2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

中等度難聴を補聴器でできる限り改善させる方法


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中等度難聴とは、平均聴力が50〜70dBの間にくる聴力で、このあたりから聞きにくさを感じ、仕事で支障が出たり、日常生活がしにくくなります。困ることが増えることから、補聴器を装用する方が多いのもこの聴力くらいからです。

そこで、こちらでは、補聴器の販売をしており、かつ私自身が中等度の難聴で補聴器を使用していることから、どのように改善させたら良いのか。どうしたらなるべく聞きにくさを改善できる状態にできるのか。こちらに関して記載していきます。

補聴器は、残念ながら耳を治すことはできない機器です。しかし、しかるべきやり方をすれば、補聴器が出せる限りの効果は出すことができます。重要なのは、その手法を学ぶことであり、かつ、実践することです。

補聴器以外の改善方法があれば良いのですが、聞こえが低下し、耳鼻科で耳が治せないとなった場合、今現在の改善方法は、補聴器で改善させるしかありません。

内容的には、ガチになりますので、内容が濃く、長くなってしまいました。本当に改善したい方のみご覧ください。

聞こえを改善させる3つの軸

補聴器で聞こえを改善させるには、

  1. 補聴器で耳を補う方法
  2. 聞こえの基本と音を入れる目標値
  3. 補える補聴器の見つけ方

の3つの知識が必要です。補聴器には、形状や性能といったものもありますが、本当に重要なものは、耳を補う方針と、どれだけ音を入れ、聞こえを改善させるかになります。

そして、それができる補聴器の見つけ方さえわかれば、補聴器でできる限りではありますが、聞こえにくさの改善をさせることができます。

補聴器で耳を補う方法

補聴器で耳を補う方法には、

  • 聞こえない耳に音を入れて補う
  • 聞こえる耳に音を転送して補う

の2つがあります。最終的にこの2つに関してご案内しますが、まずは、

  • 補聴器で耳を補う事前知識
  • 実際の補い方

の2つに分けて、この章を説明していきます。耳には、音を入れても残念ながら改善できる見込みが薄いものもありますので、このように補い方から、考えていく必要があります。

補聴器で耳を補う事前知識

補聴器で耳を補う知識として、まず耳には、

  • どれだけ音が聞こえるか
  • どれだけ音声が理解できるか

の2つの軸があります。

どれだけ音が聞こえるかは、聴力検査によって調べることができ、どれだけ音声が理解できるかは、語音明瞭度測定(ごおんめいりょうど測定)と呼ばれるもので調べることができます。

聴力検査

聴力検査は、ほとんどの方が経験したことがある検査ではないでしょうか。

主に音がどれだけ聞こえているかを調べる検査で、これにより、聴力がわかります。

基本的にオージオグラムと呼ばれる。見方に関しては、おおよそでも良いので、覚えておこう。

基本的にオージオグラムと呼ばれる。見方に関しては、おおよそでも良いので、覚えておこう。

主にこのような表を用います。縦軸が音の強さを表し、横軸が周波数を表します。普段聞いている聴力は、基本的に気導(きどう)と呼ばれる○と×で表されている部分です。ここが基本の聴力になります。今聞こえている感覚といえばわかりやすいかもしれませんね。

日本の場合における一般的な難聴の分類。世界的な指数より、少し基準が厳しい。

日本の場合における一般的な難聴の分類。世界的な指数より、少し基準が厳しい。

聴力に関しては、主にこのように分かれています。平均聴力を出し、その数値が当てはまる部分が、難聴のクラスになります。もちろんですが、気導の聴力(○、×)で計算をします。

語音明瞭度測定

補聴器の場合、簡単にいえば音を大きくして聞こえさせて改善させる機器です。そのため、このような言葉がどれだけ聞き取れるのか。それを測定するものもあります。

語音明瞭度測定とは、主に音声の理解力がどれほどあるのか。それを調べる測定です。音が聞こえる事と音が理解できることは別ですので、このような測定があります。

当店の防音室。どこも防音室の中で、基本的には様々な測定を行う。

当店の防音室。どこも防音室の中で、基本的には様々な測定を行う。

行う方法は、聴力検査と同じく、防音室の中で行われます。

耳の適合をみる場合は、ヘッドホンで耳を調べる。この部分は、聴力検査と同様。

耳の適合をみる場合は、ヘッドホンで耳を調べる。この部分は、聴力検査と同様。

聴力検査と同じく、補聴器の適正を調べる明瞭度測定では、ヘッドホンを用いて調べます。

聞こえた通りに書く紙。このような紙に記載し、どのくらい正解するか。理解できるか。それを確認する。

聞こえた通りに書く紙。このような紙に記載し、どのくらい正解するか。理解できるか。それを確認する。

あ、き、し、と一つの単語が聞こえてきますので、それを聞こえた通りに紙に書き、どのくらい理解できるのか。

書いた後に採点。なお、あくまでもこちらは、良い点を出すことが目的ではなく、耳の状態を見ることが目的である。

書いた後に採点。なお、あくまでもこちらは、良い点を出すことが目的ではなく、耳の状態を見ることが目的。素直に聞こえた通りに書こう。

それを見るのが語音明瞭度測定になります。

通常の音量では分からないため、音量を上げつつ、どのくらい音量をあげると正解率がよくなるのか。その人の耳は、どのくらい音を理解できる力があるのか。それを見るのが語音明瞭度測定になります。

主な明瞭度表の見方。基本的にシンプルに作られており、正解数と音量しかない。

主な明瞭度表の見方。基本的にシンプルに作られており、正解数と音量しかない。

見方としては、横軸が音量、縦軸が正解率を表します。補聴器を装用する前に調べるテストでは、正解率が一番高いところをみて、補聴器の適合性があるのか、ないのか。それを見ます。

