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耳あな形補聴器とRIC補聴器の違いと選ぶ1つのポイント

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3〜4年前に突如出現し、現在、多くの方に使用されてるRIC補聴器(りっくほちょうき)。そのRIC補聴器と耳あな形補聴器の違いとは、どのようなものがあるのでしょうか。そして、この二つを比較した場合、どのように補聴器選択すれば良いのでしょうか。

こちらでは、耳あな形補聴器とRIC補聴器の概要から、それぞれの利点、欠点について記載していきます。少しでも補聴器の理解が進み、適切な補聴器を選ぶ手助けができれば幸いです。

耳あな形補聴器とRIC補聴器の選定

耳あな形補聴器かRIC補聴器、どちらが良いかの選び方は、どちらも補聴器の適性があり、使用できる事を条件にしますと、

  • こもりが気になる→RIC補聴器
  • こもりが気にならない→耳あな形補聴器

となります。こもりとは、ご自身の声が詰まったような、あるいは、低い音が響いているような感覚を表します。この現象は、どのような補聴器を装用しても起こる事なのですが、耳あな形補聴器は、特に強く感じやすく、そして、RIC補聴器は、軽減させやすい傾向があります。

こちらがあり、気になるならRIC補聴器、気にならないなら、耳あな形補聴器がお勧めです。

なお、補聴器の適性、使用できる事に関しては

  • 補聴器を耳に使える
  • お勧めできない人ではない
  • 補聴器の操作が可能である

この三つが当てはまる方になります。

それぞれの形状の特徴

こちらでは、

  • 耳あな形補聴器
  • RIC補聴器

  • 概要
  • 利点
  • 欠点

に関してまとめていきます。

耳あな形補聴器

こちらでは、耳あな形補聴器に関してまとめていきます。それぞれ

  • 概要
  • 利点
  • 欠点

を記載していきます。なお、こちらに記載する利点、欠点は、あくまでもRIC補聴器と比較をした場合における利点、欠点となります。比較するものが異なると、評価も異なりますので、その点にご注意ください。

耳あな形補聴器 概要

耳あな形補聴器は、耳の中の形状を型取りし、その人の耳に合わせた補聴器です。補聴器本体を耳の中に入れて使用します。

耳なあ形補聴器の形状種類

耳なあ形補聴器の形状種類

※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

形状にはいくつか種類があり、形状が小さいものほど、音の出力が小さくなります。上記の形状で言いますと

  • 左:軽度〜中等度難聴まで
  • 中央:軽度〜中等度難聴まで
  • 左:中等度〜高度難聴まで

がおおよその対応聴力範囲になります。形状の違いは、主に音の強さによるものです。それぞれの聴力に合わせて形状に関しては選択していきます。

耳あな形補聴器の利点

耳あな形補聴器の利点は

  • 耳の機能を活用できる
  • 故障が少ない

この二点があります。こちらは、補聴器本体を耳の中に入れる事によるメリットとなります。

耳の機能を活用できる

耳あな形補聴器の大きな利点は、耳の機能を活用できる点があります。私達が普段耳と呼んでいるものは、あるだけで様々な効果があります。それは

  • 前方の音が聞きやすくなる(15dBほど増幅)
  • 耳のおかげで方向感がわかりやすい

この二点です。これは、マイクの位置による違いです。耳あな形補聴器は、耳の穴の入り口にマイクがありますので、人が普段感じている感覚で音を増幅する事ができます。一方、RIC補聴器は、耳にかける補聴器であり、マイクが耳の上の部分にあります。そのため、このような効果を得る事はできません。

音の方向感に関しては、左右まではRIC補聴器も理解できますが、上下、前後に関しては、難しくなります。

耳あな形補聴器の大きな利点は、この点になります。

故障が少ない

故障もRIC補聴器よりは少ない傾向があります。補聴器の故障は、汗が補聴器本体に入り込み、故障するケースが多くあります。耳あな形補聴器は、耳の中に入れているため、その影響を受けにくくなります。

そのため、故障も少ない傾向があります。

耳あな形補聴器の欠点

耳あな形補聴器の欠点には

  • こもりを感じやすい

があります。補聴器の中で最もこもりを感じやすいため、この欠点が強くあります。この症状は、補聴器を装用する際に、誰でも感じるようになる感覚ですが、一部の方は、補聴器を装用できない、したくなくなる程、強い不快感を感じてしまいます。

