2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器を選ぶ際に外すと困る音の出力

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補聴器を装用する際、最も重要なのは、音の出力です。言い方を変えれば、どれだけ音がでるかの数値となります。音の出力が自身の難聴の耳に対し、足りない場合、音が小さく聞こえてしまい、適切に補えなくなります。補聴器を装用する際に最も外したくないポイントです。

では、このポイントは、どのように見れば良いのでしょうか。今回は、音の出力に関して、記載していきます。こちらの内容がお役に立てば幸いです。

選ぶ全体像

出力に関しては……といきたいところですが、まず全体像に関してお話しさせていただきます。補聴器を選ぶ際、いくつかの判断基準があります。基本的には、

  • 装用耳
  • 音の出力
  • 形状
  • 性能

この四つがあります。装用耳とは、補聴器を装用する耳はどのようにするかとなります。両方に装用するのか、片耳であれば、左なのか、右なのか、このような内容です。音の出力とは、どのくらい音が必要なのか、耳をしっかり補える補聴器なのかを確認する事となります。形状とは、補聴器の種類であるポケット形補聴器、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器のどれを選択するのかです。性能とは、どのような機能を補聴器に入れるのかとなります。

補聴器に関しては、このようにいくつか判断するもの、選択するものがあります。音の出力は、補聴器を装用する際に初めに決める部分となります。初めに決める理由は、ここを外すとどのような事をしても耳が補えなくなってしまうからです。

音の出力とは

音の出力とは、ご想像の通り、音がどれだけ大きくできるかになります。補聴器には、それぞれ音を大きくできる範囲があり、補聴器ごとに音の出力が異なります。ですので、どんな補聴器を装用しても良いという事には残念ながらなりません。自分自身の聴力と補聴器が出す音の出力が合うものを選択する必要があります。

聴力に対し、出力が小さいものを選択してしまうと、これもまたご想像の通り、聞こえにくくなります。必要とされる音が足りなければ、どうしても聞こえにくさは出てしまいます。不適合な補聴器を選ばないためにも、この部分は、しっかり考える必要があります。

見分け方

補聴器のカタログには、軽度〜中等度用、高度難聴用、重度難聴用といった表記があります。各メーカーとも微妙に表記を変えていますので、実際に以下のものを見て、一緒に理解していきましょう。以下のものは、各メーカーのWebサイトから引用しています。

それぞれの表記方法

メーカーにより、若干異なりますので、それぞれの表記方法について見ていきます。
耳かけ形補聴器

※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

数ある補聴器メーカーのフォナックさんの場合、軽度難聴用を軽、中等度難聴は、中、高度難聴は、高……と初めの文字のみにして省略しています。基本的には、それぞれの難聴をカバーできる出力を兼ね備えているものに対してのみ、対応聴力(難聴の程度)を記載しています。例えば、一番左の軽、中、と書かれたMの補聴器は、軽度、中等度難聴の方に対して十分な音量を提供できますが、それ以上の高度難聴や重度難聴の場合は適応しにくい……という事を表しています。自分自身の難聴の程度を理解できれば、自ずとどの補聴器が適合するのかがわかるようになります。

なお、聴力については、こちらをご覧いただくとわかりやすいと思います。オージオグラムと呼ばれる聴力図の見方から、どのくらいの聴力レベルになるかを載せています。

リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ

耳あな形補聴器

※画像は補聴器メーカーリオネット補聴器より引用

こちらは、リオネット補聴器さんの耳あな形補聴器です。こちらはわかりやすく軽度、中等度としっかり書かれています。丁寧に難聴の程度とまで記載されており、わかりやすくなっています。この補聴器の場合、軽度、中等度難聴まで対応するという意味になります。上記と同じく、高度、重度難聴の方には、出力不足により、適合しない可能性が高くなります。

ポケット形補聴器

※画像は補聴器メーカーリオネット補聴器より引用

こちらも、リオネット補聴器のポケット形補聴器になります。こちらは、中等度、高度、重度まで記載されています。つまり、中等度難聴、高度難聴、重度難聴、それぞれの方に適合するという意味になります。こちらに記載されていない軽度難聴の方の場合、音の出力が大きいので、お勧めできません。