非常に重要なのが、この理解度。補聴器の適合は、50%はないと厳しい。それ以上であれば、聞こえにくい耳に補聴器を入れて、補うことができる。

非常に重要なのが、この理解度。補聴器の適合は、50%はないと厳しい。それ以上であれば、聞こえにくい耳に補聴器を入れて、補うことができる。

パーセンテージの意味は、上記のようになります。そして、補聴器の適合は、50%以上となります。それ以下は、補聴器を装用しても、音は聞こえるようになっても音声が理解できるかといえば、かなり厳しいのが現状です。

上記の表を見てみても、60%未満、40%以上は、日常生活で内容を正確に理解できないことがしばしば(度々ある、多々あるという意味)あるレベルになりますし、40%未満、20%以上は、日常会話においても読話や筆談の併用が必要と記載されています。言い方を変えれば、音だけで音声は、理解できないレベルとなります。

このような耳の場合、残念ながら補聴器を装用しても音声を理解したいという要望に答えることはできません。元々の耳で音を聞こえるようにしても理解に繋がっていないからです。

この測定で重要なのは、その耳に補聴器を装用することで効果が見込めるのか。それを調べることです。

耳には、残念ながら音を入れても音声の理解につながらない耳も存在します。音が聞こえないから理解ができないというのは、確かにその通りなのですが、厳密には、それ以外の要素も関わってきます。

そして、語音明瞭度は、一度低下すると今現在の技術では、上げることができません。そのため、聞こえにくい現状を改善させる場合、耳の状態を理解してから、どう改善させるかを考えることが重要になってきます。

測定のまとめ

この2つの測定をすることにより、耳の状況を理解することができます。

重要なのは、補聴器の効果が薄くなる耳があることを理解することです。それが分かれば、なぜ補い方が重要になるのか。それも理解することができるでしょう。

実際の補い方

さて、上記に記載した通り、耳には

  • 聞こえない耳に音を入れて補う
  • 聞こえる耳に音を入れて補う

の2つがあります。薄々勘付いている方もいるかと思いますが、こちらでは、どのようなケースにどう補うのか。それについて記載していきます。

聞こえない耳に音を入れて補う

基本的にこちらは、明瞭度が50%以上であれば、どの耳も聞こえない耳に音を入れて補います。

典型的な中等度難聴の聴力。

典型的な中等度難聴の聴力。

例えば、中等度難聴ですと、このような聴力になりますが

両耳とも明瞭度が良いケース。左側は、90%、右側は、85%。どちらも補聴器で改善できる例になる。

両耳とも明瞭度が良いケース。左側は、90%、右側は、85%。どちらも補聴器で改善できる例になる。

両耳とも明瞭度(音声の理解力)がよければ、両耳装用することにより、聞きにくさを最大限、改善させることができます。

使用する補聴器は、一般的な補聴器になり、聞こえにくい耳に音を入れて、改善させていきます。

聞こえる耳に音を転送して音を補う

このようになるケースは、一つ、片耳の明瞭度が悪いケースです。

こちらも典型的な中等度難聴の聴力。

こちらも典型的な中等度難聴の聴力。

例えば、中等度難聴ということで、上記と同じような聴力だったとします。

左右で耳の明瞭度が異なるケース。左側は、90%だが、右側は、35%。中には、このようなケースもある。当然だが、明瞭度の低い耳に補聴器を装用しても効果は薄い。

左右で耳の明瞭度が異なるケース。左側は、90%だが、右側は、35%。中には、このようなケースもある。当然だが、明瞭度の低い耳に補聴器を装用しても効果は薄い。

しかし、片耳のみ明瞭度が悪い場合、悪い側に補聴器を装用しても効果が見込めません。その場合は、クロス、バイクロスと呼ばれる音を転送して補う補聴器を装用します。

この場合は、バイクロスと呼ばれるものになるのですが、聞こえる耳は、そのまま補聴器で補い、補聴器で補っても効果が薄い耳は、その耳で聞くのではなく、音を理解できる耳で聞く。という代物です。

バイクロスは、主に聞こえを補える耳は、そのまま補聴器で補い、それができない耳は、音を聞こえを補える耳に転送する機器を指す。

バイクロスは、主に聞こえを補える耳は、そのまま補聴器で補い、それができない耳は、音を聞こえを補える耳に転送する機器を指す。

考え方としては、図の通りになります。実際のものは、

形状は、同じ。クロスと書かれている方が音を転送させる機器で、こちらを聞こえを補えない耳に装用する。

形状は、同じ。クロスと書かれている方が音を転送させる機器で、こちらを聞こえを補えない耳に装用する。

一般的な補聴器となんら変わりません。中の機械は、変わったりしますが、形状は、特に変わりません。

このようにすることで、聞こえにくい耳に補聴器を装用するよりは、聞こえにくさを改善できます。

このような機器は、聞こえにくい耳に補聴器を装用しても効果が薄い方がいることから、開発された機器です。今現在は、このような機器もありますので、こちらに当てはまる場合は、バイクロスを装用し、なるべく聞きにくさを改善できるようにしていきます。

補い方のまとめ

耳の状態は、人によって異なります。両耳とも補聴器で聞こえを補える方もいれば、残念ながら明瞭度が低い方もいます。

聴力が低下した原因により、耳の状況は様々ですので、初めに行うのは、耳の状況を理解し、どのようにしたら、もっとも聞こえにくさを改善できるのか。それを理解する(調べる)ことです。

