2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

小学生からの補聴器選択は、二つの評価を重視しよう

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小学生からの補聴器選択は、どのようにしたら良いのでしょうか。小学生と言えば、小さい頃より、自発的に発言したり、補聴器を装用した時の感想も言えるようになってくる年頃です。補聴器の感想も言えるようになってくる年頃になると大人と補聴器選択方法が変わりません。しかし、補聴器の選択は、難しい……。補聴器は、どのように選んだら良いのか、さっぱりわからない……。このような声を良く聞きます。

では、なぜわからないのでしょうか。そして適切に選ぶ方法は、ないのでしょうか。

今回は、補聴器の選び方について、記載していきます。補聴器が難しいと言われる所以は、効果の確認方法が曖昧である事と対応する補聴器の多さにあります。こちらの内容をご覧になり、少しでも選びやすくなれば幸いです。

補聴器選択の結論

どんなものもまずは、ゴールから想像していく事が重要です。補聴器を装用する理由は、耳の聞こえを良くする事。こちらです。

では、どんな補聴器が適切かと言われれば、主観評価で満足し、客観評価でもしっかりと補えている様子がある補聴器であれば、どの補聴器も適切です。そして、少しでも聞き取りやすくしてあげたいと思うのなら、ご自身が購入できる範囲内の高額補聴器がお勧めです。どんな補聴器も耳の聞こえを補う事はできますので、予算が厳しい方、そこまで金額が出せない場合でも耳の聞こえを補う事は、十分に可能です。

あくまでも補聴器は、主観評価で満足し、客観評価でもしっかりと補えている補聴器であれば、何でも良くなります。

補聴器の評価方法

こちらでは、補聴器の評価に関して記載していきます。耳に合う補聴器を選ぶ際に、大前提になるのが、聞こえるようになる補聴器です。では、聞こえるようになる補聴器は、どのような補聴器なのでしょうか。補聴器の場合、装用する事で聞こえるようにはなりますが、その聞こえが良いのか、悪いのかは案外判断できません。

聞こえる補聴器を選ぶには、まずはどのような補聴器が効果があるのか、そして、しっかり聞こえているのかがわかる必要があります。補聴器の評価方法を学び、補聴器の選択基準とは何かを見ていきましょう。

評価方法の基本

補聴器の評価は、

  • 主観評
  • 客観評価

にわかれます。主観評価は、本人が装用してどう感じたか、聞こえる音は良いと感じるか、変(悪い)と感じるかです。客観評価は、補聴器を装用した状態で、聞こえの測定を行い、どれだけ結果が出ているかを調べることです。結果が目標とするところまで出ているかどうかもポイントになります。

補聴器の評価は主にこの二つを組み合わせることにより、決めています。そして両方の結果が良いとなる補聴器を選択するのが最もベストです。

難聴の方は、自分自身で聞こえを評価することができません。できたとしても聞こえてくる音の感覚が自分にとって良く感じるか、悪く感じるかくらいしか判断する事ができません。これは子どもだからではなく難聴者全員に共通することです。

難聴になるとどこまで聞こえるのが正解か、どんな音で聞こえるのが正解かがわかりません。正常の聞こえを体験した事がないため、どこまで聞こえたら良いかがわからないのです。特に感音性難聴の場合は、どんなに聞こえを良くしたとしても機能的に聞こえの限界があります。そのため、聞こえの判断基準が曖昧になります。

そこで考えだされたのが、客観評価となります。客観的に補聴器を装用した状態で、どれほど聞こえが必要かを見定めます。そして必要とされる聞こえを得た状態で本人にとって負荷がなければ良いであろうと考え、主観評価と客観評価を組み合わせた評価方法を取る事で、最もベストな補聴器を導き出す事ができるようになります。

