になる事が非常に重要だと考えています。そして、この考えの中で最も重要なのは、相手を思いやる事です。

相手に対し、無視したり、適当に返事ばかりしてしまっては、相手の方も嫌になってしまいます。相手の立場になって考えるとどのようにしたら良いかも自ずと答えが出てきます。予め難聴について自分から話すというのも相手を傷つけない行為です。

誰でも無視されたり、変に言い返されたりしたら、悲しいものです。それも無意識にしてしまっては、周囲に人がいなくなるのは、目に見えた結果でしょう。自分の事を考えるのではなく、相手の事を考えて行動すると環境は自ずと良くなっていきます。

これらの内容で、少しでも環境が改善されれば、幸いです。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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