そこから聞こえの改善は始まります。

聞こえの基本と音を入れる目標値

次に重要になってくるのは、どこまで音を入れるのか。となります。この部分が補聴器の聞こえの基礎になり、根幹となります。この部分をよく理解しないと、なるべく聞きにくさを改善する。ということはできません。

聞こえやすさは、性能による。とお考えの方も多いのですが、聞こえの基本の部分は、ほとんど金額は関係ありません。どこまで聞こえさせるか、音を入れるかという部分が、効果の大半を占めます。

こちらでは、

  • 聞こえの基本
  • 音を入れる数値の目標値

の2つに関して記載していきます。

聞こえの基本

補聴器の聞こえの基本は、どれだけ音を入れるか。になります。例えば、メガネやコンタクトの場合、改善を目指す数値は、おおよそ決まっており、1.0や日常生活上、ここまであると困りにくいとされているのが、0.8くらいです。つまり、ここまで改善できれば良いという部分が、おおよそ数値で決まっているということです。

これは、補聴器も同様です。補聴器には、いろいろと判断基準があるのですが、ポピュラーなものとして、音場閾値測定(おんじょういきち測定)というものがあります。

こちらは、補聴器を装用した状態で、どこまで音が聞こえているか。を調べるもので、補聴器版の聴力検査といえばわかりやすいかもしれません。

防音室の中には、実は、様々な測定ができるよう、機械が色々置かれている。

補聴器の効果を調べる際も防音室の中で行われる。

こちらも防音室の中で行われ

補聴器の効果を調べる際に使われるのがスピーカー。スピーカーから音を出し、どのくらい聞こえるのか。それを調べる。

補聴器の効果を調べる際に使われるのがスピーカー。スピーカーから音を出し、どのくらい聞こえるのか。それを調べる。

このようなスピーカーから音を出して

やり方は、聴力検査と全く同じ。

やり方は、聴力検査と全く同じ。

聞こえたら、このボタンを押す。という流れで行います。聴力検査のまんまですね。

こちらは、補聴器の効果を調べる際に使われる図。

こちらは、補聴器の効果を調べる際に使われる図。▲が補聴器を装用した状態。△がしていない状態。これを見ることにより、どれだけ聞こえているのかを可視化することができる。

調べた数値は、このようになります。△が補聴器をつけていない状態で、▲が補聴器を装用した状態です。

非常に重要なことだが、補聴器なしの状態の測定値と聴力検査の内容は、同じようなところにでる。つまり、この測定は、各周波数で、どのくらい改善できたかを可視化できるツールとなる。

非常に重要なことだが、補聴器なしの状態の測定値と聴力検査の内容は、同じようなところにでる。つまり、この測定は、各周波数で、どのくらい改善できたかを可視化できるツールとなる。

△に関しては、聴力検査と似たような部分に出るため、△と▲を見比べることで、どの部分がどのくらい聞こえにくさが改善できているのか。それを見ることができます。

メガネやコンタクトもそれらをつけながら視力検査を受けて、どのくらい見えるようになったのか。そして、その数値を見て、いい、悪い。を判断しています。

それと同じように補聴器も補聴器を装用した状態で、状況を調べ、良い、悪い。を、みる測定があります。

音を入れる数値の目標値

すると次は「どこまで改善させれば良いのか」となるわけですが、こちらでは、

  • 耳鼻咽喉科が定めている基準
  • 私がしている基準

の2つを記載していきます。この部分を私は、聞こえを改善させる目標値と呼んでいます。

耳鼻咽喉科が定めている基準

耳鼻咽喉科の学会の中には、日本聴覚医学会という補聴器に詳しい先生方が定めた補聴器適合検査の指針というものがあります。これは、基本的に耳鼻科が行う補聴器適合に書かれた指針なのですが、非常に質が高い適合基準です。質が高いとは、この基準をクリアできると聞こえの効果を得やすい。という意味での質が高いとなります。

もちろん、音場閾値測定に関しても記載があり

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(3)評価方法

ファンクショナルゲインが聴力の半分(ハーフゲイン)であるか、装用域値が1000Hzで35dB以内であればよい。ファンクショナルゲインは、低音域ではハーフゲインより少なくてもよく、高音域の利得は補聴器の性能上ハーフゲインが得られない場合がある。

評価例(図11)

補聴器適合例と適合不十分例を示した。▲印は低音及び高音部をのぞき非装用時の域値のほぼ半分のファンクショナルゲインを得ており適合例と言える。■印の場合は、ゲインが不足しており、適合不十分例といえる。

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

このようになります。意味合いとしては、1000Hzが35dB以上で聞こえているか、音場閾値の△の部分の半分の数値、上記の表では、1000Hzの場合、60dBで聞こえていますので、その半分、30dBで聞こえていれば良いとなります。

ただし、低域(250〜500Hz)は、半分より低くてもよく、高域(2000〜4000Hz)は、改善しにくいので、半分より、下でも良いですよ。となっています。簡単に言いますと1000Hzが、35dBを超えていれば良いですよ。となります。

聴覚医学会のものは、全聴力向けに書いていますので、私のところでは、あくまでも中等度難聴の方が関与する部分のみ記載しています。

なお、一般の方が見るには、かなりハードルは高くなるのですが(基本的に医者向けです)、興味がある方は、どうぞ。

リンク:Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)

私が定めている基準

私も補聴器の販売をしている身ですので、私自身ももちろん、お客さんや患者さんに定めているものがあります。それは、以下の通りです。

私が判断しているのは、この通り。こちらの基準で調整していくと結果が良くなる傾向がある。

私が判断しているのは、この通り。こちらの基準で調整していくと結果が良くなる傾向がある。

ほとんど聴覚医学会のものと大差ないのですが、違うのは、1500Hzも35dBにすることです。これは、私の経験上ですが、この部分もそこまで上げられると聞こえの効果が良くなる傾向があります。