評価ポイント

こちらでは、評価ポイントを記載していきます。評価ポイントは、

  • 主観評価
  • 客観評価

この二つでわかれます。

主観評価

主観評価は、本人の装用感覚を重視します。本人がわかるのは、補聴器を聞いてみて良いか悪いかになります。「この補聴器は使えそう?」と質問してみるのが良いでしょう。使えそうなら良いですし、嫌なら使えない理由があります。嫌なら嫌なポイントを聞き、調整することで、改善できるのか、補聴器そのものを別のものに変えたら良いのかを考えていきます。この部分は、先生、業者、保護者の三名が協力することが重要です。

客観評価

客観評価は、装用している補聴器の効果を見える化します。そして、目指すべきポイントと現在の聞こえを見比べ、どのようになっているかを把握します。この部分は、主に先生、業者側のお仕事です。補聴器装用して目指すポイントまで来ているか、そうでないかの確認だけでもしておくと良いでしょう。

なお、この点について、詳しく知りたい場合は、こちらをご覧下さい。実際に効果まで見れるようになると業者、先生がどのように判断しているかもわかるようになります。

リンク:音場閾値測定で目指す補聴器を装用した聞こえの目安

まとめ

客観評価でしっかりと聞こえるポイント、目指すべきポイントに来ている場合、残りの主観評価が合えば、選択基準を満たしている補聴器となります。しっかりと聞こえており、かつ持続的に使える補聴器であれば、何でも良いでしょう。

主観評価の注意点

質問する際には、その音が本人にとってどのように感じているかに重点を置きましょう。私が経験したものは、本人は、補聴器の音がうるさい……と言っていましたが、その子にとってはうるさいのが良いということでした。それだけ大きく聞こえるほうが安心感があるとのことです。聴覚保護のため、必要以上の音が出ないように調整したうえでの音量ですが、中にはこのような子もいます。

また、補聴器買換え時、新しい補聴器は「大きな音もしなく、今まで聞いたことがないような小さい音も気付くようになった」と評価してくれた子がいました。しかし、私はすかさず「それは、君にとって良いこと?悪いこと?」と聞いてみました。すると「大きく音が聞こえにくくなって変……」と答えていました。一見上記のように言われると、全て良いように聞こえますが、その子にとっては、良い状況ではなかったようです。詳しく聞いてみると小さな音にも気付くようになったことは良いポイントでしたので、そこは残した調整をしてあげることで、改善できました。

このように自分の価値観だけで決めず、相手の音の価値観を理解することが何よりも重要になります。これは、元々補聴器を装用していた児童に多くなります。

金額の違いは?

気になるのは、補聴器の金額の差です。補聴器の金額は、ピンからキリまであります。なぜこんなににも差が出てしまっているのでしょうか。そして、気になるのは、この差は、聞こえにどのような差をつけるかです。補聴器そのものにある機能を説明すると共に、この金額の差がどこにでるのかも見ていきましょう。

金額の差は、快適性に出る

高い補聴器、安い補聴器は、聞こえてくる音の快適性が違います。静かなところでは、ほとんど差がありませんが、騒がしい中ですと周囲の音を下げる機能が優れていたり、その中でも言葉を聞きやすくする機能が優れています。さらに、抑制しても全く影響がない音を効果的に抑えたりする事もできます。高い補聴器ほど、抑制する機能が優れており、快適に過ごしやすくなります。

基本的な聞こえに関しては、ほとんど変わりません。高い補聴器の方が、音の調整のしやすさなどの差は出ますが、基本的に、高額補聴器ではないと耳の聞こえに合わせられないという事は、ありません。どんな補聴器も耳の聞こえに合わせる機能は、搭載されていますので、耳に合わせる事は、可能です。

聞き取りに差がでるのは、騒がしい中になります。静かなところでは、大きく差はでません。それは、高額補聴器ほど、騒がしい環境で音を快適にしてくれる機能が搭載されているからです。この機能がない場合、騒がしい中は、騒がしいのですが、基本抑える機能がなくても補聴器は、使用できるようになっています。何よりも昔は、そんなものなしで聞こえを補っていましたので、音を抑える機能がなくても補聴器は使用できます。

