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東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器の返品や交換は、できるの?という質問に関する答え

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たまに聞かれる事の一つに、補聴器の返品や交換は、できるのか。というものがあります。結論から言いますと、できる製品とできない製品があります。補聴器の場合、購入した後に返品というのは、なかなか無かったりするのですが、試聴中の段階で、どの補聴器が良いか、試してみる事があるため、その際の交換は、良くあります。

補聴器の中には、耳の型を採取し、一から作らなければならないものもあり、その場合は、実際に作ってみて試してみるほかありません。既成品は、そのままデモ機器がありますので、大丈夫なのですが、ないものの場合は、どうしてもそのような傾向があります。

では、補聴器の返品や交換というのは、実際どうなのでしょうか。こんな事を書くのは、私くらいかもしれませんが、可能か、不可能か、そして、どのような時にそれが発生するのか、まとめて記載していきます。

返品できる製品とできない製品がある

結論から言いますと、冒頭の通り、返品できるものとできないものがあります。今現在でている補聴器には、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器の二つで90%以上のシェアになりますので、この二つを中心にして記載しますと

  • 耳かけ形補聴器:できず
  • 耳あな形補聴器:60〜90日間の返品期間あり

となります。耳かけ形補聴器ができない理由は、耳かけ形補聴器の場合、試聴する機器があるため、できないというよりもする必要がないという事になります。試聴せず、購入する事は(恐らく)ないかと思いますので、このようになっています。

一方、耳あな形補聴器は、実際に作る必要があり、かつ、作って試してみないと何とも言えない製品です。そのため、2〜3ヶ月の返品期間があります。ただし、こちらは、メーカーの出荷日時より、上記の日数となりますので、自分が受け取ってから、この日数ではありません。その点だけ注意してください。

今現在、補聴器の販売に関しては、試聴してみた後に購入する事がほとんどなため、返品に関しては、このようになります。耳かけ形補聴器の場合は、試聴してみて、概ね「聞こえが良いようだ」「聞こえるようになり、ご自身が払う価値がある」と感じた場合に「この補聴器を購入します」と決定します。耳あな形補聴器もほとんど同じで、実際に作り、良いと感じた段階で、購入に進みます。

補聴器の返品に関しては、概ね、このようになります。

どのような時に返品(交換)になるのか

実際の返品(交換)として、例を上げていきます。種類としては

  • 一般の耳あな形補聴器
  • クロスの耳あな形補聴器

の二つがあります。

一般の耳あな形補聴器

一般の耳あな形補聴器とは、このようなものです。

こちらが一般的な耳あな形補聴器。こんな形状をしています。

こちらが一般的な耳あな形補聴器。こんな形状をしています。

基本的に聞こえにくい側に装用して、聞こえるようにさせる耳あな形補聴器がこちらです。耳あな形補聴器の場合、返品になる理由は、ほとんど限られており、概ね

  1. 音の出力が足りず、返品
  2. こもり、自声の響きが強すぎて返品
  3. ハウリングが止まらず返品
  4. 装用すると痛みが出るため、返品

の四つのうち、いずれかになります。耳あな形補聴器は、シェルの再作といい、耳の中に入れる部分を作り直す事もできます。それにより、②〜④は改善する事もできます。しかし、作り直しても、改善が見込めない場合は、返品し、他の補聴器を活用した方が、状況は良くなります。

①音の出力が足りず、返品

耳あな形補聴器は、耳かけ形補聴器と異なり、ある程度、出力の幅が限られます。軽度〜中等度難聴ほどであれば、問題はないのですが、高度〜重度難聴レベルになりますと、場合によっては足りず、聞きにくい感覚が残ります。

実際にやってみて、明らかに音が足りない場合は、返品し、耳かけ形補聴器にした方が聞こえは改善しやすくなります。

②こもり、自声の響きが強すぎて返品

耳あな形補聴器で返品が多いのは、こちら。

耳あな形補聴器は、耳の中にしっかり作りますので、保持面に優れていたり、耳の中に作る事で、メガネの邪魔や髪がガサガサする音が入らず、快適に使用しやすかったりするのですが、その代わり、声がこもって聞こえたり、自声の響きが強くでる傾向があります。自分の声が変わって聞こえたり、大きく聞こえるという方が多くなります。

耳かけ形補聴器、以上にこのような傾向が強く出ますので、場合によっては、使用が困難になる方もいます。その場合は、同じく、耳かけ形補聴器にし、聞こえを改善させた方が良いですね。返品、改善させる補聴器を交換するという事です。

③ハウリングが止まらず返品

主に高度難聴、重度難聴の方に対応する内容で、耳かけ形補聴器以上にハウリングのリスクが、耳あな形補聴器の場合は、大きくなります。音を強く出せば出す程、ハウリングのリスクは上がりますので、ちょっとした事で、ハウリングしたり、中には、ずっと鳴ってしまったりします。

今現在の補聴器は、ハウリングを抑制する機能がついており、優秀になってきましたが、そのようなものを使っても気になってしまう場合は、これもまた耳かけ形補聴器に交換した方が、快適に補聴器を使いやすくなります。

