2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

標準サイズの耳かけ形補聴器の良いところを調整者視点で書いてみた

Pocket

lens-1209823_640

補聴器には、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器、ポケット形補聴器があり、今現在、多いのは、耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器です。耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器にも、さらに複数の形があり、色々あったりします。

耳かけ形補聴器の主流は、RIC(りっく)補聴器という小さく、細いワイヤーを使った補聴器だったりするのですが、それ以外に標準サイズの昔ながらの耳かけ形補聴器というのもあります。最近では、あまり活用されなくなってきましたが、私は、この補聴器がいろんな意味で微調整が効きやすいので、初めての方や一部の聴力の方には、お勧めだったりします。(あくまでも私はですが)

最近、見る事が少なくなった標準サイズの耳かけ形補聴器の良いところを調整者視点で書いていきます。

標準サイズの耳かけ形補聴器の良いところ

それは、聞こえと装用感覚の両立がしやすいところにあります。補聴器を選ぶうえで重要になるのは

  • 聞こえにくさをどれだけ補えるか
  • 装用感覚は、どうか
  • 操作はできるか

の三つがあるのですが、この三つを両立しやすいため、私的には、初めての方や無難な補聴器、安定したものが欲しいという方にお勧めしています。少々形状が大きくなるのですが、その代わり、大きなメリットがあります。

今回の主役は、こんな形状をしている補聴器です。

今回の主役は、こんな形状をしている補聴器です。

まず、標準サイズの耳かけ形補聴器とは、このような形状をしている補聴器です。昔からある形状で、多くの方に使用されてきました。

主な耳かけ形補聴器の種類、おおよそこの三種類に分けられる

主な耳かけ形補聴器の種類、おおよそこの三種類に分けられる

耳かけ形補聴器には、画像の通り、主に三つあり、この中の中央にあるのは、今回対応する耳かけ形補聴器となります。聴力の対応としては、幅広く:軽度〜高度難聴くらいまで対応できます。ほとんどの難聴者は、この範囲内に入りますので、ほとんどの人に対応できる補聴器とお考えいただいて差し支えありません。

補聴器で重要になるところの詳細

さて、お話しを元に戻しまして……、先ほど、補聴器を選ぶうえで重要になるのは

  • 聞こえにくさをどれだけ補えるか
  • 装用感覚は、どうか
  • 操作はできるか

の三つがあると記載しました。補聴器を装用する際に気になりやすいのは、装用感覚になります。補聴器を使う場合、基本的に耳の中に、耳せんや補聴器を入れるため、耳を塞ぎます。すると、こもった感覚や自分の声が響いた感覚になりやすく、ほとんどの人は、それを不快に感じます。

そのため、この感覚をなるべく軽減させようとするのですが、この感覚を軽減させる方法は、耳を塞がない事となり、やるとやるほど、補聴器の効果が少なくなります。言い換えれば、やればやるほど、補聴器を装用していない状態に近づくという事です。

ですので、聞こえにくさを補いつつ、こもりや自声の響きが使用できる範囲内にする、このようにしていく必要があるのですが、これがしやすいのが、この補聴器です。

そして、操作に関しては、ある程度、大きい事もあり、

  • 扱いやすい事
  • 機能が充実している事
  • 一通りできる事

の三つがあるため、操作面でも無難な補聴器になります。

聞こえを補いつつ、こもり、自声の響きを抑える

あくまでも私がやっている事ではありますが、私のところでは、

  • 聞こえ:音場閾値測定
  • こもり:耳せんに穴を空ける

の二つを行っています。この二を組み合わせる事で、聞こえと装用感覚をなるべく両立させる事が可能になります。

音場閾値測定で補聴器の効果を見る

音場閾値測定というのは、補聴器を装用した状態でどのくらい聞こえているのかを数値化できる測定です。メガネをつけた状態で調べる視力検査のようなものと考えれば、わかりやすいかもしれません。

補聴器を装用し、効果がでる値というのは、数値でおおよそ決まっています。測定する事により、どのくらい聞こえているのかを調べられると、どのくらい聞こえているかを理解でき、かつ、補聴器で効果を感じる領域まで来ているのかの判断もできるようになります。

聴力を調べる防音室。ここでは、聴力以外にも様々なものを調べられる。

聴力を調べる防音室。ここでは、聴力以外にも様々なものを調べられる。

この測定は、基本的には、防音室の中で行います。

防音室の中は、このようになってます。

防音室の中は、このようになってます。

部屋の様子は、このようになっており

音場閾値測定は、スピーカーから音を出して調べる測定。

音場閾値測定は、スピーカーから音を出して調べる測定。

中央付近にあるスピーカーから音を出し、測定します。

補聴器を装用した状態を見る測定。補聴器を装用していない状態と比較もできるし、どのくらい聞こえているのかも見る事ができる。

補聴器を装用した状態を見る測定。補聴器を装用していない状態と比較もできるし、どのくらい聞こえているのかも見る事ができる。

測定した様子は、このようになり、▲の位置が補聴器を装用した時の効果、△が補聴器なしで測定した状態になります。私の場合は、この▲の位置を、効果が出やすい、感じやすい位置に行くよう調整しています。

