2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器で耳は治す事ができるの?という問いに対する答え

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「補聴器を装用する事で、耳は治りますか?」これは、良く聞かれる質問の一つになります。この問いに対する答えは、「聞こえの改善はできるけれども治す事はできません」となります。補聴器は、音を大きくする道具なのですが、耳の聞こえは、音を大きくすれば、簡単に改善できるかと言いますと、そうでもありません。

これは一体どういった事なのでしょうか。音が聞こえにくいから、お話しや周囲の音が聞きにくいのではないでしょうか。今回は、こちらに関して記載していきます。

結論から言えば治す事はできません

これは、冒頭の通り、補聴器で耳を治す事は、残念ながらできません。なぜそのような事が言えるかと言いますと、耳のどこが原因で、聞こえにくくなっているのか、そして、補聴器が行っている事を理解すると、わかるようになります。

耳が聞こえにくい原因

医師にかかった方が限定ですが、仮に耳を診察いただいた際、耳は治りませんと医師から言われた場合は、その耳は、感音性難聴と呼ばれる耳の神経上の問題により、音が聞きにくくなっていると考えられます。これは、加齢によってすすんできた難聴や突発性難聴、生まれつきの難聴(一部、異なる難聴もあります)の方が当てはまります。この場合、音が聞きにくくなる事に加え、言葉そのものも聞きにくくなってしまいます。音が聞こえにくいから言葉が聞き取りにくいという部分もあるのですが、それ以外に、言葉そのものが聞き取りにくくなる症状も出てくるのが特徴です。

耳はあくまでも音を受け取るツールであり、音を理解しているのは、脳となります。音を受け取る器官が耳の中にあるのですが、その部分が損傷してしまうと、音が上手く脳に伝わらず、脳が音を理解しづらくなってしまいます。その結果、音が聞こえにくい事に加え、言葉が理解しづらいというような症状もでます。感音性難聴と呼ばれる難聴は、耳の中の神経系の損傷により、脳に音の情報が伝えにくい状態となります。

補聴器がしている事

では、そのような耳に補聴器はどのような事をしているのでしょうか。補聴器がしている事といえば、音を大きくして耳に伝える……ただこれだけです。厳密には、聞こえにくくなった周波数(音の高さ)ごとに細かく音の調整をして補ったり、必要以上の音が入らないように調整したり、音のバランスを取れるようにしたりなど、様々な事を行い、今までの状態より、音を聞きやすくしてくれます。

しかし、あくまでも補聴器がしているのは、音を大きくして耳に伝える事であり、その方の損傷した神経そのものを修復しているわけではありません。神経が損傷し、神経を修復するような動作をしているのでしたら、補聴器を装用する事によって、治るといえますが、残念ながら補聴器がしているのは、損傷した事によって起こっている聞きにくさを音を大きくする事によってカバーしているだけです。

これは、原因の根本を現在の医療では治療ができないためです。今現在iPS細胞が難聴に注目されているのは、原因の根本から治療ができるからとなります。補聴器は、原因によって引き起こされる内容をカバーしているだけであり、原因の根本から、治療を行っているわけではありません。

そのため、補聴器を装用して耳を治す事は、残念ながらする事ができません。

補聴器を使用するか、しないかは自由

このようなお話しをしますと補聴器の金額は高いのに関わらず、治らない、または、治らないなら不要、というようにお考えになる方もいらっしゃいます。もし、今の現状にほとんど困っていないのであれば、私は、使用しなくて良いと思っています。しかし、困っているのでしたら、補聴器をお試ししてみる事をお勧めします。

なぜなら補聴器は、耳を治すものではありませんが、少なくとも聞こえを改善させてくれる道具だからです。今現在の技術では、確かに治療はできません。しかし、難聴の症状を和らげたり、改善する事はできます。

どんな事ができるようになったかで評価しよう

補聴器で大切なのは、どのような事ができるようになったかで評価する事です。私自身、補聴器を装用していますが、補聴器を装用する事によってできるようになった事はたくさんあります。補聴器がない状態ですと、人とのお話しは満足にできないですし、そのお話しができないと買い物にすら、満足にできません。そして、周囲の音は、聞こえにくい状態ですので、何か周りに起こっていても気が付きません。

しかし、補聴器を装用すると、聞きにくい事がありながらも会話する事ができるようになりますし、その事によって人とお話しする事もできるようになります。お話しができるようになれば、買い物だってできますし、様々な事ができるようになります。特に私の場合、皆当たり前に行っている事が、生まれつき聞こえにくい状態で生まれましたので、できません。そのような体ですが、補聴器は、様々な可能性を私に与えてくれました。

少なくとも補聴器は、治療する事はできません。しかし、聞こえを改善する事はできます。そして、その改善により、できる事も増えます。補聴器で大切なのは、どのような事ができるようになったかで評価する事です。

私は、補聴器を装用する事で、間違いなくできる事が増えました。中には、聞きにくい事もありますが、それでも聞きやすくなっているところもありますので、補聴器の効果を感じています。それは、補聴器がなければ間違いなくできなかったであろうと思うところでも、できるようになっているからこそ、感じている事です。

もし、お困りになっているのでしたら、試聴だけでもお勧めします。聞きにくいところはあるかもしれませんが、その一方、できるようになった事、お話しできるようになっているところは存在しているはずです。このようにできるようになった事で評価する事が大切です。

あとがき

補聴器は耳を治せないから必要ないかと言われますと、私はそのように感じていません。もちろん補聴器を装用していても聞きにくい場所、そして聞きにくい時はどうしても出てきます。しかし、そのような場所で仮に補聴器がなかった事を考えると、さらに聞きにくいわけですから、補聴器の効果がないという事はないと考えています。

どうしても効果の方に集中してしまうのは、仕方がない事なのですが、補聴器がある場合の生活と、補聴器がない場合の生活を考えると、私自身は、補聴器がある場合の生活の方が、ずっと生きやすく、さらに様々な事ができるようになると思っています。

もし、何かお困りな事があれば、耳鼻咽喉科に耳の相談をされても良いでしょう。また、補聴器販売店に相談しにいくのも良いと思います。耳の事を診てもらった事がなければ、まず始めに伺うのは、耳鼻咽喉科です。

この内容が何かお役にたてば幸いです。

 

この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。

リンク:初めて補聴器を装用した時の自分の経験

リンク:補聴器を初めて装用する方に伝えたい装用後の世界

リンク:補聴器で行える2つの操作と使う上で必要な3つの操作

リンク:初めて補聴器を購入する場合において、外さないポイント

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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