金額の差は、聞こえてくる音の快適性に差がでると覚えておきましょう。もちろん抑制機能がなくても補聴器は、使用できますので、ご安心ください。私自身も補聴器を装用していますが、抑制機能は、ほとんど使用せず、補聴器で音を聞いています。

補聴器の機能

補聴器の機能には

  • 抑制機能
  • 指向性機能
  • ハウリングキャンセラー
  • チャンネル

この四つがあります。それぞれ異なる役割があり、ハウリングキャンセラーを除く、三つの機能の高さで、補聴器の金額が決まります。これらの能力が高いと高いほど、補聴器の金額も高くなってきます。

抑制機能

抑制機能とは、補聴器が音を聞いた時「この音聞こえなくても良いんじゃない?」と思う音を抑制する機能です。基本的には、

  • 騒音抑制
  • その他抑制機能

の二つがあります。騒音抑制は音を抑えるというメリットがありますが、音が聞こえにくくなるというデメリットがあります。その他、抑制機能は、音を抑えるというメリットしかありません。

その他抑制機能に関しては、基本聞かなくて良い音、あるいは大きすぎる音を抑えますので、非常に効果的な抑制機能です。ただし、これらの機能は、高額な補聴器にしか搭載されていません。お金を出せる人であれば、ある方が楽になります。しかし、何が何でも出さなければならないという事はありません。

指向性機能

指向性機能とは、騒がしい中でどれだけ言葉を聞きやすくするかの機能です。金額に最も反映される機能であり、高額であればあるほど、この機能が高くなります。

ただし、騒がしい中は、基本聞きにくい環境ですので、正直高額の補聴器を購入したからといって、聞き取れるようになるかと言えば、わかりません。私自身も装用して試した事がありますが、聞こえてくる音の感覚は変わるものの言葉を理解しやすくなっているかにフォーカスすると良くわかりませんでした。

個人的には、あるに越した事はない機能ですが、なくても良い機能でもあると思っています。

詳しくは、こちらをご覧下さい。機能についてまとめています。

リンク:補聴器の指向性機能の基本をまとめてみました

ハウリングキャンセラー

ハウリングキャンセラーは、ハウリングと呼ばれる症状を軽減させる機能です。軽度難聴~中等度難聴までは、必要にはなりませんが、それ以上の難聴の場合、あった方が良い機能です。

ハウリングに関しては、基本イヤモールドで防止します。しかし、高度難聴~重度難聴まで聴力が進行しているとハウリングを止めるのが、難しくなってきます。そのような場合は、ハウリングキャンセラーがあると良いでしょう。

なお、今現在ほとんどの補聴器にハウリングキャンセラーは、搭載されています。機能の性能差もあまりありませんので、こんな機能があるとだけ覚えておくと良いでしょう。

ハウリングキャンセラーについて、詳しく知りたい場合は、こちらをどうぞ。

リンク:補聴器のハウリングキャンセラー機能を知ろう

チャンネル

チャンネルとは、補聴器を調整する際に基礎となる機能です。チャンネル数、chと記載され、どれだけ細かく音を調整できるかを示す機能です。高額な補聴器ほど、調整できるチャンネルは、多くなります。

チャンネル数16となっていれば、オージオグラムを縦に16等分して調整できるようになり、それだけ周波数別に細かく調整できるようになります。チャンネル数が欲しいのどちらかというと調整者の方ですが、あるとあるほど、調整者が調整しやすく、調整しやすくなれば、それが巡り巡って補聴器装用者に返ってきます。

チャンネル数はあるに越した事はありません。聴力によって異なりますが、大抵は8~12chあれば調整は可能になります。一部、しっかりとした調整をしたい先生方は、16chや20chと多くのチャンネルを求める場合もあります。

