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東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器にあるプログラムスイッチの3つの活用方法

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補聴器には、プログラムスイッチとよばれるものがある。このスイッチは、使う方もいれば、使わない方もいる。中には、どのような事に使うのかわからない方もいるだろう。ここで、よくあるプログラムスイッチの活用方法について紹介する。

なお、プログラムスイッチは使わなくてもよい機能でもある。無理に使う必要はなく、こちらに紹介したもので、自分に当てはまる事があれば、補聴器販売店に相談してみて欲しい。すると、より補聴器を活用しやすくなるだろう。

少しでも聞こえを良くする手立てが見つかれば幸いだ。

プログラムスイッチとは

プログラムスイッチとはなんだろうか。これは、補聴器の中にあるプログラムを変える機能だ。

耳かけ形のプログラムスイッチ。上の部分にある事が多い

耳かけ形のプログラムスイッチ。上の部分にある事が多い

耳かけ形補聴器は、このボタン

耳あな形のプログラムスイッチ。押す形のものをしており、大抵このような形状をしている

耳あな形のプログラムスイッチ。押すような形をしており、大抵このような形状

耳あな形補聴器の場合は、このボタンを押すとプログラムを変えられるようになる。

さて、プログラムというと何だかわかりにくい印象がある。ここで身近な例をあげてみよう。補聴器の電源をいれると音が聞こえるようになるが、この時に聞こえてくる音も、実は一つのプログラムだ。補聴器には、いくつかプログラムを組んである事が多く「電源を入れた時には、このプログラムを立ち上げる」というような設定がしてある。プログラムとは、音の設定と思っていただいた方がわかりやすいかもしれない。

主な使い方として言われるのは「周囲が騒がしい時にこのボタンを押してください」といわれる事だ。ボタンを押すと、騒がしい中で音を聞くように通常の状態と異なった音の調整がしてあるプログラムが働くようになる。言い換えれば、周囲に物音があまりない状態で聞く音の設定を騒がしい状態で聞く音の設定に切り換えたという事である。この切り換えがプログラムスイッチになる。

補聴器の中に、いくつか音の設定をしておく事が条件だが、音の設定をしておく事で、自由に切り換えられるようになる。それがプログラムスイッチの役目だ。

主な活用方法

では早速主な活用方法について見ていこう。それは

  • 場所、状況ごとに音を変えたい
  • 特殊な機器を使う
  • 聴力の変動がある

この三つだ。上から多い順になり、聴力の変動がある場合が最も少ない。少ないのは、聴力がよく変動する人自体が少ないためだ。

それぞれ見ていこう。

場所、状況ごとに音を変えたい

よくあるのが、こちら。上記の例として紹介したのもまさにこれだ。場所や状況として多いのは、

  • 騒がしいところ
  • 会議での聞こえ

になる。その際に、それぞれに合わせた調整をする。

騒がしいところでの聞き取りの場合は、音に関しては、低域を下げ、中音域から高域を上げるような設定をする。そして、その他の抑制機能などの性能の部分に関しても比較的効かせるような設定にする。

騒がしいところでの聞き取り改善は、SN比というものを考える。これは、聞きたい音声と邪魔する音量の比率で、補聴器の場合、聞き取りを邪魔する音をいかに排除するかになる。また、それ以外には、指向性という機能を変えたり、各抑制機能も働かせる傾向がある。簡単にいえば、邪魔する要素をいかに排除し、聞きにくくならないよう補聴器を調整するようにする事だ

会議の場合は、音量を少し大きめにし、離れたところの人の声も聞きやすくする。※状況による。

どちらもある程度限界はあるが、設定する事によって、いくらか良くなる事がある。

特殊な機器を使う

補聴器の世界には、特殊な機器がある。プログラムを使う特殊な機器と言えば、

  • Tコイルを使用した機器
  • FM、Rogerなどの通信機器

の二つだ。紹介しよう。

Tコイルを使用した機器

Tコイルとは、補聴器の中に内蔵されている一つのシステムである。Tコイルの何がよいかというと直接音が補聴器に入る事だ。それによって補聴器では考えられないほど音が聞こえやすくなる。その聞こえは、本当に驚くばかりだ。このシステムを開発した方には、本当に感謝である。

おっと話しがズレた。話しを戻そう。

Tコイルを使ったものに関しては、

  • 音楽が直接耳に入るようになる機器
  • 音声が直接耳に入るようになる機器

などがある。それぞれ専用の機器が必要だが、その専用の機器を使うためには、補聴器の方でTコイルの設定をし、使用する前にその設定に切り換える必要がある。そして、切り換える事で、そのシステムを使えるようになる。

