2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

難聴が引き起こす症状とその改善方法


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難聴の症状には、どのようなものがあるのでしょうか。また、難聴になるとどのような事が起こるのでしょうか。症状を早く改善したいと思う一方、自分の身に何が起こっているのか不安に思う方は、多くいらっしゃると思います。

難聴には、色々な種類があり、症状もバラバラです。しかし、難聴の種類、難聴を起こす場所、それらを知る事により、どのような症状が出るかも理解できるようになります。

こちらでは、難聴の症状について細かく記載していくと共に、改善方法についても記載していきます。こちらを見る事で、ご自身の耳の聞こえを改善させる手段、行動指針が見つかれば、幸いです。

難聴の症状

難聴の症状には、

  • 耳の機能損失による症状
  • 病気独特の症状
  • 音が聞こえなくなる事による症状

の三つがあります。どんな難聴もこの内の二つや三つが重なった症状がでます。三つの症状を理解する事により、適切に難聴の症状を理解する事ができるようになります。

では、早速見ていきましょう。

耳の機能損失による症状

何やら難しい事を書いているように感じますが、簡単にいえば、耳のどこに症状が起きたか……となります。難聴には、主に

  • 伝音性難聴
  • 感音性難聴

この二つがあります。どんな難聴も伝音性難聴か感音性難聴に分かれます。そして中には、伝音性難聴を発症する難聴原因と感音性難聴を発症する難聴原因の二つが重なってしまい、混合性難聴になる方もいます。混合性難聴とは、ある特定の難聴がなるものではなく、伝音性難聴を引き起こす難聴と感音性難聴を引き起こす難聴の二つが重なる事により起こる難聴です。そのため、基本的には、伝音性難聴と感音性難聴の二つに分かれます。

なお、難聴の重複は、異なる伝音性難聴の要素が二つ重なったり、異なる感音性難聴の要素が二つ重なる事によっても起こります。難聴を引き起こす病気は、一つだけではありませんので、難聴症状が重なる事もあります。

伝音性難聴、感音性難聴は、耳のどこに耳の機能を阻害する症状が出たかで決まります。こちらでは、耳の機能損失による症状を理解するために、

  • 耳の基礎
  • 音を理解する仕組み
  • 伝音性難聴の症状
  • 感音性難聴の症状

の四つに分けて記載していきます。

症状とは、正常に動いていた部分、働いていた部分が何らかの形で損傷を受けたために起こるものです。耳の仕組みを理解できるようになるとその部分の働きが失われる事で、どのような影響があるかを理解する事ができます。○○難聴は、このような症状、○○難聴は、あんな症状……と一つ一つ理解するよりも効率よく理解できますし、難聴そのものについてわかりやすくなります。

耳の基礎

普段私達は、どのように音を聞いているのでしょうか。そのメカニズムについて理解していきましょう。何やら難しそうに思いますが、そのような事はありません。耳がしている事、どのように音を理解しているのかを見ると自ずと症状や原因もわかるようになってきます。

耳がしている事として、それぞれの機能ごとに耳を見てみましょう。

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※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

耳には、主に三つのパートに分かれます。外の音を集めて耳の中に音を伝える外耳、耳の中に入ってきた音を大きくして、さらに奥に音を伝える中耳、中耳から来た音を感知し、脳に音を送る内耳、この三つに分かれます。現在の難聴は、この三つの内、どこに障害が起こったかで、どんな症状が出るのかが決まっています。つまり、ここを理解すれば、どのような症状がでるかが理解できます。

外耳の役割

外耳の役割は

  • 外の音を拾う
  • 音の方向感を得る
  • 音を大きくして中耳に伝える

この三つがあります。一般的に私達が耳と呼ぶ部分がなくなってしまうとそれだけで音は聞きにくくなります。耳があるおかげで、耳に音が引っかかり、耳の穴の中に音が集まるようになっています。また、ボコボコした特殊な形状をしている耳の形にも意味があり、音の方向感を得るためにあえてそのような形になっています。

耳の穴は、特定の音を聞きやすくするために、音を共鳴させ、音量を大きくしています。これは、人の声をより理解するためとも言われています。

外耳にはこのような効果があります。上記の三つは、人が音を理解する上でも欠かせないものです。

中耳の役割

中耳の役割は、外耳からきた音を大きくして、内耳に伝える事です。中耳には、鼓膜と小耳骨(じしょうこつ)と呼ばれる器官があります。この二つが組み合わさる事で、外耳から伝わってきた音をより、大きくして内耳に伝える事ができるようになります。

