2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器における購入費助成制度は主に二つ

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補聴器には、国が用意している助成を受けられる制度、または、市、区が用意している制度を用いる事で、助成を受けられる場合があります。どのような制度を受けるかにより、助成の金額は、異なりますが、少しでも負担を少なくしたいという場合は、有効です。

では、どのような制度があるかを早速見ていきましょう。

補聴器の助成金制度

補聴器の助成金制度には大きく分けて

  • 自立支援法
  • 市、区の補聴器購入助成制度

の二つがあります。自立支援法は、いわゆる身体障害者手帳を取得して、補聴器購入時に助成を受けられる制度に対し、市、区の補聴器購入助成制度は、手帳がなくても使用できます。基本的には、手帳がある方は、手帳を使って助成、手帳がない方は、市、区の補聴器購入助成制度を利用し、助成を受ける事が多くなります。

市、区の補聴器購入助成制度の方が、ハードルは低く、助成を受けられやすいのが特徴です。

自立支援法

自立支援法とは、国が用意している福祉サービスになります。身体障害者手帳を取得する事により、補聴器購入時にいくらか負担いただけます。申請する内容によって、助成される金額は異なるのですが、基本的には、申請する金額の9割を国が負担し、1割が自分で負担します。あくまでも自分が国に対して申請する金額の9割が国負担である事を忘れないようにしましょう。

条件としては、以下の通りとなります。

障害者手帳基準

障害者手帳基準

聴力によって、等級があり、一番下の等級で、両耳とも平均70dB以上か、片側の聴力が平均90dB以上、もう片耳が50dB以上となります。これと同じくらい、あるいは、それ以上に聞こえにくくなっている場合、手帳取得の対象となります。区、または市役所の福祉課に相談に行き、自立支援法に関して、問い合わせていただくと申請に関して、色々と教えていただけるでしょう。もちろん、申請に関しては、どのような聴力の方でも教えていただけます。ただし、手帳取得には、上記の表のいずれかを満たさなければできませんので、無駄足に繋がる事もあります。

助成される金額に関してなのですが、申請する内容により、バラバラですので、何とも言えません。申請する内容で見ると3万〜10万助成されるですが、実際に多いのは、4万〜6万助成されるケースになります。こちらは、あくまでもおおよそ程度にお考えください。

自立支援法は、基本、上記の内容に当てはまる方でしたら、ほとんどの方が取得できる国の制度となります。

市、区の補聴器購入助成制度

市、または区によっては、補聴器を購入する際に、助成してくれるところがあります。条件として、大抵は、

  • 満65歳以上
  • 住民税が非課税
  • 都民、区民、市民である事
  • 医師が補聴器を必要と認めた方

となっています。この制度を利用する場合は、ご自身のお住まいになっている市、区の福祉課に問い合わせていただくとわかります。一例を上げますと

補聴器購入助成金の例

補聴器購入助成制度の例①

江戸川区役所より引用

こちらは、東京都にある江戸川区役所のWebサイトの一部です。江戸川区では、補聴器購入に関して、助成を行っていますので、Webでも調べる事ができます。その他には、

補聴器購入助成制度の例②

補聴器購入助成制度の例②

葛飾区役所より引用

東京都の葛飾区でも行っています。気になる方は、○○区、または市(お住まいの地域)、補聴器、助成金、と検索すれば該当する内容が出てくると思います。もし出てこない場合は、市役所、区役所の福祉課に問い合わせてみて、ご確認いただくとより確実にわかると思います。

助成される金額は、市、区によって、異なります。葛飾区では、35,000が限度額、江戸川区では、20,000円が限度のようです。

基本的にこの制度は、自立支援法が使用できない方に適応する制度です。なお、助成制度には、児童verもあります。子どもの場合は、難聴児と書かれていますので、その点に気をつけましょう。

自立支援法を利用するのに必要な聴力は、どのくらい?

