2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

今後増える難聴は、老人性難聴+騒音性難聴の複合型


今朝このような内容が日経新聞から出ました。「世界の若者、11億人が聴覚障害の危険性WHO調査

世界保健機関(WHO)は27日、世界の中・高所得国に暮らす12~35歳のうち、約11億人が聴覚障害に至る危険性があるとの調査結果を発表した。イヤホンなどを使うオーディオ機器の多用や、スポーツイベントでの騒音も悪影響を与えているという。大音量で音楽を流すナイトクラブなどで働く人にも注意を呼びかけている。

世界の若者、11億人が聴覚障害の危険性WHO調査より引用

中・高所得にくらす若者対象にしらべた結果、騒音や過度の音の聞き過ぎにより、難聴になっている傾向があると発表されました。ここまでくるともはや難聴は現代病となる日も近いように思います。

では、影響を受けているのは若者だけなのでしょうか。個人的には、違う解釈をしています。今の高齢者もまた、昔に比べたら難聴になる人が増えているのではないか……。私は、そんな風にも思っています。

今回は、そう思う理由について記載していきます。

環境の変化による難聴

今現在は、上記の日経新聞の内容通り、イヤホンや騒音が聞こえやすい環境になりました。電車、車、工事、様々なところで騒音を聞くようになりましたし、イヤホンやヘッドフォンでテレビの音、パソコンからの音をいくらでも大きくできるようになりました。これは、若者だけではなく、高齢者を含む、年齢関係なしに共通する事です。日経新聞の内容では、若者だけに限定していましたが、個人的には、高齢者も含んでいると思っています。機器の進化により、今いる環境が変わったことによる変化とも言えます。

都心部では、電車に乗って通勤する人が多くを占めます。電車の音は、非常に大きく地下鉄ですと場所によっては音が反響しさらに大きく感じます。また、アナウンスは、電車の音にかき消されないようにもっと大きくして流しています。これをほぼ毎日聞いているのですから、耳の聞こえが低下してもおかしくありません。通勤時間も1時間くらいがデフォルトですし、中にはもっと長い方もいるでしょう。

私がこのように感じるのは、理由があります。難聴の私が聞いてうるさいと感じるものがなぜか周囲の人は平然として聞いているケースがあります。電車内の音もそうですし、電車内のアナウンス、駅のアナウンスもそうです。本来なら難聴者より耳が良い健聴の方がなぜか平然として聞いている様子を見ると不安に感じます。

アナウンスの音、電車の音の大きさがおおよそわかる私からするともしかしたら難聴なんじゃ……と思ってしまうこともあります。音はうるさければ、自然に防御体制をしたり顔に出ます。例えば、耳を塞いだり、顔が苦痛に歪んだりです。これらが見られないとなると、案外聞こえが進んでしまっている人は多いのかもしれません。特に駅のホームのスピーカーのすぐ近くに待機して、大音量がスピーカーから出ているのに関わらず、顔色一つ変えず、並んでいる姿を見るとすごく怖いです。

難聴は、単純に大きな音を聞いたら聞いた分だけ、聞こえにくくなります。主に騒音性難聴と呼ばれる難聴であり、今後増えてくると考えられています。冒頭にある「騒音やイヤホンの多用」は、この騒音性難聴に該当します。

今現在は、音を聞く機会が増えたがために便利にはなりましたが、その変わり耳の聞こえを失いやすくなったように思います。

おさらい 騒音性難聴とは

ちょっとおさらいしておきましょう。騒音性難聴とは、上記の通り、大きい音を聞きすぎると発症する難聴です。こちらは、単純に大きい音を聞くと聞くほど、難聴のリスクが高まり、その音を長く聞く程、さらに難聴のリスクが高まります。
騒音性難聴 目安

※音響メーカーシュアーより引用

 こちらは、どれだけの音を聞くと難聴になるかの目安です。賞味期限と同じく、90dBの音を8時間聞いた瞬間に難聴になるわけではありませんが、一つの目安として最適です。もちろんこの時間の半分くらいに抑えておいたほうが良いでしょう。大きい音は、確実に耳に負担を与えていますので、聞かないほうが良いに越したことはありません。

と、これだけではわかりませんので、下記の表も加えます。

音レベル

この表もおおよその目安になります。二つの表を合わせれば、騒々しい工場で8時間大きい音を聞き続けると難聴になる……という事になります。また、うるさいバイクエンジン音は、回避しなければならない音ともわかります。感覚的にすごくうるさいと思う音は、避けた方が良いとなります。

騒音性難聴は、耳の神経にダメージを与えてしまいますので、音の聞こえにくさに加え、言葉がわかりにくくなるという障害も発生します。この点が重要です。

騒音性難聴についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧下さい。

リンク:音の聞き過ぎで難聴に?様々な騒音性難聴の種類と改善方法

考えられる難聴の経緯

では、今後どのような経緯で難聴になるのでしょうか。個人的には、初めに騒音性難聴になり、老人性難聴が発症するパターンと老人性難聴に騒音性難聴が発症するパターンがあると考えています。

