2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

低音障害型感音難聴における病院の診察手順一例

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難聴になったとき、耳鼻咽喉科さんは、どのような手順で、聞こえを改善させるのでしょうか。病院で行うものには、検査、触診、問診など様々なものがあります。

どのような物事も、基本は確認と施策に分かれます。耳鼻咽喉科さんでしたら、耳の状況確認と薬や手術などの施策です。では、どのように原因を理解し、そして対応されているのでしょうか。

今回は、増えつつある低音障害型感音難聴を例に、どのように判断しているのかの流れを記載していきます。

なお、こちらにある内容は、あくまでも一例としてみてください。状況により判断は異なるケースが考えられますので、一概には言うことができません。この点に関しては、ご了承ください。

耳鼻科の基本ステップ

冒頭の通り、耳鼻咽喉科に限らず、どのような物事も、基本は

  • 原因の究明
  • 改善(治療)策の施策

この二つにわかれます。原因の究明の中に現状の確認が入り、聴力検査や触診、患者の状況確認があります。

原因の究明

原因の究明には、現状の確認が不可欠です。どのような症状が出ているのか、いつごろからそんな症状が出ているのか、これらを知ることで、病名を探っていきます。どんな物事もこの部分に大きく時間を取られます。そして、重要な部分でもあります。

原因をしっかり特定しないと治療は、当然うまく行きません。そして、この原因究明は、非常に難しい部類でもあります。ここがうまくいけば、適切に対処できます。これは、治るものも治らないものも同様です。

原因の究明にも主観症状(自分自身が感じている感覚、頭痛がするなど)の確認と客観症状(検査を通じて客観的に物事を見る事)の確認に分かれます。

主観症状の確認

主観評価の代表例は、問診です。どのように体調が悪くなったのか、いつから体調が悪くなったのか、体のどこが悪いのかなど、問診することにより、原因究明を行っていきます。もちろん、悪いところ以外の質問もあります。

客観症状の確認

客観評価の代表例は、聴力検査、耳の中の診察です。聴力検査で聴力を知ることで、耳の聞こえの状況や悪くなっている場所がわかりますし、耳の中を診察する事で、耳の状況もわかります。

これらのデータや問診を経て、医師は、患者の状況を判断します。その後、薬や手術といった方法で、対応します。

原因究明と治療はどっちが重要?

原因究明と治療では、原因究明の方が重要です。良い医師は、原因究明に時間をかけます。というのも原因がわかれば、効果的な治療が望める可能性があるからです(可能性というのは、現在の医療では治療できない病気もあるためこのような表現にしています)。原因をはき違えれば、当然治療はからっきしになり、また一から考え直しになります。どの薬にも副作用がありますので、大抵の医師は、原因究明に力を入れ、効果的な治療を行う事を第一としています。

病院が検査だらけなのは、そのような理由もあります。

難聴の場合は?

では、難聴の場合は、どのような事が考えられるのでしょうか。こちらでは、あくまでも例として上げていきます。

難聴の診断

急に耳が聞こえにくくなり、耳鼻咽喉科を受診すると聴力検査、耳の診察、問診が行われます。初めに行われるのは、問診です。問診後、聞きにくくなったと言われれば、聴力検査を行います。耳の病気には、大抵難聴(聴力レベルの低下)の傾向がわかってきており、聴力検査を行うことで、おおよその目星を付けることができます。その後、仮に○○症だったら?××症だったら?という仮説に基づき、様々な角度で、診察を行います。

低音障害型感音難聴の診断

低音障害型感音難聴と診断されるのには、聴力検査で低い周波数の音が聞こえない事が一つの条件としてあります。しかし、低い周波数の音が聞こえない難聴は、この他に、中耳炎、耳管狭窄症があります。中耳炎は、耳の中を診察する事、症状の問診でわかり、耳管狭窄症も、耳の中を診察する事、鼻の中を診察する事、症状について問診する事で、わかります。