ここをあげると響きが強くなる。周囲の音が聞こえすぎてつらい、ということがない限り、なるべく聞こえを補うために、この部分もちゃんと聞こえるようにします。

私の場合は、お客さんや患者さんに試してみてどうか。を繰り返した結果ではありますが、効果が高い傾向があるため、このようにやっています。

なお、これは、聴覚医学会のものも共通しますが、これらは、あくまでも目指せる方は、そこまで目指す。ということです。耳の状況によっては、そこまで音を入れると、うるさい、特定の音が辛い、というケースがあります。そのような場合は、無理に音を入れず、使える範囲で音を入れ、補聴器を使えるようにしていきます。

音を入れる数値の目標値のまとめ

補聴器の聞こえの基本は、この部分によって決まります。基本的には、補聴器で音を入れ、補聴器の装用状態を確認、その後、目標とする数値までいっていればOKです。いっていなければ、現状をお伺いし、あげても大丈夫そうなのか、今現在でも結構、大きく感じる状態なのかを確認します。その後、あげても良さそうならあげてみて、日常生活上で使える状態なのか。それを調べます。

音を入れることにより、聴きやすくなるのは確かなのですが、その代わり、周囲の音や物音も聞こえやすくなります。実際に存在している音ですので、聞きやすくなるのは、そうなのですが、中には、聞こえすぎて辛いという方もいます。

改善の目標値まで入れると辛くなってしまう方は、使える範囲内を目指し、調整していきます。これが補聴器の基本であり、改善の基本です。

補える補聴器の見つけ方

さて、そうしますと、今度は、どの補聴器がそこまで補えるのか。ということになるのですが、

  • 見つけ方の基本は、中等度難聴用
  • 実際に適合する形状とその違い
  • 耳かけ形と耳あな形の違い

に分けて記載していきます。

見つけ方の基本は、中等度難聴

結論から言いますと、中等度難聴の方は、中等度難聴用と書かれたものであれば、ほとんどのケースで目指せます。

基本的に出力さえ合っていれば耳には、最低限、合わせることはできる。ここは、しっかり抑えておこう。なお、聴力図が、かなり特殊なケースだと、のちに紹介するchが必要になることもある。

基本的に出力さえ合っていれば耳には、最低限、合わせることはできる。ここは、しっかり押さえておこう。なお、聴力図が、かなり特殊なケースだと、のちに紹介するchが必要になることもある。

補聴器のカタログには、このように表記されており、どの聴力に合うものなのか。それが記載されています。中等度難聴の場合、ほぼほとんどの補聴器が合いますので、選択肢は、かなり多くなります。

中には、グラフで表記されていることもあります。この場合は、この範囲内に収まる方であれば、概ね、上記のような聞こえ改善の目標値まで目指すことができます。

よく誤解されるのですが、聞こえ改善の目標値は、どの補聴器でも目指せるようになっています。聞こえの基本は、補聴器に備わっている音の出力によって決まり、その部分は、金額によって左右されることはありません(私が扱っているフォナックというメーカーはそうですね)。

そして、出力の部分は、○○難聴用と記載されている部分でわかりますので、ここがご自身の難聴レベルと同等であれば、ほとんどのケースにおいて補えます。

性能と形状により、金額は変わるのですが、基本となる聞こえの部分は、どのグレードのものでも目指すことはできます。グレードが下のものだと不安という方もいるのですが、それでも最低限の部分は、保証されていますので、その点は、ご安心ください。

実際に適合する形状とその違い

一般的に補聴器は、

  • 耳かけ形補聴器
  • 耳あな形補聴器

の2つがあります。厳密には、これ以外にもポケット形というものもあるのですが、数がかなり少なくなってきており、かつご年配の方もだんだん若くなってきていることから、省略していきます。

中等度難聴の方が耳かけ形で合うのは、主に

  • RIC補聴器
  • 標準的な耳かけ形補聴器

の2つです。

耳かけ形補聴器の全体図。種類としては、主にこの3つしかない。

耳かけ形補聴器の全体図。種類としては、主にこの3つしかない。

まず、これが、耳かけ形補聴器の全体像です。そのうち、一番右は、もっと聴力が重い方(聞こえにくい方)が使用する機器であり、中等度難聴の方が対象となるものではありません。

すると、RIC補聴器と標準的な耳かけ形補聴器の2つが対象になります。

形状による特徴は、こちら。とはいえ、あまり違いは、ないので、正直、好みでも良い。

形状による特徴は、こちら。とはいえ、あまり違いは、ないので、正直、好みでも良い。

違いに関しては、このようになります。そこまで大きな違いは、ないため、個人的には、もしこの2つから選ぶとしたら、実際にどのようなものか見てみて、好みで選んでも良いと思っています。

一方、耳あな形で合うのは、

  • CIC補聴器
  • 一般的な耳あな形補聴器

の2つです。

耳あな形の全体像。耳あな形もこの3つしかない。

耳あな形の全体像。耳あな形もこの3つしかない。

耳あな形補聴器の全体像もこのようになります。一番右のものは、もっと聴力が重い方が使用するものであり、中等度難聴の方は、対象外になります。

耳あな形の場合は、このような違いがある。

耳あな形の場合は、このような違いがある。

次に、CIC補聴器と一般的な耳あな形補聴器の違いですが、このようになります。形状の小ささを取るなら、CIC、電池の保ちなどの要素を取るなら、標準タイプ。となります。

耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器の違い

では、この2つに関して、違いに関しては、どのようなものがあるのでしょうか。こちらに関しては、

  • 置く位置による利点、欠点
  • 聞こえの基準の効果

の2つになります。

補聴器の形状による特徴を押さえておこう。補う数値に関しては、私が長年やってきて感じる部分。明らかに耳あな形の方が良い傾向がある。

補聴器の形状による特徴を押さえておこう。補う数値に関しては、私が長年やってきて感じる部分。明らかに耳あな形の方が良い傾向がある。

初めにまとめますと、このようになります。重要なのは、聞こえの基準の効果が異なる点です。それにより、あくまでも使える方にはなりますが、私の場合、耳あな形を勧めることが多いです。その方が聞こえの改善がしやすくなるためですね。

置く位置による利点、欠点

こちらに関しては、上記の通りで、耳かけ形の場合、耳にかけて使用するため、補聴器を置く位置により、特徴があります。

具体的には

  1. 耳を塞ぎにくくしやすいため快適性が増しやすい
  2. 汗の影響を受けやすく、夏場は、故障が多くなる傾向がある
  3. メガネやマスク、ヘルメットなどの邪魔になりやすい

の3つです。

耳かけ形の利点は、耳の中を塞ぎにくくしやすいことです。耳あな形の場合、補聴器本体を耳の中に入れる必要があるため、塞ぎやすいのですが、耳かけ形は、耳せんしか入れる必要がありません。その耳せんに加工をすれば、実は、耳を塞ぎにくくしやすいため、耳を塞いだような感覚や自分の声がこもって聞こえる感覚が少なくなります。簡単いいえば、耳に入れた時に感じやすい不快感を軽減しやすい。となります。

その代わり本体が耳の裏にかかるため、汗の影響を受け、故障しやすくなったり、メガネやマスクなどの邪魔になりやすくなります。場所がかぶるためですね。

耳あな形の場合は、2、3の心配はなくなるのですが、その代わり

  • 耳の中に入れるため、自分の声がこもりやすい
  • 人によっては使えない、作れない

ということがあります。耳の中にしっかり入るものを作ると、耳の中が塞がれ、声がこもりやすい傾向があります。イヤホンを耳の中に入れると耳を塞いだ感覚や声が耳の中で低く響く感覚になると思うのですが、その感覚が出やすくなるといった方がわかりやすいかもしれません。

なお、耳あな形補聴器は

  • 耳の中の形状が特殊な方
  • 耳垢が多い方
  • 耳垢が湿っている方
  • 耳だれがでる方

の方には、オススメできません。

耳あな形補聴器は、耳の型を採取して作る必要があるため、耳の中が特殊な方や変形している方は、型の採取ができないため、作ることができないケースがあります。特に中耳炎などで昔手術したケースが当てはまります。

そのほかは、耳あな形は、耳の中に音が出る部品が直接、入るようになります。

耳あな形は、耳の中に入れることによる利点、欠点がある。その一つが、こちら。フィルター部分は、交換できる仕様担っているので、面倒でない方は、いいかも。

耳あな形は、このように先端に白いフィルターがついている。この奥にスピーカーがあり、それが壊れやすい耳も存在する。

この部分がまさにそうなのですが、この白い部品の先にイヤホン(スピーカー)があります。耳垢が多いと、白い部分が詰まりやすくなり、音が聞こえにくくなったり、湿気が多い耳や耳だれがでる耳だと、その奥のイヤホンが故障しやすくなります。

そのため、このような傾向がある方は、オススメしていません。これらのことを覚悟の上で購入する場合は、構いませんが、故障や使えなくなる期間を気にする場合は、こちら以外の方がオススメです。

聞こえの基準の効果

耳かけ形と耳あな形ですが、聞こえを改善させる基本の部分の効果がなぜか異なります。結論から言いますと、耳あな形の方が、効果が高くでる傾向があります。

全体的に高く出る傾向があるのですが、その中でも著しいのは、2000Hz〜4000Hzです。この部分は、耳かけよりも耳あな形の方が補いやすい傾向があります。

耳あな形の場合は、耳が持つ集音効果というものを利用できます。一般的に私たちが耳と呼んでいる部分は、全体的に音を拾っているのではなく、各周波数で拾う音量が異なります。3000〜4000Hzあたりが一番感度がよく、この部分で8〜10dBくらい拾うようになっています。

そのせいか、その部分に関しては、そこまで大きくあげていないのに関わらず、その部分の結果が良くなったりします。

補聴器の形状によっても、実は聞こえの基本の部分の達成のしやすさは、異なります。

形状のまとめ

形状には、主にこれらの違いがあります。私の場合、基本的に聞こえにくさをなるべく改善させる。という目的で行っていますので、使える方には、CICや一般的な耳あな形補聴器を勧めています。その方が聞こえの基本部分が改善しやすくなるため、結果的に聞こえの効果が高くなりやすいからです。

特にCICは、一般的な耳あな形補聴器より、こもりも感じにくいため、聞こえにくさを改善させるという視点では、優秀です。この形状は、小さいから目立たないという点を利点にしている方も多いのですが、聞こえを改善させる観点からすると、音を補うという点からも、こもりも軽減しやすい点からも、非常にオススメできる形状です。

実際に改善された(ご購入になった)例

上記のものだけでは、分かりにくいこともありますので、どのように改善したのか。実際に改善できた例、効果を感じご購入になった例をご紹介します。

  • 中等度難聴の方の症例~その1~
  • 中等度難聴の方の症例~その2~
  • 中等度難聴の方の症例~その3~

この三つについて参考にしてみてください。

中等度難聴の方の症例~その1~

こちらの方の症例に関して

  • 状況
  • 実際の補聴器選定
  • お客様の評価

の3つに分けて記載していきます。

状況

こちらの方の状況ですが

  • 名前:E・Iさん
  • 年齢:30代
  • 症状:生まれつきの感音性難聴?
  • 改善:CIC補聴器(両耳)
  • 備考:数年前に補聴器を購入したが効果を感じられず

