2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

20〜40代の方に実際にしている補聴器選定方法

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私の店舗は、基本、インターネットで集客をしている。そのため、ネット経由で相談を承るのだが、その割合は、20〜40代の方が圧倒的に多い。ほとんどの補聴器販売店のお客さんの平均年齢は、70代だが、当店は、30代だ。それほど若い。

では、実際にどのような補聴器選定をしているのか。それについて記載していく。参考になれば幸いだ。

結論から

説明はやまやまだが、面倒な方のために、初めに結論を記載していく。補聴器には、性能と形状がある、この二つを決めるわけだが、形状は、耳あな形補聴器が使えれば、耳あな形補聴器。使えなかったり、何らか支障がでる場合は、耳かけ形補聴器がお勧めだ。

そして、性能に関しては、少々特殊で申し訳ないが、当店では、コスト重視と性能重視で選んでもらっている。コスト重視の方は、基本的な性能のみが入っている補聴器(金額:15〜18万)、性能重視の場合は(金額:32〜36万)となる。

さて、これだけではわからないところが多いだろう。順に説明をしていく。

若い方の特徴

では、補聴器選定を……と行きたいところだが、まずは、若い方の状況に関して記載していく。補聴器はその人がどのような状況下で、どのように困っているのか。というところを明らかにすると、より選定はしやすい。まずは、ご自身のお困りの状況と照らし合わせて欲しい。それに合えば、以下の内容は、よりご自身にとって身近に感じていただけるはずだ。

若い方で求めるのは、ほとんどの場合において仕事場だ。仕事場で使うため、ほぼ性能(聞こえやすさ、あるいは、聞こえの効果)を重視した考えになる。それも当然だ。社会に出ると人は、ほとんどの時間を働く時間に当てられる。

では、仕事で悩むポイントは、どこか。それは大きく分けて

  • 人との会話
  • 電話でのやり取り

この二つに分けられる。人との会話には、職場の会話から会議での会話も含まれる。そして、電話のやり取りは、携帯電話(スマートフォンを含む)〜固定電話まで様々だ。

おっと、ここで聴力ごとの仕事状況に関しても見ていこう。例えば、高度〜重度難聴の方は、障害者手帳を使用し、障害者枠で採用されている事も少なくない。このような場合は、電話が免除されている事もある。免除されている高度〜重度難聴の方の場合は、これらを免除したものとなるだろう。

すると、軽度〜中等度難聴は、

  • 人との会話
  • 電話でのやり取り

になるのに対し、高度〜重度難聴に関しては

  • 人との会話

が中心となる。もちろん、あくまでもこちらは傾向なので、高度〜重度難聴でも電話対応があれば、電話対応の部分を参考にしていただきたい。

いかがだろうか。自分の状況が当てはまるだろうか。それであれば、以下の内容はより理解しやすくなるだろう。

補聴器の選択

初めに補聴器を選ぶには、どこを選ぶのかを知る必要がある。それは上記に記載した通り

  • 形状
  • 性能

のたった二つだ。補聴器は、この二つさえ決めてしまえば問題ない。では、それぞれの選定について見ていこう。

形状

さて、形状は……と書きたいところだが、一つ注意書きがある。形状に関する以下の内容は、主に軽度〜中等度難聴の方に当てはまる内容となる。高度難聴〜重度難聴の方は選択肢がほぼ耳かけ形補聴器しかない。その点は、ご容赦されたし。