ここも音をしっかり理解するためには、重要な部分です。外耳も音を大きくする働きがありますが、外耳よりも中耳の方が音を大きくする効果は高くなります。

内耳の役割

内耳は、中耳から伝わってきた音を周波数ごとに感知し、脳に送る働きがあります。内耳の中には、有毛細胞(ゆうもうさいぼう)があります。この有毛細胞は、音を感じ取った後、脳が理解できる信号に変換して、聴神経に信号を送ります。聴神経を伝わってきた音の信号は、そのまま脳に流れ、脳が音を理解するようになります。

内耳は、耳に伝わってきた音を脳が理解するために必要な信号に変換し、聴神経に送る役割があります。

まとめ

以上が耳の基礎です。外耳、中耳、内耳は、それぞれ音を理解するうえで担う役割が異なります。外耳は主に音を拾う役、中耳は音を大きくする役、内耳は音を理解するために変換する役です。

この部分が理解できるようになれば、難聴がどのような症状を引き起こすのかもわかるようになります。

音を理解する仕組み

耳の基礎が理解できましたら、次に音を理解する仕組みについても見ていきましょう。耳はあくまでも音を聞く器官です。音を理解しているのは、脳ですので、どのように理解しているのかがわかると伝音性難聴と感音性難聴の違いがより、わかりやすくなります。

音を理解するうえで重要なのは、脳の中にある記憶との照合により、音を理解していると知る事です。内耳から送られてきた音は、脳の中にある記憶と照合しはじめます。そして送られてきたデータと一致するものがあれば、理解する事ができます。これは、音が聞こえる事と音が理解できる事がどのように異なるかを知ると良く理解できるようになります。

例えば、オオカミが遠くで遠吠えをしている声が聞こえたとしましょう。この際、どのようにして人は、オオカミの遠吠えだと理解できるのでしょうか。これは、仮にオオカミの遠吠えを知らないと、どのような反応をするかを考えてみる事で、よくわかります。聞いた事がない方がオオカミの遠吠えを聞いた場合「ワオ〜ンって聞こえたけれど何の音?」や「何?今の音……」となります。しかし、聞いた事がある方や知っている方であれば「うげ!オオカミが近くにいる、さっさと逃げないと!」となったり、「オオカミが近くで鳴いているのか?」となります。音は聞こえたとしてもその音の正体がわからないと理解ができません。音が聞こえる事と音を理解する事は、異なります。

これは、言葉でも同様の事が起こります。耳の聞こえが低下していなくても知らない土地名や名字の方、あるいは社名を言われると一度で理解できない事があります。これは、耳の聞こえが悪いのが原因ではありません。人は音を覚えて理解していくため、聞いた事がないものは、認識しづらい傾向があります。脳の中に記憶(データベース)がないといくら日本語でも一度で認識する事は、困難です。このような例からも音と記憶を結びつけている事がわかるでしょう。

あくまでも音は、脳が理解しています。そして、耳は単に脳に音を送るだけでしかありません。感覚器官は、すべて情報の入り口であり、脳にデータを送るだけの働きしかありません。今現在、この内容を読んでいる時には、目から情報が脳に行き、脳が書いてある内容を理解しています。目が見える事と文章の内容を理解するのは異なるように、耳も聞こえる事と音を理解する事は異なります。

脳は、聞こえてきた音を脳の中にあるデータと照合する事で、音を理解しています。

伝音性難聴の症状

耳の基礎、音を理解する仕組みを載せていきました。ここまでくると恐らく伝音性難聴の症状や感音性難聴の症状がおおよそ想像つくように思います。

伝音性難聴の症状は、単に音が聞こえにくくなるだけになります。

伝音性難聴は、外耳か中耳が何らかの形で障害を負ってしまった場合に発生する難聴です。例えば、中耳炎は名前の通り、中耳に発生する病気です。細菌が耳の中に入ってしまう事により、中耳炎になります(ウイルス性の中耳炎もあります)。そうなると中耳の役割であった音を大きくする機能を失ってしまいます。中耳炎になると膿みが中耳に溜まり、鼓膜が振動しにくくなったり、鼓膜に穴が空きます。中耳は、鼓膜と耳小骨を組み合わせて、外耳から伝わってきた音を大きくして内耳に伝えます。鼓膜が動きにくくなると適切に中耳の機能が働かなくなりので、結果、聞こえてくる音は小さく感じるようになります。