まとめ

基本的には、どの補聴器にも適合する難聴の程度が記載されています。そこを見て判断されるとわかりやすいと思います。

なお、この表記はあくまでも目安程度にお考えください。実際には、どのくらい音を大きくしたら良いかで変わります。補聴器を装用している人の中には、自分自身の聴力に対し必要とされる音の出力より、大きめに使用されていたり、反対に小さめに使用されている方もいます。感覚は、人により異なりますので、あくまでも目安程度にお考えください。

補聴器別の基本出力

補聴器には、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器、ポケット形補聴器という三つの形状があります。それぞれによって、基本的な音の出力があります。なお、あくまでもおおよそ程度の対応聴力になります。この範囲外の補聴器もありますので、その点については、ご了承ください。

耳かけ形補聴器

基本的には、どの聴力でも対応できるようにしているのが、耳かけ形補聴器の特徴です。軽度〜重度難聴まで、様々な補聴器があります。軽度用の補聴器は、形状が小さく、重度用の補聴器は、形状が大きくなります。基本的に、何でも屋のイメージがあるのが、耳かけ形補聴器です。

耳あな形補聴器

耳あな形補聴器の場合、基本的には、軽度難聴〜対応できても高度難聴までとなります。一部重度難聴まで対応できる補聴器はあるかもしれませんが、基本的には、高度難聴までが適応内です。

この補聴器は、音を出す部品(イヤホン)と音が入る部品(マイク)が近いため、ハウリングと呼ばれる現象が起こりやすくなります。カラオケボックスでマイクを音が出ているところに近づけると「ポ〜ン」「キ〜ン」といった音がするのですが、それが補聴器でも起こりえます。音そのものを大きくするとするほど、ハウリングがしやすくなります。そのため、聴力によっては、ハウリングが酷くなってしまい、快適に補聴器が使用できない場合もあります。その場合は、耳あな形補聴器ではなく、耳かけ形補聴器に変更するなどの対応が必要となります。

ポケット形補聴器

ポケット形補聴器は、中等度難聴〜重度難聴までが適応範囲としてあります。形状そのものの特徴で見てみますと、上記の二つよりも音の出力が高めに設定されている事があげられます。

まとめ

補聴器の形状によっても音の出力は異なりま。ただし、こちらに載せたのは、あくまでもおおよその目安となります。実際には、カタログに記載されている対応聴力を見た方が、適応するのか、適応しないのかがわかりやすいと思います。

補聴器はしっかり補えるものを選ぼう

さて、ここまで音の出力に関して記載してみました。こちらの内容でおおよそでも掴めてきましたら、記載した甲斐があります。もしわからない点があれば、販売員の方に伺ってみましょう。丁寧にお答えいただけると思います。

上記に記載しました通り、この部分を外してしまうと聞こえにくい補聴器を装用する事になります。ここは慎重にお選びください。基本的には、補っている状態の音に対し、限界まで出している補聴器は選択しません。補聴器は、長く使用する機器ですので、限界まで音を出している補聴器を選択してしまうといざという時に調整できなくなってしまいます(音を限界まで出しているため、それ以上大きくする事ができない)。ほとんどのケースで補う音に対し、ゆとりがある状態の補聴器を選択します。

しっかりと耳を補え、さらに仮に聴力低下が起こった場合(起こらないに越した事はないのですが……)、調整できる補聴器を選択できると安心です。ぜひ、そのような販売員さんに相談し、補聴器相談をされてください。

あとがき

補聴器を選ぶ際に外すと困る音の出力という事で、補聴器の選択する際の選択基準である音の出力に関して記載してみました。この部分は外してしまうと、どうにも聞こえにくい補聴器を購入する事になってしまいますので、注意が必要です。また、できれば限界まで出ている補聴器ではなく、少しゆとりがある補聴器であれば、安心でもあります。この部分は、状況によってシビアな時もありますが、基本的には、耳を補え、音の調整に余裕のある補聴器を選択できると安心です。

これらの内容がお役に立てば幸いです。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:「補聴器の音が不自然」は、どうして起こるのだろうか

リンク:補聴器を初めて装用する方に伝えたい装用後の世界

リンク:適切な補聴器を理解する補聴器評価ポイントまとめ

リンク:「片耳補聴器は聞き取りにくい方につける」は、間違い

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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