耳・補聴器のこと

補聴器のイメージが損なわれる事について思う事

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

補聴器は、何かとネガティブに捉えられる事が多いのですが、これについて思う事があります。それは、イメージが損なわれるとどのような事が起こるかです。こちらについて考えてみると、見事なまでに悪い事しか思い浮かびませんでした。

さて、補聴器のイメージが損なわれるとどのような事が起こるのでしょうか。こちらについて考えてみた事を記載していきます。基本的には、装用している方にも、これから装用使用としている方にもデメリットとなる事があります。

イメージが損なわれるという事

補聴器のイメージが損なわれると被害があるのは二つあります。それは

  • 装用しづらくなる
  • 装用している人も良い事ではない

この二点です。前者は、これから補聴器を装用しようとする方に対するデメリットで、後者は、装用している人に対するデメリットとなります。

装用しづらくなる

どんな人も良くないと言われて使おうとする人は、ほとんどいません。さらに、良くないと言う風評は、広がると広がるほど、挽回が難しく、何も悪い事はないのに関わらず、すごく悪いものという風に捉えられる危険性もあります。そうなれば、本来救えたかもしれない方々を見逃す事になります。これは、大きな社会損失とも言えるのではないでしょうか。

補聴器は、確かに全てを聞きやすくしてくれる道具ではありません。事実、補聴器を装用してできない事もあります。しかし、その一方できる事もあります。できない事もありますが、できる事もあるのが補聴器です。決して悪い事しかないわけではありません。

装用している方に迷惑

補聴器は聞こえにくい、雑音が多いなどと言われてしまったり、マイナスイメージを連想させるワードを言われてしまうと、補聴器を装用する人にとっても良い事ではありません。そして、悪いイメージのものは、そう受け入れやすいものではありません。確かに補聴器はそのような側面もあります。しかし、それ以上に感じる価値があるからこそ、補聴器を装用し続けています。

私自身も補聴器を装用していますが、補聴器がない世界を考えると、今現在は、補聴器があるだけでも恵まれていると思っています。仮に、補聴器がない昔の世界で、生まれつき難聴だった場合を考えてみますと、どう生きていけば良いのか全くわかりません。聞こえにくければ人と満足にお話しする事も人とコミュニケーションする事もできません。このような事を可能にしてくれる補聴器だからこそ、少なくとも私は装用し続けています。

補聴器を装用しないと、私は一般の人が当たり前にできている事すらできません。私の場合、そのような体で生まれてきました。それを少しでも可能にしてくれるだけでも私にとっては、大きな価値があります。

私が危機感を持つ理由

補聴器のイメージが損なわれる事に危機感を持つ最大の理由は、補聴器の持つ役割にあります。補聴器は、基本治療ができない耳に対して装用するものであり、いわば耳のセーフティネットのような存在です。そのようなセーフティネットなのに関わらず、イメージが損なわれてしまうと、難聴の方を受け止める場所が無くなってしまいます。その結果、聞こえにくいのを我慢したり、それを改善せず、そのままにしてしまうという事も起こるようになってきます。これでは、セーフティネットの意味がありません。

私の場合、別に補聴器は良いものだと言う気は一切ありません。周りの音が聞こえる事で、言葉が聞きにくくなる事もありますし、完全に聞こえるようにならないのも事実です。しかし、今現在、難聴の方の状況を改善させる方法が他にありません。※治療ができない難聴に限定しています。

仮に良くする方法があるのでしたら、補聴器を叩き台にして、色々言っても良いと思っています。それは、他のものを使って救われる方法があるのでしたら、その問題は解決できるからです。しかし、補聴器の場合は、その最終ラインそのものになります。ここで、最終ラインの役割をしないとならないのに関わらず、風評被害で浸透しにくくなると困っている方を救いづらくなってしまいます。このような理由から、私は、危機感を持っています。

私は単に補聴器を装用している身から、やめて欲しいといっているのではなく、聞こえにくい方が救いづらくなってしまう事から、このように考えています。

あとがき

補聴器のイメージが損なわれる事について思う事を記載してみました。一番の気持ちは、やはり救えるかもしれない人を救えなくなる可能性がある事です。他に改善方法があるのでしたら、それを活用すればよいのですが、元々セーフティネット的なポジションにいる補聴器を否定してしまうと、もうどうにもならなくなります。

基本的には、耳の治療を行い、治療ができない耳、あるいは、治療したけれども聞こえにくさが残った耳に装用するのが補聴器です。その下にさらに改善機器があれば良いのですが、そのような物はありません。

私の場合、このように考えているため、イメージが損なわれる事に関し、ちょっとした危機感を持っています。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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