また、外耳に起こる病気は、病気といって良いかわかりませんが、耳垢栓塞(じこうせんそく)があります。これは、単に耳垢が耳の穴に詰まった場合を指します。このようになれば、耳の中に音を伝えにくくなりますので、結果的には、音が小さく聞こえるようになります。

伝音性難聴の症状は、音が小さく聞こえるようになる。こちらのみになります。外耳や中耳は、元々聞こえていた音を増幅する効果があります。外耳、中耳の機能が失われるのが、伝音性難聴の特徴です。

感音性難聴の症状

感音性難聴の症状は、

  • 音が小さく聞こえる事
  • 言葉が聞きにくくなる事

この二つがあります。この部分は、有名ですので、ご存知の方も多いでしょう。

感音性難聴は、内耳に何かしらの形で障害を負ってしまった場合に発生する難聴です。例えば、巷をにぎわせている突発性難聴は、内耳に何らかの強い影響を与えられる事で、発症しています。内耳の損傷により難聴になるのが、感音性難聴になります。補聴器を装用している難聴者の大半は、感音性難聴です。

内耳の機能は、中耳から音を感知し、脳に送る事でした。仮に中耳から来た音がうまくキャッチできなかったらどのような事が起こるでしょうか。音のデータが抜けた状態で脳に送ってもうまく脳の方で照合できないでしょうし、何か抜けている事により、聞き間違いも起こるでしょう。さらにうまくキャッチしたとしても脳が理解できる信号に変換するとき、何らかの異常が起これば、それもまた脳が照合しにくくなる要因になります。

音のキャッチは、有毛細胞が行っています。感音性難聴の方に共通するのは、この有毛細胞が損傷し、少なくなっている事です。有毛細胞が少なくなるとその分、音そのもののデータを受け取りにくくなります。その結果、音が小さく聞こえるようになるほか、音が理解できない、言葉が理解できないという症状も起こるようになります。これは、音をしっかりキャッチし、脳にデータを送れていない事によって理解しにくくなっています。

感音性難聴は、音を脳に送る過程上で起こる難聴です。そして音を変換する器官でもあるため、今現在、有効な手段があるわけではありません。それは、この耳の仕組みを見ていただくとより理解できるでしょう。

病気独特の症状

こちらでは、病気独特の症状について記載していきます。上記には、伝音性難聴と感音性難聴について記載しました。しかし、これ以外にも難聴別に症状があります。こちらでは、その病名ごとに記載していきます。

しかし、この症状があるからといって「病名は○○だ」と断定しないようにしましょう。こちらでは、あくまでも症状の説明の一環として行っています。難聴の症状は、明確なものもあれば、不明確なものもあります。伝音性難聴は明確ですが、感音性難聴は不明確です。伝音性難聴の病名は、○○があるからこの症状と調べますが、不明確な感音性難聴は、○○の可能性もない、○○も違うという事で初めて○○難聴であると診断しています。そのため、患者さんが断定してしまうと本当の症状にたどり着かない場合があります。この点だけ注意して読み進めてください。

なお、こちらでは全ての症状を扱うのではなく、いくつか例を出していきます。

突発性難聴

急に片耳が聞こえにくくなる難聴です。その他

  • 低い音の耳鳴り
  • 自分の声が響く感覚
  • 耳が詰まった感覚
  • 発症時のみ、めまいがする

これらがあります。広く知られている難聴であり、聞こえにくくなる以外にも様々な症状を引き起こす難聴です。朝起きたら、突然聞きにくくなっていた……や、ある時、聞こえない事に気が付いた……など、聞こえなくなった頃がわかるケースが多いのが特徴です。また、耳鳴りや耳が詰まった感覚が強くでるケースもあり、耳が聞こえにくくなったことによって受診するケースもあれば、耳鳴りや耳が詰まった感覚が気になって受診するケースがあるのが突発性難聴です。

