2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の評価には、聞こえてくる音の感覚も含まれる


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お店を構え、補聴器の販売をしてきてしばらくが経った。来店されるお客さん(本当に感謝だ)を対応すると様々な事に気が付かされる。補聴器を求める方の中には、補聴器で聞こえる事もそうだが、聞こえてくる音の感覚がよい事を求める方もいる。言葉にすると当たり前のように感じるが、それが本当に理解されているのか。を考えると微妙とも言える。

私がこのように感じるのは「高額な補聴器はどこに金額の差が出るのか」である。高額な補聴器は、騒がしいところでの聞き取りをなるべく下げないような機能の他に快適性を高める効果もある。そう聞こえてくる音の感覚を楽にしてくれるのだ。

今回はそれについて記載していこう。補聴器の事について理解が深まれば幸いだ。

金額の違いを感じやすいのは快適性

私自身、補聴器を自分の耳につけ、実験感覚で付けていたりする事が多いのだが、それでわかるのは快適性である。金額が高額なものを試すと、今まできいていた音の感覚が楽になる傾向がある。様々な抑制機能があるからだ。

ただ楽になるのは、フォナックの補聴器でいう30万以上(上から二番目のグレードのもの)で、機能としては、サウンドリラックスというもの。大きな突発的な音やガチャン!とした音が今まできいていた音より、小さくなる。今まで大きい音で聞いていたし、別に小さく聞こえなくても良いかなと考えていたが、この機能があるものは、なんというか聞こえが楽になる。本当にすごい機能だ。

また、補聴器を装用すると必ず、暗騒音と呼ばれるざわざわした音の感覚が出る。このような音も軽減してくれるため、聞こえは楽になる。ただ、この部分は、補聴器を長く使用している方は、戸惑うかもしれない。暗騒音がしている事=補聴器から音が出ている事に結びつけている事も多いからだ。私も昔から補聴器をつけているため、静かすぎると「ん?今、音出てる?アーアー」なんて声を出す。それほどまでに聞こえにくくなるので、これは初めて補聴器をつける方には良いと思っている。つけて感じる違和感は少なくなるだろう。

なお、誤解いただきたくないのだが、高額な補聴器を使えば、周囲の音が小さくなるというのは、一理あるが、全てではない。小さくなるのは、暗騒音や風切り音といった補聴器(音響機器)特有の現象を和らげてくれるだけであり、それ以外の音は、小さくならない。周囲の音がお話しする声よりも大きいのであれば、物理的に考えて、声より小さくする事は難しい。

そして、これらの音は、一般の人も聞いているし、聞こえる事で周囲の状況を理解できるので、残念ながら必要不可欠なものだ。

これらが、高額な補聴器をつけて感じる事である。そのような事があってか、今はボレロV70という機械を私は、両耳に使っている。

高額な補聴器は悪という考え

私自身が感じるのは、この考えだ。高額な補聴器は、ただ高いだけで全く効果がないとまで言われる事もある。この部分は一理ある。

まず、効果を感じやすい部分に感しては、上記の通り、快適性だ。それ以外の評価ポイントは、騒がしいところでのお話しの理解度があるが、この部分は、正直効果を感じるか、感じないかはよくわからない。私自身も自分の耳に付けているが、高額な補聴器の方が良さそうな感覚がしたり「今、聞こえたところ、恐らく前の補聴器だったら無理だったかもしれない」と思う事はあるが、何とも言えない。この部分を人の感覚だけで判断するのは、残念ながら難しい。

一方、快適性であればある程度判断がしやすい。というのも聞こえてくる音の感覚に違いが出るからだ。もちろん、音の感覚に違いが出ると言って、その違いが自分にとって良いかはまた別である。良いと思えば、その補聴器に価値を感じるだろうし、そうでなければ、選択肢として捨てれば良いだろう。

そして、どんなによい機械でも耳を治す事はできない。特に静かなところでの音の聞き取りなら高額な補聴器でも価格を抑えた補聴器でもほとんど違いはない。補聴器は残念ながらその人の耳の機能以上の事は引き出せない。100万円預金してあるATMから1000万引き出すのが無理なように、限界以上の事は残念ながらできない。

ただ、補聴器の評価は、聞き取りが良くなる事だけではない。補聴器から聞こえてくる感覚も入る。補聴器を装用していない方にはなかなか想像付かないかもしれないが、補聴器を装用した世界というのは、想像以上にうるさい。

音響機器上仕方がないのだが、マイクに指が触れたり、髪が触れるとガサガサと大きな音がする。風がマイクに当たるとヴォーヴォー大きな音もする。よくわからないざわざわした暗騒音もする。補聴器を装用した世界は、一般の方なら感じない音も聞こえるようになるのだ。それなのになぜか、快適性に関して言う人はほとんどいない。

その部分を抑制し、なるべく快適にさせようとする試みは、悪い事なのだろうか。そして、快適性の部分にお金を払う事は悪い事なのだろうか。

補聴器を装用している私は、そうは思わない。

聞こえてくる音の感覚も評価の一つに

残念ながら補聴器に携わっている人の95%くらいは聞こえている人間だ。そして、そのような事を考えた事もないのは仕方がない。使わなければわからないからだ。どうしても若い方で聞こえにくい人は、少ないし、かといって聞こえる人が聞こえている耳に補聴器を装用して、耳を悪くしてしまうのは、本末転倒だ。そんな事をしても良くないだろう。

高額な補聴器をつかえば何でもできる事はないが、できる事もある。できる事、できない事を理解したうえで、選択するのであれば、それは良い事なのではないだろうか。

そろそろ、補聴器を使用しているユーザー側にたった考えをした方が良いのではないだろうか。聞こえだけではなく、聞こえる感覚だって重要だ。補聴器はずっとその感覚でいくし、その感覚で生きていく。

私は、快適性を重視して、高額な補聴器を選ぶ考えは、ありだと思っている。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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