音声認識技術のターゲットは、難聴の人ではない


音声認識技術を活用したアプリに関する事が増えてきましたので、すこしおさらいしてみようと思います。前回は、スマートフォン単体のみで音声認識を活用するのは、難しいと思う理由という事で、音声認識技術の基礎に関して、記載してみました。この内容をご覧いただくとカンの良い方は、気付くかもしれませんが、音声認識技術のターゲット(使用者、アプローチしたい層、売り込み先)は、難聴の人ではありません。

音声認識により、音声が文字化すると楽になる、助かるのは、耳が聞こえにくい方です。しかし、ターゲットとしているのは、難聴の方を対応する方(企業、会社)となります。これは、どういった事なのでしょうか。こちらについて載せていきます。

音声認識アプリのターゲット

音声認識技術に関しては、前回の内容をご覧いただくとよくわかると思います。このアプリ(システム)を活用する場合、主にマイクについて気をつけなければなりません。音声認識アプリは、お話しを文字化したい方の音声をどのように拾うかが、重要な課題となります。

ここからが重要ですが、この点は、耳が聞こえにくく、相手の音声を文字化したいと考える方には、ハードルになるのですが(お願いするハードルがある)、自分の音声を耳が聞こえにくい方に伝えたいと思う方には、ほとんどハードルはありません。それは、単に自分自身で、この機器を扱えば良いからです。

しかし、聞こえにくい方にとっては、相手に使用して欲しいとお願いするハードルがあります。実際には、お願い+使用していただく分の負担もかかってしまう事になります。このシステムは、相手の方が使用してくれないと活用そのものができなくなります。

つまり音声認識技術は、難聴の方のためにあるというのも事実ですが、それ以上に、お話しを難聴の人に伝えたいと思う方のためにあります。

活用できる人(所)活用しにくいところ

以上の事から、活用しやすいところは、難聴の方を対応する機関、企業です。ざっと思いつくのは、

  • 病院
  • 福祉機関(市区町村の役所、就労を含む)
  • 難聴の方を対応する企業

くらいでしょうか。ひと言で言いますと、聞こえにくい方を相手にする機関、企業となります。これらのケースでは、勤めている方が、音声認識アプリを使用する事で、難聴の方により良い環境を提供する事ができます。

一方、活用しにくいのは

  • 難聴者本人が使用する(使用のお願いをする)

となります。お願いできる人脈、ネットワークが築けている場合は、デメリットにはなりませんが、そうでない場合は、難聴者本人が使用をお願いしても、思いのほか厳しいと考えられます。

お願いするところまでは、良いかもしれませんが、基本的にこのシステムを使いこなしてもらう域まで行ってもらうとなると、相当使っていただく必要もありますし、お話しする際は、基本このようなシステムを使うとなると、面倒に感じてしまう可能性はあります。

これらの事から、難聴者が主体となって活用するのは、難しいと考えています。

聞こえにくい人に音声を伝えたい人のためにあるアプリ

音声認識技術を活用したアプリは、聞こえにくい人に音声を伝えたい人のためにある技術、アプリと言えます。音声を伝えたいと思う方であれば、システムを活用するという部分は、デメリットになりません。しかし、音声を文字化してもらいたいと思う方にとっては、残念ながらお願い+使用してもらうハードルがついてしまいます。

私自身は、このような点から、音声認識アプリは、聞こえにくい人に音声を伝えたい人のためにあるアプリだと考えています。

 

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