耳・補聴器のこと

今ある技術から考える補聴器の可能性と未来の想像

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

久々にすごく良い記事に出会えたので、シェア(紹介)したいと思います。

リンク:補聴器もスマート化! ワイヤレス補聴器「Halo」は電話も聞き取れる

内容は、スターキーのHaloという補聴器に関する事です。この補聴器は、iPhoneと繋げられる補聴器であり、iPhone側にアプリをダウンロードすると様々な操作ができるようになります。

良い内容というのは、ここではなく、補聴器の未来に関する内容です。個人的な感想としては「やはりそこまで考えているか……」という事とそこまで考えている人がいるのなら、その内、あっと驚く製品が出てくるかもしれない……という期待があります。

それは、どういった意味なのでしょうか。今回は、私が感じた事について記載していきます。

スマートフォンによって起こる変化

この記事で良かった点は、補聴器の未来について少し載っていた事です。

Starkeyでは、Haloを、「よりパーソナルで身近なものにしていきたい」というコンセプトのもと、補聴器の領域を広げる可能性があるガジェットとして捉えている。「補聴器にセンサーを搭載することで、さまざまなことが把握できます。たとえば、地軸からの傾きから、使用者が倒れていないか、フラついていないかといった状態が確認できますし、血圧や脈拍も測れます」(窪寺さん)。

ガジェット通信より引用

この点だけ見てもあまりピンと来ないかもしれませんので、少し補足をします。今現在、スマートフォンがたくさん作られ、使用されるようになり、様々なアプリが登場してきました。スマートフォンが便利になってきたのは、様々なセンサーが導入されてきた事にあります。

スマートフォンに導入されているセンサーには、ジャイロセンサー、GPSセンサー、加速度センサー、照明センサーなどがあります。これらのものが導入されると、例えば、Google mapを開くと今いる位置がわかったり(GPSセンサー)、スマートフォンを傾けると横に表示してくれたり(ジャイロセンサー)できるようになりました。スマートフォンはセンサーを活用する事で、様々な事ができるようになってきています。

この記事内では、ちょろっと書かれていますが、血圧や脈拍も測れるとも記載されています。時計型のウェアラブル機器(ウェアラブル機器とは、体に身につける機器という意味です)がしているのはまさにここで、時計をつけるところで、脈拍や血圧を図る事ができます。前々からあった技術ではありますが、これらの技術を活用して、補聴器にも……という事を考えているのがスターキーさんだという事ですね。

スマートフォンが起こした技術革命は、実はここではなくもっと別の場所にあります。それは、各センサー類が入っているスマートフォンが大量に作られる事で、各センサーが安くなった事にあります。それらの影響か、ドローンにGPSセンサーを導入し、物を運ぶ自動機器を作ろうとする動きも出てきました。もちろん、ジャイロセンサーや加速度センサーがある事でも、ドローン市場は、活性化してきました。

そして、各センサー類が安くなれば、当然、補聴器にも導入しやすくなる事を意味します。

補聴器は世界初のウェアラブル機器

実は、補聴器というのは、世界初のウェアラブル機器だったりします。日々日常的に機械を身につける道具としては、補聴器に古い歴史があります。記事内にも書かれていますが、少々イメージが悪い(かもしれない)点は、マイナス点ですが、意外にも可能性がある機器なんですね。

ウェアラブル機器は、うまくいっているかどうかを考えると、正直少々行き詰まった感覚があります。GoogleのGoogle glass(グーグルグラス)は、プライバシー問題、よそ見などの課題が多く、未だに試験段階ですし、Apple Watchは、発売当初こそ期待されていたものの売上は、あまり良くありません。これらの事を見てみると、ウェアラブル機器そのものに関して、あまり上手く行っているとは、言えない状態です。

もし、補聴器そのものがスマートフォンのようにセンサー類が大量に詰め込まれたらどうでしょうか?もし、記事内に書かれた事ができるようになったら、どうでしょうか?少しは、補聴器に関して未来を感じるお話しではないでしょうか。もちろん、センサーを詰め込む事より、詰め込んで何をするかの方が大切であるのは、言うまでもありません。

そして、それらを装用する可能性がある高齢者の方に装用されれば、もっと大きな価値が出てくる可能性もありますね。補聴器は、身近にあるウェアラブル機器という事で、ヘルスケア機器になる可能性だってあります。

変わるかもしれない補聴器の意義と価値

もし、そのような事が起これば、補聴器の意義、補聴器の価値そのものにも変化が起こるかもしれません。今までは、難聴の人が使用する道具だったのが、それも含めて(もしかしたら補聴器の機能はおまけで)体調管理もしてくれるようになるかもしれません。そして、体調が悪くなると、それが自動で何かの機器に表示されたり、症状の重さによっては、病院やご家族に連絡をしてくれたりなど、できるようになるかもしれません。

今現在の技術であれば、このような事をする事も不可能ではないはずです。そこにどれだけニーズがあるか次第で、実現されるか、されないかは、決まりますが、このような事を考えているのは、恐らく私だけではないと思います。案外このような事を考えている人は、そこらへんにたくさんいたりします。

このように補聴器の意義、価値に関しては、今後、変わる可能性は、十分にあると考えています。もちろん、他に良いウェアラブル機器が出てくれば、お話しは、別になります……。

あとがき

記事を見て思った事を記載してみました。今現在は、すごい勢いで、技術が進歩してきていますので、補聴器の可能性は、まだまだあると個人的にも考えています。ただ申し訳ないのは、難聴の方が思っている事に近づけられていない事です。上記の内容は、あくまでも本線とは、別の他線の内容となります。

難聴者が本当に求めているのは、聞こえるようになる補聴器ではないでしょうか。しかし、紹介した内容は、難聴者が求めているかどうかは不明のものです。もしかしたら、求めていない可能性だってあります。真のニーズは、聞こえる補聴器だからです。

こちらでは、あくまでもこんな可能性もあるかもしれないという事で、記載してみました。補聴器の本線の内容も大切ですが、他の視点で、できる事を考えるのも良い事だと、個人的には、考えています。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、このお店では、実際に補聴器を使っている私自身がご相談を承っています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、実際に補聴器を使っている当事者がご相談を承っています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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