2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

デジタル補聴器の概要とできるようになった事


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今現在、主流の補聴器といえば、デジタル補聴器です。では、デジタル補聴器とは、どのような補聴器なのでしょうか。アナログ補聴器から、デジタル補聴器に変わり「デジタル補聴器になって性能が良くなりました」「デジタル補聴器になり、聞こえやすくなりました」など聞くことがありますが、これは、どのような意味なのでしょうか。

デジタル補聴器に関する説明は、色々とありますが、少々難しいように感じますので、こちらでは、簡単に書いてみます。補聴器に関する理解が進めば、幸いです。

デジタル補聴器とは

マイクで拾った音をデジタル信号に変換し、中のコンピュータがわかる内容に変換します。その後、コンピュータがその音の処理を行い、デジタル信号をアナログ信号に変換して、耳に音を届けます。このような事を、デジタル補聴器は行っています。わかる方であれば、これだけでわかるかもしれませんが、わかりにくいという方もいらっしゃると思いますので、もう少し砕いて記載します。

デジタル補聴器とは、補聴器の中にコンピュータを入れた補聴器です。中にコンピュータを入れる事で、様々な事を分析し、どのように音を出したら良いかを考えて、音を出す事ができるようになりました。

音を分析できるようになると「この音は、○○の音」「今入ってきた音は、○○の音」というような事が補聴器の中で分析できるようになります。すると、それに該当するものは、音を抑えたり、あるいは、音を抑えないように確保したりする事ができます。このような事ができるのが、デジタル補聴器です。

また、入ってきた音をどのように出すかという事に関しても制御できるため、アナログ補聴器よりも非常に多彩な音調整ができるようになりました。アナログ補聴器の頃は、単にどれだけ音を大きくするかという考えが多かったのですが、デジタル補聴器の場合、マイクから入力された音の強さごとに、どのくらい音を大きくするかの調整もできます。

このようにデジタル補聴器になった事で、様々な事ができるようになりました。

デジタル補聴器でできるようになった事

では、実際にどのような事ができるようになったのでしょうか。ここで、デジタル補聴器でできるようになった事をまとめてみます。こちらに載せているものは、いずれもデジタル補聴器なってできるようになった事です。主には、

  • 音を制御する
  • 音を細かく調整する
  • 使用状況を記録する
  • 自動で切り替わる
  • ボタン系を制御する

これらがあります。一つ一つ見てみましょう。

音を制御する

音を制御するのは、上記にも出したものです。有名な機能には、騒音抑制機能、指向性機能があります。騒音抑制機能は、別名がたくさんあり、ノイズキャンセラー、雑音抑制とも呼ばれています。騒音抑制とは、その名の通り、騒音を抑制する機能で、騒音と補聴器が見なしたものを抑制する機能です。指向性機能とは、聞く範囲を狭めて前方の音をより聞きやすくする機能になります。どちらも、音を抑制する事で、聞きたい音をより聞きやすくするために、作られました。

騒音抑制の機能は、騒音と見なす波形が検知されると働くようになります。コンピュータで、マイクから入力された音を分析し「これは、騒音だから聞きにくくした方が楽になるのではないか」と補聴器が考えたものを抑制します。厳密には、もっと様々な条件がありますが、大まかな動作については、このような流れで行われます。

指向性機能もほとんど同じです。指向性機能を行う場合、二つのマイクを活用し、どんな音がどの方向から来るかをコンピュータが計測します。そして、前方から来ているであろう音以外の音は抑制し、前方から来る音を優先的に補聴器に入れようとします。補聴器によっては、動作そのものが異なるケースがありますが、基本的に、前方の音を優先的に入れる機能が指向性機能になります。

なお、これ以外にも抑制する機能としては、ハウリングを抑制するハウリングキャンセラー、風の音を抑制する機能があります。これらのものも基本的には、同様の原理で働いています。

