2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器が変わらなければどう替わるのか

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昨日は、「業界が変わらなければ、替わるかもしれないという発想」を記載しました。非常に参考になる話しで、いくら岩盤規制があったとしても、市場の力でいとも簡単に覆される可能性があるというお話です。さらに、それは身近なものでも起こりえる事でもあります。

こちらでは、一般的な内容を記載しました。では、補聴器業界ではどのようになるのでしょうか?

今回は、こちらについて考えていきます。

なお、こちらは、補聴器が変わらなくても、今後替わるかもしれないものも含めて記載していきます。

補聴器が他のものに替わるかもしれない

補聴器は音を大きくする機械ではありますが、それが担う役割はそれだけではありません。補聴器がしてくれている事の根本を理解すると他のものに替わるかも……という理由を理解できます。

補聴器に求めるもの

難聴の方は、なぜ補聴器を使用するのでしょうか。音を聞こえるようにしたいから……と答えそうになりますが、個人的には、違う解釈をしています。私の返答は、コミュニケーションをするために装用すると考えています。

仮にテレビを聞くとき、ほとんどの方は、ヘッドフォンで聞いていると思います。一人で聞く時は特にそうですね。しかし、ここに、一人ではなく、奥さんや旦那さん、友人が加わるとその方々とコミュニケーションを図る必要があります。ここで初めて補聴器が必要になります。テレビを聞く時だけなら補聴器はいりませんが、人とコミュニケーションする時は補聴器が必要になります。

一般的に、人の意思疎通方法は、会話をする事です。言い換えれば、音を使った意思疎通方法といえます。これをするために、補聴器を装用しよう……と考えます。

では、意思疎通方法は、これだけしかないのでしょうか。目で会話する手話もありますし、字を書いて会話する方法もあります。コミュニケーションを取る方法は、何も会話だけではありません。もしかしたら、会話以上にいい方法があるのかもしれません。

難聴者が補聴器に求めているのは、コミュニケーションの改善です。

別の視点から見てみよう

このブログの中に字幕電話というものがあります。こちらは、コミュニケーションを考えるうえで最適な材料です。難聴の方は、話せるけれども聞きにくい方が非常に多くいらっしゃいます。そのような方にぴったりなコミュニケーション方法を提供してくれるのが、この字幕電話です。

字幕電話は、その名の通り、音声を字幕で表示してくれる電話です。難聴の方が理解しやすくするために字幕(目で確認できる方法)で表示し、電話ができるサービスです。こちらは、コミュニケーションの観点から見ると非常に素晴らしいサービスです。このサービスは、何も音で理解しなくてもコミュニケーションが取れる事を証明してくれています。つまり意思疎通ができるものであれば、何でも良いのです。

まとめ

コミュニケーションは、耳だけでしか改善できないわけではありません。目を利用したり、触覚を利用することでも改善できる可能性は十分にあるでしょう。

一般の方は、音を使ったコミュニケーションが主流ですが、それが難しければ、それ以外でコミュニケーションする方法があります。現在、様々な分野が成長してきており、技術の進歩が目覚ましくなりました。耳もそうですが、それ以外からのコミュニケーションの改善も今まで以上にできるようになるかもしれません。その可能性は、十分に考えられます。

補聴器が別の形態に替わるかもしれない

補聴器が別の形態に替わる可能性は、どのようなものがあるのでしょうか。私が現在注目しているのは、通販です。

通販が替えるかもしれない補聴器の常識

数日前、補聴器のクラウドファンディングについて触れました。この補聴器クラウドファンディングは、多額の資金を調達され、さらに自分で調整ができる補聴器の販売を売りにしています。

仮にこのようになると補聴器は、一部の方にとって、病院や補聴器屋から購入するものではなく、通販によって購入するものに替わるかもしれません。従来の病院や補聴器屋では、下手をすれば、1ヶ月〜2ヶ月ほどかかって補聴器を購入します。購入するまでには、何度も病院、補聴器屋に足を運ぶ必要もありますし、足腰が悪ければ、足取りも重くなります。中には病院嫌いの方もいるでしょうし、病院の長い待ち時間が嫌いな人もいます。

しかし、通販であれば、数日で手に入ってしまいます。

通販が流行るポイント

通販の良いところは、このスピード感にあります。誰でも欲しい物は早く手に入れたいと思うものですし、世界最大の物流企業Amazonは、有料で通常より早く届けるプライム会員を設定しています。通常でも十分早い部類ですが、年間3,900円を支払う事で、さらに早く届けてくれます。現在、プライム会員数は、1000万人を超えているとされ(世界での人数です)、いかにスピードが求められているかがわかる例です。皆、面倒なのは嫌いなのです。人間なのですから、仕方ありません。

仮に、簡単に耳に合わせられる補聴器が出てきたらどうでしょうか。自分自身の聴力データを入力し、補聴器が合わせてくれるなら、自分自身で調整したい!と思う方は、いるでしょう。現在、補聴器の自動調整技術も上がってきており、徐々に簡単に調整できるようにもなっています。このようになれば、一般の方が簡単に調整できる日もそのうち来るのでは?と思っています。

実をいうと私自身が自分の補聴器を調整するために、補聴器屋に入りましたので、私はその一人です。このように考えている層は一定の確率で居ると思います。

このようになれば、補聴器の形態も替わってくるのかもしれません。

通販は悪い?