となります。聴力図は、

お客様の実際の聴力。中音域から急激に下がる聴力で、改善が難しい例の一つ。

お客様の実際の聴力。中音域から急激に下がる聴力で、改善が難しい例の一つ。

このようになります。聞こえる部分と聞こえにくい部分が極端であり、聞こえるところと聞こえない所の差が大きい聴力となります。実際に特定の音が聞こえにくかったり、音声も聞きにくく、日常生活から、職場でも聞きにくさを感じていました。

耳の状態に関してですが、生まれつきの感音性難聴?、とのことで、13歳の頃、気がつき耳鼻咽喉科に行ったのですが、その際、治療はできず、そのまま聞こえにくい状態で過ごすこととなりました。この頃に気がついたようなのですが、耳の状態に関しては、生まれつき聞こえにくかったのではないか。と医師より診断されました。

補聴器に関しては、以前もご購入したこともあったのですが、補聴器をつけてもつけなくても聞こえに違いがなかったため、使用しておらず。しかし、聞きにくいことで困ることもあり、実際に聞きにくさが改善できるのであれば、改善したい。ということで、ご相談いただきました。

幸い、音声に関する理解力は、ある。そのため、両耳に補聴器を装用し、なるべく聞きにくくならないよう、できる限り、補うこととなる。

幸い、音声に関する理解力は、ある。そのため、両耳に補聴器を装用し、なるべく聞きにくくならないよう、できる限り、補うことを方針とした。

こちらで行ったのは、まず明瞭度の確認です。それをしてみますと、両耳とも一定以上(補聴器で効果が期待できる50%以上)だったため、当店で補聴器の試聴から開始しました。

補聴器で改善を目指す数値は、△の赤いもの。白い△は、補聴器を装用していない時の聞こえ。

補聴器で改善を目指す数値は、△の赤いもの。白い△は、補聴器を装用していない時の聞こえ。

補聴器の効果の目標としては、このように設定し、気軽に試聴できる耳にかける補聴器から試聴。耳の穴の中に入れる耳あな形補聴器は、耳の型を採取し、その耳に合ったものを製作するため、その場で試聴というのができない状態です。そのため、既製品である耳かけ形補聴器でまずは、試聴を行いました。

はじめに補聴器を装用し、改善させた例。お店で試聴する限り、聞きやすくなっているとのことだったので、このまま貸出。様子を見ることとなる。

はじめに補聴器を装用し、改善させた例。お店で試聴する限り、聞きやすくなっているとのことだったので、このまま貸出。様子を見ることとなる。

初期段階から、このくらい入れ、聞こえを改善。目標とする値までは、あまり達していませんが、お店で聞いていただいた限り「以前補聴器を使用している時より聞きやすい。聞こえに変わりがある」とのことで、この状態でどのくらい改善するのか、日常生活や職場で試していただくことにしました。

1週間ほど試聴し、結果に関して伺ってみますと、補聴器がある方が聞きやすく、今まで聞きにくかった人の声がわかりやすかったり、聞こえることで気がつくことも増えたとのことでした。

そのため、どの補聴器が良いのか。本格的に考えていくことになります。

実際の補聴器選定

実際の補聴器選定ですが、まずお客様の希望としては、聞こえの改善を一番にし、できるなら目立ちにくいもの。ということでした。

勧めたのは、CIC補聴器というもの。形状が小さいのが特徴だが、それなりに補いやすいのも特徴。

勧めたのは、CIC補聴器というもの。形状が小さいのが特徴だが、それなりに補いやすいのも特徴。

それに対し私が出した結論は、CIC補聴器(両耳)となります。上記に記載した通り、補聴器の聞こえの基本の部分は、耳あな形の方がよくなる傾向があります。補う部分を最大限よくさせるため、耳あな形にし、かつ、小さく目立ちにくいCIC補聴器を選択。

実際に作った補聴器。両耳ともCIC補聴器で聞こえを改善させることとなる。

実際に作った補聴器。両耳ともCIC補聴器で聞こえを改善させることとなる。

ということで、実際に製作し、

最終的な聞こえ。ほとんど目標値及びそれ以上にできたが、一部だけ足りない状態。それなりに改善ができた。なお、この数値は、耳かけより、耳あな型の方がよくなる傾向がある。

最終的な聞こえ。ほとんど目標値と同等かそれ以上にできたが、一部だけ足りない状態。が、それなりに改善ができた。なお、この数値は、耳かけより、耳あな型の方がよくなる傾向がある。

最終的には、このように音を入れ、聞きにくさを改善させました。

このように音を入れたことで

  • 今まで聞きにくかった人の声が聞きやすくなった
  • 離れたところからの呼びかけや話がわかるようになった
  • アラームの音など聞こえない音があったが気がつくようになった

など、補聴器を装用することで、不自由する部分を軽減することができました。

お客様の評価

ご購入の後に改めて補聴器をお使いになってみてどうか。それについてお伺いしてみました。その結果、

とのことでした。

こちら以外には、補聴器があることで、お話がしやすくなったり、コミュニケーションが取りやすくなったとの評価でした。また、聞こえるようになることで気づく音も増え、日常生活の支障も少なくなったとのことです。

実際には、聞きにくさを感じるところも所々あるようですが、補聴器を装用することで聞きやすくなったため、今現在は、一日、10時間ほど使用され、活用されています。

初め、過去に補聴器を購入された際、ほとんど効果がなかったことから、補聴器に関しあまり良い印象を抱いていない状況でしたが、無事、補聴器で改善できるところまで改善でき、何よりでした。

