バイクロス補聴器の形状選定、お勧めはあの形状


両耳とも聞こえにくく片耳が何らかの理由により、より聞こえにくい方に適合するのがバイクロス補聴器です。こちらは、片耳の聴力を補いにくい場合、あるいは、補うには、厳しい状況下の方に有効となります。

では、こちらの形状にはどのようなものがあるのでしょうか。そして、それぞれどのように異なるのでしょうか。こちらに関して載せていきます。

なお、以下クロス補聴器という単語が出てきますが、バイクロスもクロスも同じ意味になります。

結論から

結論から記載しますと、耳あな形補聴器が適合するなら、耳あな形。それが難しい場合は、耳かけ形補聴器となります。これは、耳あな形補聴器の方が聞こえの効果が高く、お客様の満足度も高い事から、このように決めています。

しかし、耳あな形のバイクロスは、誰にでも無条件に合うわけではありません。合わない方の場合は、耳かけ形のバイクロスの方がお勧めです。

二つの形状

補聴器には、通常

  • ポケット形補聴器
  • 耳かけ形補聴器
  • 耳あな形補聴器

の三種類があります。バイクロスは、耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器の二つしかありません。この二つのうち、どちらかを選んでいきます。

耳かけ形のバイクロス

耳かけ形のバイクロスは、このような形をしています。

耳に掛けて使用するバイクロス(クロス)補聴器。細いチューブを使って補うタイプがシ主流

耳に掛けて使用するバイクロス(クロス)補聴器。細いチューブを使って補うタイプがシ主流

耳にかけて使用する事から、耳かけ形と呼ばれています。こちらが耳かけ形のタイプです。

耳あな形のバイクロス

耳あな形のバイクロスは、このような形をしています。

こちらが耳あな形のバイクロス(クロス)補聴器。耳のあなは人により異なるため、形状は様々

こちらが耳あな形のバイクロス(クロス)補聴器。耳のあなは人により異なるため、形状は様々

耳あな形とは、耳の穴の中に入れて使う補聴器です。耳の型を採取し、その方の耳に合わせた補聴器を作れるのが特徴です。

耳かけ形のバイクロスの特徴

では、本格的に進んでいきましょう。

  • 耳かけ形の利点
  • 耳かけ形の欠点

に関して載せていきます。基本的に耳かけ形の特徴は、良くも悪くも耳の上にかけて使用する事の利点、欠点です。

なお、耳かけ形と耳あな形ですが、中身は同じですので、単に形状の違いになります。しかし、形状の違いは、大きな違いになります。

耳かけ形のバイクロスの利点

こちらには

  • コストが安い
  • 高度難聴の方に対応しやすい

があります。耳かけ形の利点は、コストが安いという点です。耳あな形は、耳の型を採取して、その人専用の機器を作りますので、手間ひまかかります。しかし、耳かけ形の場合は、既製品となりますので、コストが安くなります。

また、音を強く出しやすいため、高度、重度の難聴の方にも対応しやすい形状です。重度の方の場合は、実質、両耳とも補聴器になりますので、高度の方の場合は、耳あな形補聴器より、対応しやすくなります。

耳かけ形のバイクロスの欠点

こちらには

  • 故障が多い
  • 邪魔になりやすい
  • 不安定になりやすい
  • ノイズが入りやすい

の四つがあります。これらのものは、耳の上にかける事から生じる事です。

耳かけ形補聴器をかけるところは、耳の裏になるのですが、こちらは、汗の通り道とあり、汗の影響を受ける事で、故障する補聴器が後を絶ちません。補聴器は精密機械とあり、汗に弱いのですが、その通り道にあるため、汗の影響を受けやすくなります。

耳かけ形は、耳の上にかける事により、メガネ、マスク、ヘルメットなどのものに邪魔になりやすくなります。これらのものをほとんど使わない方は、良いのですが、扱う方は、邪魔に感じやすくなります。

クロス側は、細いチューブで固定する事となりますので、不安定になりやすいという事もあります。こちらは、別途耳の型を採取して専用の耳せんを作る事ができますが、耳あな形と比較すると不安定になりやすい傾向があります。

