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東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器のチャンネル関する基礎まとめ

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補聴器の機能の一つにチャンネルというものがあります。こちらは、補聴器の音をどれだけ細かく調節できるかを示すものです。補聴器には、機械ごとに異なるチャンネルが設定されており、このチャンネルの通りにしか音を調整する事ができません。補聴器の音を調整する部分ですので、補聴器購入時、重視されるポイントの一つになります。

では、チャンネルとは、どのようなものなのでしょうか。このチャンネルは、どんな時に差が出るのでしょうか。

こちらでは、チャンネルに関する概要、金額による違いは、どんなところにでるのか、これらについて記載していきます。

補聴器機能チャンネルの概要

こちらでは、チャンネルの概要について、記載していきます。

  • チャンネルとは
  • 様々なチャンネルの意味
  • 補聴器調整にどう影響するか
  • 金額による違い

この四つにわけ、載せていきます。補聴器装用者にとってチャンネルは、重視するポイントの一つです。人によっては、この部分を最も重視する方もいます。

チャンネルとは

補聴器のチャンネルとは、冒頭の通り、補聴器をどれだけ細かく調整できるかを表したものです。補聴器メーカーのカタログでは、chあるいは、チャンネルと書かれ数値で説明されています。補聴器メーカーによっては、チャンネルをバンドと言っているケースもあります。

補聴器の調整画面、細かく写っているのがチャンネル

補聴器の調整画面、細かく写っているのがチャンネル

実際に見ていただいた方が早いですね。こちらは、補聴器の調整画面です。画面に赤と青の線があり、その下に細かな数値が並んでいます。この細かな数字の部分がチャンネルです。

補聴器には、主に横軸の周波数と縦軸の入力音にわかれます。左側には、G50、G65、G80と書かれており、それぞれの音の入力音圧から、どのくらい音を大きくするかが見れるようになっています。

調整部分は、様々な部分を選択する事ができる

調整部分は、様々な部分を選択する事ができる

上記の画像では、一部の低い音を選択した状態です。調整したい範囲を選択し、音を下げる、上げるの操作をすると、選択範囲のみ音量を変えられます。

入力音であるこの部分のみ調整するという事もできる

入力音であるこの部分のみ調整するという事もできる

こんな感じに、入力音ごとにできたり、

これだけ細かく調整する事もできる

これだけ細かく調整する事もできる

ピンポイントで調整する事もできます。右(赤い画面)は、入力音、周波数ともにピンポイントで、左(青い画面)は、周波数のみピンポイントで選択している状態です。

このようにチャンネルとは、音を調節するうえで関係してくる機能になります。

様々なチャンネルの意味

補聴器のチャンネルといえば、一般的には、補聴器を調整する時の幅のチャンネルを意味します。しかし、補聴器の場合、チャンネルはここだけに使われているわけではありません。主には、

  • 補聴器の調整密度を示すチャンネル
  • 抑制機能の精度を示すチャンネル
  • 指向性機能の精度を示すチャンネル

この三つがあります。今回の内容は、補聴器の調整密度を示すチャンネルですが、それ以外にもチャンネルは使われています。抑制機能である騒音抑制には、大抵○chと小さく書かれていたり、指向性に関しても○chと書かれていることがあります。これは、補聴器の調整密度を示すチャンネルと同じ意味合いを持ちます。

調整外のチャンネルの意味

補聴器調整外のチャンネルは、周囲の音を拾い、その音を分析した際、どれだけ細かく音を軽減できるか、あるいは、どれだけ必要な音だけを残し、不要な音を下げられるかの精度に関わってきます。そのため、このチャンネルが多いと多いほど、余分な音だけを減らし、聞きたい音のみ残すというような事がしやすくなります。

調整外のチャンネルには、このような差があります。調整外の機能に関しては、こちらをご覧下さい。

リンク:補聴器の指向性機能の基本をまとめてみました

まとめ

チャンネルそのものの意味は、マイクから入ってきた音をどれだけ細かく分けられるかになります。補聴器の調整密度は、どれだけ細かく音を調整でき、音の上下がしやすくなるかですし、抑制機能、指向性機能に関しては、周囲の音を分析し、どこを抑えて、どこを入れるかをどれだけ精密に行うかになります。