突発性難聴に関して詳しく知りたい方は、こちらをご覧下さい。

リンク:突発性難聴を少しでも楽にする、聞こえの改善方法

低音障害型感音難聴

こちらも急に聞こえにくくなる難聴の一つです。急性低音障害型感音難聴とも呼ばれたりします。この難聴の特徴は

  • 低い音の耳鳴り
  • 耳が詰まった感覚
  • 低い音のみが聞きにくくなる

があります。突発性難聴と似ていますが、聞こえにくくなる音のレベルが異なります。低音障害型感音難聴は、音が聞きにくくなる事で受診するケースより、耳が詰まった感覚で違和感を覚え、耳鼻咽喉科を受診するケースが多くあります。音が聞きにくくなるのは確かなのですが、その低下は軽いケースが多く、それ以外の症状で受診するケースが多いのが特徴です。

リンク:急性低音障害型感音難聴の改善方法を知ろう

中耳炎

中耳炎も急に聞きにくくなる症状の一つですね。こちらの症状には

  • 耳が痛くなる
  • 耳が聞こえにくくなる
  • 耳垂れが出る事がある
  • 耳鳴り
  • 耳が詰まった感覚がある

これらです。中耳炎は、難聴以外の症状がかなり多いのが特徴です。上記に記載しましたが、耳を見る事で、中耳炎はすぐ理解できます。耳が痛くなるのは、耳の中に膿みが溜まる事により、鼓膜を圧迫するからです。そのため、この膿みを取り出して上げる事により、上記の5つを改善する事ができます。

まとめ

このように難聴によっては、独特の症状が出ます。まとめてみると

  • 耳鳴り
  • めまい
  • 耳が詰まった感覚
  • 痛み
  • 耳垂れ

この五つになります。これらは、発症した難聴ごとに異なり、これらの有無によって、○○難聴と診断する事ができます。難聴には、難聴しか起こらないものがあれば、耳鳴りやめまい、あるいは、耳が詰まった感覚などが起こる症状もあります。

これが病気独特の症状です。

音が聞こえなくなる事による症状

こちらは、音が聞こえなくなる事により、どのような事が起こるかを記載していきます。音が聞こえにくくなると当然、音が聞こえにくくなる事で様々な症状が起こります。想像しやすいのは、物音に気付かなくなる、あるいは人の声が聞きにくくなる事です。こちらでは、さらに深掘りしていきます。

音が聞こえにくくなる事によって起こるのは

  • マナーに疎くなる
  • 危険にさらされる可能性が上がる
  • コミュニケーションがしづらくなる

があります。こちらについても見ていきましょう。

マナーに疎くなる

音が聞こえにくくなると音の適正がわからず、不用意に音を立てやすくなります。人は、自分自身で音の大きさを理解しています。しかし、聞こえが低下すると自分自身の持つ音の適正値がゆるくなります。音が聞こえにくくなる事により、音の適正がわからなくなれば、自分にとっては許容範囲だったとしても他の人が聞いた時に許容範囲を超える可能性があります。

他人が聞いた時に感じる音の大きさが許容範囲を超えてしまえば、トラブルの元になりやすくなりますし、態度が悪い人、失礼な人と思われかねません。仮に大きな音を平然と出されたらどのように感じるでしょうか。恐らく誰も良い気はしません。このように音は些細な事でトラブルの元にもなりますし、物音一つで、人格まで判断されてしまう危険性を持ちます。適切に聞こえていないとこれらの事を起こしやすくなる可能性が上がります。

このポイントは、自分自身の耳で聞いてどうかではなく、他人が聞いてどうかにあります。自分自身が良くても他人が不愉快に思うケースは、日々日常にも溢れています。例えば、電車の中で大声で話している人は、自分にとっては聞こえやすくなり、さらに楽しく会話していますので良い事だと感じます。しかし、他人から見たら、うるさい上に非常にイライラします。誰一人として良い印象を持つ事はありません。これは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

このように自分が良いのではなく、相手にとってどうなのかを考えると音が聞こえないだけでも多くの事が起こります。自分にとってちょうど良い音量でテレビを聞いていても、もし耳の聞こえが低下していたら、周囲に爆音を聞かせる事になります。そのような事をしたら、周囲の方はかなり頭にきますし、ストレスを感じます。そのような事をしたり、し続ければ、自ずとトラブルになるのは、目に見える事です。

