2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器にマイクが二つある理由は、ある機能が搭載されているから

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補聴器には、マイクが二つあるものが多く存在します。これは、指向性という機能を使うために、二つのマイクを搭載させています。基本的に、指向性機能がついている補聴器は、耳あな形補聴器、耳かけ形補聴器に限らず、マイクが二つ搭載されています。

では、この指向性とは、どのようなものなのでしょうか。なぜマイクが二つ必要なのでしょうか。そんな些細な疑問に答えていきます。

補聴器には、マイクが二つ

補聴器には、マイクが二つ搭載されています。

丸で囲んだ部分の穴がマイクの穴。二つある事がわかる

同じく丸で囲んだところの穴がマイク。こちらも二つある。

同じく丸で囲んだところの穴がマイク。こちらも二つある。

など、マイクが二つありますね。

小さい耳あな形補聴器は、形状の都合により一つが多い。

小さい耳あな形補聴器は、形状の都合により一つが多い。

一方、マイクが一つしかないものもあります。

冒頭の通り、これらの違いは、指向性機能が搭載されているかされていないかであり、マイクが二つある理由も、この機能を活用するのに、二つマイクが必要だからに他なりません。

指向性とは?

指向性とは、補聴器の中に搭載されている機能の一つになります。主に、騒がしい中の聞き取りを必要以上に下げないようにする機能で、周囲の音を軽減し、前方の音を際立たせる機能になります。今現在は、機能の性能に差はあれど、ほとんどの補聴器に搭載されています。

アナログ補聴器の中で問題になっていた事の一つに「周囲の音が騒がしいと何を言っているのかわからない」というものがありました。では、それをどのように解決しようか……という事で考えだされたのが、この指向性です。補聴器で周波数別に調整しても改善できないため、指向性という機能を作り、より聞こえを改善させようとしました。これが指向性の始まりです。

騒がしい中で聞き取りを良くするには、周囲の音を軽減させ、聞きたい声を際立たせる必要がありました。人は、基本前を向いてお話しをします。その習慣を利用し、後方の音を下げ、前方の音を際立たせられれば聞きやすくなるのではないか。その思考の元、指向性は、作られています。

少し専門的なお話しになりますが、聞きたい音と聞き取りを邪魔する音が同じくらいの音量の場合、音声であれば大体50%ほどが理解できる事が実験結果からわかりました。騒がしい中でどのようにしたら音声を理解しやすくなるのか。その前提を見つけるための実験ですね。あるいは、どのようにしたら聞きやすくなるのかの方針を探す実験とも言えます。

その後、1dB上がるごとに10%ほど理解力があがる事もわかりました。大抵の人の場合、聞きたい音が邪魔する音より5dB大きくなれば、非常に聞きやすくなる事もわかりました。なお、この内容は、健聴の人がそのような状況であり、中等度難聴クラスの人では、さらに5〜6dBプラスする事が必要である事もわかってきました。

これらの研究により、補聴器は、どんどん指向性の機能を向上させようとしました。それが、騒がしい中での聞こえを改善させるヒントだったからです。

どのようにやるのか

さて方針はわかった。では、実際にそれをするには、どうしたら良いか。これが問題になりました。

初めに理解したい点は、どのように音の方向を理解するかになります。補聴器からすれば、音の前方や音の後方、あるいは、この音は左から聞こえてきたなんて事はわかりません。人間の場合、二つの耳を利用する事により、こっちから音が聞こえた、あっちから聞こえてきたという事がわかりますが、補聴器は、音を拾っても単なる周波数別の音量しかわかりません。

では、どうするか。そこで考えだされたのが、二つのマイクでした。二つのマイクを利用し、一つの音を時間別、音量別に理解する事で、音の方向を理解するようになりました。

この思考の元は、私達の耳にあります。私達の耳も方向がわかる理由は、一つの音を違う耳で聞き、時間別、音量別に理解する事でわかります。例えば、一つの音が左耳から聞こえる音量が大きく、右耳で聞こえる音量が小さい場合は、左側から音が聞こえるというように認知します。両方とも同じ音量であれば、後ろ、前、あるいは上、下のどこからか音が聞こえる事がわかります。

指向性の機能も耳の機能をうまく利用したものになります。

マイクが二つあるのは聞き取りに貢献させるため

マイクが二つある理由は、指向性という機能を使うためであり、少しでも聞き取りに貢献させるためでもあります。騒がしい中でのお話しは、基本的に一般的な方でも聞きにくい傾向がありますので、難しいところではあるのですが、なるべく聞き取りを下げないように指向性機能はしてくれます。

もっとも指向性機能は、聞き取りを下げない機能ですので、感音性難聴であり、元々聞き取りが難しい場合は、指向性機能をうまく活かしきれない事もあります。逆にいえば、感音性難聴でも補聴器を装用する事で、聞き取りが良い場合は、指向性機能の恩恵を受けやすくもなります。

もちろん感音性難聴である事から、全てが全て良いようにはなりません。しかし、少なくとも聞き取りを下げないいくらかの効果はあります。

このようなところからも補聴器がどのような事をしてくれているのかがわかりますね。補聴器にマイクが二つついているのは、「聞こえにくい人により貢献するには、どのようにしたら良いか」を考えた結果、付くようになりました。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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