2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器を使うと聞こえてくる3つのノイズを受け入れる方法


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補聴器を使っている人は、補聴器の音を自然と感じていて、補聴器を初めて使う場合、驚きの連続だろう。補聴器からは、大きく聞こえる音、機械っぽく聞こえる音、何だかよくわからない音など、様々な音が聞こえてくる。私自身は、補聴器をかれこれ20年以上使っているため、補聴器を装用している状態が当たり前になってしまった。

あれはいつだったか。お客さんとお話ししているとき、こんなやり取りが合った。

「補聴器を使うと、自分がいかに聞こえていないかに気が付きますね」

「確かに感じる事はあるかと思います」

「何と言うか……人ってすごいですね。これだけうるさい世界にずっといるのですから、しかも聞こえる方は、私よりも聞こえるんですよね」

この方は、生まれつき難聴の方で、昔から補聴器をつけている。私と同じタイプだ。ただ、彼女が捉えている事にちょっとした違和感を感じた。補聴器に関する理解を深めてもらうため、こう言った。

「う〜ん……。それは半分正解で、半分不正解ですね」

「え?」

彼女は、意表を突かれるように驚いた。

補聴器から聞こえる音とは

「確かに一般の方は、聞こえにくい人よりも小さい音でも聞こえますので、聞こえる音は多いと思いがちですが、必ずしもそうとは限りません」

「どういう事ですか?」

「聞こえにくい人が感じている音と聞こえる人が感じている音は、異なるからです。補聴器から聞こえる音は確かに身近に存在している音が多いですが、それだけではなく、余計なノイズに近いもの、もしくはノイズそのものも聞こえます」

「……ノイズ?」

「はい、補聴器を使っていると、サーっといった何と言ったらいいでしょうね……空気の音、ざわざわする音が聞こえてくると思うのですが、これは、暗騒音と呼ばれるもので、音響機器で録音したりする際にも発生する音です」

「……」

「この音は、周囲が静かな時は、あまり感じないかもしれませんが、音の量。すみません、音の数といったらいいのでしょうか。それが多くなるとより大きくなります。ご経験ありませんか?人ごみの中や交通量の多い道路では、ざわざわした音が大きくなったり、音がごみごみしたような感覚と言いますか……」

「ああ〜、あります。あの……なんといったらよいかわからないザワザワする音ですね。私は空気感って感じてました」

「あの音は、本来なら聞こえない音ですね。まぁ存在しなくて良い音と言いますか。このような音が補聴器を使っている人には聞こえるので、補聴器を使っている人の世界はちょっと騒々しかったりします」

「そうなんですか」

「私は、この類いのものは、ノイズと呼んでいます。もちろん周りから聞こえる物音は、ノイズではありません。ちょっと邪魔に感じてしまう事はありますけれども」

「……もしかして補聴器から聞こえてくる音には、本来存在しない音もあるのですか?」

「いい質問ですね。ありますよ。大まかには、3つにわかれます。一つは、マイクにものが当たる音、一つは特殊な機器と干渉する時の音、一つは音響機器上の音の三つです」

それぞれのノイズ

「3つ……ですか?」

「はい。一つは、物理的なものですね。マイクにものが当たると音が聞こえます。これは髪の音などが代表的ですね。○○さんは、髪がボブショートくらいですから、髪に触れた時、ガサガサと音が聞こえませんか?」

「ああ〜確かに聞こえますね。普通の人ならこんな事はないですね(笑)しかも結構大きい」

「そうですね。マイクが上にむき出しになっている耳かけ形補聴器は特にこの影響を受けやすくなります。また、メガネをかけると人によってはつるが補聴器にあたり鬱陶しい場合もあります。もっともつると補聴器を載せること自体が嫌だと感じる方もいますが」

「また、いたずらにマイクを触れば、ガサガサ大きい音がしますし、マイクに風が強くあたる場合もヴォーヴォー音が聞こえます。これがまず一つです」

「はい」

「二つ目は、特定の機器と干渉すると聞こえる音です。デパートやお店によくある防犯システムが代表例ですね」

「ああ、あれですね。バババッ……となったり、ブブブブっとなったり……」

「そうです。あちらもノイズですね。初めて補聴器を使う方は、いきなり補聴器が壊れたのではないかと思うくらい突然変な音がする現象です」

「ありますね」

「ただ、特定の場所に近づくと聞こえて、離れると聞こえなくなるため、ほとんどの人は、故障ではなく、仕様だと気付いているようですね。これが二つ目です」

「最後は、初めに紹介した暗騒音ですね。暗騒音は、音を聞かせるうえでどうしても発生してしまうため、ちょっと特殊な枠組みです」

「なるほど」

「これらが補聴器を使って聞こえるノイズです」

聞こえる音から考えた彼女が言った事

「いわれてみればそうですね、普通ならこんな音はしないんですよね」

「そうですね。少し言葉は悪いかもしれませんが、補聴器側の都合で聞こえる音になります。マイクに触れた時に聞こえる音も、干渉する音も、暗騒音もそうです」

「そうですか……」

先ほどの話しを聞き、彼女は少し下を向き考えている。どうしたのだろうか?私は訪ねてみた。

「どうしましたか?何かお話しの中で気になる事でもありましたか?」

彼女はこちらの問いかけに気付き、こう答えた。

「まぁでもいろんな音が聞こえるようになって色々できるようになったし、そのような事も含めても聞こえるようになってよかったですね。聞こえないとできない事多すぎですから」

物事を前向きに捉えるというのは、非常に大切な事だ。

 

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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