2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の機能の一つ、自動プログラムとは、こんな機能


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私の方で扱っているフォナックの補聴器には、自動プログラムという機能があります。こちらは、補聴器が周囲の音から、環境を割り出し、その環境に合わせて補聴器のプログラムを変える機能です。プログラムを変えると言いますとわかりにくいため、周囲の状況に合わせて出す音のレベルを変えたり、補聴器に搭載されている機能を変えているといった方がわかりやすいかもしれません。

今現在の補聴器は、このような事も行って、耳の聞こえを最大限活かせるようにしています。今回は、こちらのご説明です。

結論から

主な内容は、冒頭の通りです。自動的に場所、場所の適合をしてくれる機能が自動プログラムになります。

補聴器から聞こえてくる音の快適性を上げたい人やなるべく聞き取りにくい状況を減らしたい方には、こちらの機能が優れている補聴器がお勧めです。

自動プログラムとは

自動プログラムとは、様々な場所(シーン)の調整データを予めインプットしておき、補聴器で周囲の音を確認した後、その状況に合わせたプログラムに変更するプログラムです。

今の補聴器は、常に状況の観察をしており、どのような状況なのかを常に把握しています。その把握ができるようになった事で、その状況に合ったプログラムに自動で変更し、より聞き取りやすく、より快適にしてくれます。

例えば、静かなところでは、あまり音を抑制しないようにしたり、しっかりと音が入る設定にします。しかし、騒がしい場所ですと、そのような状態では、良くも悪くもしっかり音が入ってしまい、反ってうるさい人や音声が聞きにくくなる傾向がでます。

このような場合に、静かなところで聞く用のプログラムを騒がしいところで聞く用のプログラムに自動的に変えてくれるのが、自動プログラムになります。

なぜプログラムはあるのか?

この機能は、なぜあるのか。こちらを理解いただく事が非常に重要です。この機能は、プログラムスイッチの変更の自動版といえばわかりやすいかもしれません。言い換えれば、プログラムスイッチはなぜあるのか、そしてプログラムを変更する必要がなぜあるのかを考える事と同意です。

こちらがある理由は、場所ごとに聞きやすくする調整は、異なるためです。上記には、静かなところでの聞こえと騒がしいところでの聞こえに関して簡単に説明しました。こちらでは、もう少し、踏み込んでいきます。

主に使われる音。静かなところの調整がベースとなる事が多い

主に使われる音。静かなところの調整がベースとなる事が多い

こちらが静かなところでの調整画面です。主に、耳の観点から、補えるだけ補うような調整になる事が多くなります。ここからが重要ですが、プログラムのそれぞれの機能があります。

静かな所での機能内訳、音を抑制するものは、ほとんどない

静かな所での機能内訳、抑制するものは、ほとんどない

それがこちらです。補聴器には、ノイズ抑制やハウリング抑制などの機能があります。これらの機能の大小も変更できます。

こちらが騒がしい中で使用するようの音調整、あまり変化がないが、中音域〜高域にかけて少し音量を上げている。

こちらが騒がしい中で使用するようの音調整、あまり変化がないが、中音域〜高域にかけて少し音量を上げている。

こちらが騒がしい中での聞こえの調整画面です。こちらの場合のプログラムは……

主にマイクの機能が変わっている。こちらの機能により、周囲の音を下げ、前方の音を聞きやすくしている

主にマイクの機能が変わっている。こちらの機能により、周囲の音を下げ、前方の音を聞きやすくしている

のようになります。変化しているのは、マイクの指向性がONになっているのか、OFFのままなのかの違いになります。

騒がしい中での聞き取りを良くする場合、根本的な考え方としては、騒がしい時の音量エネルギーが集中しやすい低域の部分を下げ、そして、音声の明瞭性、聞き取りに影響する1000Hz〜を大きくする事です。調整画面では、若干ではありますが、調整されています。

アナログの頃も今も根本的思考は変わっていませんが、基本的に補聴器は、SN比を良くする調整を行います。

そして、SN比を良くする方法は、

  • 音を聞く方向のSN比を改善する
  • 聞く音のSN比を改善する

の二つがあります。

音を聞く方向のSN比を改善するとは、前方から来る音を入れ、後方の音は、少々音をカットした状態で入れる事です。人の耳は、元々そのようにできており、その機能を取り入れたものとなります。前方から来る音を±0dBとすると後方から来る音は、−5dBになります。このように聞こえる方角によっても耳は、受け取る音量が異なります。これを利用し、前方から来る音を聞きやすくしたのが、こちらです。

