耳あな形補聴器の納期と作る際に知っておきたい3つの事


補聴器には、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器、ポケット形補聴器の三つがありますが、主に販売されているのは、耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器です。耳あな形補聴器は、オーダーメイド補聴器とも言われており、その人の耳の型を採取して、製作します。

そのため、一般の補聴器以上に納期がかかったり、あるいは、耳にしっかりと固定するがゆえの欠点もあります。こちらでは、耳あな形補聴器を作ろうかな?とお考えの方のために、知っておきたい事をまとめてみました。お考えの場合は、参考にしてみてください。

耳あな形補聴器の納期

耳あな形補聴器の納期は、どのメーカーも大体7〜10日ほどになります。私が扱っているフォナックですと、ほぼ1週間で届きます。

初めに、このような素材を使い、耳の型を採取します。

主な耳型採取道具。色々なものがある。

主な耳型採取道具。色々なものがある。

奥にある緑色のものと白色のものを使うのですが、こちらは、歯の型を採取する際に使われるものと同じ、シリコンになります。こちらを混ぜる事で硬化するようになりますので、耳の中に入れ、耳の型を採取します。

私の耳の型、シリコンが固まった後に取り出すと、その方の耳の形状で耳の型が取れる

私の耳の型、シリコンが固まった後に取り出すと、その方の耳の形状で耳の型が取れる。※上記の素材でとったものではありません。

模型としては、こんな感じでしょうか。この型をメーカーにお送りし、希望の補聴器の製作依頼をします。その後、7〜10日ほどで出来上がります。

耳の型を採取するのは、片耳10〜15分ほどで、その場ですぐできます。この点も、どの販売店さんも同じです。

作る際に知っておきたい事

耳あな形補聴器は、耳の中に入れる事による利点、欠点があります。補聴器をフィッティングする側から見る利点は

  • 音が耳に伝わりやすく、効果がわかりやすい(特に高域)

という点があるのですが、その変わり

  • 響き、こもりがある
  • 声が大きく聞こえる

という欠点があります。そのため

  • 耳あな形補聴器には、再作の期間がある

という事をご理解ください。

響き、こもりがある

耳あな形補聴器の最大の欠点といえば、こちらです。自分の声が、こもったような感覚になったり、機械的に響いた感覚に感じやすくなります。機械的に響いた感覚は、音の調整で楽にできるのですが、問題は、こもりになります。

こちらを軽減する場合、耳を塞がないようにする事が必要ですので、補聴器にベントと呼ばれるものを作り、なるべくこもらないような、使える状態にして作るのですが、このこもりに関しては、失くす事はできません。

中には、このこもりが非常に気になってしまい、耳あな形補聴器がかなり使いづらくなってしまう方もいますので、要注意点の一つです。

声が大きく聞こえる

耳あな形補聴器は、こもり、響きの他に、耳の特性を利用するため、耳かけ形補聴器以上に自分の声が大きく聞こえるようになります。厳密には、前方の音をより拾えるようになるため、結果的に声も大きく感じるようになります。

聞きにくい際に耳に手を当て、耳を立てるように聞くと思うのですが、両耳にそれをしていただき、手を当てて耳を立てた状態と手を当ててない状態を比較すると、自分の声が大きくなっている事がわかるかと思います。

人は、目が見える範囲内をより聞こえるようにしているため、このような現象が起こるのですが、これは、耳あな形補聴器にも起こります。耳かけ形補聴器を使用している方も、同じようにすると、どのくらい大きく聞こえるようになるのかを体感する事ができます。

耳あな形補聴器には、再作期間がある

耳あな形補聴器には、こもりや響きといったところがあるため、シェルと呼ばれる耳の中に入る部分を作り直す期間があります。

よく見ると肌色が濃い部分と薄い部分があり、耳の中に入るのは、薄い部分。そこがシェルと言われる部分。

よく見ると肌色が濃い部分と薄い部分があり、耳の中に入るのは、薄い部分。そこがシェルと言われる部分。

どのメーカーも大抵3ヶ月ほどは用意しており、この期間内なら、無償で作り直しができます。こちら以外でも、シェルと呼ばれる部分を削ったりする事でも軽減できます。

なお、作り直す期間は、メーカーから販売店へ入荷した日にちから3ヶ月である事が多いため、もし作る場合は、どのくらい再作期間があるかを確認しておくと、いざという時に作り直しができますので、確認しておきましょう。

作り直す理由は様々ですが、

  • 補聴器がキツい
  • こもりがきつい
  • ハウリングが多い

という理由が多くなります。それ以外に、何か気になる事があれば、販売店へ伺い、修正してもらえれば、一番良いですね。

まとめ

耳あな形補聴器を作ろうかお考えの方のために、知っておきたい事をまとめてみました。主には、納期と作るうえでの欠点、そして、それを解消させる内容ですが、理解しておけば、より良い対応ができます。

耳あな形補聴器は、耳の中にしっかり納められ、かつメガネやマスク、帽子の邪魔になりにくいため、個人的にもお勧めな補聴器ですが、こもりという最大の欠点があります。こちらが強いと補聴器をまともに付けていられなくなりますので、再作期間や作り直しもできるようにしています。これは、私のところだけでなく、どの販売店さんもどのメーカーさんも同様です。

なお、私のところでは、どうにも耳あな形では、こもりの改善ができない方も体験しているため、耳あな形補聴器は、一旦試聴期間を設け、使える状態である事を確認した後に販売するようにしています。そして、どうにも改善できない部分がある場合は、返品を受付け、別の補聴器をご案内する……という事もしています。

補聴器の目的は、聞こえを良くする事ですが、それ以外に使えない要素がある場合は、うまく使う事ができません。そうなると改善もしにくくなるため、このような対応方法をしています。他の販売店さんはちょっとわかりませんが、私の場合は、耳あな形の欠点も踏まえたうえで、このように対応しています。

こちらの内容もご参考までにどうぞ。