ミライの授業を読んで学んだ3つの事


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滝本哲史さんのミライの授業という本を読んでみました。私、この人のファンで、この方が書いている本は、ほとんど読んでいるのですが、今回の内容は、14歳向けに書かれた本で、過去の偉人がどのようにして、世界を変えたのか、常識を変えたのかが記載されており、勉強する意味を教えてくれる非常に勇気をくれる内容でした。

また、これからの社会についても書かれており、今現在、どのような世界に生きているのか、そして、自分は、どんな事ができるのかを教えてくれる良書でもありました。

正直、久々の良書ですので、ご紹介します。14歳ではなくても大人の方にもお勧めで(むしろ、そっちの人の方が響くものがあると思います)、日々の仕事がつまらない方や新しい事をしている人には、お勧めですね。

本の内容

本の内容に関しては、初めに勉強する意味から始まり、知に関する事から、人が陥りやすい思い込みの罠、そして、過去の偉人は、どのようにして、常識を変えたのか、世界を変えたのかに関して記載されています。

一貫しているのは、知の意味を理解し、その知をどのように活かすのか。という事です。本書の場合、勉強をする意味は、人類の未来を変えるような発見と発明にあると記載しています。本書の言葉を借りるとしますと

ベーコン(イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの事)は「知識とはなにか?」という問いに対して、「力だ」と断言します。人類を前進させ、未来を変える、圧倒的な「力」なのだと。

ただし、ベーコンはここで、ひとつの条件をつけます。

古代ギリシャの時代から続く、昔ながらの哲学には限界がある。学問の目的は、地位や名声を得ることでも、いばることでも、誰かを言い負かすことでもない。ほんとうの目標は、人類の未来を変えるような、発明と発見にあるのだ。それが「力」だ。

ミライの授業 P43より引用

では、人類の未来を変えた偉人は、どのようにして変えたのか、それを学んでいくのが本書です。偉人がどのようにして、問題を見つけたのか、そして、それをどう証明したのか、これらに関して、記載されています。

14歳向けに作られているため、非常にわかりやすく作られていますので、どのような人にもお勧めできる内容となっています。

私が勉強になった三つの事

勉強になったのは、

  • 疑問(違和感)を持つ事
  • 仮説は適当で良い事
  • 論より証拠で挑む事

の三つです。

疑問(違和感)を持つ事

どの偉人にも共通する事ですが、必ず初めに、疑問を持っています。もしくは、世の中が言っていることに違和感を感じているといった方がわかりやすいかもしれません。

この本の中には、地動説を唱えたコペルニクスのお話しが出てきます。人の感覚からすると天動説のような気がしますが(人の感覚からすると地球の周りを太陽、その他惑星が回っているように見えるため)、そこにクエスチョンマークを投げつけたのが、コペルニクスです。

本書の内容を記載すると

コペルニクスの時代、天文学の世界には絶対的な教科書ともいえる本がありました。

紀元2世紀に古代ローマの天文学者・プトレマイオスが著した「アルマゲスト」という専門書です。全13巻からなるこの大著のなかでプトレマイオスは、天動説を数学的に説明し、その考えは1000年以上にわたって支持されてきました。

しかし、そもそも天動説は間違った考えです。現在の科学の目で見れば、デタラメです。その天動説をむりやり数学的に説明していたのですから、そこにはどうしても無理があります。強引なところ、矛盾したところ、うまく説明できないところがあります。

ポーランドに戻り、時間を見つけては天体観測をおこなっていたコペルニクスは、その矛盾を見逃しませんでした。

天動説を就学的に証明しようとすると、どうしても無理がでる。太陽も金星もその他の惑星も、ありえないほど複雑な動きをしてようやく、天動説の理論は成り立つ。みんなはそれで納得しているけれど、どこかおかしいんじゃないか?

本来宇宙とは、もっとシンプルな法則に従って動いているはずだ。もし、全知全能の髪がこの宇宙をつくったというのなら、こんな不格好な動きにするはずがない。もっと美しく、もっと自然な動きをしているはずだ。

そうやって地道な天体観測を続け、さまざまな検討を重ねた結果、コペルニクスはある結論にたどり着きます。

暗くて広い部屋があったとき、人々は部屋の中央にランプを置くだろう。そうすれば、部屋の隅々までいちばん効率よく照らす事ができるからだ。部屋の隅にランプを置いたり、あちこちに移動させることはしない。

