補聴器の調整と聞こえを改善させる目安


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補聴器には、形状や性能など、選ぶ要素がいくつかありますが、その中で、2番目に大きく聞こえの効果を変化させるのは、音の調整です。どんなに良いものを購入したとしても、補聴器の基本である音の調節ができていないと効果をしっかり出すことはできません。

補聴器の効果を決める要素にはいくつかありますが、私自身が感じている重要度は、

耳の補い方>補聴器の調整>補聴器の形状>補聴器の性能になります。こちらは、その2番目の補聴器の調整に関わる内容です。

重要なのは、補聴器は、どのような状態になれば良いのか。こちらを理解することです。そのポイントは、補聴器で聞こえさせる目標となるものを理解すること、そして、それを確認する方法を理解することです。この2つができれば、目標値まで達成できているのかを確認しつつ、回数を重ねることで、少しづつ改善に向かえます。

では、どのようにしたらより良くできるのでしょうか。補聴器の調整に関する内容を載せていきます。

補聴器の調整の基本

補聴器の調整の基本では、

  • 調整方法
  • 現状の確認方法

の2つに関して記載していきます。調整方法だけで良いのでは?と思う方もいるのですが、補聴器は、耳という感覚器官につけるため、この状況を確認する方法がとても重要です。

補聴器の調整

補聴器の調整は、今現在、パソコンで行うようになっています。その際に行うのは、

  • 本調整
  • 微調整

の2つの流れがあります。

本調整

本調整とは、基本的な調整のことで、聴力を補聴器に入力し、その補聴器が考えるおおよその調整を示します。

補聴器を調整する際ですが、今現在は、パソコンで調整します。

補聴器は、パソコンにつないで調整を行う。こちらは、その機器になる。

補聴器は、パソコンにつないで調整を行う。こちらは、その機器になる。

補聴器をつなぎ

補聴器は、基本的に各メーカーのフィッティングソフトとよばれるもので調整していく。

補聴器は、基本的に各メーカーのフィッティングソフトとよばれるもので調整していく。

補聴器のソフトを開き

聴力を入力する欄。どのフィッティングソフトも聴力を入れ、おおよその基本調整を出す。

聴力を入力する欄。どのフィッティングソフトも聴力を入れ、おおよその基本調整を出す。

聴力を入力すると

入力後は、このように各メーカーが考える調整の状態を出してくれる。

入力後は、このように各メーカーが考える調整の状態を出してくれる。

おおよその調整を出してくれます。ここまでは、ほぼ誰でも調整は同じになります。

微調整

基本調整の後、微調整していきます。

微調整とは、全体的な調整ではなく各周波数ごとの細かい調整のこと。こちらでより、調整をしていく。

微調整とは、全体的な調整ではなく各周波数ごとの細かい調整のこと。こちらでより、調整をしていく。

微調整に関して使われるのは、こちらです。補聴器の調整は、このように周波数ごとに細く調整ができます。低域から高域までまんべんなく調整でき、

このように対応する周波数を細かく調整することができる。なお、こちらの画面は、20chなので、かなり細かく分類されている。

このように対応する周波数を細かく調整することができる。なお、こちらの画面は、20chなので、かなり細かく分類されている。

ボタンを押すとその対応する周波数の音量を調整できます。

こちらの数は、チャンネルと呼ばれ、どの補聴器にも、このチャンネルがあります。こちらは、補聴器の性能で決まります。低い(安い)ものですと

こちらは、最大8chの補聴器。20chと比較すると調整枠が少なくなっているのがわかる。

こちらは、最大8chの補聴器。20chと比較すると調整枠が少なくなっているのがわかる。

このくらいで

20chともなると、ここまで多くなる。細かく調整できるようになると、それぞれの音が対応する周波数のみを調整できる。

20chともなると、ここまで多くなる。細かく調整できるようになると、それぞれの音が対応する周波数のみを調整できる。

高い(高額)ものですと20chくらいまであったりします。

微調整の部分では、聞こえさせる部分まで聞こえさせ、かつ周囲の音や大きな音がした際、それでも使用できるような音量に調整していきます。

調整のまとめ

補聴器の調整の部分は、基本的に

  • 聞こえさせる部分まで聞こえさせる
  • 日常生活の物音に耐えられるようにする

の2つしかありません。基本調整、微調整の2つを経て、こちらを行なっていきます。聞こえの目安の部分を目指しつつ、日常生活の物音が聞こえても使い続けられるようにする。それが補聴器の調整です。