仕切り直そう。補聴器には、主に、

  • ポケット形補聴器
  • 耳かけ形補聴器
  • 耳あな形補聴器

の三つの形状がある。

ポケット形補聴器、主にご年配の方や手先の不自由な方が使用する

ポケット形補聴器、主にご年配の方や手先の不自由な方が使用する

がポケット形補聴器で

基本的な補聴器の一つ。今現在は、こちらを使う人が多い

基本的な補聴器の一つ。今現在は、こちらを使う人が多い

が耳かけ形補聴器。

もう一つの基本的な補聴器、耳あな形。耳の型を採取して作るのが特徴

もう一つの基本的な補聴器、耳あな形。耳の型を採取して作るのが特徴

が耳あな形補聴器だ。それぞれ、利点欠点があるが、結論の通り、耳あな形補聴器が使える方は、耳あな形補聴器。こちらが使えなければ、耳かけ形補聴器がお勧めだ。

その理由は単純だ。補聴器の性能を重視すると、自然と耳あな形になるからだ。説明していこう。

まず、補聴器の形状選択で重要な点は

  • 補聴器選択で外さないポイント
  • より理解しやすくするには何が必要なのか

この二つだ。

補聴器選択で外さないポイント

それは、音の出力のみだ。補聴器の選択で初めに見るのは、補聴器の音の出力が自分の耳を補えるかである。そして、それができる物は、基本的に自分の耳を補えるものであり、全て適合するものとなる。

補聴器には、耳あな形補聴器、耳かけ形補聴器、ポケット形補聴器とあるが、基本的に耳あな形補聴器は、軽度〜中等度、一部高度難聴にまで対応。耳かけ形補聴器は、軽度〜重度難聴、ポケット形補聴器は、中等度〜重度難聴まで対応するケースが多い。

この中で自分の聴力に合ったものを探す。それが補聴器で重要な事だ。お気づきの方もいるかもしれないが、補聴器は合わない補聴器よりも合う補聴器の方が圧倒的に多い。そう圧倒的にだ。

音を理解しやすくするには何が必要なのか

音を理解するにはどうしたら良いのか。それは、必要な音を入れ、不要な音は入れない事である。そして、それを補聴器側で行うのではなく、耳の段階でできる限り行う事だ。説明しよう。

耳あな形補聴器の良い点は、耳の持つ指向性を利用できる点である。人の耳は、前方の音を入れ、後ろの音は入りにくくなっている。言い方を変えれば、前方の音を優先して入れているという事だ。このようにできると周囲の音を少々軽減して耳に入るため、補聴器で必要な部分だけを大きくしやすくなる。あくまでも補聴器の中でだ。

これは、周囲の音を他の補聴器より大きくしにくくなる事にも繋がるし、周囲の音に邪魔される可能性も低くなるという事になる。少しでも可聴性を高めるには、このような施策が必要である。

また、耳あな形補聴器の良い点は、耳の穴のところにマイクがある点でもある。これは、音の方向を理解しやすくなる事に繋がるし、邪魔な音を軽減する事にも繋がる。

これがCIC。小さい事は、耳の効果や余分な音を拾わない効果もある

これがCIC。小さい事は、耳の効果や余分な音を拾わない効果もある

CICという耳の穴の中に入れてしまう補聴器(それよりも小さい補聴器も含む)は、音の方向が上下もわかる(耳かけ、ポケット形では音の上下がわからない)、そして耳の奥に入れる事で、風がマイクに当たる事によっておこる風切り音も軽減できる。

さらに、髪がマイクに当たってガサガサいう事もないし、メガネのツルがあたってカチカチいう事もない。快適性があがる部分が大きな要素だが、聞く必要の無い音が聞こえてしまう事で可聴性を失うのは、もったいない事である。

基本的に補聴器は音響機器だ。音響機器を扱った事がある方ならすぐわかると思うが、これらで重要なのは、いかにマイクに余計な音を入れさせず、必要な音だけを入れるかだ。なぜなら一旦音を入れた後、それを機械の方で抑制したり、軽減する事は非常に難しいからだ。

余計な音を入れさせないようにするには、耳あな形がベストだ。これは、耳あな形が良いというよりも耳の形状そのものの特性を利用できる事、そしてマイクに物が触れにくい環境である事、この二つに価値がある。これらの理由により、耳あな形がお勧めだ。