ノイズとは、音響機器上で発生するノイズの事です。耳かけ形の場合、マイクが上にありますので、髪の音がガサガサ入ったり、メガネをかけている場合は、メガネのつるが補聴器に当たり、人によっては歩くたびにカチカチ聞こえたりします。また、暗騒音と呼ばれる空気の音といいますか、ざわざわとした音が聞こえるのですが、こちらも耳かけ形の方が多い傾向があり、かつ風の音もヴォーヴォー入ります。

耳あな形のバイクロスの特徴

さて、こちらについても見ていきましょう。

  • 耳あな形の利点
  • 耳あな形の欠点

耳あな形のバイクロスは、良くも悪くも耳の中に補聴器を作る事による利点、欠点になります。

耳あな形のバイクロスの利点

こちらには

  • 聞こえの効果が高い傾向がある
  • ノイズがしにくい
  • 邪魔になりにくい
  • しっかりと固定されている

の四つがあります。

こちらは、私がお客様に試聴して体感している事ですが、特にクロス側(音を転送する側)は、耳あな形の方が高い評価を受けています。耳かけ形の場合は、わかりづらいところでもわかるようになったり、聞こえやすくなるという声をいただいています。補聴器というよりもクロス側の評価ではありますが、こちらは、聞こえの効果が高い傾向があります。

耳かけ形補聴器は、全周囲の音を拾い、耳あな形補聴器は、前方の音を中心に拾うせいか、暗騒音というざわざわした音が少ない傾向があります。また、髪が耳あな形のマイクに当たるという事も少なくなり、メガネのつるが耳あな形に当たるという事はありません。また、風の音も軽減される傾向があります。マイクに物が当たりにくい事、拾う範囲をある程度、抑制している事から音響機器上の余計なノイズはしにくい設計になっています。

耳の穴の中に入れてしまえば、マスクやメガネ、ヘルメットの邪魔にはなりません。結果、日常生活上で使用しやすい補聴器となります。

耳の型を採取して作るため、耳でしっかりと固定される補聴器になります。落ちやすいのでは?とご心配される方もいるのですが、落ちるより、どこに置いたか忘れる事により紛失する事の方が多い傾向があります。また、耳かけ形の場合、クロスの方は特に細いチューブのみで固定するため、こちらより断然、保持する力は優れています。

耳あな形のバイクロスの欠点

こちらには

  • 高額
  • 作れない、お勧めできない人がいる
  • こもりやすい

の三つがあります。

耳かけ形と比較しますと、お値段は、高額です。補聴器には、形状と性能で決めるのですが、同じ性能のものですと、耳あな形の方が、高額になります。

耳あな形は、耳の中に作るため、

  • 耳垢が多い
  • 耳垢が湿っている
  • 耳垂れが出る

などの方には、お勧めできません。補聴器の故障や音が出なくなる事が多くなる傾向があります。耳を手術していたり、耳の中が大きく変形していた場合は、製作できないケースもあります。

また、耳をしっかりと塞ぐため、耳かけ形よりもこもりやすい傾向があります。自分の声が低くこもった感覚や耳で響いている感覚といえば良いのでしょうか。こちらは、耳を塞ぐと起こる事ですので、どの補聴器にも起こる事ですが、耳あな形の場合は、特に感じやすくなります。

バイクロス補聴器の形状選定のまとめ

以上の事から、耳あな形補聴器が適合する、使用するのに問題がない場合は、耳あな形補聴器がお勧めです。効果面もそうですが、邪魔になりにくい、ノイズが入りにくい形状となりますので、その点は、耳あな形補聴器がお勧めとなります。もちろん、聴力も補える範囲内である事が条件となります。

しかし、耳あな形は、制約も大きく、耳の形状や人によっては、合いません。そのような傾向が見られた時は、耳かけ形のバイクロスがお勧めです。

どちらを使用しても聞こえにくい状態より、聞こえを補える点には、変わりありません。後は、ご自身の状況と照らし合わせて、より良い選択をしていくのみとなります。

より良い選択の参考になれば幸いです。