補聴器を装用すると、少なからず全体的に音が聞きやすくなるため、今まで聞こえなかった、聞こえにくかった音、音声が聞きやすくなる代わりに今までよく聞こえていた音は、今まで以上に大きく聞こえます。そのため、どのような音がしても耐えられる(使える)状態にし、聞こえにくさを改善させていきます。

現状の確認方法

さて、音の調整は画面で見えますが、実際にどのように聞こえているのか。それは、わかりません。私自身は、生まれつきの難聴ですので補聴器を使用していますが、補聴器を装用することで、どのように聞こえるかはわかっても、自分がどのくらい聞こえているのか、適正と言われる数値までちゃんと聞こえているのか、それは、わかりません。これらは、測定しない限り、わからないものです。

補聴器で重要なのは、現状を確認する作業です。その確認方法ですが、音場閾値測定(おんじょういきちそくてい)という測定を行います。

音場閾値測定とは

こちらは、補聴器を装用した状態で行う測定で、聴力測定室、検査室で行われる測定です。補聴器版の聴力検査といえばわかりやすいかもしれません。

当店の測定室。様々な機械が置いてあり、各種の測定ができるようになっている。

当店の測定室。様々な機械が置いてあり、各種の測定ができるようになっている。

このような部屋で

補聴器を装用して、このスピーカーから出す音がどれだけ聞こえるか。それを調べるのが、音場閾値測定となる。

補聴器を装用して、このスピーカーから出す音がどれだけ聞こえるか。それを調べるのが、音場閾値測定となる。

このようなスピーカーから音を出し、どのくらい聞こえたのか、それを調べます。

適当にやると比較ができなくなるため、必ず測定する距離を決めて行う。音は離れれば聞こえ方が変化するためだ。

適当にやると比較ができなくなるため、必ず測定する距離を決めて行う。音は離れれば聞こえ方が変化するためだ。

その際、必ず比較できるように同じ距離で測定できるようにします。

調べ方は、単純で、聴力測定のように小さい音でも聞こえたら、ボタンを押してもらう。ただそれだけです。まさに補聴器版の聴力測定です。

この測定は、補聴器を装用した状態でどのくらい聞こえているのかが理解しやすい。そして、補聴器なしが聴力検査の結果とほぼ同じいちに来るため、改善度がわかりやすい。

この測定は、補聴器を装用した状態でどのくらい聞こえているのかが理解しやすい。そして、補聴器なしが聴力検査の結果とほぼ同じいちに来るため、改善度がわかりやすい。

こちらの測定では、補聴器を装用した状態と装用していない状態の2つを調べることができます。△が補聴器なしの状態を表し、▲が補聴器を装用した状態になります。そして、ここからが重要ですが、補聴器を装用していない状態は、概ね、ヘッドホンを使って調べた聴力測定の数値と同じになります。

つまり補聴器を装用して、どのくらい聴力が良くなったのか。改善されたのか。それを可視化するのが、この音場閾値測定となります。

補聴器を装用して聞こえるようになっている方は、この数値が目標とする数値まで来ていることが非常に多く、逆に聞こえにくさを感じている方は、この数値が低いか、元々聞こえを補いにくい方が多くなります。

補聴器の調整は、この2つが基本

補聴器を調整する場合は、必ず調整するものと確認するもの、この2つがあります。

聞こえを補う観点からしますと、上記のように補聴器の調整を行い、どのくらい聞こえているのか。その確認をします。それ以外に、感覚的なものの場合は、補聴器の調整を行なった後、様々な音を聞かせ、聞こえる音が耐えられるのか。それも確認します。その場合においても、調整と確認の2つを行います。