さて、基本的な概要を記載させていただきましたが、問題となるのは、自立支援法制度が対象となる聴力です。上記では、両耳とも平均70dB以上か、片耳が90dB以上、もう片耳が50dB以上と記載されていましたね。実際、どのくらい聞きにくいと手帳取得ができるのでしょうか。おおよその目安ですが、以下の通りになります。

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ

こちらは、平均聴力70dBのものです。見方を説明させていただきますと●の位置より、下の数値は、基本聞く事ができません。電話のベル、騒々しい事務所で、小さく音が聞こえてくるか、聞こえないかのレベルであり、その音より大きい音しか聞くことができません。

平均聴力70dBの場合、一般の方が聞いてうるさいと感じる音の大きさが、小さくやっと聞こえるレベルか、聞こえないレベルです。このくらい聞こえが低下しないと難しくなります。

一点の片耳が50dB(右耳)、もう片耳は90dB(左耳)の場合は、以下のようになります。

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ②

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ②

90dBとまでなりますと、犬が吠える声、大声で話す声が小さく聞こえるか、聞こえないかのレベルです。一般の方がすごくうるさい、あるいは、身がすくんでしまう音が、小さく聞こえるか、感じる事ができないかになります。

実際に90dBくらいになりますと、ほとんど音を感じる事がないとされています。こちら同様か、それ以上の方は、ほとんど耳が聞こえていない状態になります。

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ③

自立支援法を利用する聴力の聞こえにくさ③

50dBの聴力では、一般的な会話音が小さい、あるいは、普通に話しているだけでは、声そのものが聞こえなくなってしまう頃合いです。この辺りから、不自由さを感じ、補聴器を装用する方が増えてきます。声の大きさは、人によって大きく異なりますが、このような傾向があります。

自立支援法が対象となる聴力を見てみると、結構厳しい内容である事がわかりますね。

実際にどうなのか

こちらの内容をご覧の方の中には「そんなに厳しいの?」や「もっと簡単なんじゃないの?」あるいは「そんなに厳しいわけがないじゃないか」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、私個人の意見を言わせていただきますと、自立支援法のハードルはかなり高いほうだと思っています。なぜなら、自立支援法が対応になる前に、ほとんどの方は補聴器が必要となるからです。

私自身は、生まれつき難聴であり、補聴器を装用しています。自立支援法対応者ではありませんが、それでも補聴器は必需品になっています。補聴器がないと満足に聞く事もできないですし、仕事はまず無理です。

私の耳は、中等度難聴であり、70dBに届かない約60〜65dB辺りになります。このくらいの聴力になりますと、ものすごく近づいてお話ししてもらうと理解できる事があるのですが、1.5m距離が離れるだけでもかなり会話は厳しくなります。というよりもまず無理なレベルになります。さらに、補聴器がないと電話のベルの音も気が付かない事もありますし、家のチャイムは気が付きません。自分の足音、時計のカチカチする音、エアコンの空調の音、これらの音にも気が付きません。自立支援法対応外で、既にこのレベルです。

私自身の耳の経験から言えるのは、自立支援法が対応になる前に補聴器は必要となる事です。特に、人と会う機会が多い方は、自立支援法対応になるまえに、必ず必要となります。自立支援法で補聴器の助成金を得るのは、かなりハードルが高い行為となりますので、その点については、ご了承ください。

もちろん、聴力がそこまで低下している場合は、申請して助成を受ける事ができます。ついでに修理の際も負担していただけるので、非常に優遇がきく制度でもあります。

助成金のまとめ

基本的には、自立支援法で対応できそうであれば、自立支援法、それ以外の場合は、市、区で行っている助成制度があれば、それを利用する事で、助成を受ける事ができます。しかし、自立支援法で対応できない+自分の区、市では、助成制度がない場合、補聴器購入時に助成を受ける事ができません。その点については、ご了承ください。

補聴器の助成が受けられるのでしたら、活用しましょう。

あとがき

よく助成金を受けられるというようなお話しを聞きますが、個人的には、疑問に思う事がありましたので、記載させていただきました。区、市によっては、確かに助成金を用意しているのですが、これがない区、市では、自立支援法で助成を受ける事になります。しかし、自立支援法は、上記に記載した通り、かなりハードルが高い部類です。

補聴器を元々装用しており、徐々に聴力が低下してしまい「次から国の制度の自立支援法を利用しましょう」というケースは、あるのですが、補聴器を初めて装用するという場合、いきなり自立支援法が対応するレベルまで聴力低下しているかと言われれば、あるにはありますが、数としては少なくなります。上記にも記載しましたが、自立支援法が適応される聴力は、かなり聞きにくい状態ですので、よほどの事がない限り、そこまで放置する事がありません。大抵は、その前に「聞こえにくいので改善したい」とご相談になられます。

自立支援法や区、市の助成制度が活用できるのでしたら、活用しましょう。これらを使って、少しでも補聴器が購入しやすくなれば、それは良い事です。こちらの内容がお役に立てば幸いです。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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