音を細かく調整する

こちらも、上記に出したものです。マイクで入力される音を分析できるようになると、周波数ごとに音の強さがどれだけ入ってくるかがわかるようになります。すると、それぞれの音に応じて、音を大きくする数値を決める事ができるようになりました。以前のアナログ補聴器は、ある程度決められた調整しかできず、それ以外のものについては、ボリュームで操作するしかありませんでした。しかし、今は、事細かに調整ができるようになってきました。

調整の幅が広がると様々な人に補聴器の調整をする事ができるようになります。補聴器を装用する人の中には、音そのものに過敏な方もいますので、そのような方にも合わせやすくなったのが、デジタル補聴器です。

使用状況を記録する

デジタル補聴器になってできるようになった事といえば、データロギングという機能です。これは、補聴器を使用した時間、どのような時に使用していたのかもわかる機能となります。

補聴器を使用していた時間に関しては、補聴器を長時間使用しているユーザーほど、補聴器に対して満足度が高いという研究データもある事から、補聴器ユーザーがどのような状況なのかを判断するツールとして活用されています。主に、補聴器販売者、医療従事者が活用している機能ですが、補聴器ユーザーの質を高めるために、一役買っている機能でもあります。

自動で切り替わる

補聴器の中には、複数の音の設定を記録し、状況ごとに自動で切り換えてくれる機能もあります。例えば、補聴器の中に、静かな時に使う音設定、騒がしい時に使用する音設定、音楽を聞く際に使用する音設定があったとします。それらを、補聴器が状況に合わせて、自動で変化させてくれます。

この仕組みは、非常に単純で、補聴器がマイクを通じて、どのような環境なのかを理解し、今の状況に最も合う音設定に切り換えてくれます。今現在のデジタル補聴器には、多くの補聴器に自動で切り替わる機能が搭載されています。

ボタン系を制御する

ボタン系とは、ボリュームやプログラムスイッチとした外部操作部品が該当します。補聴器には、上記のように自動でしてもらう機能もありますが、手動で音量を調整したり、音を切り換える事もできます。その設定そのものについても、制御する事ができるようになりました。

例えば、ボリュームであれば、音を大きくする上限の幅を変更させることができますし、さらに音を小さくする事はできるが、大きくはできない、といった設定も可能です。そして、ボタンそのものの機能が不要であれば、ボタンを押したとしても反応させなくする事もできます。デジタル補聴器になって、そのような制御もできるようになりました。

まとめ

基本的には、音そのものが分析できるようになる事で、様々な事ができるようになっています。それ以外には、操作系のものの自由度も上がってきました。それにより、補聴器そのものを扱える人が増えてきたように個人的には、考えています。

補聴器を装用する方は、音を感じ取る神経系に何らかの不具合があり、聞こえにくい状態ですが、そのような状況でも聞き取りを良くしようと、日々補聴器は、進化してきています。

より良くしようと努力してできたのが、デジタル補聴器です。

あとがき

デジタル補聴器について、記載してみました。デジタル補聴器とアナログ補聴器の違いは、中にコンピュータが入っているか、そうでないかの違いとなります。そして、中にコンピュータが入っていると上記のように様々な事ができるようになります。

補聴器は、このような事ができるようになり、日々進化してきました。まだまだ聞きにくいところがある点については、申し訳ないのですが、補聴器もどのようにしたら、聞きやすくなるかを考えて、改良を重ねています。デジタル補聴器がしている事を見てみるとその傾向が読み取れると思います。

まだまだ進化が必要なものではありますが、デジタル補聴器は、どのようにしたら難聴者が聞きやすくなるのかを考えて、作られた補聴器です。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:初めて補聴器を装用した時の自分の経験

リンク:補聴器の性能の一つ、抑制機能を理解する三つの事

リンク:補聴器のハウリングキャンセラー機能を知ろう

リンク:多くの人が誤解している補聴器が慣れるという状態


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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