音が聞こえないだけでもこのような危険性があります。

危険にさらされる可能性があがる

音が聞こえないと周囲の状況がわからなくなりますので、危機回避がしにくくなります。例えば、後ろから近づいてくる自転車や車は、音が聞こえないと気付く事ができません。本来人は、耳と目を使って、周囲の状況や身の回りの状況を理解しています。変な音がしたら気になって確認しに行くように、人は様々な器官を使って周囲の状況も理解しようとします。それは、自分自身の身を守るためでもあります。

耳と目の役割は、耳が周囲を監視し、目は詳細を監視するようになっています。そのため、耳は広範囲の事がわかりますし、目は、一つのものを細かく見る事(分析)ができます。しかし、耳の聞こえが低下すると周囲を監視する機能が低下してしまいます。そのようになると周囲の状況がわからなくなりますので、危険にあう可能性が高くなります。特に後ろや死角は目に見えないところですので、音による情報が不可欠です。

人は危機回避のためにも音を聞いて状況を理解しています。音が聞こえにくくなれば、それだけ周囲の状況もわからなくなります。耳には、人の言葉を聞く以外にもこのような機能があります。そして、聞きにくくなるとこの機能が弱くなります。

コミュニケーションがしづらくなる

音が聞こえにくくなれば、コミュニケーションがしづらくなります。耳の聞こえが低下した方が最も困るのは、この部分です。聞こえにくくなると呼ばれても呼ばれている事に気が付きません。そして、何か言われたとしても相手が話した通りに伝わっているかもわかりません。すると「話しを聞く気がない」と思われたり「なぜ話しを無視するのだろう」と思われやすくなります。このような事が起こると徐々に話しづらくもなってきますし、話す事そのものも少なくなってきます。

話しを理解する気がないと思われると当然コミュニケーションは取りづらくなります。音が聞こえにくくなると相手との意思疎通に障害をきたします。このようになるとゆくゆくは、相手との仲まで影響してきてしまいますので、早めに対策したいところです。仮に耳が治ったとしても、それまで相手にしてしまった事は変わりません。たとえ、耳の病気により、一時的にそのようにしてしまったとしても、相手が感じた感情は残っています。相手との信頼関係を崩さないためにも、ここの理解は、非常に重要です。

コミュニケーションのしづらさは、ゆくゆく相手との信頼関係にまでヒビをいれかねない重大な内容です。個人的には、ここが最も重要だと考えています。

まとめ

音が聞こえないだけでもこのような事が起こります。これも難聴の症状として見る事ができるでしょう。難聴の症状は、何も難聴特有の症状だけでなく、音が聞こえにくくなる事による症状もあります。こちらもしっかりと理解しておきましょう。

難聴の症状のまとめ

これまで

  • 耳の機能損失による症状
  • 病気独特の症状
  • 音が聞こえなくなる事による症状

について記載してきました。難聴の症状とは、一部を除き、この三つが起こります。

例えば、突発性難聴でしたら、耳の機能的損失による症状は、感音性難聴です。という事は、突発性難聴も感音性難聴の症状を持っている事になります。感音性難聴の特徴は、音が聞こえにくくなる事と、言葉が理解しにくくなる事です。そして突発性難聴特有の症状(病気独特の症状)としては、低い音の耳鳴り、耳が詰まった感覚、発症時めまいがする事がある、これらがあります。さらに音が聞こえにくくなると音が聞こえなくなる事による症状のマナーに疎くなる、危険にあいやすくなる、コミュニケーションがしづらくなる、これらも起こりやすくなります。

突発性難聴についてまとめると突発性難聴特有の症状+感音性難聴の症状+音が聞こえなくなる事による症状が、突発性難聴になると起こります。

難聴によっては、この内の二つに対応したり、三つに対応するようになります。

例えば、老人性難聴は、特に病気独特の症状がありません。この場合は、耳の機能損失による症状、老人性難聴の場合は、感音性難聴になります。そして音が聞こえなくなる事による症状が起こります。老人性難聴の場合、感音性難聴+音が聞こえなくなる事による症状が起こります。

難聴の症状にはこのようなものがあります。このように見ると難聴とは多くの事を引き起こす事がわかりますね。

難聴の症状を改善するには

では、耳の聞こえを改善させるには、どのようにしたら良いのでしょうか。耳を良くするには、二つの方法があります。それは、

  • 耳を治療して改善
  • 補聴器を装用して改善

この二です。

難聴を改善させる際に知っていただきたいのは、どのようなケースにおいても、まずは耳の治療が最初になる事です。そして、どのようにしても耳の聞こえが改善できない、あるいは完治できない場合に、補聴器を装用します。初めに行うのは、耳の治療である事を理解しておきましょう。これは、耳を治ってしまった方が、楽であり、聞こえも良くなり、さらに値段がかからないからです。