通販はあくまでも手段の一つでしかありません。現在の通販は、集音器や調整できない補聴器が販売されていますので、いい状態とは言えません。これは、通販が悪いのではなく、質の良くない(半分騙す事目的な)集音器が販売されている事、他人の耳に調整された補聴器が販売されている事が問題です。

通販自体は、ただ物を届ける手段でしかありませんので、ここに善し悪しはありません。この点を誤解されないように気を付けてください。

他の補い方に替わるのかもしれない

他の補い方というと補聴器、人工内耳以外には、iPS細胞による治療があります(厳密には補い方にはなりませんね)。こちらで治ってしまえば、補聴器も人工内耳もいりません。iPS細胞の治療が一般的になる頃には、補聴器、人工内耳は過去の遺産になっているでしょう。iPS細胞に関しては、まだまだ始まったばかりですので、本当の意味でこれからです。

では、それ以外では何が考えられるでしょうか。個人的に思ったのは、ICチップを脳に埋め込む方法です。人工内耳は、内耳と呼ばれる音を感じ取る神経に電気信号に変換した状態で、刺激する事で、音を理解できるようにしています。ここをさらに進歩させて言葉を理解する聴覚野あるいはウェルニッケ野にICチップを埋め込み、音ではなく聴覚の処理を機械でしてしまい、直接脳で理解できるようにする……という仕組みです。そうすれば、もっと理解できるものが増えるかもしれません。

なお、この点に関しては、少々適当に記載しています。話し半分程度に受け止めてください。まだまだ聴覚の仕組みは解明されていない部分も多く、本当にこのような事ができるのかもわかりませんし、どのように聞こえる(理解する)のかも想像つきません。ただ、ここまで来る頃には、iPS細胞が完成してそう……という感覚はあります。

また、世界では別の試みで補おうと考えているところもあるかもしれません。それであれば、別の補い方も出てくる可能性はあるでしょう。

補聴器のビジネスが替わるかもしれない

一方補聴器のビジネスも替わるのでは?と思うところがあります。状況が変化すれば、それに応じてビジネスも変化します。

通販で変化するビジネス

「補聴器が別の形態に替わるかもしれない」と記載した内容の延長線上になりますが、補聴器のビジネスも替わるかもしれません。現在のビジネスは、単純にものの売買だけであり、それ以下でもそれ以上でもありません。

仮に通販で買えるようになったら、補聴器コンサルタントのような職業が出てきたり(調整相談、あるいは実際に調整する人)、調整機器使い放題1h○○円、みたいなところも出てくるかもしれません。そうなれば、補聴器相談料(調整料)として、課金されるサービスも出てくるでしょう。

また、調整や相談が主体になるとskypeなどを利用して、相談したり、遠隔操作で調整できるようなシステムができれば、出張する時間も制限して、調整もできます。このような変化も考えられます。

考え方次第では、様々なものが思いつきます。

ビジネス変化の利点、欠点

これらの良い面は、しっかりと技術がある人にお願いしやすくなる点ですが、悪い点は、詐欺師にひっかかる可能性がある事です。特に補聴器は、装用者本人だけでは、聞こえを判断できません。なすがままにされてしまう例は、十分に考えられます。

ただ、現在でもそれは変わりありません。補聴器屋も様々で、非常に親切に、そして丁寧に対応や販売しているところもあれば、あくどい事を平気でする補聴器屋もあります。ここは、どんな仕事でも変わりない部分です。仮にこのように仕事内容が替わったからといって、詐欺師が急増するとは思いません。

補聴器に関するビジネスそのものが替わる可能性もあります。

あとがき

補聴器版の「変わらなければ替わるかもしれない」を考えてみました。どちらかというと補聴器よりも別の方法で補った方が聞こえやすくなる可能性という外部的要因によるものが多くあります。いずれにしも難聴の方にとっては、良い事です。別の改善方法が出てきたり、もしかしたら補聴器が安くなったりするかもしれません。様々なビジネスになる可能性もありますし、多様な購入方法ができる可能性もあります。

さて、未来はどんな風になっているのでしょうか。それはそれで楽しみですね。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:リアナ・ウェン氏の動画を見て思う補聴器業界の未来のあり方

リンク:Haloはユーザー層にマッチしているのか

リンク:Webの発達により変わるアクセスルート

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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