2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

聴力検査の結果を三つの視点で見てみると様々な事がわかる

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耳鼻咽喉科で行われる検査といえば、聴力検査が有名です。健康診断の時にも行われており、誰もが一度は、受けた事がある検査ではないでしょうか。

では、この検査を受けると、どのような事がわかるのか、ご存知でしょうか。この検査は、面白い事に人により、見方、受け取る内容が異なります。今回は、こちらについてまとめていきます。

なお、聴力検査を受けた際にもらえる聴力図をオージオグラムと呼びます。そのオージオグラムの読み方については、こちらをご覧下さい。数値の意味、図の意味についても記載しています。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

聴力検査の結果から理解できる事

聴力検査の結果から理解できる事としては、主に

  • どう聞きにくいのか
  • 聞こえにくさの種類

この二つが理解できます。どちらも、耳の状況を理解できるという点に関しては、変わりありません。聴力検査を受ける事で、耳の状況を理解する事ができるようになります。

どう聞きにくいのか

この内容は、見る人により、異なります。聞きにくさがわかる事により、理解できる事については、

  • 医師の視点
  • 補聴器屋の視点
  • 当事者の視点

が、あります。この三つの視点について、見ていきましょう。

医師の視点

医師は、聴力検査の結果であるオージオグラム(聴力図)を用いて、診断を行います。病気には、様々な種類があり、病気を見分けるための一つの手段としてオージオグラムを活用します。病気の中には、特定の聴力傾向が出る事がありますので、どのような病気なのかを見分けやすくなります。

聴力検査を行い、どのような聞こえなのかがわかると、どこが悪いのか、どこが原因なのかの検討を付けやすくなります。医師の場合は、病気の診断のために、オージオグラムを活用します。

補聴器屋の視点

補聴器屋は、どのくらいの出力の補聴器が必要かを考えるために聴力図を活用します。ここを無視してしまいますと適切に耳を補えなくなってしまいますので、非常に重要な部分です。音の出力は、補聴器の土台となる部分です。最悪、ここさえはずさなければ、補聴器を装用しても全く聞こえない補聴器を選んでしまうという事はありません。

補聴器屋の場合、適切な補聴器を判断するために使用されます。オージオグラムがないと、どこまで必要なのか、どのような補聴器が良いのかを見つける事ができなくなってしまいます。

当事者の視点

当事者がわかる事は、どのくらい聞きにくくなっているかになります。難聴は、自分自身では、どのくらい聞こえにくいのかを理解する事ができません。聞こえにくさを感じる事はあっても、どのくらい聞こえにくいかまでは、わからないものです。そのため、目に見える化して、初めて聞こえにくさを確認する事ができます。

聞こえにくさのレベルに関しては、こちらをご覧下さい。こちらは、オージオグラムの結果から、どのくらい聞こえにくいのかをレベルごとに見た内容となります。周囲の音がどのくらい聞きにくいのかを表現しています。

リンク:【どのくらい聞きにくい?】難聴レベル別聞きにくさのまとめ

聞きにくさの理解は、人により異なる

聴力図、オージオグラムがわかると聞こえにくさを理解する事ができます。しかし、このようにその図から読み取る内容は、人により異なります。一つの図から、これらの事が読み取れるようになります。

聞こえにくさの種類

耳の聴力がわかると聞こえにくさの種類もわかるようになります。これは、主に、当事者に該当する内容です。聴力検査を行うと、伝音性難聴なのか、感音性難聴なのか、どちらであるか、又は両方該当するのかが理解できます(伝音性難聴と感音性難聴が両方見られる場合、混合性難聴と呼びます)。それにより、聞こえにくさの種類もわかるようになります。

伝音性難聴

伝音性難聴とは、主に外耳、中耳と呼ばれる部分に何らかの障害が発生した事によって起こる難聴です。

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上記の図にある耳の穴の部分と鼓膜の部分が外耳、中耳と呼ばれる部分です。この部分に障害が起こると伝音性難聴になります。

主には、耳垢が耳に詰まってしまったり、中耳炎になったり、鼓膜に穴が空いてしまうと伝音性難聴になります。この難聴の場合、単に音が聞こえにくくなるだけであり、音を大きく聞こえるようにさせたり、あるいは、耳の治療、手術をする事によって、聞こえを大幅に改善させる事ができます。

伝音性難聴の場合、基本的には、治療、手術で改善させられるものが大半を占めます。

感音性難聴

感音性難聴とは、内耳と呼ばれる部分に何らかの障害が発生した事により起こる難聴です。

 

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上記の図の右側に当たる部分であり、グルグル巻かれた青いものが蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる音を感知する部分です。そこを含めた内耳と呼ばれる部分に、何らかの障害が発生すると感音性難聴になります。