装用し続ける事で、ある事が当たり前に感じるようにはなってくるのですが、この感覚が無くなる訳ではありません。こもりに関して、強い不快感を初めから感じる方には、お勧めできません。

まとめ

耳あな形補聴器は、耳の構造、仕組みを活かせるため、最も優れた補聴器です。しかし、同時にこもりやすい、こもりを感じやすいという大きな欠点もあります。

こもりに関しては、ある程度耳あな形補聴器でも軽減できますが、少し軽減できる程度です。耳の型を元に製作しているため、こもりに関しては最も強く感じます。

また、あまりにもこもりを軽減させようとしますと、補聴器そのものの効果も無くなってしまいます。そのため、耳かけ形補聴器やRIC補聴器などでこもりを強く感じる方には、お勧めできません。

RIC補聴器

こちらでは、RIC補聴器に関してまとめていきます。それぞれ

  • 概要
  • 利点
  • 欠点

について記載していきます。なお、耳あな形補聴器同様、こちらは、耳あな形補聴器とRIC補聴器を比較した場合における利点、欠点となりますので、その点にご注意ください。

RIC補聴器の概要

RIC補聴器とは、耳かけ形補聴器の一種であり、補聴器本体とイヤホンが分離された耳かけ形補聴器です。一般の補聴器同様、耳にかけて使用します。

RIC補聴器の形

RIC補聴器の形、通常の耳かけ形とは異なる形状をしている

※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

一般的な耳かけ形補聴器との違いは、こちらがわかりやすくなります。

一般的な耳かけ形とRIC補聴器の違い

一般的な耳かけ形とRIC補聴器の違い

※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

RIC補聴器は、イヤホンを外に出す事により、

  • 形状が小さくなった
  • イヤホンが変更可能になった

この二つの変化が起こりました。RIC補聴器の対応聴力は軽度〜高度難聴までになります。イヤホンを変更する事により、中等度までしか対応できないイヤホンを高度難聴まで対応できるイヤホンに変更する事が可能にもなりました。

RIC補聴器の利点

RIC補聴器の利点は、

  • こもりを軽減しやすい
  • ハウリングを抑えやすい

この二つがあります。

こもりを軽減しやすい

RIC補聴器は、使用する耳せんが一般の補聴器と異なり、こもりを軽減しやすい耳せんを使用する事ができます。そのため、こもりに関しては、比較的軽減しやすいという特徴があります。

装用する事の快適性をあげやすい補聴器がRIC補聴器です。

ハウリングを抑えやすい

音を拾う部分と音を出す部分が離れているため、ハウリングに関しては耳あな形補聴器より抑えやすくなります。

ハウリングとは、補聴器からピーッ!と音がなる現象です。これは、補聴器から出ている音が耳から漏れる事によって起こります。音が出る部分と音を拾う部分が近いと近いほど起こりやすく、離れると離れるほど起こりにくくなります。ハウリングは、出力が高くなりやすい一部の軽度〜中等度難聴、高度難聴以降の方に要注意の現象です。

この音がすると、鬱陶しく感じてしまい、装用感が悪くなりますし、周囲の人にも聞こえてしまうため、何か音がしていると私的される事もあります。基本この音は、聞こえない方が良い音であり、RIC補聴器は、耳あな形補聴器より、ハウリングが抑えやすい補聴器です。

また、この部分は、音を大きくするうえでは、非常に重要な点です。耳あな形補聴器は音を大きくする事こそ可能ですが、実際のところ、ハウリングのリスクがあるため、大きくできません。そのため、実際には、耳あな形補聴器より、RIC補聴器の方が音を大きくしやすいという利点もあります。

RIC補聴器の欠点

RIC補聴器の欠点には

  • 故障が多い
  • 保持が弱い

この二つがあります。こちらは、RIC補聴器の形状そのものの特徴による欠点です。

故障が多い

RIC補聴器は、耳かけ形補聴器同様、耳にかけて使用します。そのため、耳かけ形補聴器に多い汗の故障が起こります。さらに、イヤホンと本体は薄い線で繋がれていますので、あまり乱暴に扱ってしまいますと、中の線が切れてしまい、音が出なくなります。

そして、耳あな形補聴器の多い故障であるイヤホンの故障も起こるようになります。耳の中にイヤホンを入れる場合、湿気が多かったり、耳垢が多い方ですと、目詰まりを起こしたり、イヤホンそのものが故障します。

