2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の機能の一つ、指向性の効果を感じにくい人

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補聴器には、指向性とよばれる機能がある。これは、騒がしい中での聞き取りをなるべく低下させないようにする機能の事だ。主に、自分の横から後ろの周囲の音を下げ、前方の音を拾う仕組みの機能になる。補聴器の性能には、騒がしいところでの感覚を楽にしてくれるもの、聞き取りをなるべく下げないようにする事などが入る。指向性もその一つの機能だ。

補聴器の苦手なところは騒がしいところでの聞き取りだ。その部分にいくらか貢献してくれるのが指向性機能だが、効果を感じにくい人もいる。それは、元々音声の理解度が低い方だ。このような方には、機械的に効果はあるかもしれないが、本人にとって効果を感じる事は、ほぼ稀だろう。

それは、どうしてか。指向性機能の事に関する注意という事で記載していく。補聴器の知識が増えれば幸いだ。

結論

まず、結論から話そう。指向性機能が有効な方は、音声の理解度が高い方になる。そのような方は、比較的得やすい傾向がある。しかし、音声の理解度が低い方は得にくい、というよりも実質上、ほとんど効果は感じる事ができない。改善できる上限が低いためだ。

指向性機能は、騒がしい中での聞き取りを上げる機能というように謳っているところがあるが、実際には、騒がしい中での聞き取りを下げにくくする機能だ。静かなところでは、周囲の音に邪魔されないため音は非常に入りやすい。しかし、周囲が騒がしくなるとその音に邪魔されてしまい、聞きにくくなってしまう。周囲が騒がしい事で、聞きにくさが出る事は事実だが、実際の耳の能力以上に機能で底上げする事は残念ながらできない。これが理由だ。

理解度からわかる状況。こちらの理解が重要

パーセンテージ別の音声の理解度

補聴器フィッティングの考え方を参考に製作

これは数値で理解するとわかりやすいかもしれない。理解しやすくするために上記に数値の意味に関して、用意した。ぜひ見て欲しい。

話しを続けよう。例えば、静かな所での音声の理解力が90%で、周囲が騒がしく50%くらいまで落ちたとしよう。そして、機能を使うと、騒がしいところでも70%まで改善できた。とする場合、指向性の効果は感じやすい事がわかる。70%の意味合いを見てみると「家庭の日常会話は、聴覚のみで理解可能……」と記載がある。音声で理解しにくい部分が出てきてしまう可能性は十分にあるが、理解できる事が多いパーセンテージである。

しかし、静かな所での音声の理解力が50%で、周囲が騒がしく10%くらいまで落ちたとしよう。そして、機能を使うと、騒がしいところでも30%まで改善できた。とする場合、改善できたとしても数値が低いため、効果そのものを感じにくい。30%の数値では「日常会話においても読話や筆談の併用が必要」と書かれている。これは、音声だけでは理解ができない事を意味する。

そう理解度が低い場合は、理解ができる上限値が低いため、たとえ指向性機能で状況を改善できたとしても、効果を感じにくいという点がある。これが指向性機能の注意点だ。明瞭度が低い方は、残念ながら効果を感じる事は明瞭度が高い方より、低くなる。

音声の理解度が低い方とは

さて、詳細について記載していこう。結論で全て書いてしまったが、正直わからなかった人も多かったのではないだろうか。こちらでは、ところどころ説明を加えていく。

まず、補聴器を装用する方は、ほとんどが感音性難聴という難聴だ。私も補聴器を付けているが、生まれつきの感音性難聴である。ここからが重要だが、感音性難聴の場合、音が聞こえにくくなる事以外にも音声が理解しづらくなる症状が出る。そのため、補聴器を装用しても耳を治す事はできない。

そして、その理解のしづらさも人によって異なる。耳を調べるものには、どのくらい音声が理解できるのかを調べる測定があるが(語音明瞭度測定という、理解したい方は、こちらを見るといいだろう。リンク:語音明瞭度測定で理解できる3つの事)、それにより、おおよその理解度の上限がわかる。その上限が低いと補聴器の効果も指向性の効果も低くなりやすい。

理解度が低くなりやすいのは、

  • 聴覚障害のレベルが重い方
  • ご高齢の方

の二つだ。ご高齢の方の場合、あまりにも補聴器の装用が遅くなると理解力は低下しやすい事がわかっている。そして、中には、後迷路性難聴といい、音を理解する部分に何らかの障害が出てしまい、極端に音声の理解度が低下する人もいる。また、聴覚障害のレベルが重くなると、音が届きにくくなるため、理解がしにくい。

このような方々に共通する事が音声が理解しにくい事だ。言い換えれば、上限値が低いという事になる。その場合、残念ながら指向性の効果というのは、非常に感じにくくなる。

理解度が低い方は、指向性機能の効果を感じにくい

補聴器の機能の一つである指向性。この機能は騒がしい中で聞き取りをなるべく下げないようにするという機能なだけあり、どんな難聴者でも一番良いものが欲しいところだ。どんな人も聞こえないより、聞こえるほうがよいのは、明白だ。しかし、元々の音声の理解度が低い場合は、上限が低いため、どうしてもこの機能の効果を感じにくい。この点は、誠に申し訳ない。

そして、理解度が低い場合、その部分に関しては、あまり効果を得られない事に関して、ご理解いただきたい。

どんなものも購入する人の耳に効果を出せる機能かといえば聞こえる方であればほぼそうだ。しかし、耳の状態が特殊な場合、効果を出しづらい機能もある。補聴器の機能は、しっかりと理解しておくと、よりよい選択ができるようになるだろう。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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