チャンネルそのものの意味は、全て同じです。そして全てに言える事は、チャンネル数は、多いと多いほど、精密度が上がる事です。

補聴器の調整にどう影響するか

チャンネルが多いと多いほど、細かく調整できる事はわかりました。では、なぜこのチャンネルが多いと良いのでしょうか。細かく調整できるとその分、耳の聞こえに合わせやすくなるというのは、何となくわかるかもしれません。

しかし、補聴器を装用している身、あるいはこれから購入しようとしている身からすれば、チャンネルが多くても、少なくても自分の耳に合わせてくれるのならどちらでも良いと考えます。この部分は、

  • 補聴器調整のどの部分に影響するのか
  • 微調整の必要性

この二つがわかると見えてきます。

補聴器調整のどの部分に影響するのか

現在、補聴器の調整方法としては、聴力データを入力し、各メーカーの調整ソフトが自動である程度音を作ってくれます。その後、その作ってくれた音を微調整する時に、初めてこのチャンネルが生きてきます。

初めに行うのは、全体の音量を決める事

初めに行うのは、全体の音量を決める事

基本的には、耳の聴力データをソフトに入力しますと、このように予め調整してくれます。上記の画面は、基本的な調整の部分になり、初めに行うのは、全体的な音量を合わせる作業です。

全体の音量はパーセンテージで表示される

全体の音量はパーセンテージで表示される

例えば、初め80%と記載されていたところを100%に変更すると、全体的に音量が変わります。このパーセンテージは、補聴器の慣れ度になります。慣れている人は、パーセンテージを大きくし、慣れていない場合は、低めのパーセンテージから始めます。

次に微調整へ

次に微調整へ

見慣れた画面ですね。その後、微調整に進み、調整していきます。

全体的に大きくする場合は、微調整ではなく基本調整のものを使う事が多く、それ以外では、微調整が多くなります。この際にチャンネルが影響してきます。

微調整の必要性

微調整は、必ず行う作業です。ソフトそのものが考える調整で問題なく、使えたり、聞こえるようになれば良いのですが、必ずしも、その通りになるとは限りません。また、フィッティングソフトそのものが考える音量では、大抵の場合、響きが強く感じたり、音が大きい傾向があります。

そのため、補聴器を調整したデータ、実際に補聴器から出ているデータ、そして補聴器を装用して聞こえているデータ、それぞれを見比べ、しっかりと音が聞こえているのかの確認をしつつ、足りないところを補い、聞こえすぎているところは少々抑えるといった微調整が必要になります。

補聴器の調整ソフトのフィット率は上がってきていますが、まだまだ微調整が必要なケースは多くあります。この微調整の時に、チャンネルは必要になります。

金額による違い

メーカーごとに大きくわかれますが、こちらに出しているメーカーフォナックを例に出してみますと

  • 30万後半〜:20ch
  • 20万後半〜30万前半:16ch
  • 10万後半〜20万前半:12ch
  • 〜10万後半:〜8ch

となります。

チャンネルは金額による違いがはっきりわかれます。金額が高ければ高いほど、多くのチャンネル数がありますので、それだけ微調整もしやすくなります。チャンネルは、価格帯により、かなり数値が分かれます。上記のものは、20chのものです。それですとあれだけチャンネルがあります。

なお、細かくなれば細かくなるだけ、調整しづらいのでは?と思う方がいるかもしれません。実は、チャンネルの調整方法は、細かく調整するモード、ある程度束になって調整するモード、そして全体的に音量を上げるモードと分かれています。

数値で出しますと20chで調整できるモード、ある程度束にし、10chにして調整できるモード、低周波数、中音域、高音域、の3つから調整するモード、全体的に音量を上げるモードとそれぞれのモードに切り換えて調整できます。チャンネル数が多くなっても調整するポイントを絞る事もできますので、影響はありません。

チャンネル数が多い事によって困る事はありません。チャンネルの場合、必ず大は小を兼ねます。

私的チャンネルに関する思考

こちらでは、意見が分かれがちな必要とされるチャンネルに関して記載していきます。ここでは、

  • チャンネルが必要な人、不要な人
  • チャンネル数を決める考え

これらに分けて、私自身が考えるチャンネルについて記載していきます。なお、ここからは私自身の思考ですので、参考程度にお考えください。また、あくまでも聴力のみで適正を考えています。この点にご注意ください。

