2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器は本当に年寄りくさいのか


補聴器を装用しない理由として、「年寄りくさいから」という理由を見ることがあります。過去に、補聴器を装用しない理由は何ですか?という問いに対し、「年寄りくさいから……」というアンケート項目にチェックが入っているのを何度か見た事があります。

では、果たして補聴器は、年寄りくさいのでしょうか?補聴器を装用している身からすると、とてもそのように思えません。

今回は、本当に補聴器は、年寄りくさいのか。という事に対し、考えていきます。

疑問に思う理由

私は、補聴器を販売していた身ですが、実は、一度も補聴器は「年寄りくさいから嫌だ」という声をお客さんから聞いたことがありませんでした。ただし、補聴器を見せると「補聴器って、結構綺麗なんだね」という言葉は、いただくことがありました。

お客さんの言葉、そして自身が体験したことから、年寄りくさいというのが、補聴器の事を記載したメディアの書き方により、「補聴器は、年寄りくさい」というマイナスイメージを植え付けてしまっているのではないかと考えています。お客さんがそう思っているのではなく、メディアが「年寄りくさい」から普及しないと記載し、それを見たお客さんが補聴器は年寄りくさいもの……というイメージをもってしまってるのではないか。そのような気がしてなりません。

なお、念のため記載いたしますが、補聴器は、ご年配の方が装用するものではなく、耳の聞こえが低下した方が装用するものです。そして、聞こえるようになることで、様々なことにアクティブになれる……それが補聴器の役目であり、担うものになります。

世代ごとに異なる価値観

上記の内容を記載するにあたり、私の履歴についても記載します。これは、私自身がなぜそのように思うかを明確にするためです。当然ですが、補聴器を装用する時期によって、補聴器に対するイメージは、ガラリと変わります。

例えば、難聴の子どもは、補聴器を当然ながら年寄りくさいものとは、思いません。自分にとって必要なものですし、ないと非常に心細くなってしまいます。しかし、お年を召した方は、どうなのでしょうか。もしかしたら、本当は年寄りくさいと思っているのかもしれません。聞こえの低下が老化現象の一部だと思っているのであれば、補聴器を装用する事で「私は老化している」という証明をする事になります。であれば、補聴器=年寄りくさいは成り立ちますね。

装用する世代が異なれば、それぞれが思う補聴器の意味合いは、異なります。

で、本題です。

私は、生まれつきの難聴です。8歳の頃に補聴器を装用し始めました。幼稚園の頃に、中耳炎になり、近所の耳鼻咽喉科で見てもらったところ、中耳炎関係なしに、耳の聞こえが悪いのではないかと言わました。その後、大きな病院で、診てもらったところ難聴が発覚します。装用時期にかなりの差がありますが、当時は、装用するより、耳の治療や原因を探ることに、時間がかかり、装用が遅れてしまったという事情があります。

さて、本題です。

私は、子どもの頃から装用していましたが、一度も年寄りくさいと感じたことはありませんでした。上記にも記載しましたが、子どもは、補聴器を年寄りくさいとは、思っていません。これは、私自身が思ったことがないことと、お子さんに販売した時もそのような言葉を聞いたことがないこと、この二つにより、そう感じています。

生まれつき耳の聞こえが低下していた方は、補聴器を年寄りくさいものだと考えたこともないと思っています。気が付いたら補聴器を装用しており、長らく使用していれば、自分にとって必要な存在であることに気が付きます。若い頃から補聴器を装用している方の補聴器に対するイメージは、自分にとって必要なもの、あるいは大切なもの、という認識しかないでしょう。

なお、私は、そのように考えています。補聴器は、自分にとって必要なものであり、それ以下でもそれ以上でもありません。年寄りくさいものとは、自分のなかで、考えたことがありませんでした。そして「年寄りくさい」という言葉は、メディアや補聴器を装用しない理由と書かれた雑誌、新聞などで知りました。

年配者の思考に関する仮説

上記では、一つの仮説として、耳の低下=老化現象と結びつけ、老化現象が目に見えてしまうために、補聴器=年寄りくさい、と考えてみました。

ここで一つ、老化現象について考えてみます。老化現象で有名なのは、目ですね。老眼です。また、足腰が弱くなることも老化現象の一つとして、考えられます。

しかし、この二つは、仮説と打って変わって良く聞きました。幸いにも補聴器を装用する方は、ご年配の方が多いです。それらの方々から、老眼であることや足腰が弱くなったという言葉は、不思議なほど、よく聞きます。「若い頃は、気付かないかもしれないけど、歳を取ると……」や「老眼になると近くのものが見えないのよね〜」あとは「食が細くなる」などもそうですね。

これらは、よく考えてみると老化現象ではありますが、その状況をなぜか説明してくれています。仮に、老化現象を悪く捉えていたら赤の他人に、自身の弱みであることを伝えるのでしょうか?そこも引っかかったポイントです。

目や足腰は、良くても耳はマイナスイメージになってしまうのでしょうか?

今の補聴器

今、現在、補聴器は、様々なカラーが選択できるようになってきました。下記に紹介するのは、その一部です。
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※画像は補聴器メーカーオーティコンより引用

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

二つの補聴器メーカーからカラーがついた補聴器を借用してみました。現在は、年寄りくさい……というよりもナウでヤングすぎて嫌だ……という人の方が多そうですね。

なお、補聴器メーカー全体で、このような傾向があります。これらの動きは、5~6年くらい前から、見られてきました。

このような補聴器を見てもまだ補聴器は年寄りくさい……となるのでしょうか?ここも疑問のポイントです。

本当の理由は

個人的に思う事は、実は別に原因があるのに対し、「年寄りくさいのが原因だ」と各補聴器メーカーや業界人が思い込んでしまった事にあるのではないかと考えています。補聴器は、耳の聞こえが低下した方が装用しますが、装用者の多くは、年配者です。こちらの事実は、変わりません。しかし、これは、第三者から見た内容です。

では、本当に年寄りくさいかと言われれば、もしかしたら装用者の大半は、そんな風に思っていないのかもしれません。多くの人は、単純に耳の聞こえを良くするもの、補ってくれるものが補聴器であると考えているように思います。

装用する側から見れば、自分にとってどんなことをしてくれるかという見方であり、相手からどのように見られるかではないはずです。メガネやコンタクトレンズを装用する時に、一番に考えるのは、どのように自分の視力が良くなるかではないでしょうか。これらは、自身の困り度によって変わりますが、少なくとも聞こえを解決したいと考えている方は、補聴器を年寄りくさいものではなく、聞こえを良くするものと考えているはずです。

世間のイメージと装用者が補聴器について思っているイメージに、ギャップがあるのを個人的には、感じています。

普及しない原因を「補聴器は年寄りくさい」と決めてしまって、情報が拡散されてしまっただけではないか。私は、そのように感じています。

あとがき

個人的に思う事を記載してみました。雑誌などで「年寄りくさい」ので、装用しない……となっているケースがたまにありましたので、それについて思うことを記載してみました。私自身補聴器を装用していますが、年寄りくさいとは、考えたことがありません。そのため、ずっと疑問に思っていたことでした。

もちろんこれは、生まれつき難聴の人間が考えていることです。年齢を重ねることで、聞こえが低下した方とは、耳に関する意識、補聴器のイメージは異なります。そのため、上記の推測が、外れることも考えられます。しかし、今まで会った人を見てみると「本当にそうなのか?」と疑問を浮かべてしまいます。

真実は、どちらかわかりませんが、仮にそうではなかった場合、別に要因が考えられます。その場合は、その要因を突き詰める必要がありますね。この原因究明は、非常に重要なことです。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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