中等度難聴の方の症例~その2~

こちらの方の症例に関しても

  • 状況
  • 実際の補聴器選定
  • お客様の評価

の3つに分けて記載していきます。

状況

こちらの方の状況ですが

  • 名前:T・Eさん
  • 年齢:50代
  • 症状:片耳のみ感音声難聴(もう片耳、微妙に難聴)
  • 改善:クロス補聴器(耳あな形)
  • 備考:医師より、年齢による聴力低下と診断

となります。聴力図は、

お客様の実際の聴力。聞こえる左耳も高域が一部低下しており、右側は、もっと全体的に聞こえにくい状態となる。

お客様の実際の聴力。聞こえる左耳も高域が一部低下しており、右側は、もっと全体的に聞こえにくい状態となる。

このようになります。片耳が感音性難聴であり、このような場合、一見、片耳が聞こえているため、問題ないように見えますが、騒がしい中や聞こえにくい側から話されるとわからない。という聞こえにくさを感じます。

片耳のみ低下している状態ですが、医師からは、年齢による聴力低下と診断。耳が治るのであれば・・・ということで、耳鼻咽喉科を受診したり、行く場所を変えたりしていましたが、治ることはありませんでした。

片耳が聞こえにくいことで、聞こえにくい側から話されるとわからなかったり、騒がしい環境下では、特にお話が理解しにくいとのことでした。これは、日常生活から仕事の際まで同様で、この聞きにくさを改善できのであれば補聴器を考えたい。そのようにご相談いただきました。

語音明瞭度を測定して見ると、残念ながら右耳は、理解する力がかなり低下していることがわかった。このように確認することが非常に重要となる。

語音明瞭度を測定して見ると、残念ながら右耳は、理解する力がかなり低下していることがわかった。このように確認することが非常に重要となる。

ということで、まず耳の状態を確認しますと、このような状況でした。補聴器を装用して効果が見込めるのは、50%以上になります。その結果からすると、低い状態です。

測定した時の音声に関して、聞こえにくい耳で聞いてみてどうだったか。それを伺ってみますと、音声が割れて聞こえ、あまりよくわからない。という返答でした。

そのため、クロス補聴器という聞こえにくい耳にきた音を聞こえる耳に送る少し変わった機器を使って、改善させることにしました。耳には、音を入れても残念ながら改善できない例もあるため、このような機器もあります。

※仮に明瞭度が良い場合は、聞こえにくい耳に音を入れ、その耳そのものを改善する一般的な補聴器を装用した方が聞こえは改善できます。今回のケースは、残念ながらそれでは改善が難しいため、クロスという特殊な機器を使い、改善した例です。

試聴したクロス補聴器。貸し出しも同様の機器で行った。

試聴したクロス補聴器。貸し出しも同様の機器で行った。

耳の状況がわかったことで、早速、クロスで試聴開始。お店で聞く限りでは、聞こえにくい側からの音が聞こえる耳で感じられ、効果は、ありそうだ。という返答でした。そのため、実際に日々の日常生活から仕事の際にどのような変化があるのか。それを試していただくこととなりました。

1〜2週間の貸し出し後、感想を伺ってみますと、あった方が聞きやすく、今まで、聞きにくい側からの音に気がつきにくかったり、聞きにくかったのが、改善され、補聴器はある方が良いとのことでした。そのため、実際にどの補聴器が良いのか。それを決めていくこととなります。

実際の補聴器選定

クロス補聴器の場合、いくつか種類があります。

主なクロスの組み合わせ。両方とも耳かけ型の組み合わせ。片耳耳あなクロス、片耳耳かけ補聴器の組み合わせ。両耳とも耳あなの組み合わせの3つがある。

主なクロスの組み合わせ。両方とも耳かけ型の組み合わせ。片耳耳あなクロス、片耳耳かけ補聴器の組み合わせ。両耳とも耳あなの組み合わせの3つがある。

主にこの3つの種類があるのですが、聞こえの効果を重視したいとのお客様よりご希望があったことと、仕事柄ダンスのインストラクターをしているため、汗をよくかくことから、両耳とも耳あな形のものに決定。

お客様のご希望より、両耳とも耳あなの組み合わせで改善を行うこととなった。

お客様のご希望より、両耳とも耳あなの組み合わせで改善を行うこととなった。

耳かけ形は、耳の裏にかかるため、汗の影響を受けやすく、それにより、故障することが多くなる傾向があります。その影響を少なくするため、耳あな形にしました。また、クロスに関しては、聞こえにくい側を耳あなのものにできると聞こえの効果がよくなる傾向がありますので、この2つを考え、両耳ともクロスのタイプで、製作することになりました。

実際にクロスの耳あな形を製作し、試聴。幾度か試聴や調整を繰り返した結果

  • 騒がしい環境下でも聞こえることが増えた
  • 聞きにくい側に来られても聞こえることが増えた
  • 仕事上、感じていた聞きにくさが減った

とのことで、実際にご購入になりました。

お客様の評価

ご購入後、改めて補聴器の状態に関してお伺いしてみました。その結果

とのことでした。

日常生活の際も周囲が騒がしくなると聞きにくさを感じたり、聞きにくい側から話されると苦手意識もあったりし、それらがいくつか改善でき、よかったとのことでした。

今現在は、日常生活から仕事の際まで、ほぼ一日中ずっと活用されています。

中等度難聴の方の症例~その3~

こちらの方の症例に関しても

  • 状況
  • 実際の補聴器選定
  • お客様の評価

の3つに分けて記載していきます。

状況

こちらの方の状況ですが

  • 名前:S・Iさん
  • 年齢:30代
  • 症状:両耳とも原因不明の聴力低下があり、聞きにくく
  • 改善:両耳に耳かけ形補聴器を装用
  • 備考:10年ほど前から発症。不自由を感じたのは、H27年中頃から。