このように調整していくのが補聴器の調整になります。

補聴器で目指す目標値

さて、本編と言いますか、一番重要なポイントは、こちらの数値の意味と目標値です。

どのような測定も数値の意味がわからないと理解ができませんし、どこまで目指すべきなのか、それと現状を見ないと、自分が今、どのような状況なのかもわかりません。

こちらで説明するのは大まかな数値の意味と補聴器を装用してどこまで聞こえれば概ね聞こえやすくなるのか。その目標値となります。まずは、聴力関係なしで理解していきましょう。

数値の意味

こちらの数値の意味ですが、聴力検査の数値と概ね同じです。聴力検査の場合は、行うことで、大まかな聴力の状態がわかります。音場閾値測定も同様で、補聴器を装用した状態でどこまで改善されたのか。それをみることができます。

このような図があった場合は、補聴器を装用することで、軽度難聴くらいまでは、改善できたことがわかる。

このような図があった場合は、補聴器を装用することで、軽度難聴くらいまでは、改善できたことがわかる。

例えば、上記の場合、補聴器なしで中等度難聴くらいの聴力であれば、そこから軽度難聴くらいまで改善されたことがわかります。

ここで「それだけしか改善できないの?」と思う方もいるかもしれないのですが、補聴器は、このくらいまでの改善が一般的です。

聴力が正常な方は、概ね、上記の位置で聞こえている。

聴力が正常な方は、概ね、上記の位置で聞こえている。

まず、正常な方の聴力は、上記の通り、全ての周波数で0〜10dBほどで聞こえています。中には、マイナスになる方もおり、聴力図は、あくまでも人の感覚レベルで決めているため、人よりも耳がいい場合は、マイナスになります。

では、補聴器もそこまで目指せば良いのではないか。と考えるのが普通ですが、ここまで目指すのが残念ながらできません。無理やりここまで大きくしようとすると音が大きくなりすぎて、とてもじゃありませんが補聴器を装用することができなくなってしまいます。

そこで、実際にどこまで聞こえるようになれば概ね聞こえを改善できるのか。そして、使用し続けられる音量は、どこなのか。それを検証し続けた結果、大体30〜40dBくらいの間に来ると概ね、両立ができることがわかってきました。※主に軽度〜中等度難聴くらいまでの方が対象です。

例えば、聴覚医学界(補聴器を専門とする医師の学会)の補聴器適合指針でも

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(3)評価方法

ファンクショナルゲインが聴力の半分(ハーフゲイン)であるか、装用域値が1000Hzで35dB以内であればよい。ファンクショナルゲインは、低音域ではハーフゲインより少なくてもよく、高音域の利得は補聴器の性能上ハーフゲインが得られない場合がある。

評価例(図11)

補聴器適合例と適合不十分例を示した。▲印は低音及び高音部をのぞき非装用時の域値のほぼ半分のファンクショナルゲインを得ており適合例と言える。■印の場合は、ゲインが不足しており、適合不十分例といえる。

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

このように音場測定の効果を見定めています。それは、その部分まで聞こえさせると、概ね聞こえが良くなるためです。

私自身もよくこの測定を行うのですが、聞こえの効果を感じている方は、この測定の数値が良い状態が大半です。

ここからはあくまでも私自身が測定し続けて感じることですが、

聞こえが良い方の測定結果を見てみると、上記のような特徴がある。

聞こえが良い方の測定結果を見てみると、上記のような特徴がある。

聞こえの効果が良いと感じている方の特徴は、このようになっています。ポイントとして、1000Hzは、1500Hzが35dBかそれ以上で聞こえている方は、聞こえの効果をよく感じています。特に1000Hzが重要で、こちらの数値が良い方は、ほぼ聞こえに効果を感じています。

聴覚医学会が発表している通り、その部分の聞こえが良くなれば、聞こえは改善しやすくなります。

なお、目指せる方は、500Hz〜2000Hzあたりまでを30dBくらいまで改善させると聞こえは良くなります。このあたりから、さすがに周りの音がかなりの大きさになるため、使い続けられる人は、限られてくるのですが、ここまで改善できると基本的な聞こえはかなり良くなります。

