2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器販売店がしている補聴器の調整の一連の流れ

Pocket

reading-1209174_640

補聴器の調整は、補聴器を使っている人からすると、よくわからないものだと思います。色々とごちゃごちゃやって、何かしている部分はわかるかもしれませんが、それが何を表すのか、どうなのかは、理解しにくい部分があります。

そこで、私がどのように補聴器の調整に関してやっているのか。ちょっとした流れに関して、記載していきます。補聴器の理解が少しでも進めば幸いです。

なお、以下の内容は、フォナックというメーカーのものを使用しています。それ以外のメーカーのソフトは、わからないので、ご了承ください。

補聴器の調整の流れ

流れの基本は、

  • 音を調整する
  • 確認する

の二つになります。どんなものも、何かを行った後、確認する作業が必要です。

音のフィッテング

補聴器を調整する場合ですが、

  • 調整前のファーストステップ
  • 補聴器の調整と数値
  • 補聴器の画面の見るところ

の三つがあります。それぞれ早速見ていきましょう。

調整前のファーストステップ

初めに行うのは、どのような耳に合わせるかになります。メガネをかける前に視力検査をするように、補聴器をつける前には、聴力測定を行います。

防音室、この中で測定に関しては色々と行います

防音室、この中で測定に関しては色々と行います

このような部屋で

聴力測定を行う機械、主にオージオメーターと呼ばれる

聴力測定を行う機械、主にオージオメーターと呼ばれる

このような機器を使い

おなじみのヘッドホン

おなじみのヘッドホン

ヘッドホンを使って測定します。この点は、見慣れたものですね。

聴力測定をした結果の例。

聴力測定をした結果の例。

すると、こんなデータが取れたとしましょう。この数値を補聴器にも入れていきます。

フィッテングソフト立ち上げ

フィッテングソフト立ち上げ

さて、フィッテングソフトを開きます。基本的に補聴器は、もうパソコンで調整する時代になりました。

オージオグラムを入力

オージオグラムを入力

聴力を入力し……

補聴器に繋ぎ……

補聴器に繋ぎ……

調整する補聴器に繋ぎます。

検索

検索

読み込んで……

読み込み完了

読み込み完了

これで、終了です。今現在は、補聴器のソフトが調整を考える状態になっており、ここから少し微調整をしていきます。

補聴器の調整と数値

補聴器の調整では、たくさんの数値が出てきます。基本的な画面がこのような画面になります。いわゆる音の調整部分ですね。

基本的なフィッテングの画面

基本的なフィッテングの画面

こちらではちょっと見づらくなるため、右側のみに絞って、以下では、記載していきます。画面の見方に関して、簡単に見ていきましょう。

いわゆるチャンネルというのがこの部分に関係する

いわゆるチャンネルというのがこの部分に関係する

さて、これが基本的な調整画面でしたね。囲んである部分は、チャンネルといい、どれだけ音が細かく調整できるかを表します。カタログ類には、○チャンネル、ch、もしくはバンドと書かれているのですが、それがこの部分にあたります。金額によっても大きく変わる部分ですね。

基本的には、こんな風に見ます。

基本的には、こんな風に見ます。

縦軸が音の強さ、横軸が周波数です。線の位置が上にあるとあるほど、音が大きくなります。今現在は、デジタル補聴器になっており、それぞれの音の入力音を変えられるため、線がいくつかあります。それぞれ、50dBの入力音があったとき、65dBの入力音があったとき、80dBの入力音があったときで、音の強さを変えられます。

これは、補聴器の基本フィッテングの考えが大きい音は少しだけ大きくして、小さい音は、より大きくしているためです。耳が聞こえにくい状態というのは、簡単にいいますと、その人が小さいと思っている音が聞こえにくい状態です。大きい音は普通に聞こえますので、いかに聞こえにくい音を大きくし、聞こえる大きい音を制限するかになります。そのため、入ってくる音量別に調整できるようにしているのが補聴器です。

おっと賢い人は「もしこの線全部同じラインにすれば小さい音はよく聞こえ、大きい音は抑制されるんじゃね?」と思ったかもしれませんね。そんな事をすると、全ての音が同じ感覚に聞こえ、抑揚がなくなり、非常に聞きにくくなります。音の強さには変化をつけないと変化を感じ取れなくなりますので、大きい音は、ある程度、大きく聞こえないと、音の変化を感じ取れず、聞きにくくなります。音の感覚って難しいですね。

補聴器の画面の見るところ

自分の補聴器の調整状態ってどうなんだろう?と使っている方の中には、気になっている方も多いと思います。補聴器を装用しても、音が聞こえる感覚しかわからないのなら、なおさらそのように感じてもおかしくありません。その場合、目標値と現在値の二つを見ると理解しやすくなります。

どんなものも、目標値と現在値を比較すると状況が理解しやすくなる

どんなものも、目標値と現在値を比較すると状況が理解しやすくなる

画面を見てみますと。太い線と細い線の二つがあります。太い線は、今現在の出力を表しており、細い線は、聴力から計算された目標とする音量値です。目標値を一つの目安にすると、自分の聴力に対し、どのくらい音量を入れているのかがおおよそ理解できます。上記の場合は、まだ聴力に対し、足りていない状態である事がわかりますね。