音楽が直接耳に入るようになる機器には、このようなものがある。

Mリンク

※画像は自立コムより引用

使用例はこちらだ。

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※画像は自立コムより引用

これは、聞こえにくい人達のために生活用品を販売している自立コムが作っているものだ。イヤホンジャックがあるので、テレビでもオーディオプレイヤーでもスマートフォンでも繋いで、Mリンクを耳に掛け、補聴器をTコイルに変更すると、直接補聴器から音楽が聞こえるようになる。

音声が直接入るものは、磁気ループとよばれるものが対応する。これは、主に施設に入っており、そこの備品として扱われるものだ。送信機としてのマイクに話し手が話し、磁気ループとよばれる特殊な設備を部屋の中に埋める。すると、磁気ループが埋められているところは、どこでもTコイルに変更すれば、マイクに話した音声が直接入る。

主に聞こえにくい人達がよく集まる場所やろう学校などで活用されている。床に埋められている事が大半なので、床に耳を近づけると近づけるほど音量が大きくなったりする。

FM、Rogerなどの通信機器

こちらもTコイルと同じようなものだ。フォナック社が有名だが、FM、Rogerといった通信機器がある。これは、送信機、受信機を、それぞれ話し手と受け手に付ける事で、話し手の音声が聞きやすくなる機器である。受信機は、補聴器に直接つけるタイプになるので、形状が大きくなりやすい。

商品のイメージとしては、このようなものだ。

aid

※画像は補聴器メーカーフォナックジャパンより引用

この機器もびっくりするくらいよく聞こえるようになる。話し手に付けてもらうというハードルがあるが、その分、非常に大きい効果を持つ。主に聞こえにくい子供達が通う学校や通常学校でも使われているケースは多い。

このシステムも本当に素晴らしい。これまで多くの児童や聞こえにくい人が救われたであろう。おっとまた話しがズレた。話しを戻そう。

この機器を使う場合は、補聴器にもFM、Rogerを通信させるプログラムを作る必要がある。そして、使用する際は、このプログラムに変更して使用する。

なお、子どもや小さいお子さんの場合は、自分で操作ができないため、自分で変えずともよい設定にしておく。補聴器の方で勝手に自動変更してくれる補聴器や補聴器側の設定で、電源を入れた際、予めFM、Roger用の設定を出すようにしておき、変更の手間を省く事もする。

おやTコイルは?と思った方は、素晴らしい感性の持ち主だ。Tコイルの場合、日常生活上にある様々な機器のノイズが入りやすくなるため常時、Tコイル設定はお勧めしない。Tコイル設定は、自分で切り換えて使うのが最も良い。

聴力の変動がある

補聴器を使用する方の中には、聴力が変動しやすい方もいる。このような耳の方は、日々、どのように音が聞こえているのか本当に不思議なのだが、このような方がいるのは、事実である。

その場合、聴力の変動に合わせてプログラムを設定しておく。ただし、これをやる場合は、まず、何度か聴力測定をし、初めに変動する値を導きだす。この場合、聴力が変動する傾向を見るという言い方が正しいかもしれない。その後、傾向として多い部分をメイン(普段)の音設定にし、変動した時の傾向を見て、プログラムの設定をする。このようにする事である程度ではあるが、合わせる事ができるようになる。使用の用途は、普段は、そのまま使っていただき、変動した時にプログラムを使ってもらう、という状態だ。

今まで私が経験している方は、ある程度、変動の傾向が掴める方だったが、全く掴めない方の場合は、難しいかもしれない。

なお、ボリュームの上下で良いのでは?と考える方もいるが、ボリュームは、あくまでも全体的に音量を上げ下げするものであり、聴力が変動する傾向が全体的な音の上げ下げであれば対応は可能だ。

しかし、私が経験してきた方は、いずれも、ある一部分が変動していたり、全体的に聴力が低下している人ではなかった。このような方々は、残念ながらボリュームで大きく、小さくすると、余計な部分まで大きく、もしくは、小さくしてしまい、それが不快になったり、余計に聞きにくくなる。また、大きく変動する場合に関しては、増幅が足りない事もある。

このような場合は、ある程度傾向を導きだし、それに合わせてプログラムを設定する。このようにする事で、変動した後も対応しやすくなる。

プログラムは、このような場合においても使われる。

プログラムの使い方は、様々

こちらで紹介した通りだが、プログラムスイッチの使い方は様々だ。主に販売員の腕が試されてしまうものだが、使用する必要がないものであれば、する必要はないし、使ってみたいという場合は、試しに設定してみるのも良いだろう。

なお、耳あな形補聴器の場合、予めプログラムスイッチが設定されていないものもある。それらの場合は、変更できないケースもあるので注意しよう。

これらの内容でお役に立てば幸いだ。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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