「自分の小さな箱から脱出する方法」かれこれ10年前に書かれた本ですが、気になっていた事もあり、読んでみました。読んだ感想から言えるのは、周囲の人となかなか上手くいかない方にお勧めできる本であるという事です。対人関係について書かれた本で、「その原因は、実は自分にあるよ」と教えてくれます。
人の心理を箱で表現し、どのようにしたらより良くなるのか。そして、悪い状態の心理状態は、どのような状況下なのか。その事について書かれています。この中で私自身が参考になった事について三つ上げていきます。
参考になった三つ
私自身が読んで参考になったのは
- 人は自分がどう扱われているのかがわかる
- 人は自己正当をする
- 人を物としてみるのではなく一人の人間としてみる
の三つです。
人は自分がどう扱われているのかがわかる
言われてみれば確かに!という内容ですが、なかなか自分が話している時には、気にも留めない事が多いのではないでしょうか。私自身、この本を読んで得られた最も大きな気付きは、こちらでした。
話す態度、言葉の使い方、声のトーン、顔の表情などから、人は自分がどのように扱われているのかすぐに見分けられます。恐らくこちらは、誰もが体験した事があるはずです。
- 自分自身が軽く見られている
- 大切にされていないと感じる
などは、特に感じる事があるのではないでしょうか。これらの事は自分がされるとすぐわかりますよね。
人は自己正当する
この本の根本的部分は、こちらになります。人はどのようにして人間関係がこじれていくのか、その過程を
- 物事が起こる
- 自分を正当化し、相手を責める
- 相手からすると自分がどのように扱われているかわかる
- 双方が双方を責め合う
として、どんどんこじれていく様子が描かれています。この一番の問題が自己正当であり、これをどのように改善するかについて記載されています。
アドラー心理学と共通する部分ですが、自己正当する事により、相手を悪くいう理由を作る、あるいは、自分自身は、悪いわけではないという事を正当化するために、相手を攻撃するとも言えます。まさに、これこそアドラー心理学の目的論です。
人を物として見るのではなく、人として扱う
こちらは、上記のような状況の改善のための一つ「人を物としてみるのではなく、人として扱う」となります。当たり前の事ではありますが、なかなかできない方も多いのではないでしょうか。
自分自身の発言を顧みて、どんな時も人として扱っているか……を考えれば扱っていると言いたいところですが「う〜む」と考えるところもありますので、反省させられます。
人は自分がどのように扱われているのかわかる事を理解すれば、この言葉の本当の意味も理解できるようになりますね。
そして、アドラー心理学の本を読んでいる私からすると、具体的な内容なので、わかりやすいです。アドラー心理学ですと「人に貢献する事」しかないので、基本的な心構えがわかるのは、大きな学びでした。
漠然としているものより、このようなものの方がわかりやすいですね。
アドラー心理学と併用
読んでみた感想を言いますと、アドラー心理学とほとんど同じ事を言っているな……と感じます。この本には、自己正当が多く出てくるのですが、まさにこれは「可哀想な私」に共通する事ですし、その改善方法に関しても、アドラー心理学と同じです。言い方は、違うものの根本的なスタンスは同じように感じます。
アドラー心理学を学べる「嫌われる勇気」そして「幸せになる勇気」別の視点から見ると言う意味で、こちらの本はお勧めできますね。私自身はそのように感じます。本の最後には、これらをやるための心構えについても記載されています。
内容を見てみますとなかなかハードな事が書いてありますが、それはアドラー心理学も同様です。対人関係にお悩みの方は、読んでみてはいかがでしょうか。別の世界を見る事ができるかもしれません。
そのような方には、お勧めできる一冊です。
この内容をご覧になった方は、こちらの内容もお勧めです。