補聴器は、補聴器を使った状態の検査でも評価しよう


販売店をしていますと、日々、色々な人が来ます。その中で補聴器の調整依頼をしてくださる方々もいらっしゃるのですが、その中で多いのは、補聴器を装用した状態でどのように聞こえているのかを測定していない。補聴器を装用した状態の客観評価をした事がないという方です。

補聴器は、自分の感覚だけでは、音が大きい、音が小さい、音質が固い、音がふにゃふにゃするなど、自分で感じた事しかわからず、どの音がどれだけ聞こえていて、目標値に対して、ちゃんと補えているのか、そうでないのかがわかりません。本当に重要なのは、どれだけ聞こえを補えているのかを数値化する事です。こちらの結果と自分が感じる音の感覚を評価する事で、良い調整にしていく事ができます。

一部の方は、測定できなかったり(聴力検査が難しい方)、意味をなさなかったり(クロス補聴器装用者)、感覚が特殊な方には、別の調整方法を行うため、対象にはならない方もいますが、軽度〜一部高度難聴の方には、当てはまる内容となります。

補聴器調整の基本

補聴器の調整は、基本的に

  1. 自分で音を感じた感覚の評価
  2. 機械を使って、どのくらい聞こえているのかの評価

の二つがあります。この二つを組み合わせて、補聴器の調整を煮詰めていきます。①は、主に主観評価と呼ばれるもので、②は、客観評価と呼ばれます。

二つの視点で見る理由は、冒頭の通り、音を感じるだけでは、評価ができないためです。メガネやコンタクトに関しても同様で、つければ見えるかもしれませんが、どれだけ見えるようになっているのかは、わかりません。この見えるようになっているレベルを調べるのが、客観評価です。

補聴器の場合は、防音室の中で、スピーカーから音を出し、どのように音が聞こえているのかを調べます。そして、その数値から、どのくらい音が聞こえており、目標値に対してどうかをみます。

自分が感じている音の感覚、どのくらい聞こえているのかの可視化、この二つを組み合わせると、おおよその感覚も理解できるようになりますので、徐々に調整を煮詰めていく事ができます。

よく行う客観評価

よく行う客観評価には、音場閾値測定(おんじょういきちそくてい)があります。こちらは、補聴器を装用した状態で、どのくらい音が聞こえているのかを調べる測定です。

防音室の中の例。当店の防音室の中になります。

防音室の中の例。当店の防音室の中になります。

このような部屋で

補聴器を装用した状態は、スピーカーから音を出して、調べる。

補聴器を装用した状態は、スピーカーから音を出して、調べる。

スピーカーから音を出して、調べます。

音場閾値測定の結果。見方は、オージオグラムと同じ

音場閾値測定の結果。見方は、オージオグラムと同じ

調べた図は、このようなものになります。見方は、オージオグラムと同じです。▲が補聴器を装用した状態で、△が補聴器なしの状態です。▲の目指す位置は、聴力ごとに異なります。

このようにどの音がどれだけ入っているのかがわかると、調整の参考になりますし、目標値に対して、今どのくらいなのかを見る事ができると、それもまた調整の参考になります。感覚のみですと比較が非常に難しいのですが、数値にすると簡単に比較ができるという特徴があります。

なお、この数値が目標値からかけ離れていた場合や波形がめちゃくちゃな時がたまにあり、お話しをお伺いしてみると感覚のみでああして欲しい、こうして欲しいという事を言っているケースをよく感じます。私自身も自分の補聴器を調整していますが、感覚だけでは判断できないので、必ず目で見える形にして、補聴器装用時の状態を確認しています。

まとめ

自分が聞いている感覚だけではなく、自分が使っている状態を見える化すると、色々とよくわかるようになります。もし、自分の感覚のみで調整をしてもらっているのでしたら、自分が使っている状態を目に見える化してみてはいかがでしょうか。そのようにする事で、調整のヒントが見えてくるかもしれません。

もっとも、調べる設備がある事やデータの見方がわからないと調べても何も得られるものはありませんので、これらのものがあるところ、わかる方にお願いしなければならない点はありますが、ご自身の状態を良くするヒントになるかもしれません。

自分が使っている感覚、そして、自分がどう聞こえているのかを見える化する事、この二つを見ながら調整していく事で、調整を煮詰めていく事ができます。

補聴器は、補聴器を使った状態の検査でも評価しましょう。