チャンネルが必要な人、不要な人

チャンネルが必要な人とそうでない人は、どのように異なるのでしょうか。また、どのようなケースにチャンネルが必要で、どのようなケースに、不要なのでしょうか。それぞれ

  • 多くのチャンネルを必要とする人
  • 多くのチャンネルを不要とする人

に分けて、個別に必要とされるチャンネル数を出していきます。この差は、どのような聴力をしているかによって決まります。周波数ごとに聞こえがバラバラであれば、多くのチャンネルがあった方が良いですし、平坦な聴力型であれば、そう多くは必要ありません。必要とする人、不要とする人の差は、ここにあります。

多くのチャンネルを必要とする人

多くのチャンネルを必要とする人は、聞こえている周波数と聞こえにくい周波数の差が大きい方が該当します。例えばこのような方です。

チャンネルがあると嬉しい聴力

チャンネルがあると嬉しい聴力

このような形をした聴力は、急墜型と呼ばれる聴力です。このケースでは、一つ一つの周波数ごとの聞こえの差が大きいため、調整幅が少ないチャンネルだと合わせるのが難しくなります。この場合、希望としては、12ch〜16chは欲しいところです。

多くの補聴器は、高い音の調整数は多いのですが、低い音の方の調整数は少ない傾向があります。チャンネル数が少ないものは、低い音のチャンネル数も少ないため、より一層調整する事が厳しくなります。このような聴力をしている場合は、チャンネル数が多いものをお勧めしていました。

その他には、このくらいの聴力の方も少々チャンネルが必要だと考えられます。

こちらもチャンネルがあると嬉しい聴力

こちらもチャンネルがあると嬉しい聴力

このようなケースも各周波数ごとの聞こえが異なりますので、チャンネル数が欲しいところです。個人的には、8ch〜12chは欲しいところ。できれば、12chくらいは、欲しいと考える聴力です。

多くのチャンネルが必要とされるケースは、このような周波数ごとに聞こえの差が大きい方になります。適切に調整するためにも、チャンネル数は、欲しいところです。

多くのチャンネルを不要とする人

そこまでチャンネルは多くなくとも……という方のケースは、平坦な聞こえの方です。聴力型としては、水平型と呼ばれます。

多チャンネルでなくても大丈夫な聴力

多チャンネルでなくても大丈夫な聴力

オーソドックス過ぎるかもしれませんが、周波数ごとの聞こえの数値があまり変わらない方は、多くなくても聞こえに合わせる事ができます。このケースでは、6〜8chあれば良いと考えられます。

このような平坦な聞こえですと、へたすれば「1chで良いのでは?」と思う方もいらっしゃるのですが、平坦な聞こえの方でも、微調整はしますので、微調整できるチャンネル数は欲しいところです。それを考えると6〜8ch欲しいと私個人は考えています。

チャンネル数を決める考え

上記にチラッと出てきましたが、個人的には

  • 聴力型の合わせやすさ
  • 微調整の必要さ

この二つにより、決まります。聴力型の合わせやすさは、上記の記述通りですが、それにプラスして、微調整もほとんどの場合において発生します。水平型の聴力の方でも、聞きにくい事があれば、微調整する事がありますし、水平型なのに関わらず、補聴器を装用してどのように聞こえているかの感覚を調べてみると思うようになっていないという事もあります。

これらの事から、例え水平型の聴力であっても6〜8chは必要だと考えています。できれば、8chあり、今後の微調整をする場合に備えて、チャンネルが多いと個人的には安心です。

もちろん大は小を兼ねますので、これ以上の数があるチャンネル数でも構いません。あくまでもこのくらいは欲しいという考えですので、これ以上あるのなら調整する人にとっても楽になります。そして、その恩恵は、補聴器装用者にも来ます。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:補聴器の機能の一つ、自動プログラムはお勧めできる機能

リンク:補聴器のハウリングキャンセラー機能を知ろう

リンク:補聴器のボリュームを上げても聞きやすくならない理由

リンク:高い補聴器と安い補聴器の違いを理解する3つのポイント

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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