2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

オーティコン社のc100発売から考える自立支援法ビジネス


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オーティコン社より、C100という自立支援法補聴器が発売されて早1ヶ月です。このC100、自立支援法補聴器の中では、非常に優位的であり、素晴らしい補聴器だと思います。

最近、各メーカー自立支援法補聴器の充実化に力を入れてきました。では、自立支援法補聴器は、力を入れるべきポイントだったのでしょうか。

今回は、オーティコンのC100の概要とこれらについて考えていきます。

自立支援法機器 C100

c100は、高度難聴用の補聴器です。

性能は、チャンネル数が8ch、ハウリングを抑制する機能や騒音抑制も搭載されています。

さらに、ワイヤレス機能は特殊な機器を装着する事で、様々な事もできるようになりました。

詳しくは、メーカーのWebサイトを見るとよくわかると思います。

リンク:オーティコン、障害者総合支援法対応補聴器に先進チップ“イニウム”搭載の高性能ラインアップ「C100」初登場

自立支援法の位置決め

この補聴器の位置決めとしては、子ども向けと考えられます。

高度難聴用の補聴器は、形状が大きいのが多く、小さな耳の子どもには適しません。この補聴器は、自立支援法の中では、最も小さい補聴器です。

現在の自立支援法事情は、このような感じだと考えられます。

大人向け、シーメンス F201、F301(高度、重度)

子ども向け オーティコン c100(高度)

別枠、フォナック ナイーダS I SP、S I UP(高度、重度)

性能で考えてみると、シーメンス、オーティコンがダブルトップです。F201もF301もチャンネル数は8チャンネルであり、ハウリング抑制機能もあります。

フォナックの強みは、防水加工がしてあるところにあります。とはいえ、水により壊れない事を保証しているわけではありませんので、注意が必要です。性能としては、4チャンネル、ハウリングキャンセラー付き、騒音抑制付きです。

大人向け、子ども向けというのは、区別を付けるためにそうしてみました。シーメンスの補聴器は、性能は良いのですが、形状がいかにも補聴器という形をしています。形状も大きいため、使用するなら大人の方だろうと考えています。もちろん、大人の方しか使用してはいけないという意味ではありません。

一方、新しく登場したc100は、形状が小さく、さらにカラーも充実させています。小さなお子さんやいかにも補聴器という形状が嫌な方には、受け入れやすいでしょう。特に色は、お子さんにとって、重要なファクターになります。LEDライトもありますので、尚更ですね。

自立支援法に力を入れる理由

自立支援法に力を入れる理由は、どのようなものがあるのでしょうか。こちらについても考えていきます。競合が激しくなった事、自立支援法という特異性を利用した事、トータル利益、この三つが考えられます。

競合の激化

現在、補聴器の業界は、競合がひきめきあっています。どのメーカーも似たような補聴器ばかりになってきており、メーカーごとの差が無くなりつつあります。聞こえの調整方法、音の出し方、音の処理の仕方、これらの違いはあるものの、聞こえの結果が変わる事は少なくなってきました。聞こえ方が変わっても言葉の理解力が変わらなければ、音の好みの問題になります。

これでは、優位性を保つどころか、消耗戦に突入してしまいます。すでに補聴器業界は、真っ赤っかなレッドオーシャンになっています。

ほとんどの製品がコモディティ化し特徴がなくなりつつあるのが原因です。

自立支援法補聴器の特異性

自立支援法の補聴器は、国が定められた一定の金額で購入できる補聴器です。この補聴器は、国が決めているわけではありません。各メーカーが、国から支給される金額を見て、「この金額ならこの補聴器を出そう」と決めています。

選ぶ側からすると、自立支援法補聴器は、どれも同じ金額なため、比較しやすい事があげられます。

同じ金額で買えるものを比較した時、あえて性能が悪いものを買う人はいませんね。ここが自立支援法補聴器の最大の特徴です。

これは、性能が良い物を出せば、市場を圧巻できる力を持っている事にもなります。

事実、自立支援法補聴器は、ユーザーの事を考えた補聴器が市場を圧巻します。現に一昔前は、フォナックのナイーダIと呼ばれる防水型の補聴器が市場を圧巻しました。当時の自立支援法補聴器の中では、最高の性能を持っていた事、防水加工がしてある事、この二点の強みから、瞬く間にこの補聴器を使用する人が増えました。

経営的視点から見て

メーカー的にはどうなのでしょうか。今までの性能よりハイスペックなものを出して赤字にならないのでしょうか。

現状から考えると赤字にはなっていないと考えられます。赤字になったら切るしかありません。※長期的思考があるなら別ですが……

これには、利益とコストの問題があります。

利益を出すと考えるとどうしても利益率を上げる事に集中しますが、重要なのは、利益率ではなく月の利益額です。安い利益でも、月に多く売り上がるのであれば、その方が利益はでます。

利益10万の商品が月20個でるのと、利益2万の商品が月300個出るのとでは、利益が全然異なります。メーカーは、製造するだけですので、販売店のように試聴させたり、相談する手間はありません。製造業はここが強いですね。

利益を出すには、利益率を高めるより、キャッシュをまわす事の方が重要です。良い利益率のものでも、在庫として残していたら何も生み出しません。商品は、売り上げて初めてお金になります。商品はお金そのものであり、眠らせておけば、何も生み出しません。

メーカーの場合、一つの利益が低くても多く出る物の方が利益は大きいです。

まとめ

自立支援法補聴器の特異性を考えると、メーカーが躍起になって性能アップするのは、しっかりとした理由がある事がわかりますね。

これらは、販売店はともかく、補聴器を使用する私達にとっては、非常に良い事です。

良い補聴器がより安い金額で購入できるようになってきています。

この変化は、良い変化ですね。

あとがき

c100という自立支援法補聴器が出ましたので、ついでに自立支援法のビジネスについても記載してみました。

上記の理由により、自立支援法も良い補聴器が揃ってきました。

数年前より、補聴器の性能は確実に飛躍しました。

本当に良い時代になったものですね。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:補聴器を選ぶ際に必要な語音明瞭度測定に関する基本知識

リンク:「片耳補聴器は聞き取りにくい方につける」は、間違い

リンク:損をしないための補聴器電池の注意点と性能の良い電池

リンク:自立コムサイト一新、サイト上から商品を借りれるように!


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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