なお、老人性難聴とは、加齢により、聞こえが低下してきた事を指します。老眼の耳バージョンといえばわかりやすいかもしれません。耳の神経上に障害が起こりますので、音の聞きにくさに加え、言葉の聞きにくさも発生します。

老人性難聴についてさらに詳しく知りたいは、こちらをどうぞ。

リンク:老人性難聴の種類と改善方法

騒音性難聴から老人性難聴になるパターン

若い時は、大きな音を聞いて聞こえが低下してしまっても、あまり気にならない事があったかもしれません。しかし、騒音性難聴にプラスして加齢による老人性難聴が発症すると、聞こえに困る年代が若くなるかもしれません。実際に統計したわけではありませんが、可能性の一つとして考えられる事だと思います。

今までクラブやディスコに行っており、何となく聞こえにくいような、そうでないような……というところに、加齢による難聴がくれば、当然聞こえに不自由を感じる時期は早くなります。正常聴力から聞こえに不自由を感じたのではなく、元々ある程度聴力が下がっているところに加齢による難聴をさらにプラスしているのですから、仕方がありません。

このような難聴パターンは、冒頭の記事を見ると今後増えてくる難聴パターンとも読み取れます。音が身近になれば、それだけ音により、聞こえが失いやすくもなります。そして、当時は良くても今後、聞こえに困る可能性が増えてくるパターンとも言えます。

老人性難聴に騒音性難聴が加担するパターン

若い時には、大きな音を聞いてもいきなり難聴になる事は少ないのかもしれません。大きな音を聞いたとしても許容範囲内なら、あまり影響を受けることがありません。しかし、高齢になって大きな音を聞くとダメージを負う可能性があります。この部分は、私自身詳しく知っているわけではありませんので、話し半分程度に聞いていただきたいのですが、完全にないとも思えない部分です。

例えば、上記には、90dBの音を8時間聞く事で難聴になると二つの表から読めます。しかし、これはあくまでも目安であり、若い頃なら良いのかもしれませんが(再生、回復してしまうかもしれませんが)、高齢の方がそれだけ聞いたら難聴になるような気がしてなりません。

どんなものもそうですが、加齢によって衰えてきてしまう部分があります。人の体には再生機能があり、傷を受けたところが治るようにどんな部分も程度に差があれ、再生する機能があります。現在の医療は、この再生機能を活かすように作られており、治るというのは、一部再生して治っています。

傷の治りは、若い時と高齢の時では、差があります。若い時は、1〜2日で治ってしまった物が、歳を取るごとに4〜5日、一週間くらいかかるなんてものもあります。この事を考えると耳に関しても大きな音を聞いたとき、再生能力が追いつかず、難聴になる可能性が高くなるのではないか……とも私は考えています。

周囲の音環境が変わるとこのような事も考えられます。

今後の難聴

私が思う事として、今後、騒音性難聴になってからの老人性難聴になり、聞こえの不自由度を感じる年代が変化すると考えています。騒音性難聴+老人性難聴の患者さんが今後急増するのでは?と勝手に思っています。

もしかしたらもう増えてきているのかもしれません。ここ最近のテクノロジーの進化はすごいものがあります。今では、自由にオーディオプレイヤーから音楽を聞けますし、動画やテレビを見ることもできます。音も自由に大きくできるようにもなっています。テレビの視聴率は減少している……と言われていますが、相変わらず高齢の方は、多く見ています。少なからず、今の高齢者も騒音性難聴+老人性難聴の方がいるのではないかと思います。

時代が変化すると難聴になる経緯も変わる。そんな事も思わせてくれる記事でした。

あとがき

日経新聞を見た時に思った事を記載してみました。音を聞く機会が増えたからこそ、難聴になるリスクも増えてしまったように思います。テクノロジーの進化によりどこでも音楽やテレビ、動画を楽しめるようになった反面、このような弊害も出てしまいました。これは、若者だけでなく全員に共通する部分です。

難聴に対する知識も今まで以上に必要になってくるでしょう。そしてタイトル通り、今後増えてくる難聴は、老人性難聴+騒音性難聴の複合型だと思います。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

聞こえにくい事でお悩みの方のために、補聴器で耳を改善させる手引き書を用意しました。

  • 自分の症状に合う補聴器は何か
  • 自分の聴力に合う補聴器は何か
  • 補聴器の種類、性能、違いを知りたい

などお考えでしたら、こちらをご覧下さい。補聴器で耳を改善させる内容のみに絞って記載してみました。お役に立てば幸いです。

お困りごとのご相談、承ります

Webサイトに訪れる方のご要望にお応えするため、東京都墨田区に店舗を構えました。

  • 聞こえにくい事で困っている
  • どこに相談したら良いかわからない
  • お使いの補聴器でうまく聞こえない

などお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。当店で行なっていること、よくいただくご相談は、リンク先の通りです。

〜更新情報のお知らせ〜
こちらのいずれかにご登録いただきますと更新時、お知らせします。お気軽にご登録ください。なお、Twitterでは、私自身が興味を持った記事や自分のエントリーについてツイートしています。もしよろしければフォロー、ご登録いただけるとうれしいです!
検索フォーム