耳あな形補聴器が使えないケース

では、使えないケースを見ていこう。それは以下の方だ。

  • 耳を手術したケース
  • 耳の中の形状が変形しているケース
  • 耳垢が多いケース
  • 耳垢が湿っているケース
  • 耳垂れが出るケース

の五つに当てはまる場合は、お勧めしない。素直に耳かけ形補聴器が良いだろう。

  • 耳を手術したケース
  • 耳の中の形状が変形しているケース

の二つは、補聴器そのものが作れない可能性がある。耳あな形補聴器を作るには、耳の型を採取する必要があるのだが、耳の中が変形していると採取する時の危険性が跳ね上がる。中には、耳の奥が広がっており、耳の型を採取する液体を入れると取り外しができなくなってしまう方もいる。

その場合は、残念ながら製作する事はできない。

そして、

  • 耳垢が多いケース
  • 耳垢が湿っているケース
  • 耳垂れが出るケース

の三つは、これらの方に使用すると故障や音が出ない現象が頻発するためだ。この場合、面倒に感じてしまう事や修理の回数が多くなる事から私はお勧めしていない。

これらに当てはまる方は、耳かけ形補聴器がお勧めだ。なお、私の場合は、耳垢が多く、かつ湿っているため、耳かけ形補聴器を使用している。

形状でのまとめ

さてまとめていこう。形状の選択には、

  • ポケット形補聴器
  • 耳かけ形補聴器
  • 耳あな形補聴器

の三つがある。その中での選択は、耳かけ形か耳あな形のどちらかだ。ポケット形は、活動的な方には、コードが邪魔になり、鬱陶しいだろう。そのためお勧めはしない。

すると耳かけ形か耳あな形のどちらかになるわけだが、上記の通り、活用できる耳であれば耳あな形、そうでない耳であれば、耳かけ形がお勧めだ。私の場合、活用できる耳であれば、ほとんどのケースで、CICを選択する。

なお、厳密には、耳あな形補聴器の欠点の一つに自声のこもりというものがある。耳かけ形補聴器を使ってみて、自分の声が大きく聞こえる、響いて聞こえる感覚が強い場合は、お勧めしない。耳あな形補聴器は、さらに強くなる傾向があるからだ。

  • 自声の響き
  • 補聴器が使えるか、使えないか

の二つで見ると、より良い選択ができるだろう。

また、耳あな形の場合は、電話がそのままできるというのもメリットの一つだ。補聴器を装用したまま電話し、聞き取りが良くなる方に限られるが、このような事もできる。耳かけ形の場合は、受話器を耳の上にする必要があり、不格好になりやすい。そしてやり方次第では、相手に声が伝わりにくくなってしまうのでその点も注意が必要だ。

以上の事から、若い方の場合は、基本的に耳あな形がお勧めだと私は考えている。もちろん、合う方には……という事が前提である。

性能

さて、形状選択が終わると性能選択だ。だが、性能に関しては、その人の状況(希望)によって必要となる機能があったり、耳の状況によって変化する事もある。よって誰にでも共通する部分に関してのみ説明していく。この点はご容赦いただきたい。

こちらでは

  • 補聴器の性能の基礎
  • 性能選択の考え

二つに分けて記載していく。

補聴器の性能の基礎

まず補聴器の性能には、

  • ①音を調整するチャンネルと呼ばれるもの
  • ②騒がしい中での聞き取りをなるべく低下させないもの
  • ③音の快適性を上げるもの

の三つがあり、この部分が主に性能の違いとなる。

価格を抑えているものは、①の部分のみが基本的にあり、②、③が控えめである。そして、金額が上がると、三ともバランス良く上がっている傾向がある。補聴器の性能は、基本的な①の性能に、どれだけ②と③の機能を乗算するかであり、価格が抑えてあるからといってデタラメな調整になるという事はない。その点は安心して欲しい。