こもりや自声の響きを軽減させる

この補聴器で、こもりや自声の響きを軽減させるには、使用する耳せんに穴を空ける事です。

小さいが、耳せんに穴が空いている。

小さいが、耳せんに穴が空いている。

小さくて見づらいのですが、このような穴を空ける事で、こもりや自声の響きを軽減させられます。穴は、大きくあければあけるほど、こもりや響きを軽減しやすく、その変わり、補聴器の効果も大きく失われます。小さく穴を空ければ、少し楽になる程度ですが、その代わり、補聴器での効果もほとんど失われません。

補聴器販売店では、こんな道具があります。

ポンチと呼ばれる穴を空ける道具。耳せんを加工するには、必須の道具。

ポンチと呼ばれる穴を空ける道具。耳せんを加工するには、必須の道具。

これは、ポンチと呼ばれるベルトの穴や小さい穴を空けるために使われる道具で、それぞれ、穴のサイズがあります。私のところで用意しているのは、0.8、1.0、1.5、2.0、2.5の5種類です。(厳密には、3.0もありますが、まず使いません)

数値の大きさは、穴の径の大きさで、数値が大きいと大きいほど、穴が大きく、かつこもりや響きを軽減しやすくなります。そして、補聴器の効果も失われやすくなります。

これらの穴をそれぞれの耳せんに空ける事で、音を逃がす穴がついた耳せんを作る事ができます。複数のものがあれば、どの耳せんが、どのくらいこもりを軽減できるのか比べる事もできますし、自分にとって、なるべく不快に感じにくい装用感覚にしやすくなります。

二つを組み合わせて、聞こえと装用感を両立させる

ここまでくればお気づきかと思いますが、この二つを組み合わせる事により、聞こえと装用感覚をなるべく両立させる事ができます。

例えば、耳に装用する耳せんで穴が空いたものを1.0くらいにし、どのくらい塞がった感覚があるのか、使える状態なのか、そして、その耳せんを使った時の聞こえの効果は、どのくらいなのか。それらを記録、感覚として感じていけば、自ずと良いものを選択する事ができます。1.0で難しいなら、2.0を試してみてどうか、それで良ければ、その状態で補聴器を装用しつつ、効果がでやすい部分にまで音を大きくし、使用上、問題なければ、ベストでしょう。

補聴器を装用する際に気になりやすいこもり、自声の響きの感覚をなるべく軽減しつつ、聞こえを一番両立しやすいのは、この標準サイズの耳かけ形補聴器です。そのため、無難なものを選択したいという方や初めてで補聴器の事がわからない場合には、お勧めできるものです。

なお、私の場合、特例ですが、補うのが難しい聴力形の方には、こちらでフィッティングする事が多くなります。微調整をしやすいというのは、それだけ、様々な事に対応できるという事であり、合わせ方も豊富になります。難しい聴力形の方は、調整がシビアだったりしますので、尚更ですね。

今回のまとめ

今現在、RIC補聴器が主流になりつつありますが、標準サイズの耳かけ形補聴器は、いろんな意味で様々な事ができますので、無難な補聴器になります。補聴器の中で、最も聞こえと装用感覚を両立しやすいというように私は感じています。

もっともこのような活用方法を知っている場合に限る事、あくまでも耳に音を合わせるという視点のみで考えている事がありますが、このような事が行いやすいため、補聴器を調整する身としては、合わせやすくなります。少々形状が大きく、毛嫌いされる事もあるのですが、装用感覚と聞こえを両立できるという強みは、非常に大きいと私は感じています。

あくまでも調整者の視点ですが、参考になれば幸いです。

Pocket

この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

補聴器で耳を改善させる手引き書、作りました

聞こえにくい事でお悩みの方のために、補聴器で耳を改善させる手引き書を用意しました。

  • 自分の症状に合う補聴器は何か
  • 自分の聴力に合う補聴器は何か
  • 補聴器の種類、性能、違いを知りたい

などお考えでしたら、こちらをご覧下さい。補聴器で耳を改善させる内容のみに絞って記載してみました。お役に立てば幸いです。

お困りごとの相談、無料です

Webサイトに訪れる方のご要望にお応えするため、東京都墨田区に店舗を構えました。

  • 聞こえにくい事で困っている
  • どこに相談したら良いかわからない
  • お使いの補聴器でうまく聞こえない

などお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。ご相談や補聴器の試聴に関しては、無料で承っております。当店の特徴は、リンク先の通りです。

〜更新情報のお知らせ〜
こちらのいずれかにご登録いただきますと更新時、お知らせします。お気軽にご登録ください。なお、Twitterでは、私自身が興味を持った記事や自分のエントリーについてツイートしています。もしよろしければフォロー、ご登録いただけるとうれしいです!