2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の効果が残念ながら見込みにくい人


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補聴器を装用する事で、聞こえるようになる……というのは、その通りです。しかし、中には、補聴器の効果が残念ながら見込めない人、あるいは、効果が薄い人がいます。補聴器そのものの性能が悪いという事ではなく、耳の状況によっては、補聴器が提供する補聴方法では、効果がありません。

では、どのような方がそれに当てはまるのでしょうか。今回は、こちらについて、記載していきます。なお、こちらの効果がないというのは、状況的に聞きたい音が非常に聞き取りにくい、理解するのが難しい場合を指します。

早速見ていきましょう。

補聴器の効果=言葉の聞きやすさ

補聴器の効果は、その人が持つ耳の力により、大きく左右されます。特に大きいのが言葉の聞きやすさです。音が聞こえれば、言葉は理解できるのではないかと思う方も多いのですが、残念ながら、必ずしもそうとは言えません。特に、補聴器が必要となる層は、感音性難聴と呼ばれる難聴であり、この難聴は、音が小さく聞こえる他、言葉が聞きにくくなる、言葉が捉えにくくなるという現象も起きます。

これは、単に、音が小さく聞こえるようになっただけでなく、音そのものを理解するプロセス上に障害が起こってしまうために、起こる症状です。この言葉の理解する力が低いとどうしても補聴器の効果は、少なくなってしまいます。補聴器を装用して聞こえを補っていく場合、この点に関して、しっかり理解していく必要があります。

補聴器は、誰もが効果を期待できる魔法の道具ではありません。

この力を理解するには

この力を理解するには、語音明瞭度(ごおんめいりょうど)測定と呼ばれるものを行う必要があります。これは、様々な音量で、耳に言葉を聞かせ、どのくらい言葉を理解できるのかを見る測定です。これをする事により、どのような耳なのか、補聴器を装用して効果がある耳なのかを見る事ができます。

この測定で、最良値が60%を超えている場合は、補聴器を装用する事で、効果を感じる事が多くなります(音のみで理解がしやすくなります)。しかし、この数値を下回る場合は、補聴器を装用しても効果が薄い事があります。特に、最良値が10%〜20%くらいになると耳で音を理解する、耳のみで言葉を理解するのは、困難を極めます。この場合、補聴器を装用しても、あまり効果は出ません。

この測定を行うと、良くも悪くも効果があるのか、ないのかをはっきり分けてくれます。この測定は、補聴器を装用するうえでは、欠かせない測定となります。

言葉の理解力の傾向

言葉の理解力について、今現在、私が感じている傾向に関しては、

  • 聴力が低下しているほど、低下している
  • 補聴器を装用する時期が遅れるほど、低下する

この二つがあります。

語音明瞭度は、聴力レベルが低下しているとしているほど、低下しているケースが多いように思います。軽度難聴や中等度難聴と高度難聴や重度難聴を比較してみると、軽度〜中等度難聴のほうが、語音明瞭度が高いケースが多いように感じます。

また、老人性難聴など、徐々に聞こえが低下してくるケースでは、補聴器の装用する時期が遅れると、遅れる程、低下してくる傾向も感じます。聴力が軽度の内から、補聴器を装用している方と中等度、高度難聴にまで、進行してしまったケースでは、前者の方が、言葉の理解力は高いケースが多くなります。

言葉の理解力に関しては、個人差もありますが、このような傾向を個人的には、感じています。

補聴器がしてくれる事

語音明瞭度測定が欠かせない測定となる理由には、補聴器がしてくれる事にあります。補聴器は、簡単に言いますと単に音を大きくしてくれる機器です。耳に来る音を大きくして、聞きやすくする道具ですので、言葉だけを聞きやすくしたり、語音明瞭度が下がったとしても、それを補ってくれる機器ではありません。

補聴器は、あくまでも音を大きくする道具です。元々の耳の聞こえが補いにくい場合、残念ながら補聴器を装用しても効果が見込みにくい状態となります。難聴の方の中には、少なからず、このような層もいらっしゃいます。