聴力別目標値

誰でも上記のような状態にできれば何も言うことなしなのですが、残念ながらそのようなことはありません。聴力の低下が大きくなると、基本的に聞こえの改善度は、低くなります。軽度の方が補聴器を装用した状態と重度の方が補聴器を装用した状態では、軽度の人の方が、聞こえに関しては、改善しやすくなります。

聴力別に補える量が異なりますので、こちらでは、聴力別に目標値を記載していきます。概ね、ここまで改善できると補聴器の効果は感じやすくなります。

なお、以下、あくまでも私が考えている目標値で記載していきます。私の場合は、主に聴覚医学会の補聴器適合指針をベースに考え、お客様に試して、よりよいものに昇格させていったものとなります。

軽度、中等度難聴のケース

軽度、中等度難聴の方は、上記の図とほぼ同じですが、

軽度・中等度難聴の方が目指す数値は、概ね、上記の状態。ここまで改善できれば、聞きにくさを改善しやすい。

軽度・中等度難聴の方が目指す数値は、概ね、上記の状態。できれば、1000Hz、1500Hzだけは、なんとかここまで改善させたい。聞きにくさを改善させやすいためだ。

このようになります。上記に記載した聴覚医学会の補聴器適合指針も

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(3)評価方法

ファンクショナルゲインが聴力の半分(ハーフゲイン)であるか、装用域値が1000Hzで35dB以内であればよい。ファンクショナルゲインは、低音域ではハーフゲインより少なくてもよく、高音域の利得は補聴器の性能上ハーフゲインが得られない場合がある

 

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

このようになります。

なるべく1000Hz、1500Hzは、35dBで聞こえるようにし、それ以外は、補えるだけ補います。特に2000Hz以降は、補えるだけ補うようにすると良い状態になる傾向があります。言い方を変えれば、高い音が気になる場合は、音量を下げることで、音の響きや高い音が入ることによる不快な音を抑えつつ、聞こえのにくさを改善させることができます。

補聴器が初めての方の場合、高い音を入れすぎると、紙の音、水の音、コップを置く時の音など不快に感じることがあります。これらのものは、音そのものがある程度大きく、かつ高い音なため、気になる方は、気になる傾向があります。

しかし、上記のように押さえるべきところは押さえ、それ以外は、耐えられる範囲内で調整する事ができれば、聞こえやすさと快適性をなるべく両立させることができます。

なお、目指せる人は、500Hz〜2000Hzを30dBほどにするとより聞きやすくなります。ただし、その音量でも日常生活が送れることが条件です。

高度・重度難聴のケース

高度、重度難聴の方は、残念ながら軽度、中等度難聴が目指す目標値まで改善させることが困難です。そのため、だいたい補聴器を使用していない状態の数値÷2で考えていきます。

高度・重度の方の改善は、意見が分かれるケースが多い。聞こえの改善を重視するなら、このように聞こえを補えると良い。ただし、目指せる範囲内で収めること。無理に大きくしても苦痛に感じるだけなので注意しよう。

高度・重度の方の改善は、意見が分かれるケースが多い。聞こえの改善を重視するなら、このように聞こえを補えると良い。ただし、目指せる範囲内で収めること。無理に大きくしても苦痛に感じるだけなので注意しよう。

状況としては、このようになります。こちらの設定は聴覚医学会で出されている基準と全く同じです。

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(3)評価方法

ファンクショナルゲインが聴力の半分(ハーフゲイン)であるか、装用域値が1000Hzで35dB以内であればよい。ファンクショナルゲインは、低音域ではハーフゲインより少なくてもよく、高音域の利得は補聴器の性能上ハーフゲインが得られない場合がある

