2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

重度難聴の方に効果があるのは、補聴器ではなく人工内耳

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補聴器の手引き書には、難聴別の改善方法や聴力ごとのお勧めの補聴器を書いているのですが、重度難聴の部分だけない事にお気づきの方もいるかもしれません。重度難聴の方のスペースだけないのは、タイトル通り、重度難聴の方の聞こえを最も改善させるのは、補聴器ではなく、人工内耳だからです。

人工内耳は、装用条件こそ厳しいのですが、その効果は、補聴器とは比べ物になりません。重度難聴の方には、補聴器ではなく、人工内耳をお勧めします。

結論から

冒頭の通り、結論からしますと、重度難聴の方に有効なのは、人工内耳です。人工内耳とは、耳の中に埋め込む補聴機器で、耳の聞こえを補う機械の一種になります。

人工内耳3

※画像は人工内耳メーカーコクレア社より引用

こちらが、人工内耳の様子です。

補聴器と人工内耳の違いは、音の伝え方にあります。通常、補聴器の場合は、補聴器で音を拾い、拾った音を増幅し、そのまま耳に届けるのですが、人工内耳は、拾った音を耳の中を通じず、直接音を感じ取る神経に送ります。そのため、音が劣化しにくく、そのままの音で、耳の神経部分に届けられます。このようにできると、音が綺麗に入りやすくなります。

重度難聴の方は、補聴器で補うのも難しいため、聞こえを補うという観点では、人工内耳に圧倒的に分があります。

人工内耳の効果

補聴器の世界では、音場閾値(おんじょういきち)と呼ばれる補聴器の効果を理解できるものがあります。これは、聴力測定の補聴器装用版と考えていただいて差し支えありません。反応値が上にあるとある程、良い値となり、音の聞こえは良いと見ます。

人工内耳の場合

人工内耳を装用して効果がでる範囲。かなり良い結果になるケースをいくつか見ている

人工内耳を装用して効果がでる範囲。かなり良い結果になるケースをいくつか見ている

赤で囲まれた位置に出る事が多く、人工内耳を装用して、数値が25〜30dBくらいにまで改善するケースを見ます。25〜30dBとなると、一般的な会話はもちろん、離れた所から呼びかけられたり、遠くの音もわかる位置です。

一方、補聴器は

従来の補聴器で出せる効果、音声での理解は、かなり難しい数値となる

従来の補聴器で出せる効果、音声での理解は、かなり難しい数値となる

赤で囲まれた位置にでる事が多くなります。補聴器を装用しても仮に60dBくらいとなると、少し離れるだけで音がほとんどわからなくなりますし、呼びかけにも反応できません。ものすごく近くでお話しをしないかぎり、音声では理解しづらくなる位置になります。

人工内耳と補聴器では、音の聞こえ方が全く異なります。人工内耳の聞こえは、中等度難聴の方に補聴器を装用する時の効果より高い事もあり(数値上のお話しです)、聞こえの効果は、頭一つ抜けています。

音が聞こえる事とお話しが理解できる事は別ですが、人工内耳を装用する方が聞こえの改善度は高くなります。

人工内耳の手術条件

人工内耳は、耳の中に埋め込むタイプの補聴機器です。そのため、いくつか条件があります。

II.医学的条件

手術年齢
A)適応年齢は原則1歳以上(体重8kg以上)とする。上記適応条件を満たした上で、症例によって適切な手術時期を決定する。
B)言語習得期以後の失聴例では、補聴器の効果が十分でない高度難聴であることが確認された後には、獲得した言語を保持し失わないために早期に人工内耳を検討することが望ましい。

聴力、補聴効果と療育
A)各種の聴力検査の上、以下のいずれかに該当する場合。
1、裸耳での聴力検査で平均聴力レベルが90 dB以上
2、上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の平均聴力レベルが45dBよりも改善しない場合
3、上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が50%未満の場合。
B)音声を用いてさまざまな学習を行う小児に対する補聴の基本は両耳聴であり、両耳聴の実現のために人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない

日本耳鼻咽喉科学会乳幼児委員会 小児人工内耳適応基準(2014)より引用

太文字は私の方で記載しました。重要な部分は、この三点です。これらに当てはまるのであれば人工内耳はお勧めです。

手術をする必要がありますが、その効果は、補聴器以上の効果となります。

今回のまとめ

重度難聴の方には、人工内耳をお勧めします。その理由は、補聴器を装用するより、効果があるためです。手術をする、MRIなどの検査ができなくなるなどの制限はいくつかありますが、聞こえの効果は、補聴器以上となります。聞こえの効果を一番に望む場合は、お勧めです。そして、こちらの相談は、病院で行う事となります。

重度難聴の方に補聴器は、全く使用しないかと言いますと、そのような事はありません。例えばですが、人工内耳の反対側の耳に補聴器を装用して聞こえを補うケースもあります。また、手術に踏み込めない方には、補聴器で補います。

当店の場合は、あくまでも聞こえの効果に拘っていますので、重度難聴の方の場合は、素直に人工内耳を勧めています。その方が、聞こえを良くでき、生活環境を良くできる可能性があるからです。もちろん、人工内耳の片側という事であれば、補聴器のご相談を承っています。

聞こえの効果を一番にお考えの方には、人工内耳をお勧めします。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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