これを自分自身の感覚と照らし合わせると、より現状を理解しやすくなります。例えば「目標値までまだ出していないけれども、音量は大きくてこれ以上上げるのは、けっこう厳しい……」という場合は、その辺りがもう限界値の可能性がありますし、「ふ〜む、ソフト上の数値を見る限り、まだ目標値に達していない……自分の感覚上もう少し大きくしても大丈夫そうだ、うるさい状況はあるけれども耐えられる状況でもあるし……」でしたら、音量を大きくし、さらに聞こえを改善できるかもしれません。

このように目標値と現在値、そして自分の感覚を照らし合わせる事で、調整はしやすくなります。と、まぁ、こんな風に考えて調整していきます。

フィッテングの確認

さて、何事も確認する事が重要です。特に補聴器のフィッテングは、あくまでもソフト上の数値ですので、実際に使用してみてどうなのかを見なければなりません。見る物は、大きく分けますと

  • 調整しながら口頭で状況を確認する
  • 防音室の中で測定を行う

の二つがあります。このような確認を行うのは、補聴器を調整する軸は、大きい音を抑制する軸(使えるようにする軸)と聞こえない部分を聞こえるようにさせる軸の二つがあるためです。

調整しながら口頭で状況を確認する

調整しながら口頭で状況を確認する行為は、ほとんどの場合でしていると思います。よくある「この音はうるさくないですか」「音量はどうでしょうか?」窓を空けて「外の音はうるさすぎないですか?」などの音確認を指します。

この作業は、基本的に大きい音が大きすぎないかを確認する事が多く、大きい音を抑制する軸(使えるようにする軸)に沿った考えで行います。実際に音を聞いた感想を伺いつつ、音量を下げたりして対応していきます。多いのは、ドアを閉める音、紙の音、水の音が大きいというケースで、中音域〜高域を下げたり、低音域を上げるケースが多くなります。

この部分は、人によって大きく変化しますね。

防音室の中での測定

こちらの測定は、主にどのくらい聞きやすくなったのかを数値化するものです。補聴器のフィッテングソフトや補聴器の音の出力でもある程度推測できるのですが、耳の形、装用状態、耳せんの状態などによって聞こえが変化してしまいますので、音場閾値測定なる物を使って、状況を簡易的に見ていきます。

再び、防音室へ……

再び、防音室へ……

聴力測定と同じくこのような部屋で

今度は、スピーカーを使って調べます

今度は、スピーカーを使って調べます

こんどはスピーカーから音を出します。

行う要領は、聴力検査と同じです

行う要領は、聴力検査と同じです

で、聴力測定のような感覚で、音が聞こえたらボタンを押してもらいます。それが音場閾値測定です。

この測定は、補聴器を装用した状態で測定する聴力検査のようなもので、こちらの内容でおおよそどのくらい聞こえているのかを想定する事ができます。こちらにも補聴器の調整に出てきた目標値もありますので、それと比較し、どのような状態なのかもわかりやすくなります。

この測定は、聞こえない部分を聞こえるようにさせる軸の部分です。どのくらい聞こえるようになっているのかは、装用するだけではわからないため、このように機械を使って、調べていきます。

私の場合は、こちらの測定を重視して見ています。補聴器は、ソフトの方で色々してくれているのですが、使用する方の状況によって、聞こえる感覚が変化しますので、最終的には、こちらの数値を確認し、聞こえるようになっているのかの確認をします。

目標とする数値まで来ていれば良い事がわかりますし、目標値外であれば、どうするかを考えます。このようにして使うのが、防音室の中での測定です。

調整をする一連の流れ まとめ

と、まぁこんな風に補聴器の調整に関しては行っています。初めに合わせるべき耳の状態を調べ、その状態をセットして、調整。その後、状況確認をし、訂正する必要があれば、訂正を繰り返し、調整をしていきます。このスタンスが、主な調整の流れです。

補聴器の調整に関しては、どこも書いませんでしたので私の方で書いてみました。参考になれば幸いです。

 

こちら内容をご覧になった方は、この内容もお勧めです。

リンク:自分の補聴器は耳に合っているの?という方にしている確認方法

リンク:生まれつき聞こえにくい私は自分でどのように調整しているのか

リンク:故障を減らすために知っておきたい補聴器の空気穴

リンク:中等度難聴の私が補聴器を使用して得られた効果を可視化してみた

Pocket

この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

聞こえにくい事でお悩みの方のために、補聴器で耳を改善させる手引き書を用意しました。

  • 自分の症状に合う補聴器は何か
  • 自分の聴力に合う補聴器は何か
  • 補聴器の種類、性能、違いを知りたい

などお考えでしたら、こちらをご覧下さい。補聴器で耳を改善させる内容のみに絞って記載してみました。お役に立てば幸いです。

お困りごとのご相談、承ります

Webサイトに訪れる方のご要望にお応えするため、東京都墨田区に店舗を構えました。

  • 聞こえにくい事で困っている
  • どこに相談したら良いかわからない
  • お使いの補聴器でうまく聞こえない

などお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。当店で行なっていること、よくいただくご相談は、リンク先の通りです。

〜更新情報のお知らせ〜
こちらのいずれかにご登録いただきますと更新時、お知らせします。お気軽にご登録ください。なお、Twitterでは、私自身が興味を持った記事や自分のエントリーについてツイートしています。もしよろしければフォロー、ご登録いただけるとうれしいです!
検索フォーム