2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

技術が発展する事による難聴児の補聴思考の変化

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少し前に「iPS細胞は、本当に難聴者を幸せにしてくれるのか」というエントリーを記載しました。このエントリー内の結論では、難聴者の本人次第、本人の状況次第……という結論に至りました。

では、難聴の子どもはどうなのでしょうか。現在は、人工内耳や補聴器の性能が上がってきており、話せる人達が増えています。ここもある意味貢献していると見ることができます。このように社会が変化すると、徐々に障害は障害でなくなってきます。その際起こる変化は、聞こえる社会への適合……という変化に変わります。

iPS細胞は本当に難聴者をしあわせにしてくれるのか、の続編として記載してみます。

iPS細胞ができると過程したら?

仮にiPS細胞が未来にできると過程したら、予め聞こえる社会へアクセスしているか、していないかで、乗り換えがスムーズに行くか、そうでないかが分かれると考えられます。元々聞こえる社会にいる人は、聞こえが良くなり、さらに耳を活用して、社会そのものに適合しやすくなります。しかし、聞こえる社会とは別の社会にいる方は、仮に聞こえるようになったとしても、かなり難しい可能性をもっています。その理由は、前エントリーをご覧いただくとおわかりいただけると思います。

そこから考えると、今後の考え方として、未来を予測して、聞こえる社会にアクセスしておく……という考えもあるかもしれません。

補聴に対する意識の変化

現在、様々な技術が進歩しつつあります。補聴器も人工内耳もiPS細胞も進歩した先にあるのは、障害が障害でなくなる未来と言えます。

しかし、障害が障害でなくなったとしても今までの機会損失は変わりません。治ったとしてもそれまで一般の人と異なる事や学ぶべきところを学んでいなかったら、聞こえる世界に行ったとしても適合しにくくなります。これは、今まで全く英語を学んでいなかったのに、いきなりアメリカの学校に行くような感覚です。アメリカにはアメリカのマナーや作法があり、さらに言葉もあります。これらを幼い内から覚えるか、治った時に覚えるかでは、スムーズに移行できるかが異なるでしょう。

私が思う一つの考えとして、聞こえる社会へのアクセスをしやすくするために、補助機器が否定的な人でも補聴器を幼い内から装用しておく、人工内耳を装用しておく……という考え方にシフトするかもしれません。もちろん重度の方のみに当てはまる事ですので、対象者は多くはありません。難しいとされていた人以外は、ほぼ人工内耳、補聴器で聞こえを補い、多くの人が聞こえる世界へアクセスしてくるように変わる可能性は、0ではないでしょう。

もう一つ思う事は、人工内耳の存在価値の上昇です。重度難聴の方も話せるようになる可能性を持つこの機器は、一層価値が高まると思っています。なぜなら、iPS細胞ができた頃に、スムーズに移行するには、聞こえる社会への適合が不可欠です。そうなると人工内耳で予め補えるところまで補って、それからiPS細胞……という流れも考えられます。聞こえを補うという理由ではなく、聞こえる社会にとけ込みやすくするために、予め人工内耳を装用しておく……という考えです。案外、このように考えるケースも増えてくるのかもしれません。

コミュニケーション方法により、有無が決まる

今後、さらに聞こえが良くなる機器が出てくれば、ますますこの傾向が強くなります。出てくるかはわかりませんが、もしかしたら何か計画中のところはあるかもしれません。

ただ、変わらないのは、耳を活用する方法であれば、人工内耳、補聴器と同じように、聞こえる世界へアクセスしているかどうかで、対応が異なるところです。していれば、スムーズに移行できますし、していなければ、難しい可能性が高くなります。

どんな状況になっても結局は、今まで行ってきたコミュニケーション方法で適合するか、しにくいかが決まります。会話は、音を使ったコミュニケーションです。その延長線上にあるiPS細胞、補聴器、人工内耳は、音を活用したコミュニケーションをしているため、耳が良くなれば良くなるほど、恩恵を受けられます。しかし、手話など目を活用してコミュニケーションしている場合は、仮に耳が良くなったとしても上記のエントリーの通り、難しい可能性があるでしょう。

現在の子ども達は、手話と言葉のハイブリッド型が多いと思いますが、この比率によっても変わってくると思います。とはいえ、ほとんどの確率で、言葉よりにはなっているでしょう。今後、治る可能性が高まれば高まるほど、言葉の割合は、重要になってくると考えられますね。

手話の優位性が崩れつつある現在

機器が発達してくるとしてくるほど、手話の優位性は崩れます。耳が聞こえるようになれば、手話は必要ないですし、機器が発達すれば、コミュニケーション方法として一般的な音を使った会話が主流になります。

子どもの場合、耳を使って言葉を覚えていく必要がありますので、特にそれが躊躇になります。上記のように聞こえる世界へアクセスしている事が重視されれば、手話ではなく、会話をメインに育てていくようになるでしょう。手話の良いところは、目でコミュニケーションできるところですが、その変わり、話す力は育ちません。手話は、日本語とは異なる言語を持つものであり、日本語の文章をそのまま手話で表しているわけではありません。日本語と手話は全くの別物です。

今現在も手話を使える子どもはいるものの手話がメインの子どもは恐らく少なくなってきていると思います。ろう学校でも声を聞いて話しを理解する方法を第一方針にしているところもありますし、人工内耳、補聴器が発達してきた事で、音による理解がしやすくなってきています。手話は、補助程度にし、メインは会話をしているところが増えてきました。

一部の手話メインの学校は、どのように考えているかわかりませんが、様々な機器が発達した今、手話だけで教育する価値はあまりにも危険なような気がします。今後発達してくる機器、技術の存在を知るとその子の将来を潰しかねません。もちろん様々なものを試した結果そのようになった場合は、除きます。

これからiPS細胞や人工内耳、補聴器といった耳の治療、補聴の技術が上がれば、ますますその傾向は強くなると考えています。

あとがき

続編として自分が思う事を記載してきました。未来を見据えると人工内耳、補聴器を装用して、聞こえる世界にアクセスしやすくし、その後、iPS細胞で治す……という考えもできます。今後、このように先を考えたうえで行動するような考えも出てくるのでは?と思っています。今現在でも、人工内耳装用者が増えてきていますが、これは効果を期待して装用するという考えですね。

ただ、iPS細胞が普及するには、どれくらいの月日が必要かはわかりません。iPS細胞は、技術が確定するだけではなく、それが普及しやすくなる環境作りが必要です。仮にiPS細胞で耳が治るとしても治療費1億円かかるとしたら、金持ちしか治療ができません。皆が治療できるようになるには、金額(コスト)も削減するようにしなければ、普及は遠くなります。まだまだ治療の技術も普及する策もないiPS細胞。今後、どこまで進むかわかりませんが、今は気長に待つしかありません。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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