RIC補聴器は、どんな補聴器よりも故障が最も多くなる補聴器です。

保持が弱い

RIC補聴器は、

  • 耳をしっかり塞ぐ事が少ない
  • 補聴器本体とイヤホンが薄いチューブで繋がれている

この二つにより、保持が弱い傾向があります。保持とは、耳にしっかりと装用できているかを表す言葉で、保持がしっかりしているという場合は、しっかり耳にはまっており、補聴器が固定できている様子を指します。反対に保持が弱いと表現した場合は、しっかり補聴器が装用されている感覚がなく、外れそう、何かの拍子に落ちそう、という意味になります。

耳にしっかりと塞いでいない事により(塞がない事により)、

  • 快適性が増す
  • 装用した感覚を感じない

という利点があるのですが、その一方、その欠点は、保持が悪くなる事になります。

RIC補聴器のまとめ

RIC補聴器は快適性をあげやすい補聴器です。そのため、こもりを強く感じてしまう方にとっては、非常に良い補聴器となります。しかし、その一方、故障のしやすさ、そして保持の弱さがありますので、この点を考えていく必要があります。

保持に関しては、

  • 装用してみてどのような感覚なのか
  • 軽すぎて不安に感じる事はないか
  • 外れそうな感覚はないか

を確認できればベストです。確認した際、気にならなければ良いですし、気になる場合は、耳の中を固定するスリムチップと呼ばれるイヤモールドを製作するのも手です。そして、故障のしやすさは、

  • 扱い方を考える
  • 故障を予防するケアをする

この二つを行う事で、ある程度、軽減する事ができます。

二つに共通する要素

さて、耳あな形補聴器、RIC補聴器を記載させていただきましたが、中には、この二つに共通する特徴があります。厳密には、上記の内容に、この共通する特徴を加えたのが、それぞれの補聴器の特徴となります。

耳あな形補聴器、RIC補聴器に共通する要素は

  • お勧めしない耳がある
  • 音が耳に伝わりやすくなる

この二つになります。どちらも耳の中に直接部品を入れますので、このような特徴があります。

お勧めしない耳がある

耳あな形補聴器、RIC補聴器をお勧めしない耳は

  • 耳垢が飴耳
  • 耳垢が多い
  • 耳垂れが出る
  • 耳が小さい
  • 耳の中が変形している

になります。これらに該当する耳には、耳あな形補聴器、RIC補聴器、二つともお勧めしません。

  • 耳垢が飴耳
  • 耳垢が多い
  • 耳垂れが出る

この三つがある場合、故障が頻発してしまいますので、お勧めしません。

そして、

  • 耳が小さい
  • 耳の中が変形している

この二つのケースは、場合によっては、製作できなかったり(耳あな形補聴器)、一部の部分に当たり続ける事で、耳の中が傷付いてしまう事(RIC補聴器)があります。このようなケースも同様にお勧めできません。

耳の中の状況により、耳あな形補聴器、RIC補聴器は大きく左右されます。

音が伝わりやすくなる

耳の中に音を出す部品を入れますと、鼓膜に音を伝えるまでの距離が短くなり、その結果、音質が良い状態で耳に届きます。こちらは、耳あな形補聴器、RIC補聴器どちらにも共通する利点です。

共通する要素 まとめ

耳あな形補聴器、RIC補聴器に共通する特徴に関しては、この二つがあります。どちらも耳の中に物を入れる事により、起こる事となります。

耳あな形補聴器とRIC補聴器のまとめ

耳あな形補聴器は、耳の機能を最も活かせる補聴器ですので、最もベストな補聴器ですが、その変わり、こもりやすいという強い欠点があります。このこもりがどのように感じるかで、耳あな形補聴器が良いのか、RIC補聴器が良いのかが決まります。

初めに一般的な耳かけ形補聴器、あるいは、RIC補聴器を装用した後、こもり感に関してお考えいただき、気になるようでしたら、RIC補聴器がお勧めになります。あまり気にならないようでしたら、耳の機能が最大限に補える耳あな形補聴器がお勧めです。

このようにお考えになるとわかりやすく、適切な補聴器を選ぶ事ができるようになります。

こちらの内容が補聴器選択のお役に立てば幸いです。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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