なお、難聴の中には、単に音が聞きにくい層もいます。いわゆる伝音性難聴になっている方です。そのような方には、補聴器の効果はあります。しかし、伝音性難聴は、手術で治る難聴であり、基本、耳の治療を優先させます。耳の治療をしてしまった方が、聞こえやすくもなりますし、お金もかかりません。そのため、補聴器を装用する層は、かなり少なくなるのが現状です。補聴器を装用するのは、基本、耳を治療しようがない、感音性難聴の方が大半になります。

効果がない層は、どうすれば良いのか

さて、効果がない層は、どのようにしたら良いのでしょうか。補聴器の効果がないとしたら、音で物事を理解ができない事になります。難聴の方の中には、何人か、そのような方々がいらっしゃいます。その場合に取れる事は、

  • 補聴器を装用しつつ、他のものでも補う
  • 補聴器は装用しないで、他のものだけで補う

この二つになります。どちらにも共通する事は、他の物で補う事です。補聴器は、あくまでも音を大きくする道具であると記載しました。音を大きくしても聞こえない、聞き取れないのであれば、それは、音で理解する事を諦めなければなりません。そして、音を聞いても理解できないのであれば、その他の手段で補うしかありません。その場合にとれる手段は、目で理解する事です。

目で理解するものは、メモ帳に字を書いたり、パソコンのメモ機能で、字を書いたりなどがあります。これらのものを使用し、目で確認できる手段で、コミュニケーションを行っていくと適切にコミュニケーションしやすくなります。

この際に重要なのは、自分から、率先して行う事です。実際には、相手の方が、字を書いていただかなければ、自分自身が理解できませんので、自分から、字を書き、書いてコミュニケーションする事を伝えて行く必要があります。自分は、お話しで済ませ、相手だけに書く面倒を押し付けようとすると、ほぼコミュニケーションは破綻しますので、その点だけご注意ください。

補聴器を装用しつつ、それを行うか、補聴器を装用しないで、それのみ行うかは、その人次第になります。言葉が理解できないとしても、補聴器を装用する事により、理解できる事はあります。音そのものは聞こえますので、周囲の状況がどのようになっているのか、音による合図には、気付く事ができます。そこに、どれだけの価値を見出せるのかは、人次第です。

人とコミュニケーションするというところは、限りなく難しい状況ですが、補聴器を装用する事自体が全く無駄になる事はありません。音に気付くというところに、価値を見出せるのなら、補聴器にも立派な価値があります。

あとがき

補聴器の効果が残念ながら見込めない人について、記載してみました。たまに、このような層がいらっしゃいます。が、全体的な割合からすると、そこまで、多い訳ではありません。このようなケースの場合、状況を本当に良くしたいとお考えなら、ご本人には、現状を受け止めていただく必要があります。

補聴器は、あくまでも音を大きくする道具です。音を大きくする事でも、補えない耳であれば、やり方を変えていく必要があります。どのようなやり方をするかは、ご本人次第ですが、音を聞こえるようにしても理解できないのなら、それをするしか方法はありません。

重要なのは、自分に適した方法を見つける事です。補聴器は、コミュニケーションをするために必要になる道具の一つであり、耳の聞こえを良くする道具の一つです。しかし、それを使用しても思うようにコミュニケーションできないのであれば、その他の方法を探すしかありません。私の方でわかるのは、目でコミュニケーションするという事です。ろうの方が手話をして、会話しているのは、まさに目でコミュニケーションしている状態です。耳で理解する事が難しい場合、目でコミュニケーションする事が重要になってきます。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:補聴器を初めて装用した時の周囲の反応

リンク:【実例】中等度難聴者が補聴器を装用するとどう改善されるのか

リンク:中等度の感音性難聴の私が自分に合った補聴器を選んだ方法

リンク:補聴器を使用すると聞こえるざわざわした音とは


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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