2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

グループ会話をテキスト化するアプリ登場

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最近、この手のものが増えてきましたね。今回は、グループ会話を音声テキスト化するアプリです。

現在、INDIEGOGOというクラウドファンディングサイトで、支援金を募っているところです。

Transcense(トランスセンセ?)という会社が開発しており、開発段階ではありますが、その実態を覗かせてくれます。

Transcenseが開発するアプリ

動画は、こちらです。

こちらの最大の特徴は、グループ会話を音声テキスト化するところです。

transcense
※Indiegogoより引用

英語で記載されていますが、何となくイメージが湧きますね。

それぞれのディバイスから、音声が入力され、翻訳した内容を耳の聞こえにくい方に送ります。

しかし、絵の通り、それぞれが音声入力用のマイクが必要です。この場合は、スマートフォンとなっています。スマートフォンから入力された音声が会社のプラットフォームを経由して、翻訳利用者の元にいくようになっています。

難聴者にとって、一対一でお話する事は、さほど難しい事ではありません。しかし、対象が複数になると、動画の通り、難しくなります。補聴器を装用したとしても聞き取りには限界があるため、複数の方とお話するのは、難しい問題とされてきました。その問題に真っ向から取り組んだアプリと言えます。

動画を見る限り、性能は凄そうです。多くの人とお話していても次々と翻訳してディバイスに映し出しています。現在、スマートフォンの性能は、日々凄い勢いで進化しつつあります。仮に通訳スピードが遅くても、そのうち解決される問題と見ることもできるでしょう。

現在、音声をテキスト化するアプリ開発が過熱しつつあります。

他のアプリと違う点は

こちらのブログでは、他に、Google Glassで音声をテキスト化するCaptioning on glass、電話の音声をテキスト化するRoger Voiceについても記載しています。

これらの違いとして、Captioning on glassは、一人の人と会話するように作られています。基本的には、Transcenseと同じようなシステムです。音声入力マイクとして、スマートフォンを使用し、入力された音声をテキスト化したうえで、Google Glassに出します。

Roger Voiceは、アプリを起動させた上で、電話する事で音声をテキスト化するようになっています。電話音声テキスト化サービスとも言えますね。

これらが異なります。

Transdenseを含めた三つのサービスは、不思議にもかぶらない領域ですね。

リンク:音声をリアルタイムで翻訳するCaptioning on Glass

リンク:電話の音声をテキスト化するアプリRoger Voice、その可能性は

ビジネスモデルの構築

このアプリは、使用量を取る形式の様です。年間360ドルで使用できます。私が市場価格を知らないせいか、かなり強気な印象を受けます。年間360ドルですと、1ドル100円換算すれば、年間36,000円です。月3000円もかかります。手話通訳を雇うより、気軽で安いのはわかりますが、かなり強気な印象を受けますね。

動画のストーリー、使用条件を考えるとご年配の方ではなく、若者向けの内容です。今後、スマートフォンが更に普及されれば、ご年配の方でも使用できる時代が来るかもしれません。

普及までの壁

このアプリの欠点は、話し手に音声入力可能なディバイスを手に持ってお話してもらう事と、そのディバイスを自分で持参する必要がある事です。

一番の壁は、ディバイスを手に持ってお話してもらう事でしょう。

現在、補聴器の世界には、FM機器、または、Rogerと呼ばれる通信機器があります。この通信機器を使うとマイクから入力された音声が直接補聴器に入ってくる優れものです。しかし、すごく聞こえる様になる反面、話し手にマイクをつけて話しかけてもらわなければ使用できません。主に児童に対して使われ、学校などの学習面で使用されている通信機器です。

※FM機器に関しては、こちらをご覧下さい

リンク:難聴児の聞こえを改善させるFM機器、Rogerとは

学校という非常に協力を得やすい環境でも「お願いするのが億劫だ」「気が引ける」という意見もあり、使用できない子ども達もいます。

使用する相手側にしても、「なぜこんな物を使用しなければならないのか」と少なからず感じている方もいらっしゃると思います。

この傾向は、大人になると躊躇に出ます。FM機器、Roger通信機器は、子ども向けの商品ではありません。聴覚障害を楽にする商品です。この機器の対象者は、大人、子ども関係なく、聴覚障害を抱えた全ての方になります。しかし、現状として、大人の方でこの機器を使っている方は、非常に少ないです。使いこなしている方に関しては、ごく稀くらいに少なくなります。

ここに隠されている問題は、協力してもらえる、協力していただける環境です。この環境作りをしなければ、FM機器、Roger通信機器は、使用できません。このアプリも同様であり、環境づくりが必要になると考えられます。

現在、非常に協力を得やすい環境である子ども達ですら、使用できない子が居る中、大人の方々がよろこんで協力してくれる姿は、正直私には想像できません。現に、通信機器に関しては、効果はあるものの協力を得られないがために使用できない大人の方は多くいらっしゃいます。

協力して使用してくれる環境づくりが普及する上での最大の壁になります。

なお、ディバイスを持参する事に関しては、そう難しい事ではないと思います。

現在、20代~30代はともかく、50代の方でも、スマートフォンを使用する割合が増えてきました。時代は、一人につき、一つのスマートフォンになりつつあります。今後、この傾向は更に進む事が考えられます。もちろんこちらに関しては、日本の事ですので、海外事情はわかりません。しかし、世界は明らかに一人につき、一つのスマートフォンを持つ時代になりつつあるように感じています。

協力しやすい環境づくりをどのようにするかでこのサービスが普及するか、そうでないかが分かれます。今後どのように展開していくかは、楽しみですね。

あとがき

Transcenseについて記載してみました。補聴器に使用する機器であるFM機器、Roger機器に関しては、日本の現状による記述ですので、海外では当てはまらないかもしれません。しかし、実際に使用するなら気軽に使ってもらえるような関係作りは大切ですね。会話ができる方は、使用しなくてよいアプリですから、相手に負担を与えてしまっているのは、事実です。

次々と音声をテキスト化するアプリが開発されつつあります。しかし、ここまでで出切ってしまったようにも思えます。今後、どのようなものが出てくるのでしょうか。今後もまた、新しい物が出てきてくれると嬉しいですね。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:音声をリアルタイムで翻訳するCaptioning on Glass

リンク:遂に登場!?電話の音声をテキスト化してくれる字幕付き電話

リンク:スマートフォンによって聴覚業界も変わろうとしている

リンク:リアナ・ウェン氏の動画を見て思う補聴器業界の未来のあり方

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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