低音が聞こえにくい……と言っても様々な原因が考えられますので、どの難聴?と言われても診察してみないとわからないケースは多くあります。

これらの原因すべてが外れ、さらに

  • 低い音が聞こえにくくなる
  • 耳が詰まった感覚がする
  • 低い音の耳鳴りがする

これらの症状で当てはまるものがあれば、低音障害型感音難聴となります。

原因究明の考えとは

原因を究明する考え方として、多くの場合、症状、問診内容、検査内容を確認したあとに行われます。この時、これ、これ、これがあるから○○という病気だ!というふうには、診断しません。優秀な医師は、仮説を立ててそれが正解であるかどうかを確認しています。今ある判断材料だけで、診察するのではなく、一つ一つの病気の仮説を立ててYesかNoかを判断します。

似た症状との区別

その理由には、似た症状もたくさんあるからです。今ある判断材料だけ判断すると、誤診の元になりやすくなります。例えば、症状A、B、Cとあると○○症、症状A、B、C、Dとあると××症となる場合、両方とも共通する部分があります。この場合、症状A、B、Cだけで判断すると実は、××症だったという誤診の元になります。症状A、B、Cだけで判断してしまうと、××症ではないという証拠が得られません。そのために○○症だったら?××症だったら?という仮説検証を行っています。

判断が難しい病気も当然あります。これは医師の責任ではありません。

誤診の少なさ

また、もう一つあるのは、可能性を潰してくほうが、原因を見逃しにくいという事もあります。これこれがあるから、○○だ!という判断は、逆にいえば、それ以外の病気の可能性を見つけることができません。どこが悪いのかではなく、「ここは正常か」という判断で行っていく方が誤診しにくいというのもあります。

中には、二つの病気が重なってそのようになっている可能性もあります。一つの可能性のみを考えてしまうと、二つあった場合に対応できません。どこが悪いかではなく、「ここは正常か」で確認する方が、地道に正解へたどり着けます。

まとめ

数多くの症状から共通点を見つけるのではなく、考えられる原因を一つ一つ確認していくのが医療です。原因究明は、非常に難しい部類であり、医師が一番力を入れている部分でもあります。人の体はまだまだ理解されていない部分も多くありますので、なおさらです。

原因解明後の対応

原因究明後は、それぞれの治療法を行います。低音障害型感音難聴であれば、薬による改善。中耳炎は、薬や手術で改善。耳管狭窄症は、施策や薬による改善。聴神経腫瘍による難聴は、腫瘍を取り除き改善です。

なお、状況によって治療の判断は異なりますので、こちらに記載しているのは、あくまでも一例としてお考えください。医師によっても異なりますし、身体状況によっても異なります。

あとがき

増えてきた低音障害型感音難聴をどのように診察するかを記載してみました。こちらは、私の知識と病院に勤める知人の内容をを組み合わせて記載しています。インターネットで、病名を検索できるようになるのは良いのですが、勝手に「この病気だ!」と判断されてしまうと誤診の元になってしまいます。人の体は、本当に不思議でプラシーボ効果のように、思い込むと本当にその症状みたいなものが出てきたりします。

インターネットの欠点は、その情報しか手に入らない事です。詳細はわかりやすいのですが、全体を俯瞰して見る事ができません。この点を補充するために記載してみました。

今後、インターネットで、多くの事が調べられるようになります。しかし、詳細しかわからないという欠点も知っておく必要があります。耳の事を調べるのも良いのですが、話し半分程度に聞いておきましょう。この本内容も同様です。(というのも私は医師ではありません)

もし、気になる事や聞き辛さがあるのならすぐに病院に行きましょう。それがもっとも確実な対応です。そして、得た情報の知識は一旦忘れ、問診には、自分が体験している事、今の状況のみを伝えましょう。そのように返答するのが結局、自分の体を治す近道になります。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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