そして、基本的に良い補聴器ほど、聞き取りを支援してくれる機能が多くなる。ここが抑えめの商品と高額な商品の違いだ。

さて、ここまでは良いが、問題になるのはどう選択するのかである。ここからは完全に私自身の考えで選択をしているため、ご承知いただきたい。

性能選択の考え

私の選択は非常にシンプルだ。

  • コストを重視するのか
  • 性能を重視するのか

の二つ、どちらを重視するかで決める。基本的に人の思考は、この二つのどちらかしかない。無論、厳密には、割合的にコスト4、性能6だったり、性能6、コスト4だったりするのだが、概ねこの二つの内、どちらかに分かれる。そして、自分自身の出せる範囲内でこの二つを選択するのだ。

さて、いきなりだが、コストを重視する場合は、15万〜20万、性能を重視する場合は、30万〜40万クラスがお勧めだ。

基本的な補聴器の性能が入っているものは、15万〜20万、いわゆるどのメーカーにもある基礎のみを押さえた補聴器である。こちらは、①の部分のみが基本的にあり、②、③が控えめの補聴器だ。主に耳に合わせるだけであり、それ以外のものは不要な方には、こちらが良いだろう。

30〜40万のものは、どのメーカーも一番良いものの一歩手前のものであり、上記の三つに関して優れているケースが多い。性能が良いもの、自分の耳に対して、投資をしたい場合は、こちらがお勧めだ。補聴器の効果を感じやすくなるのが、この辺りであり、性能を求める場合は、この価格帯から一気に補聴器の効果が上がる感覚がある。あくまでも私自身が耳に試聴する限りはそのように感じる。余談だが私が普段耳につけているのもこのクラスの補聴器だ。

よって、コストを重視するか、性能を重視するか。それにより、異なる。この点は、自分自身で考えて決めよう。

なお、こちらで二択にしているのは、選択肢が少ないほうが適切に選べるからだ。人は選択肢が多いと多い程、より良い選択ができなくなる。選択肢は多いより、少ない方が良い。極限まで狭めると、結局はコストを重視するか、性能を重視するかである。

実際にしている選定方法のまとめ

最後のまとめだ。

若い方の場合、基本的に仕事で使うため、効果を第一に考える。一般の方でも仕事はシビアだが、聞こえにくい人の場合はさらにシビアだ。より補える方法、補聴の効果を考えると、私の場合は、このように考え対応をしている。

形状は、耳あな形補聴器が使えるのなら、耳あな形補聴器。何かしら使えない要素がある場合は、耳かけ形補聴器がお勧めだ。特に、耳の状況によって耳あな形補聴器をお勧めできない場合は、そうである。

さて、もしかしたらこの文だけを見ると「いや少しでも聞きやすくしたいので耳あなを」と考えるかもしれない。申し訳ないが、これは、とてもナンセンスな事だ。補聴器を装用している人がもっとも恐れている事はなにか。それは、聞こえにくくなる事であり、補聴器が故障する事である。もし耳あな形にすると故障が増えるような状況下であれは、耳かけをお勧めする。その方が、困る事が少なくなるからだ。

そして、性能に関するものは、コストを重視するか、性能を重視するか、その点を考え、選定していくと良いだろう。この点は、補聴器のメーカーやお客さんの要望なども入り、上記の内容では少々心もとないのは、申し訳ないが、このようになる。

こちらに記載したのは、私自身が実際にしている選定方法である。特に形状に関しては、同様である。性能の部分に関しては、人により求めるものが異なったり、予算が異なったりするため、一概に言いにくい部分でもある。が、共通する部分を出させていただくと、上記のようになる。

こちらの内容で良い選択ができ、生活が改善されれば幸いである。では、補聴器選定の健闘を祈る。

 

この内容をご覧になった方は、この内容もお勧めです。

リンク:中等度の感音性難聴の私が自分に合った補聴器を選んだ方法

リンク:補聴器を装用する人は、自声の響き、こもりを理解しておこう

リンク:耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器を選定する2つのポイント

リンク:補聴器を装用するとおこる、こもる、響くにどう立ち向かうか

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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