となります。耳の異変は、10年ほど前に起こり、その際は、耳鼻科に相談し、まずは、耳の治療に専念しました。この際も、聞こえの低下はしており、聞きにくさはあったようですが、大きく困ることはなかったため、そのままとなりました。

しかし、月日が経つにつれ、職場で聞きにくさを感じたり、高い音、体温計、電子レンジの音など、特定の音が聞こえないなどの不自由を感じるようになり、ご相談を承りました。

聴力図は、

お客様の聴力。こちらもまた、中音域から急激に下がる聴力。

お客様の聴力。こちらもまた、中音域から急激に下がる聴力。

このようになります。高い音から急に聞こえにくくなる聴力で、ケース1と同様、聞こえる音とそうでない音の差が大きくなる聴力です。

ご相談いただいた際に実際に聞こえの改善ができるのか。始めにケース1と同様、耳かけ形補聴器を聴力に合わせ、お店で試聴しました。その際、聞こえ改善の目標値としては、

重要なのは、1000Hzを35dBまで聞こえさせること。そのほかは、補えるだけ補い、不快感や耳の辛さが出ない程度に補う。

このように考えました。実際に初日に改善させた数値は、

初回の通常設定の音の調整。高い音は、入れると響きや辛さが出てしまうため、軽減しつつ、効果を確保するため、1000Hzは35dBで聞こえるように設定。

となります。このように設定し、聞こえの感覚に関して伺ってみますと、音が入り、音が大きい感覚はあるものの、聞こえやすくなるとの評価。そのため、日常生活から主に聞こえにくさを感じている職場で、試していただくことにし、補聴器の貸し出しを行いました。

数日間、貸出を行い、補聴器の有無について伺うとあった方が聞きやすく、

  • 車の中でも聞きやすくなった
  • 電子レンジや体温計などの高い音も気がつくようになった
  • 離れたところからの呼びかけに気がつくようになった

とのことで、実際に補聴器について考えていくこととなりました。

実際の補聴器選定

実際の補聴器選定ですが、形状に関しては、あまり気にさず、聞こえの効果とこもらないようにしたい。とのご要望で、耳かけ形補聴器にしました。

実際に選んだのは、この形状です。聞こえの効果だけを見ると耳あな形補聴器の方が優秀なのですが、こもる感覚や自分自身の声が大きく聞こえやすくなるため、耳かけ形補聴器を試用した際、それ以上、こもったり、大きくなるのは、避けたい。とのことで、耳かけ形補聴器に決定。

初回の通常設定の音の調整。高い音は、入れると響きや辛さが出てしまうため、軽減しつつ、効果を確保するため、1000Hzは35dBで聞こえるように設定。

幾度か調整しましたが、最終的に聞こえは、以前の状態と同じ状態となりました。2000Hz〜4000Hzに関しては、これ以上大きくした状態も試したのですが、音が高くなりすぎてしまったり、音の響きが強くなりすぎて使えなくなってしまうため、入れるべき部分は、入れ、入れにくいところは、ギリギリのところまで入れるようにしました。

その結果、初めの状態に戻ってしまったのですが、聞きにくさに関しては、なるべく改善することができました。

お客様の評価

実際にご購入になられた後に、改めて補聴器を使用し、どうだったのか。こちらに関してお伺いしてみました。すると

とのことでした。主に仕事の際に聞こえにくさを感じており、その部分が改善でき、何よりです。こちら以外には、上記のように効果を感じ、今現在は、仕事の際に主に活用されています。

中等度難聴を補聴器で改善させることのまとめ

さて、まとめです。こちらでは、あくまでも本気で耳の状況を改善させたい方、向けに記載してみました。その際、重要になるのは、

  1. 補聴器で耳を補う方法
  2. どこまで音を入れるのか
  3. 補える補聴器の見つけ方

の3つになります。

耳の状況は人によって異なり、かつ中には、耳を活かせない方もいます。耳を理解しつつ、補い方を決め、その次に、聞こえを改善できる部分まで改善させる。このようにできると、補聴器で出せる聞こえ改善ができるようになります。それらを少しでもわかりやすくするため、実際に販売になった例も載せてみました。

これらのことをしても補聴器で耳が治るわけではありません。その点は、誠に申し訳ないのですが、補聴器で補える部分まで、おおよそ補うことができます。

どんな人も補聴器が欲しいと思い、補聴器を探しているわけではありません。補聴器を欲しいと考える人の本質は、補聴器ではなく、今現在の聞こえにくい現状を最もよくできるもの。となります。

そのため、こちらでは、耳の治療ができなかった方で、かつ中等度難聴の方を補聴器でできる限り改善させる方法として記載してみました。

これらの内容により、聞こえにくさを改善できれば幸いです。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

聞こえにくい事でお悩みの方のために、補聴器で耳を改善させる手引き書を用意しました。

  • 自分の症状に合う補聴器は何か
  • 自分の聴力に合う補聴器は何か
  • 補聴器の種類、性能、違いを知りたい

などお考えでしたら、こちらをご覧下さい。補聴器で耳を改善させる内容のみに絞って記載してみました。お役に立てば幸いです。

お困りごとのご相談、承ります

Webサイトに訪れる方のご要望にお応えするため、東京都墨田区に店舗を構えました。

  • 聞こえにくい事で困っている
  • どこに相談したら良いかわからない
  • お使いの補聴器でうまく聞こえない

などお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。当店で行なっていること、よくいただくご相談は、リンク先の通りです。

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