2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

クロス補聴器に搭載されている性能と基本の3要素

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補聴器は、金額により、大きく左右されます。クロス補聴器も同様で、金額の差は、ほぼ性能の差になります。

では、クロス補聴器の場合、どのような性能があり、それらがどのように異なるのでしょうか。こちらに関して載せていきます。

簡単に言いますと金額が良いものほど、聞こえる音の快適性を重視しつつ、なるべく聞きにくくならないようにしてくれます。

補聴器の性能を決める3つの要素

クロスに限らず、補聴器の性能に関しては、

  • 音を調整する機能
  • 騒がしい中で聞き取りをなるべく低下させない機能
  • 聞こえる音の快適性を高める機能

の3つがあります。メーカーさんのWebサイトを見ると、色々と名称や機能がごちゃごちゃ書いてありますが、概ね、この3つの内、いずれかに入ります。

これらの機能の違いにより、補聴器の金額が決まっていきます。

音を調整する機能

音には、大きさと周波数の2つの軸が存在しています。

補聴器は、基本的に音量と周波数を操作できる。囲んである部分で、周波数別に音量を上下できる。

補聴器は、基本的に音量と周波数を操作できる。囲んである部分で、周波数別に音量を上下できる。なお、画像は、8chのもの。補聴器により、chが異なる。

音の大きさに関しては、機能ではなく、機種によって決まり、どのくらい周波数を分割し、細かく調整できるかは、性能により変化します。そして、どれだけ細かくできるかは、ch(チャンネル)または、バンド、という言い方をして、カタログに表記されています。

上記のものは、8chの補聴器です。8chですと画像のように平均的に調整できる部分が分割され、それぞれの部分を調整できます。それ以外には、全体的に音量を上げたり、下げたりすることもできます。

多いものは、どうなっているかと言いますと、私のところで、扱っているフォナックの補聴器で、多いものは、20chになります。そうすると

20chともなるとこれだけ細かく調整できる。補聴器には、紙の音や水道の音、車の音など気になる要素もあるので、多いものが得られるのであれば、そちらの方がいい。

20chともなるとこれだけ細かく調整できる。補聴器には、紙の音や水道の音、車の音など気になる要素もあるので、多いものが得られるのであれば、そちらの方がいい。

このような状態になります。

こちらが8chのもの。調整できる帯域が広くなっているのがわかる。簡単に言えばchが少ないものは、大雑把に調整し、多いものは、細かく調整ができる。

こちらが8chのもの。調整できる帯域が広くなっているのがわかる。簡単に言えばchが少ないものは、大雑把に調整し、多いものは、細かく調整ができる。

一方、8chのものですと、このようになります。細かく周波数を分割できると何が良いのか。というところが重要になるのですが、

  • 特定の音がうるさい
  • ○○が聞きにくい

という場合に、その周波数のみを重点的に変更させることができます。

細かく調整できるようになると、他の部分に影響をなるべく影響を与えず、軽減したり、聞きやすくすることができます。

人は、音をもので捉えますか、機械は、音を周波数でしか捉えられません、人は、○○の音、××の音と言いますが、機械は、○○の音と言っても物で捉えられませんので、調整できる部分が多いと、関連する周波数の部分だけ調整し、なるべく他の部分に影響を与えず、調整できるというメリットがあります。

音を全体的に大きくしたり、小さく変更できるだけか、それとも部分的に調整できるようにするか。その違いがch、バンドの違いです。

chが多くなれば、部分的に調整はしやすくなりますが、少ないものは、しにくくなり、全体的に音を大きくしたり、小さくしたりということで対応します。その違いが、こちらですね。

騒がしい中で聞き取りをなるべく低下させない機能

補聴器で多い訴えは、騒がしい中での聞き取りが難しい。こちらです。片耳難聴の方の場合、聞こえにくさを感じているほとんどの場面は、こちらになるかと思います。

この機能は、人の耳の機能を参考にして作られた機能で、音を拾う範囲を抑制し、なるべく聞きやすさを下げないようにします。

指向性とは、前方からお話しされる音声を聞きやすくする機能。聞きやすくさせる方法は、前方以外の音を抑制し、前方の音声をなるべく邪魔されないようにする。

指向性とは、前方からお話しされる音声を聞きやすくする機能。聞きやすくさせる方法は、前方以外の音を抑制し、前方の音声をなるべく邪魔されないようにする。

例を出すとこのようになります。前方から音を入れる代わりに、周囲、かつ後方の音は、抑制(実際には、音を拾う量を抑える)することにより、前方からお話する音声などを邪魔されにくくします。