値段に関しては、手術が入ると入院費、手術代で高額になりますが、その方が、聞こえに関しては良くなります。

耳を治療して改善

難聴の中には、耳の聞こえを改善させられるケースもあります。例えば、病気独特の症状に出した難聴は、全てすぐに耳鼻咽喉科へ受診すれば、治療が可能なものです。突発性難聴に関しては、1週間以内に耳鼻咽喉科を受診する事ですし、低音障害型感音難聴についても同様です。また、中耳炎も早ければ早いほど良いでしょう。症状が悪化する前に行く事ができれば症状も軽減できますし、治療もしやすくなります。

耳鼻咽喉科に関しては、どの病院が良いかを吟味するのではなく、身近にある耳鼻咽喉科にすぐ行きましょう。吟味する時間があれば、早々に病院に行った方が改善する可能性は高くなりますし、症状も和らげる事ができます。

耳の治療で重要なのは、すぐにかかる事です。どんな病気もそうですが、すぐにかかる事で、治療しやすくなります。逆に放っておくとどんどん取り返しがつかなくなります。明らかに何かある場合は、判断後、すぐに病院へ行きましょう。

補聴器を装用して改善

補聴器を装用するのは、耳鼻咽喉科へ行ったけれども治療する術がなかった、あるいは、治療はしたけれども完治しなかったケースになります。この場合は、耳鼻咽喉科から補聴器屋を紹介いただくか、自ら、補聴器屋へ伺い、補聴器を試す事になります。

こちらでは、補聴器を装用して改善するために必要なものを記載していきます。

  • 難聴別による効果
  • 補聴器ができる事、できない事
  • 補聴器の効果を適切に理解しよう
  • コミュニケーション障害の予防をする

この四つに分けて記載していきます。

難聴別による効果

補聴器は、単純に音を大きく聞かせる事ができる機械です。そのため、感音性難聴の方の場合は、音がしっかり聞こえる感覚はあっても言葉までしっかり理解できるとは限りません。上記の症状の欄では、感音性難聴の特徴に関して記載しています。そこを見てみると感音性難聴の症状は、音が小さく聞こえる事と言葉が聞きにくくなる事とあります。音が小さいところは、補聴器で補えるのですが、言葉が聞きにくくなる(捉えにくくなる)ところは、残念ながら改善が難しいポイントです。これは、音を感知している内耳の機能障害によるものであり、音を大きくしたとしても変わらない部分です。そのため、どうにもできません。

補聴器は、感音性難聴の症状である言葉が理解しにくくなるところを補う事ができません。

一方、伝音性難聴の場合は、音しか小さくなっていませんので、比較的補聴器の効果は感じやすくなります。伝音性難聴の症状は、外耳、中耳が持っている機能を失う事です。外耳、中耳は音を大きくして内耳に伝える機能ですので、補聴器でも代替ができます。もっとも伝音性難聴の場合は、手術で治ってしまうケースが多いため、伝音性難聴でも補聴器を使用するケースは、少ないのも特徴の一つです。

補聴器はあくまでも音を大きくする機械であり、耳を治す道具ではありません。この点をしっかり理解する必要があります。

補聴器ができる事、できない事

補聴器ができる事についてもう少し細かく見てみましょう。こちらでは、言葉が理解できない原因について記載していきます。そして、その原因を補聴器はどう解決してくれるのか。これを理解するとより、補聴器の効果がわかるようになります。

言葉が聞き取りにくかった際、考えられる原因は

  • 言葉の音量が小さかった
  • 相手が話す言葉が不明瞭だった
  • 言葉が何かに邪魔された
  • 自分の理解力が低下してしまった

主にこの四つになります。初めに書いてしまいますと、この内で補聴器が改善してくれるのは、言葉の音量が小さかったのみになります。これ以外のケースは、改善が難しくなります。

相手が話す言葉が不明瞭だった場合は、聞こえが低下していなくても何を言っているかわかりません。目で例えると、字が達筆すぎてよくわからないケースです。この場合は、恐らく誰も理解できません。字が達筆なのはわかりますが、何て書いてあるかがわからなければ、理解する事ができません。このように考えると難聴も同様です。何と言っているかわからなければ、音は聞こえるものの理解することは難しくなります。

