2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

クロス補聴器の調整と目標とする音量

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補聴器は、拾った音を調整して、聞こえを改善させる機器です。これは、クロス補聴器も例外ではありません。

中には「クロス補聴器は、正常の耳に補聴器をつけるんですよね?調整などあまり不要では?正常の耳に音を転送するだけなのですから」とお考えになる方もいるかもしれません。

しかし、私自身、クロス補聴器の調整をしていくうちにただ転送するだけでは、ダメであるということがわかってきました。そして、音を調整した方がより聞こえにくさを改善したり、気になる音を抑制しつつ、日常生活上で使いやすくなることもわかりました。

こちらでは、あくまでも私自身がやっていることですが、クロス補聴器の調整と調整の目標となるものを出していきます。こちらをご覧になれば、使えて、聞こえにくさを改善できる状態にするには、どうしたら良いかがわかるようになります。

なお、クロス補聴器は、調整よりも形状の方が効果に対して影響を受けやすい機器です。通常の補聴器の場合は、補聴器の調整の方が、聞こえの効果を左右する要素となるのですが、クロスの場合は、調整よりも形状の方が、効果を左右します。その点は、ご注意ください。

また、まだまだ改良を重ねていく必要があるため、検証し次第、こちらの内容を随時変えていきます。以前と内容が違う?ということがあった場合、その際は、より良くなるものがわかったんだなと暖かい目で見守りください。

一般的な調整とクロスの調整

補聴器を調整する際、重要となるのは

  • どこまで聞こえを改善させるか
  • 現状を確認する方法

の2つです。一般的な補聴器の場合、聞こえを改善させる目標と確認方法が確立されているのですが、残念ながらクロス補聴器は、両方とも、まだ確立されていません。

ですので、以下に記載していく内容は、あくまでも私自身が、今現在(2016年11月現在)、行なっていることを記載していきます。何名かの方々を対応し、トライアンドエラーを繰り返した結果、おおよそ効果が出る部分は、わかってきました。

どこまで聞こえを改善させるか

この部分は、非常に説明が難しいため(専門的になるため)、

  • 補聴器の調整画面の見方
  • クロスで目標とする音量とは

の各段階に分けて記載していきます。

補聴器の調整画面の見方

補聴器は、聴力を入れると概ね、メーカーが考える補聴器の調整を映し出してくれます。

こちらは、補聴器の調整画面。はじめに聴力を入力し、その聴力に合う調整をソフトが出してくれる。

こちらは、補聴器の調整画面。はじめに聴力を入力し、その聴力に合う調整をソフトが出してくれる。

仮にクロス補聴器を使用する聴力を入れ

こちらが聴力セット後の画面。補聴器の調整が出ている。

こちらが聴力セット後の画面。補聴器の調整が出ている。

出してみますと、このようになります。

ちょっと見づらくなってしまったが、主な数値の意味。縦軸は、音量を表し、横軸は、周波数を表す。

ちょっと見づらくなってしまったが、主な数値の意味。縦軸は、音量を表し、横軸は、周波数を表す。

このグラフの見方ですが、縦軸が音量で、横軸が周波数です。上にあるとあるほど、音が大きくなります。黒い線は、最大出力といい、出力の制限になります。これ以上、大きい音は出さない。というラインです。

線には、薄い線と濃い線の2つがあり、薄い線は、メーカーが推奨する目標値、濃い線は、今現在補聴器が出している音の大きさです。

線がいくつかある理由は、補聴器は、音量ごとに調整できるためです。

  • 小さい音で拾った時の音の出力
  • 中くらいの音で拾った時の音の出力
  • 大きい音で拾った時の音の出力
  • 最大出力

主にこの4つが調整できる部分になります。

このように音量ごとに分けられていると、大きい音がうるさいと言われたら、3本線の一番上のみ出力を抑えたり、最大出力を抑えたりできます。そのようにすることで、なるべくそれ以外の部分には、影響させずに調整することもできます。※場合によっては、変化します。