これは宇宙だって同じである。

宇宙の中心にあるのは、地球ではない。光り輝く太陽こそが、中心なのだ。

地球は、太陽のまわりを1年かけて回っている。水星は3ヶ月、金星は225日、火星は687日かけて、それぞれ太陽のまわりを回っている。

太陽を中心に考えた瞬間、星々の動きは、驚くほどシンプルで、美しいものになる。天動説にあったような、不自然な動きをさせなくてすむ。

地動説の完成であり、「太陽系」が誕生した瞬間です。

ミライの授業 P90〜91より引用

まさに疑問を感じたところから、どんな風になっているのかまで考えているところとなりますが、初めに疑問を感じ、では、実際はどうか。を考え、結論を出しています。

コペルニクスほどの大業ではなくても、日々、世の中には、違和感を感じる事はあるのではないでしょうか。その違和感を大切にする。それが、学んだ事の一つです。

仮説は適当で良い事

こちらは、クリストファー・コロンブスのお話しから理解した事です。

コロンブスが立てた仮説は、非常に大胆で、シンプルなものでした。

コロンブスは、「地球は丸いのだから、大西洋を西に進めば、やがて東の端(インド)に到着するはずだ」この仮説を証明するために、彼は歴史的な航海に出たのです。

けっきょくコロンブスは、インドに到着する前に、これまでヨーロッパでは知られていなかったアメリカ大陸に到着しました。彼は最後の最後までそこをインドだと思っていましたが、それはたいした問題ではありません。コロンブスは「大西洋をまっすく西に進めば、やがて東の端に到着する」という仮説に挑み、人類史に残る大発見を成し遂げたのです。

ミライの授業 P104〜105より引用

コロンブスのお話しは、まだまだ続くのですが、ここで重要なのは、コロンブスは、綿密な計画や知見があったわけではなく、適当に仮説を立て、それを実証しようとした結果、アメリカ大陸の発見に繋がっている事です。

簡単にいえば、仮説を立て、やってみた結果、どうだったのか。この仮説を立てて、その結果はどうだったのかの確認が重要であるという事です。

仮説ですので、実験してみた結果「あちゃー(ノ∀`)」になるか「計算通り!」となるかは、やってみてわかる事ですが、やってみる事が重要である事を教えてくれます。

論より証拠で挑む事

最後は、こちら。論より証拠で挑む事。こちらに関しては、かつて日本を苦しめた脚気という病気に関して、陸軍の軍医、森鴎外と海軍の軍医、高木兼寛という異なる二人の治療に関するアプローチが書かれており、個人的に一番勉強になるところでした。

結論から言いますと、初めに書いた通り、論より証拠で挑む事という事です。こちらに関して、本書では、以下のように記載されています。

答えがわからない、道の課題に取り組むときに、どこから手をつければいいのか。

麦飯派の海軍のように「論より証拠」を大切にするのか。それとも鴎外たちのように「証拠より論」を優先するのか。

あのニュートンが古代ギリシャの哲学者たちに別れを告げて、あたらしい心理に踏み出したときのことを思い出してください。ニュートンは、理屈をこねくり回す「証拠より論」ではなく、事実を直視する科学や数学を選びました。

まったくあたらしい課題に取り組むとき、考えても考えても答えがみつからないとき、そんなときは、目の前にある「事実」を拾っていきましょう。たくさんの事実を積み重ねていった先に、答えは見えてくるはずです。

海軍の高木兼寛がやったこと、そしてナイチンゲールがやったことは、まさに「事実」を広い集めることでした。もしも鴎外をはじめとするドイツ派の軍医が「論より証拠」で麦飯を食べさせるようになっていたら、日清・日露戦争ではもっと多くの命が救われていたことでしょう。

ミライの授業 P85〜86より引用

私自身もどちらかというと事実を拾いあげるタイプですが、改めて、この方法でよかったんだなと感じます。補聴器に関しても、事実を拾い上げて、聞こえの改善を行っています。そして、基本的には、感覚ではなく、数値化して見える化しつつ、改善をしています。

ミライの授業はお勧めです

久々に良い本を読みましたので、ご紹介してみました。本当は、もっとたくさん良いところがあるのですが、今の私が勉強になったのは、これらの点でした。

私の場合、一番は、論より証拠の部分です。日々、補聴器で実験やどのようにしたらより良くなるのかを考えているため、この部分に関しては、非常に救われました。

全く新しい課題に挑んだ事がある方であればわかるかもしれませんが、この手のものは、非常に精神的に来ますし、時に「改善策が全く思いつかない……」と絶望的な気分になる事もあります。ただ、面白いもので、ずっとそれが続くかと言いますと、そうではなく、道ばたを歩いている時に「こうしたら良いんじゃないか?」見たいなものが突然、湧いてきたりする事もあります。

補聴器の分野もまだまだよくできる点はあると考えていますので、日々、やってみてどうか、の繰り返しですが、そのやり方、そのものは、合っている様で、何よりでした。これらを繰り返す事で、様々な知見も得られましたし、一般的に言われている常識みたいなものは、迷信、あるいは、実際にやっていない、補聴器を使用していないからこそ、言える事である点もいくつか、出てきました。

小さな事に疑問を持ち、実際はどうなのか。それを実験や調べたりして、明らかにする。ただそれだけですが、この本の中にも書かれている通り、人は、様々な思い込みをしています。その思い込みを捨て「実際はどうなのか」それを地道に調べていくのが真理なのかもしれません。

この本は、非常に勉強になりました。もし機会があれば、読んでみてください。この本は、自信をもってお勧めできる良書です。

そして最後にひと言言えるのでしたら「思い込みって怖いですね」という事です。