言葉が何かに邪魔されたケースは、文字の上に重ねて何かを書いてしまい、元の文字が何て書いてあったかわからなくなるケースと同様です。周囲が騒がしいと周囲の音に言葉がかき消されてしまうために言葉がよくわからなくなるケースがあります。このようなケースは、一般の方も聞きづらいと思いますが、難聴の方はそれ以上に聞きにくくなります。文字も理解しにくくなるように、言葉も同じような事が言えます。

自分の言葉の理解力が低下してしまっているケースは、音で言葉を理解する事そのものが難しくなっています。文字に例えると漢字の読み方を忘れてしまい、何て書いてあるのか理解できないケースです。このようになると補聴器で音を聞かせてもうまく耳を補えなくなります。漢字の読み方は、虫眼鏡で文字を大きくしたとしても理解できるわけではありません。これと同様です。

補聴器ができるのは、あくまでも音を大きくする事です。相手の話す声が聞こえにくくて理解できない……という症状には、上記の四つの原因が隠されています。そしてその四つの内、言葉の音量が小さかった場合にのみ改善できます。

補聴器の効果を適切に理解しよう

これまでの内容を見ると補聴器は、もしかしたらほとんど効果がないのではないか……そんな風に見えるかもしれません。先ほどの言葉が聞き取りにくかった際、考えられる原因では、四つの内一つしか改善できないと記載しました。こちらで、本当に重要なのは、その四の比率にあります。四つの内、言葉の音量が小さい事によって聞きにくくなっている場合が大半であれば、聞き取りを良くできる可能性が高くなりますし、その比率が低ければ、思うように改善できない事になります。

私が今まで経験したケースで考えてみると、難聴の発見が早いと早いほど、あるいは、難聴症状が軽度であるとあるほど、言葉の聞き取り能力が高いため、補聴器を装用する事によって言葉が聞きやすくなる可能性が高くなります。ただし、騒がしい場所、複数の人との会話の際は、聞きにくさを感じる事もあります。しかし、それでも補聴器ありなしを比較すると補聴器ありの方が圧倒的に聞きやすくなります。

現に私自身も補聴器を装用しています。補聴器がないとそもそも会話が聞こえませんので、補聴器なしでは生活ができません。補聴器で聞きにくいところは、もちろんありますが、それでも補聴器がある事によって聞こえるようになっているところの方が圧倒的に多くあります。補聴器は、聞こえにくいところもありますが、聞こえやすくしてくれるところもあります。それが補聴器です。

私自身は、補聴器を装用する方が、お話しができるようになりますし、聞きやすくもなります。そのため補聴器を装用しています。

コミュニケーション障害を予防する

とはいえ、補聴器を装用していても聞こえにくいところは出てきてしまいます。場合によっては、相手に誤解を与えてしまうケースもあり、もしかしたら相手の方を傷つけてしまうかもしれません。そのため、補聴器を装用する場合は、補聴器を装用している旨、お知り合いの方、あるいは周囲の方に伝える事が重要です。

難聴を改善するには、

  • 耳の聞こえを改善させる事
  • 補聴器を装用している事を伝える事

この二つが必要です。耳の聞こえが低下した際には、何が起こるのでしょうか。それは、音が聞こえなくなる事による症状に記載してある通り、

  • マナーに疎くなる
  • 危険にさらされる可能性が上がる
  • コミュニケーションがしづらくなる

があります。この内、マナーと危険にさらされる……は、補聴器を装用する事で、補う事ができます。これらは、単純に音が聞きにくくなる事により起こりますので、補聴器を装用する事で、ほとんど改善する事ができます。音に気付く事もできるようになれば、音に気をつけるようにもできます。

しかし、コミュニケーションがしづらくなるのは、改善できるところもあれば、改善できないところもあります。補聴器がない状態よりは会話はしやすくなりますが、言葉を聞き間違えてしまうケースもありますし、呼ばれても気が付かないケースがあります。この場合の予防法として、補聴器を装用している事を予め周囲に話しておく事が重要です。周囲に予め話しておければ、ある程度この障害を軽減する事ができます。