人の耳の大雑把な聞こえる範囲。人の場合、基本的に前方を見てお話しするため、その方向からの音が聞きやすいように方向別に音が入る音量が違う。特に騒がしくなるとこの部分が重要になる。

人の耳の大雑把な聞こえる範囲。人の場合、基本的に前方を見てお話しするため、その方向からの音が聞きやすいように方向別に音が入る音量が違う。特に騒がしくなるとこの部分が重要になる。

人の耳は、基本的に前方からくる音を±0だとしますと、後方からの音は、-5dBほどしています。言い換えれば、前後から全く同じ音量を出した際に、前からの音を自動的に聞きやすくしている状態となります。その耳の仕組みを参考にして、作られたのが、指向性です。

こちらは機能が優れていると優れているほど、騒がしいところでの聞きにくくならないようにしてくれます。もちろん、補聴器でできる範囲内のお話にはなります。

なお、耳あな形の場合は、自分の耳の機能を使うタイプとそれを活用しつつ、さらに補聴器の指向性機能を使うタイプがあります。

聞こえる音の快適性を高める機能

補聴器を装用すると、様々な音が聞こえてきます。これは、元々聞こえにくい状態だったことも関係しますが、補聴器が音響機器であることも関係があります。

補聴器以外の音響機器として、身近にあるものは、ICレコーダーやビデオ撮影などがあります。あれらの音質を聞いたことがあればわかるかもしれませんが、音響機器で音を聞くと

  • 常時、ざわざわしたような音が聞こえる
  • 大きい物音は、やたらと大きく聞こえ、耳に刺さる感覚がある
  • 風がマイクに当たるとノイズ(ザーザー)が聞こえる
  • 音が反響すると何を言っているのかわかりづらい

という特徴があります。これらは、音響機器であれば、どの機器でも感じることで、補聴器であっても例外ではありません。

ビデオやテレビでは、撮影した後のものの音声や物音を編集や調整を行い、聞きやすく、かつ、聞こえの邪魔する音の要素を極限まで減らしているため、わかりにくいのですが、何も考えず、録音すると、これらの要素を大きく感じます。

そのため、これらの鬱陶しい音に関して、抑制する機能が付いています。それが、聞こえる音の快適性を高める機能です。

快適性をあげるもののまとめ。快適性と聞くと必要ない音を抑制する機能となるが、あくまでも補聴器が考える必要のない音を抑制する機能となる。その点に注意。

快適性をあげるもののまとめ。快適性と聞くと必要ない音を抑制する機能となるが、あくまでも補聴器が考える必要のない音を抑制する機能となる。その点に注意。

基本的に先程あげた4つのもの全てが補聴器の快適性をあげるために搭載されている機能です。金額が上がると、抑制機能そのものが良くなったり(より強く働き、不快に感じにくくなる)、搭載される機能そのものが増えます。

この機能は、あるとあるほど、快適性を高めやすくなります。補聴器は音響機器であるが故に、このような機能があります。

クロス補聴器、性能のまとめ

補聴器の性能に関しては、主にこの3つに分けられます。厳密には、これ以外のものもあったりするのですが、大きく性能に関わるのは、概ね、この3つです。

今現在、補聴器の性能に関しては、金額が上がると上がるほど、平均的に良くなります。例えば、chのみ非常に良くて、それ以外は、平均的な補聴器というのは、ありません。補聴器は、良くも悪くもお金を出すと出すほど、音の快適性を高められたり、なるべく聞きにくくしないようにしてくれます。

これらがクロス補聴器の性能になります。機能の説明などに関しては、補聴器ごとに異なりますので、全体的な概念としてこちらは、記載しました。理解が深まれば幸いです。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、聞こえの改善を行なっています。私に関する内容は、書いている人の詳細になります。当店の情報は、こちらにまとめています。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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