感音性難聴の特徴としては、音が小さく聞こえるだけでなく、音そのものが理解しにくかったり、言葉が不明瞭に聞こえるという症状も出てきます。音の理解は、あくまでも脳が行っている事であり、音を感知する部分が悪くなってしまうと、耳に入ってきた音通りに感知できず、脳に適切な情報を送る事ができません。その結果、聞き間違えたり、全く話している内容がわからないという現象が起こります。これが感音性難聴の特徴です。

感音性難聴は、年齢と共に進む老人性難聴、突然聞きにくくなる突発性難聴が当てはまります。これらのものは、基本、聴力を改善させる手段がなく(突発性難聴は、発症時なら可能なケースがあります)、治療ができません。今現在は、補聴器を装用して、聞こえを補っていく事をしています。

難聴の傾向がわかる

聴力図を見ると難聴の傾向を理解する事ができます。難聴の種類は、主に上記にあげた二つしかありません。オージオグラムを見る事で、このどちらに該当するかを理解できます。すると、どのような傾向があるのかを理解する事に繋がりますし、どのような治療方法が見込めるのかもわかるようになります。

耳の聞こえの状況がわかると、このような事もわかるようになります。

どのようにして難聴の種類がわかるのか

ここで、どのようにしたら難聴の種類がわかるようになるのかと、疑問を持った方がいると思います。そのような方のために、理解の仕方についても載せていきます。

これは、聴力検査がしている事を理解すれば、簡単に理解する事ができるようになります。聴力検査は、気導閾値(きどういきち)と骨導閾値(こつどういきち)を測定します。この二つの数値を見る事で、耳がどのような状況になっているのかを見る事ができるようになります。

気導閾値

気導閾値とは、ヘッドホンを装用して行う検査になります。最も馴染みがあるのは、この気導閾値の検査でしょう。こちらは、耳の穴を通して音を聞く方法で検査をするものであり、今現在の聞こえの状況をそのまま反映させる事ができる検査です。これにより、まず現状の聞こえがどうなのかを理解する事ができます。

骨導閾値

骨導閾値とは、内耳の聴力がどのようになっているのかを検査する測定です。黒い物体を耳の裏の骨に当て、振動させる事により、骨を伝って直接内耳に音を届けます。それにより、内耳のみの聴力を知る事ができます。

二つの検査値を比較

二つの異なる方法で検査した値を比較すると、耳の状況を理解する事ができます。気導閾値と骨導閾値が同じ位置にある場合は、感音性難聴であり、気導閾値と骨導閾値を比較した際、骨導閾値が良くなる場合は、伝音性難聴である事がわかります。

図で表しますと

オージオグラムが感音性難聴であり、

聴力図

こちらが、伝音性難聴になります。

気導閾値を検査すると、初めに聞こえにくさの全体を理解する事ができます。耳で感じる音の全体像です。そこから、内耳だけの聞こえがわかる事により、気導閾値と骨導閾値が同じ場合、骨導に関係する部分、つまり外耳と中耳には、何もない事がわかります。何か音が聞きにくい原因があれば、その分だけ聞きにくくなりますので、気導閾値と骨導閾値に差が出るようになります。

このように考える事で、どこの部分に聞こえにくい原因があるかを理解する事ができるようになります。聴力検査は、これらの内容を理解するためにも行われています。単に、聞こえにくさを理解するためだけに行われているわけではありません。

なお、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、骨導閾値が気導閾値より、下に行く事はありません。ここは、理論的に考えてもおかしな事ですので、ありえないのですが、実際には、検査状況により、下に来る事があります。その場合は、気導閾値と骨導閾値は、同等であると捉えます。

最後に

聴力検査をすると様々な事がわかるようになります。医師は、病気の究明、あるいは、症状の改善のために、聴力検査を行います。病気がわかれば、お薬を出したり、治療を行ったりと、改善のための一歩を進める事ができるからですね。補聴器屋は、補聴器の音の強さを決めるために、データをもらいます。そうする事で、適切な補聴器を選んだり、調節をする事ができるようになります。さらに、当事者に関しては、検査する事によって、初めて自分自身の理解を深める事ができます。一つのデータから、このように色々な事がわかるようになります。

耳の状況を理解するのに欠かせないデータではあるのですが、人により、見方が異なるのは、面白い事ですね。聴力検査は、このような事に使われています。全ては、耳の不調を訴える方のために、存在している検査です。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

リンク:【重要】誰も言わない聴力低下すると起こる3つの症状

リンク:難聴の問題点と特殊性から見る補聴器の役割

リンク:補聴器を初めて装用した時の周囲の反応

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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