人は、なぜそのような事が起こったかを知っているのと知らないのとでは、全く異なる反応をします。例えば、耳の聞こえが悪いという事を知っているケースと知らないケースでは、仮に呼ばれた際に気がつかなかった場合、全く異なる反応をします。前者は気が付かなかったとしても寛容ですが、後者は、前者ほど寛容ではありません。予めお話ししておくというのは、このようなトラブルを防ぐ事になります。音は聞こえないと聞こえていない事にすら気が付きません。そのため、知らず知らずにこのような事を行っている可能性もあります。当然ですが、このような事を繰り返すと信用を失ってきます。自分自身がやられればわかりますが、呼んでも無視していると思われれば、その人に対して良い感情を持たなくなります。しかし、予めお話ししておくことにより、これらは軽減できる事です。どれだけ相手の立場になって考える事ができるかが、難聴を改善させるポイントになります。

特に耳の聞こえは低下していたとしても見た目で判断する事はできません。仮にデカデカと補聴器を装用していた場合は、たまにチラッと見られるくらいで、ほとんどの人は、大きい補聴器を装用していたとしても耳を見る事は、ありません。これは、明らかに耳に何か付けているとわかる物を装用し続けて、20年近く経つ私の経験上言えます。ほとんどの人は、耳を見る機会もありませんし、見ようとも思いません。耳に何かあるかも?と思い、人の耳を見る人は、耳関係の仕事をしている人くらいです。

難聴の事を伝えるタイミングは、早いと早いほど良くなります。補聴器を装用したとしても全ての事に対応できるわけではありません。難聴の事を早々に伝え、補聴器の穴をできるだけ塞ぐ事も重要です。

まとめ

補聴器を装用して改善するために必要な知識について記載してみました。これらの内容を理解し、難聴について周囲に伝える事ができれば、難聴は改善できます。補聴器は、聞きにくいながらも聞こえを良くしてくれますし、聞こえがよくなる事により、できることも増えます。しかし、できない事や欠点があるのも事実です。その穴をカバーし、補聴器を装用していく事が重要です。

私自身が思うのは、確かにできない事はあるのですが、補聴器は私に多くの事をできるようにしてくれています。私自身は、補聴器がないとそもそも人とお話しする事ができません。人と会話ができなければ、お店で物を買う事もできませんし、人と楽しくお話しする事もできません。しかし、逆に考えれば、補聴器を装用する事により、お店で物を買う事もできるようになりましたし、聞こえにくい事がありながらも人とお話しする事もできるようになりました。

補聴器の事を考えてみると補聴器は、私に様々な事をしてくれている事がわかります。補聴器には、このような効果があります。特に私の場合は、耳を治療する事ができません。治す事ができない耳で、これらの事をできるようにしてくれる補聴器は、私にとって価値のある機器になります。

中には、昔聞こえていた人もいると思います。しかし、見つめなければならないのは、今ではないでしょうか。もし、耳に関して治療ができない耳であれば、補聴器を装用する事をお勧めします。

あとがき

難聴の症状から改善まで記載してみました。耳の仕組みを見るとどのような症状があり、どのような事が起こりうるのかがわかるようになります。ここから、どのような事をしなければならないのか、そして補聴器の効果もわかるようになります。

特に補聴器を装用する場合は、必ず周囲の方にお話ししましょう。そうする方が、周囲の方のためにもなりますし、自分のためにもなります。私は、なるべく伝えるようにしています。何度も説明をしているのですが、未だに説明をする際は、緊張します。しかし、相手の事を思うと変に傷つけるわけにはいきません。そのような思考から、私は話すようにしています。

難聴の症状、耳の改善、この内容で、少しでも聞こえの改善に役立てられたなら幸いです。そして、耳について気になる事があれば、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

聞こえにくい事でお悩みの方のために、補聴器で耳を改善させる手引き書を用意しました。

  • 自分の症状に合う補聴器は何か
  • 自分の聴力に合う補聴器は何か
  • 補聴器の種類、性能、違いを知りたい

などお考えでしたら、こちらをご覧下さい。補聴器で耳を改善させる内容のみに絞って記載してみました。お役に立てば幸いです。

お困りごとのご相談、承ります

Webサイトに訪れる方のご要望にお応えするため、東京都墨田区に店舗を構えました。

  • 聞こえにくい事で困っている
  • どこに相談したら良いかわからない
  • お使いの補聴器でうまく聞こえない

などお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。当店で行なっていること、よくいただくご相談は、リンク先の通りです。

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