骨導補聴器が仮に耳に合うとしても使う気になれないというお話し


昨日、来店された方とお話ししていて妙に共感してしまったのですが、タイトル通り、仮に骨導補聴器が耳に合うとしても、正直使う気にならないよな……という事です。

骨導補聴器は、伝音性難聴という感音性難聴とは、また異なった聞こえにくさを持つ方に有効な補聴器です。伝音性難聴は、手術で治せるケースが大半ですが、実際には、手術のリスクやそれによって得られる価値などを総合評価して、手術をするのか、それとも補聴器で補っていくのかを考えます。

中には、治療をせず、そのまま来てしまった事で、補聴器を自動選択せざるを得なくなる方もいますが、大抵の方は、どちらかを選択して、状況の改善をしていきます。

で、本題ですが、仮に骨導補聴器が合うとしても使用するのは、なかなか厳しいな……と思う事があります。それは、使用するハードルが高い事です。

骨導補聴器は、特殊な形状が多い

骨導補聴器は、正直な事を言いますと、特殊な形状が多いです。代表的な形状は、

  • メガネ型
  • カチューシャ型

の二つとなります。写真を出しますと

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補聴器メーカー、スターキージャパンより引用

こちらがメガネ型の骨導補聴器。

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補聴器メーカー、スターキージャパンより引用

こちらがカチューシャ型の骨導補聴器です。メガネ型は、そのままメガネをかけるように使用し、カチューシャ型も頭にかけて使用します。

その他、手術をしてつけるタイプもあります。それは、BAHAと呼ばれる骨導補聴器です。

イメージとしましては、こちら。

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コクレアより引用

少しわかりにくいのですが、この補聴器は、頭蓋骨を削り、チタンを埋め込み、そこに補聴器をくっつけて使用するタイプです。手術をするタイプとあり、少々、ハードルが上がります。

このように骨導補聴器は、形状と言いますか、見た目的な意味合いや手術や規模が大きくなる事により、使うハードルが高いのがネックです。

特殊な形状になってしまう理由

これは、簡単で、骨導子と呼ばれる振動する部品を骨の部分に適度な強さで当て続けなければならないためです。簡単にいえば、押し付けるような形で当て続けなければならないため、カチューシャ型のような形状か、メガネ型のような押さえつけられる形状にする必要があるため、このような形状になります。ただ、当てているだけでは、聞こえるようにはなりません。

BAHAに関しては、頭蓋骨にチタンを埋め込む事により、安定して音が伝わる事、押さえつけるような形にしなくてすむようになりました。その代わり、手術をして埋め込む事になります。

このように使える状態にするのが、そもそも特殊なため、どうしてもそれをしやすい形状となると、上記のような形状になります。

小耳症の子とお話しして

実際に小耳症(耳がしっかりと作られなかった場合におこる症状、外耳道閉鎖症と重複症状であるケースが多い。外耳道閉鎖症の場合は、伝音性難聴となる)の方で、若い女性の方とお話ししていて感じたのですが、確かに、骨導補聴器は、厳しいな……という事です。

正直な事を言いますと、私自身でも、メガネ型は、ダサいと思いますし、カチューシャ型は、付ける気になりません。子どもの場合は、まだ良いかもしれませんが、大の大人があんなものをつけていたら、間違いなく、目立ちます。仮に改善できるとしても、あれだけのものをつけるとなると、相当のハードルがあると感じます。

また、手術をするタイプのBAHAに関しては、そこまでしなければならないのか……と感じてしまい、尻込みする気持ちもわかります。自分自身が仮に同じ状況だったら、そう感じますし、お客さんとお話しをしていて、実際にそう感じました。

実際に改善できるとわかっていても、使用するハードルが高いのが、骨導補聴器のネックな部分です。ここをどう見るかで、選択肢も変わりますね。

気になる場合は、クロスで

ここからは、少々おまけですが、実際にこの方にしたのは、クロス補聴器の試聴です。片耳が小耳症で、もう片耳は、健聴なため、クロス補聴器で補っていく方針へ変更しました。

厳密には、病院さんで一番初め、耳の相談をしていただき、耳を手術して治すリスク、得られる効果を比較すると、そこまでお勧めできるものではないという事で、補聴器で改善させていく事となりました。その際、骨導のお話しが上がったようですが、上記の事があったため、クロスにしました。

骨導補聴器の形状が気にならないのであれば、そのまま合うものを選んでいただければ良いのですが、それが気になる場合は、クロス補聴器も選択肢に入ります。

また、仮に骨導補聴器で聞こえるようにならないケースもあるため、その場合もクロス補聴器が有効です。ただし、この場合は、実際に骨導補聴器を試してみて、聞こえない、効果がない事を理解したうえで、クロス補聴器の方へ進んでいきます。仮に両方とも効果がある場合は、骨導補聴器の方が聞こえの改善ができるためです。※聞こえない側が補えている事が条件です。

仮に骨導補聴器が良いと言われたけれども、使う気になれないという方は、クロス補聴器という選択肢もある。とお伝えしておきます。