④装用すると痛みが出るため、返品

耳の中に入れるものを製作する際、たまに、きつく作りすぎてしまったり、使い方によっては、耳の中が擦れてしまい、傷、あるいは、痛みを感じるケースがあります。靴擦れのようなもので、大丈夫な時もあるのですが、中には、出血したりする事もあります。

その場合は、作り直しをするか、返品し、耳かけ形にするか、どちらかになります。ただ、よほどの事がなければ、このようなケースはありません。現に私も、今までこのようなケースは、会った事がありません。

一般の耳あな形補聴器のまとめ

基本的に②は、軽度〜中等度の方におけるリスクとなり、①と③は、高度、重度難聴の方が耳あな形補聴器を使う際のリスクとなります。多いのは、恐らく②による返品で、私の場合は、基本的に②しかありません。

クロスの耳あな形補聴器

補聴器の中には、聞こえない側に来る音を聞こえる耳に転送する補聴器というものがあります。それは、クロス補聴器と呼ばれるものです。主に片耳のみ聞こえにくい方が使用する機器で、聞こえる耳に音を転送させて聞こえを補う機器です。

クロス版の耳あな形補聴器。見た目は、耳あな形補聴器と変わらない。

クロス版の耳あな形補聴器。見た目は、耳あな形補聴器と変わらない。

形状としては、このようになります。形だけ見たら、一般の耳あな形補聴器となんら、変わりがありません。こちらの場合、考えられる返品のケースは

  1. 聞こえる耳が聞こえにくくなり返品
  2. こもり、自声の響きが強く返品
  3. 装用すると痛みが出るため返品

の三つとなります。なお、どれも、シェルの作り直しをする事で、改善できる可能性があるものですが、中には、厳しいケースもあります。その際は、返品し、旧タイプの耳あな形クロスと耳かけ形補聴器にするのが、無難な方法となります。

聞こえる耳側に耳かけを使い、聞こえない耳には、耳あなクロスをつけます。

聞こえる耳側に耳かけを使い、聞こえない耳には、耳あなクロスをつけます。こちらは、改善させる方法としては、最も無難なもの。

イメージとしては、こんなものになります。

①聞こえる耳が聞こえにくくなり返品

クロスで多いのは、こちら。

クロス仕様で補聴器を使用する場合、聞こえる耳に耳あな形補聴器を作るため、今まで聞こえる耳側で聞こえていた音が、場合によっては、耳あな形補聴器で耳が埋まってしまい、聞こえる側の聞こえが低下する事があります。

仮に聞きにくくなった場合は、耳あな形補聴器を小さくするため、ボリュームなしの状態で製作し、ベントと呼ばれる部分を大きく作ったり、耳をなるべく塞がないように作ります。このようにする事で、改善できる事もあります。

ボリュームを使用している場合は、プログラムというものをボリュームがわりに使用し、ボリュームと同じように音量を上げたりする事は可能です。

ただし、改善の見込みがない場合は、素直に、旧タイプの耳あな形クロスと耳かけ形補聴器にした方が聞こえの改善がしやすくなります。

②こもり、自声のひびきが強く返品

こちらは、一般の耳あな形と同様の理由です。このようなケースも素直に、旧タイプの耳あな形クロスと耳かけ形補聴器にした方が聞こえの改善がしやすくなります。

ただ、私は、このケースにまだ遭遇した事はありません。

③装用すると痛みが出るため返品

こちらも、一般の耳あな形と同様の理由です。この場合は、作り直しで何とかなりそうですが、難しい場合は、耳かけ形にした方がよさそうです。

②と同じく、このケースにまだ遭遇した事はありませんので憶測にはなります。

クロスの耳あな形補聴器のまとめ

こちらの場合で実際にあるのは、ほぼ①のみになります。この場合、作り直しで改善するなら、それがベストですが、難しい場合は、素直に、旧タイプの耳あな形クロスと耳かけ形補聴器にした方が聞こえの改善がしやすくなります。

今回のまとめ

今現在、よく出ているもので、耳かけ形補聴器には、返品はなく、耳あな形補聴器の場合は、返品期間が60〜90日ほどあります。ただし、受け付けている期間はメーカーの出荷から60〜90日ですので、その点だけは、お気をつけ下さい。

もし、返品をしたいのであれば、期間内に販売店に申し出てみましょう。それか、不具合の部分を相談し、どのようにしたら、お互いにとって良いのかを相談してみましょう。

なお、こちらに当てはまらない状況でも、明らかに状況が特殊な場合も相談してみましょう。例えば、購入しようとした間際に大きな聴力低下や病気になり、装用そのものが難しくなったなどです。このような購入する前に状況が大きく変化した場合に関しては、返品を受け付けてくれるケースが多くなります。

補聴器の場合、試聴した後に、補聴器の購入の相談を進めるケースが多いため、実際には、返品はあまりありません。私のところでは、補聴器の試聴後、良好であれば、そのまま購入という流れにしているのですが、その場合であるのは、試聴した耳あな形補聴器では厳しい部分があるため、耳かけ形補聴器に交換するというものです。この場合は、返品ではなく、交換となりますね。

補聴器販売店が全て私のように試聴後、良好であればそのまま購入としているわけではないかと思いますが、恐らくほとんどのところはそうしていると思います。販売店さんに相談してみて、良い方向に進めば幸いです。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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