Audiology japan 53,2010 補聴器適合検査の指針(2010)聴覚医学会より引用

聴覚医学会の補聴器適合指針も上記の通りです。

できれば上記と同じく1000Hz、1500Hzあたりは、目標値になるように調整し、2000Hz以降からは、補えるだけ補うと、改善度は高くなります。

そして、1000Hz以前のHzについても、半分を目標にある程度補えていれば、効果も感じやすくなります。

なお、高度難聴の方は、なるべく1000Hz、1500Hzが35dBまで聞きやすくできると補聴器の効果は、高くなります。重度の方は、ここまで改善させることが難しいため、ここまで目指す事は、ほぼできません。

余談ではありますが、耳を補う機器には、補聴器以外にも人工内耳があります。重度難聴の方に人工内耳がオススメされるのは、この測定の数値が、重度難聴の方でも、平均35dB、よければ30dBまで目指せるためです。重度難聴の方にとって、人工内耳と補聴器は、人工内耳の方が効果は、圧倒的に高くなります。

もっとも手術をするリスクや補聴器とは異なる聞こえになりますので、全てが良くなるわけではないのですが、補聴器と聞こえの効果を比較すると、人工内耳の方が高くなります。その理由は、単純に音の調整で聞きやすくさせやすいためです。

目標値のまとめ

補聴器は、聴力により、目指せる聞こえが異なります。どんな聴力でも、聞こえの改善が概ね見込める35dBくらいまで改善できるのであれば、どの聴力でもそこを目指せば良いのですが、残念ながら聴力低下が大きい方は、そこまで目指すことができません。

そのような場合は、聴力の半分を目指す目処にして、調整をしていきます。

ただし、補聴器の調整は、目標を決める事はしても、そこを無理やり達成させる事はしません。あくまでも日常生活上で使える数値にして、使えるようにします。

上記の目標値を達成し、日常生活でも音が大きく聞こえることもありつつも使用できる。という状態がベストですが、それが難しいなら、音量を下げるなどして、使える状態にしていきます。

聴覚医学会の補聴器適合指針をベースに考えているため、医師が考えている事とあまり変わらなかったりしますが、私自身、様々な方に補聴器の調整や音場閾値測定をしてきてわかったのは、このようにすると補聴器のおおよその効果を望めることでした。

もっとも補聴器の効果の伸び代は、耳の状態が9割ですので、期待できない方には、難しいのですが、期待できる方には、上記のように考えて調整することで、聞こえを改善させやすくなります。

補聴器の調整と聞こえを改善させる目安のまとめ

基本的に補聴器は、

  • 補聴器で耳を補う目標値を決める
  • 補聴器を調整する
  • それを確認する

の3つのサイクルで決めていきます。

聴力から聞こえを補う目標を決め、補聴器を調整し、どのように聞こえているのかを確認する。それが、補聴器で聞こえを改善させる一連のプロセスになります。

確認時にどのくらい聞こえているのかを理解できれば、目標値まで改善できているのか、そうでないかがわかりますし、できていないのであれば、どう調整すれば、その目標値まで改善させれば良いかもわかります。どれが欠けても補聴器で適切に耳を補う事はできません。

補聴器は、残念ながら耳を治す道具ではないため、状況も、どこまで改善できれば良いのかも非常にわかりにくい機器になります。聞こえにくい状態に困っている方がいるのは、重々承知ですが、改善できるところもあれば、残念ながら改善できないところもあります。それは、耳を治せる機器ではないためです。

しかし、聞こえを可視化する事で、最低限、どこまで聞こえを改善させれば良いのか。補聴器で効果が望みやすくなる数値はどこで、自分は、今、どのような状況なのか。その数値の見方や確認方法がわかると聞こえにくさの改善はしやすくなります。確認して、再度調整する。という改善へ向かうプロセスができるためです。

単純に目標値まで聞こえていない場合は、その値まで上げる事で、聞きにくさを改善させる事は、十分にできます。ただし、音量を上げることができることが条件となります。

聞こえをどこまで改善させたら良いのか。聞こえはどのくらいまで改善できれば良いのか。耳が治るのが一番ではありますが、それができないからこそ、一定の判断基準があります。その判断基準が目標値です。

このように調整する事で補聴器の力の8〜9割は、引き出せます。こちらの内容が聞こえにくさを改善させるヒントになれば幸いです。

 

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