クロスで目標とする音量とは

ここからが本題になります。私が今までやってきたことですが、まず、初期調整のままでは、効果が薄いことがわかりました。特に初期調整+耳かけ形のクロスにすると、聞こえの効果は、薄いことが多いです。

そこで、私自身がやってきたことですが、通常の補聴器で調整するとよかった部分を重点的に補い、聞こえを改善させていくことです。※通常の補聴器とは、聞こえにくい耳に補聴器を装用して聞こえを補う補聴器のことです。

私が主にやっているのは、500〜1500Hzの部分を重点的にあげること。そのようにするとより聞きやすくなるケースが多い。

私が主にやっているのは、500〜1500Hzの部分を重点的にあげること。そのようにすると初期状態より聞きやすくなるケースが多い。

その方法は、500Hz~1500Hzあたりを重点的に補い、低域は、あまり補わず、高域は、補えるだけ補う。こちらになります。

調整の部分のキモは、1000Hzの部分です。この部分が概ね、60~70dBの間(できれば65dBくらいは欲しい)にあると、聞こえの改善値は、より良くなります。

それ以外には、高域もあげるとあげるほど、よくなる傾向があります。ただし、高域をあげると、細かな音や音そのものが全体的にカン高い音になりますので、ほどほどにするか、補聴器の音に慣れた頃に大きくしていくとより良くなります。この部分は、使用環境によっても大きく変化します。

なお、ここまで大きくすると音量としては、結構な量になりますので、日常生活上で使えるかどうか。その確認が非常に重要になります。

現状を確認する方法

一般的な補聴器の場合、どこまで聞こえを改善させれば概ね効果を得られるのか。そして、その数値まできているのかを測定を通じて、確認することで、聞こえの効果を見ていきます。これは、視力を改善させるプロセスと同じで、メガネ、コンタクトレンズをつけた時に視力検査をすることで、ちゃんと見えているのか、そうではないのかがわかるのと同じです。

しかし、クロス補聴器の場合は、すでに聞こえている耳に音を転送するため、測定して調べるというのが困難です。そのため、私がしているのは、日常生活上で使用できる音量になっているのか。こちらのみを確認します。

その方法は、単純で、補聴器で気になりやすい紙の音や水の音、大きな音、それらを実際に出して見て耐えられるのか、そうでないのか。こちらを確認します。私の場合は、紙の音を比較的大きめに出し、耐えられるか、どうか。それを確認しています。それで耐えられるのであれば、日常生活上でも使っていけることが多いためです。

このようにして、使える状態にしていきます。

クロス補聴器の調整に関するまとめ

基本的に補聴器の調整は、

  • 聞こえを改善させる目標値まで改善させる
  • 日常生活上で使用できる音量にする

の2つを考えながら行なっていきます。補聴器の目的は、聞こえを改善させることですが、あまりにも大きくしすぎますと、日常生活上で使えなくなってしまいます。そのため、この2つをみながら、調整を行なっていきます。

上記のように調整することで、騒がしい環境下で聞こえにくくなりがちな片耳難聴の方でも

  • 交通量の多い道路
  • 人通りが多く騒がしい道端
  • 人が多いショッピングモール
  • 車の中
  • 飲食店の店内
  • 電車の中(地下鉄は除き、主に地上線)

など、今まで聞きにくさを感じがちな騒がしいところでも聞こえにくさを改善できるようになりました。全ての部分が明瞭にクリアに聞こえるわけではないのですが、実際に上記のように調整し、聞こえを良くすることができるようになってきました。

それ以外には、職場が騒がしく、聞きにくい側から話されるとわからなかったケースでもわかるようになった。気づくようになったとも伺っています。また、聞こえるようになることで、聞き返しが減り、楽になったという方もいます。

聞こえを改善させる目標値に関しては、まだまだクロス補聴器は、模索中ですが、このような効果に関しては、出せるようになってきました。

そして、その状態にし、日常生活上でも使用できれば、使いたいところで、使い続けていくことができます。

クロス補聴器の場合、このように調整していきます。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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