チャンネルに関して、さらに詳しく知りたい場合は、こちらをどうぞ。

リンク:補聴器のチャンネル関する基礎まとめ

まとめ

金額の違いには、これらの機能の違いになります。そして、その差が最も出るのは、騒がしい中での快適性になります。このように記載するのは、指向性機能、騒音抑制機能で騒がしさを軽減する事はできても、聞き取りに貢献できるかどうかは、耳次第になるからです。

特に補聴器を装用する方は、ほとんどが感音性難聴であり、音を抑制できたとしても言葉が理解できるようになるとは、限りません。それらの理由から、高額補聴器で良いのは、聞こえてくる音の快適性であると考えています。こちらは、誰でも経験できる事です。そこに効果を見出すのであれば、高額補聴器は立派な投資になります。

金額の違いには、これらのものがあります。

補聴器は、基本耳に合わせられる

補聴器は、基本ほとんどの人の耳に合わせられる機器です。むしろ合わない補聴器の方が少なくなります。それは、どういう意味なのでしょうか。それについて、こちらで説明していきます。

今は、デジタル補聴器ですので、基本どんな補聴器でも耳に合わせやすくなっています。

対応するものは非常に多い

補聴器を選ぶうえで悩むのは、どのような補聴器にしようか……というところです。そして、耳の聞こえが良くなる補聴器が良いのは、誰でも同じになります。しかし、この条件を満たさないのは、ほとんどありません。

補聴器は、難聴のレベルと出力さえ合っていれば、ほとんどの補聴器が合います。補聴器が合わない……と言っている方の補聴器は、大抵、補聴器が合っていないのではなく、厳密には、補聴器から出ている音が合っていないとなります。今現在は、デジタル補聴器ですので、良くも悪くも自由に調整できます。出力の範囲内なら、いくらでも調整できるのがデジタル補聴器の特徴です。そのため、合わない補聴器を探す方が難しくなります。

ほとんどの補聴器は、耳に合う補聴器です。耳の状況により、お勧めかそうでないかはあるにしろ、ほとんどの補聴器は、耳に合わせられる補聴器となります。

重要なのは、耳の聞こえを補う事

その中で、重要になってくるのは、耳の聞こえを補う事になります。そして、どのような状態だと耳に合っているのか、効果があると言えるのか、それを理解する事です。

補聴器を装用して聞こえるような感覚があったとしてもそれがベストであるとは、かぎりません。それがベストでなければ、もっと聞こえるようにした方が良いですし、そこが限界値であれば、それが補聴器の効果であり、補聴器の評価でもあります。

基本的にどのような補聴器も耳に合わせる事ができるため、重要なのは、何をもって合っていると言えるのかになります。その判断方法が主観評価と客観評価になります。この二つをする事で、限りなく良い補聴器に巡り合えるでしょう。

まとめ

補聴器は、基本どのような補聴器でも音を補い、聞こえるようにする事ができます。補聴器調整者側からすれば、補いにくい聴力、補いやすい聴力はあるにせよ、基本的に耳に合わせる機能は、どんな補聴器にも搭載されています。そのため、何をもって合っているのかを考えるのが最も重要になります。

さらに、騒がしい中でも少しでも聞きやすくしてあげたい、楽にしてあげたいとお考えなら、高額補聴器をお勧めします。言葉が聞こえるようになるかまで保証はできませんが、快適性に関しては、確かに上がりますので、聞こえを楽にする事ができます。

あとがき

小学生の補聴器選択について記載してみました。補聴器を選択する際は、基本どんな補聴器も補える事を理解しておきましょう。そこから聞こえの快適性をどれだけ与えてあげたいかを考えます。そして、なるべく快適性もあげたいのであれば、出せるだけの高額補聴器で良いですし、そこまでは、難しいのであれば、ある程度抑えた金額の補聴器で構いません。

こちらの内容が補聴器選択にお役に立てれば、幸いです。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

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