そしてアナログの頃によく合ったやり方は、聞く音のSN比を改善させる事です。騒がしい中で聞き取りをよくする場合、音だけの観点で見ますと、音量と周波数の二つの軸しかありません。騒音に関しては、低い周波数帯に音が集中する事が多く、音声に関しては、中音域〜高音を入れると明瞭になる事から、低い周波数帯は音量を減らし、中音域〜高音にかけて音量を大きくするというやり方をしていました。それぞれの部分を調整する事で、SN比を作り出していました。

今現在は、音を聞く方向のSN比を改善する方針で改善させている事が多く、そのため、周波数に関しては、あまり大きく変化させないようになってきました。周波数の変化は、改善できる事がある反面、反って聞きにくくなる事があるため、今は補聴器の機能で、聞きやすさを作ろうとしています。

注意が必要なのですが、これらの事を行っても、大変申し訳ございませんが、限界はあります。それは

  • 感音性難聴である事
  • 難聴のレベルによりSN比の改善ポイントが大きく異なる事

の二つです。感音性難聴は、音が聞こえにくくなる事に加え、音声が理解しにくくなる傾向も出ます。そのため、音が理解しやすい状態になったとしてもその音が理解できるかできないかは、また別のお話しになります。

また、難聴のレベルによりSN比の改善ポイントも異なります。健聴の耳であれば、SN比±0で、音声の明瞭度は、50%で、その後、1dBずつ良くなるごとに10%ほど上がるようになっています。SN比+5dBであれば、健聴の耳は、約100%に達します。

しかし、難聴の耳では、そうはいきません。もっと多くのdB改善が必要です。少なくとも中等度難聴でさらに5〜6dBほど加えなければ改善しないとされており、重度難聴はそれ以上になります。

このように騒がしい中での聞き取りを改善させるには、通常の調整のままでは、難しいため、別にプログラムを製作し、昔は自分で切り換えるというやり方をしていました。今現在は、コンピュータで周囲の状況がわかるようになってきたため、自動で行うようになってきています。

このようにしてなるべく聞こえの低下をさせないようにしているのが、自動プログラムです。自動プログラムは、なぜプログラムはあるのか?を考えると、その有効性がよく理解できます。

金額の違い

金額の違いは、インプットされているシーンの多さです。高額なものは、多くのシーンごとに適正化されたプログラムが入っており、価格が抑えられているものは、シーンも大雑把になります。

切り換えられるシーンの数が金額の違い。厳密には、機能の違いもある。

切り換えられるシーンの数が金額の違い。厳密には、機能の違いもある。

こちらは、一台46万する補聴器です。オートセンスOSと書かれているのが、この自動プログラムになります。数は7個になります。

機能としては

こちらも同じく、主にマイクロホンモードが変化する

こちらも同じく、主にマイクロホンモードが変化する

こちらは、静かなところの環境のものになります。

こちらが騒がしい中での使用。こちらもマイクロホンモードの変更となる

こちらが騒がしい中での使用。こちらもマイクロホンモードの変更となる

こちらは騒がしい中での聞き取りの部分です。基本的にこちらもマイクロホンモードの切り換えになります。

※マイクロホンモードの切り換えと言いますと、あまり大した事がないように思いますが、マイクロホンモードの切り換え一つで、聞こえが別次元になる事もあります。

価格を抑えるとその分、細かなシーンまで対応するようにはならなくなる

価格を抑えるとその分、細かなシーンまで対応するようにはならなくなる

一方、ランクを下げたものは、こちらです。金額は、15万のものになります。少々大雑把で、静かか、騒がしいか、の二つでしか判断していません。

どれだけ周囲の環境に適正化するか。その違いが金額の違いになって現れます。

自動プログラムのまとめ

自動プログラムは、なるべく聞き取りが低下しないようにしたい方や快適性を求める方にお勧めできる機能です。もっともフォナックの場合、どの補聴器にも入っている機能ですが、この二つに関して、投資したい、自分の耳に投資をしたいとお考えの方は、こちらの機能が良いものをお勧めします。逆に、そこまでお考えではなくコスト面を重視する場合は、金額を抑えた補聴器で構いません。

どのような機能もそうですが、必要とされてつけられた機能です。機能の性能が良ければそれだけ、貢献してくれます。それでも聞きにくいところが出てしまう点は、誠に申し訳ないのですが、なるべく聞きにくさを減らしたいとお考えの方には、お勧めです。


この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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