2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の音の聞こえ方は、どう理解すれば良いのか

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補聴器の試聴や補聴器を装用する事により、聞こえやすくなった感覚はあるものの、一体どのように聞こえれば良いかは、自分自身で理解できないポイントです。このような状態だと補聴器を装用しても、果たしてこの補聴器で良いのか、本当に聞こえるようになっているのか、聞こえるようになるポイントまで、聞こえてるようになっているのかもわかりません。私自身も補聴器を装用していますが、自分自身の感覚だけでは、これらの事を理解できません。

では、どのようにして理解していけば良いのでしょうか。こちらでは、私自身が行っていた方法について述べていきます。重要なのは、視覚化です。補聴器は、全てにおいて視覚化する事で、状況が理解できます。そして状況を理解する事で、判断がしやすくなります。

音の視覚化と目標値

補聴器を装用して、どのくらい聞こえるようになったかを理解するには、音場閾値(おんじょういきち)測定というものを行います。こちらは、補聴器を装用した状態で、どのくらい小さい音が聞こえるようになったかを調べる機器です。聴力測定室で聴力測定と同じような感覚で行う測定であり、こちらを行う事で、おおよその補聴器装用時の聞こえを理解する事ができます。

音場閾値測定のデータ図

音場閾値測定のデータ図

これは、オージオグラムと呼ばれるデータです。オージオグラムの見方が不明な方は、こちらをご覧下さい。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

さて、お話しを戻しまして……上記のオージオグラムを見てみると、そこに、▲と△があります。▲は、補聴器を装用した状態、△は、補聴器を装用していない状態を示します。本内容で見るのは、補聴器を装用した状態である▲になります。

目標値を知る

私自身の経験上、この数値が平均的に30〜35dBまであると概ね聞こえが良い傾向があります。そのため、この数値を目標値として見ると状況が理解しやすくなります。ちなみに私の補聴器に関しては、平均30dBにしています。

この数値である理由の一つに、通常の音声の聞き取りに必要な値は、どこなのかがあります。一般的な音声を明瞭に聞き取るためには、平均30dB(4000Hzのみ25dB)必要だと考えられており、その数値が元になっています。そのため、私自身の聞こえに関しては、それにのっとり、平均30dBにしています。実際には、すべてぴったりにするのは、難しい事もありますので、30〜35dBとしています。※30dBの下は、35dB。聴力に関しては、5dBステップになります。

とはいえ、あくまでもその人が出せる最良値が限界となります。昨日の「補聴器の装用効果目標と評価する二つのポイント」にも記載しましたが、補聴器は、感音性難聴の方が装用する機器ですので、どうしても聞きにくさは出ます。しかし、限りなく補う事も重要ですので、その補う範囲を30〜35dBとしています。

注意点

注意点として、聴力によってここの数値は、異なります。補聴器の場合、軽度〜中等度難聴は、概ね30〜35dBくらい、70dB以降は、聴力の半分を目標値にします。例えば、90dBであれば、その半分の45dBといったところです。基本的に、聞こえが重くなると重くなるほど、聞こえが改善できるレベルは、低くなります。

さらなる注意点としては、ここに記載している内容は、私の判断基準になります。上記に載せた「聴力によってここの数値は、異なります。補聴器の場合、軽度〜中等度難聴は、概ね30〜35dBくらい、70dB以降は、聴力の半分を目標値」は、私の判断ですので、ご注意ください。

耳鼻咽喉科学会で出している補聴器適合指針では、補聴器を装用し1000Hzが35dBまで聞こえているか、ファンクショナルゲイン(▲と△の差)が聴力の半分あれば良いとされています(聴力が90dBであれば、▲と△の差が45dBあればベスト)。このどちらか一方が達成されていれば、適合していると見なしています。

私の場合、さらに自分自身の経験から、聴力が70dBくらいまでは、30〜35dBは目指せるけれども、それ以降の場合は、厳しい傾向がある……という事で、このように見ています。もちろん、これは、あくまでも聴力だけで見た場合であり、実際のところは、人によって異なります。難聴になった経緯からも異なりますし、年齢によっても異なります。この数値は、あくまでも目標値になりますので、ご注意ください。

全ては、数値の比較

補聴器の場合、全てにおいて数値と比較する事により、状況を把握しやすくなります。例えば、上記の音場閾値測定に関しては、平均30〜35dBで聞こえていると良いという事を知っていたとしましょう。その目標値と今現在の耳の聞こえを比較する事で、どのくらい聞こえているのかを理解する事ができます。そして、自分自身で感じる感覚と目標値を比べる事で、どのくらいの聞こえを目指せば良いのか、もう限界まで来ているのかも理解する事ができます。

私自身も感じる事ですが、補聴器は、装用するだけでは良くわかりません。聞こえる感覚はありますが、それが良いのか、悪いのかは、全く判断がつきません。感覚は、自分自身で比較ができないからだと個人的に考えています。

比較対象を目標値として作り、聞こえを明確化してくれるのが、音場閾値測定です。聞こえを数値化し、目標値と比較する事で、状況を理解するのを手助けしてくれます。目でいう視力検査であり、視力検査も日常生活に支障がないレベルである0.8を基準にし、メガネ、あるいは、コンタクトレンズを装用した状態で、この数値をクリアできれば良いとされます。

このように数値を比較する事で、初めて補聴器は、状況を理解する事ができます。

あとがき

補聴器の音の聞こえ方は、どう理解すれば良いのかについて、記載してみました。聞こえの理解は、状況を調べる事から始まります。そしてその数値と比較対象を比べる事で、状況を理解できます。現状の聞こえ方がわかれば、どのような音の聞こえ方を目指すのかもわかるようになります。しっかりと測定してくれるところであれば、状況を確認するお店ですので、安心して補聴器を購入できると思います。

重要なのは、音の視覚化です。これを行う事で初めて状況を理解できます。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:初めて補聴器を装用した時の自分の経験

リンク:補聴器を選ぶ際に必要な語音明瞭度測定に関する基本知識

リンク:「片耳補聴器は聞き取りにくい方につける」は、間違い

リンク:耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器を選定する2つのポイント

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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