2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

スマホにて、耳を遠距離診断するシステムotoの登場


おお!これは、すごい!ついに私自身が思っていた事を実現した会社が現れたようです。

リンク:自宅にいながら医師が24時間診断!耳の病気に役立つスマホのカメラアクセ

こちらは、スマートフォンに耳の中を覗く部品を装着し、耳の中を覗けるようにしたものです。さらに、写真を取る事ができ、医師にその情報を送る事ができます。それにより、すぐに診断できるようにしたものです。素晴らしいアプリの活用方法ですね。

これは、まさに私自身が望んでいたものです。少々前に私自身は、このようなエントリーを書いています。

リンク:耳の中を覗けるスマホアプリが欲しい……と思う今日この頃

とはいえ、このシステム、少々雲行きが怪しい感じがします……。今回は、私自身がこのシステムを見た時に感じた事を記載していきます。

ついに登場、耳の診断アプリ

スマートフォンにオトスコープと呼ばれる耳の中を覗く機器を付け、スマートフォンを介して耳の中を覗けるようにしたアプリです。形状は、このような形になります。

apl (1)

CellScopeより引用

使用している様子は、このような感じです。

oto

CellScopeより引用

スマートフォンで耳の中が覗けるのがわかりますね。ちょっとわかりづらいですが、iPhoneにちゃんと耳の中が写っています。

このシステムは、oto(オト)と呼ばれており、医師と患者を繋ぐためのツールになります。耳の中を撮影したデータを医師に送信し、そのデータを元に診断をする……という内容です。スマートフォンが普及した現在ならではのやり方ですね。

アメリカでしか販売されていませんでしたが、ディバイス本体は、79ドル、初回診断は、無料で、その後から、診断依頼するごとに50ドルかかるようになっています。オバマケアに該当するかどうかまでわかりませんので、上記の金額だと思っておいた方が良いでしょう。

実際には、写真のデータの他、病気を断定するために必要な問診票もセットで送る必要があるとは、思いますが、一家に一台!というように普及すれば、状況を早めに確認でき、適切な対応がしやすくなります。

これは、素晴らしいツールですね。

otoを考える

さて、本編。実際のところ、このシステムは、どうなのでしょうか。それは、このシステムの利点と欠点から考えてみましょう。このシステムの特徴は、良くも悪くも診断できるところにあります。

利点

このシステムを使用する事で、どのような病気なのか、どのような状況なのかを直接医師に伺えるところです。耳の中の写真と恐らく問診票を送る事で、耳鼻科に行く事なく耳を見てもらえるのが利点ですね。耳鼻咽喉科に行かなくて良い分、楽であるとも言えます。

欠点

耳を見てもらっても治療が必要、あるいは、薬が必要な場合は、二度手間になります。耳鼻咽喉科に直接行った場合は、その場で見て、さらに治療もしてもらえますが、こちらは、あくまでも診察するだけです。ここが欠点です。

総合的に見ると

実をいうと総合的に見るとよくわからなかったりします。こちらでわかるのは、耳が痛いという事で、鼓膜に穴が空いたのか、中耳炎なのか、ただ単に耳の中に傷ができてしまったのか、そして、聞こえなくなったという事で、耳垢が詰まったのかくらいです。この中で、確実に耳鼻咽喉科に伺う必要があるのは、鼓膜に穴が空いたケース、耳垢が詰まって聞こえなくなったケースです。これらは、自分自身で治す事ができませんので、耳鼻咽喉科にて、治療をする必要があります。

中耳炎(急性中耳炎)に関しては、痛みを感じたとしても自然治癒する事もあり、抗生物質を使用して治療するケースや鼓膜を切開しないといけなくなるケース、これらの比率がわからないため、私からは、何とも言えません。仮に自然治癒する可能性が多いのなら、つまり言い換えると診断するだけで治るケースが多いのなら、otoシステムの価値はあります。しかし、抗生物質の投与や鼓膜切開などの対応が必要になるケースが多いのなら、二度手間になってしまいます。

上記3つの内、多いのは、中耳炎(急性中耳炎)です。この治療の比率によって、このotoシステムの価値が決まると言えますね。重要なのは、診察するだけで、治る、あるいは、診察するだけで身近なものを使用して治るものがどれだけあるかになります。診察できたとしても耳鼻咽喉科に行かないと治療できないケースは、二度手間が発生してしまい、患者にとって良い状態になるとは、個人的に思えません。

何よりも価格が発生するので、より躊躇しやすくなりますね。

私が考えていた事

私自身が考えていたのは、あくまでも自動診断ツールです。otoツールのようなiPhoneやAndroidディバイスで耳の中を写し、簡単な問診票に答えると「特に問題なし、安静にしていれば良くなります」「すぐに病院へ行きましょう」と診断してくれるツールです。その後、○○の病気に関する情報も提示してくれ、どのような病気の可能性があるかもわかるようになるものです。

このアプリの目的は、診断する事ではなく、可能性があるのなら、すぐに病院に行ってもらう事を目的にしています。そのための、病院に行くきっかけ作りとして考えていました。思い過ごしなら、そのままで良いのですが、本当は病気なのに関わらず放っておいたら、それは、患者さんのためになりません。そのような人を少しでも拾えるようにするには?を考えた結果です。

患者さん視点で見れば、知りたい事を知れ、さらに時間短縮もできます。誰でも「行きたいけど、仕事が……」という時は、あります。しかし、アプリで「このような病気の可能性がある」と警告されたら、心配で、心配で行かざるを得なくなるでしょう。

もちろん今こちらに上げた内容は、まだまだ不完全です。医師が診断するには、基本的に、問診、耳の診察、そして聴力検査も必要ですし、場合によっては、MRIも必要です。全てを詰め込めるのであれば、それに越した事は、ありませんが、どれだけカバーするかも考えないといけない事です。最も避けないといけないもの、例えば、少し治療が遅れると治療しづらくなる突発性難聴、痛みが発生する中耳炎は、すぐに発見できるようにする……という事を考えると問診と耳の中が見れるツールさえあれば、できるでしょう。

私自身は、このようなものを考えていました。少しでも難聴になる人が減れば、それだけでも良いとも考えています。

あとがき

otoシステムについて記載してみました。発想としては、面白いのですが、少々考えが足りないような印象を受けてしまったのは、否めません。中耳炎に関しては、治療が必要なケースとそうでないケースの比率がわかりませんので、何とも言えない感じです。ただ、治療が必要なケースが多いのであれば、二度手間ですし、そうでないケースが多いのなら、有効活用できます。

上記に記載しわすれてしまいましたが、送ったデータは、2時間以内に診察して、結果を教えてくれるようです。正直「2時間待つ可能性があるのなら、耳鼻科に診察した方が良いのでは?」なんて思ってしまった事も、あります。というのもこのような状況では、患者の状況を考えると、すぐに答えが聞きたいはずです。

もちろん、アメリカと日本では、状況が異なりますので、厳密に比較する事はできません。しかし、患者さんが思う事は、変わらないでしょう。病気になった人は、どんな病気でも一秒でも早く治して欲しいと考えるものです。ここは、例え、医師であっても同様です。特に痛みが出るものは、その傾向がかなり高くなります。

今後もスマートフォンを利用した医療システムは、どんどん開発されていきます。しかし、本当に考えなければならないのは、どのようにして患者を救うかになると思っています。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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