補聴器の相談には、いくつか方法や形式がありますが、私の場合、少々時間がかかる方法を採用しています。それは、補聴器の試聴からはじめ、試聴した結果から、補聴器選定を考える。という方法です。とくに初めての方の場合は、そのようにしています。
どんなものでもすぐに済んだ方がお客さんにとっても負担が少ないのですが、このようにしているのは、試聴してみたり、使ってみることで初めてわかることが多いからです。
今回は、こちらに関する理由に関して載せていきます。
補聴器は使うことで色々とわかる
補聴器にはいくつか種類があり、みるべきポイントは、
- 聞こえの感覚
- 装用した感覚
- 取り扱い
の主に3つに分かれます。この3つは、カタログを見てもわかるわけではありませんので、実際のものを使ってみたり、聞いてみたり、扱ってみることでわかります。
補聴器には、耳の中に入れて使うものや耳にかけて使用するものがあります。

補聴器にはいくつか種類があり、かつそれぞれの形状にもいくつか種類がある。
耳にかけるタイプであれば、耳にかけていただくことで、どんな風に耳で感じるのか(装用感覚)、意外に大きい、または、小さい。ものの邪魔に意外にならない。または、邪魔に感じる。などが、わかります。
また、操作に関してもそうで、実物を実際に操作したり、使ってみることにより、使っている環境下で使えるのか、そうでないのかもわかるようになります。模型で扱えても実際の使用環境で使いにくいということもありますので、一番良いのは、試聴、そして、補聴器の貸出をして、実際の環境で使ってもらうことです。そのようにすると扱いやすい、扱いにくいということがわかります。
補聴器の試聴というと、音を聞くことにフォーカスされることが多いのですが、試聴には、こんな意味もあります。
上記の例に限らず、使ってみて初めてわかることは数多くあります。
使った後に考えることで失敗しづらい
使ってみることでわかることが多いため、私の場合は、使用した後に正式にどの形状の補聴器、もしくは、どのような補聴器にしようか。こちらを考えます。なぜなら、使った後の方が、お客さんも試聴を通して理解している状態ですので、共に相談できるようになるためです。これ以外には、購入した後だと修正しづらいこともあります。
使った感覚があれば、どれなら上記の
- 聞こえの感覚
- 装用した感覚
- 取り扱い
が良いのか。それが相談しやすくなります。扱えて、装用した感覚がよくて、そして聞こえるものであれば、どれも補聴器としては正解です。
どんな方でもご自身が良いと思えるものを購入したいはずです。しかし、特に初めての場合は、わからないことも多い状態になります。ですので、ご理解いただくためにまずは試聴や貸出を通じて補聴器のことを知ってもらいます。その後、理解した状態で、相談する。このようにするとうまく行きやすくなります。どんなものも初心者より経験者の方がいい選択ができますよね。そういうことです。言い換えれば、試聴を通じて、初心者から経験者に変えてから選んでもらっているとも言えます。
私の場合は、補聴器を売るというよりも、聞こえの改善を売るというスタンスでやっていますので、補聴器が使えなければ聞こえの改善はできませんし、扱えない、操作に難がある、それらの状況でも改善ができません。
どのようにしたらお客さんの状態がもっともよくなるのか、それを考えた結果、自然とこのような相談方法になりました。このようにして、私の場合は、聞こえを改善させる手伝いをしています。
なお、補聴器を理解してからどれにするかを考える相談形式は、安心して相談できる反面、少し時間がかかる傾向があります。この点だけは、誠に申し訳ございません。ですので、手っ取り早く補聴器が欲しい方には、私のお店は合いません。
と、お客さんから質問がありましたので、記載してみました。どこもしっかりと相談してくれるとは思いますが、私のところでは、こんな風に考えてやっています。