2つの視点を持つ人が書いている耳・補聴器ブログ

東京都墨田区で補聴器の販売をしている難聴者のブログ。補聴器や耳に関する事を書いています

補聴器で補える聴力は、どのくらいから?

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補聴器の使用を考える前に「どのくらいから補聴器は使えるのだろうか」「少し聞きにくいくらいだけれど補聴器は、効果があるのだろうか」このような疑問をお持ちの方は、いらっしゃいますでしょうか。

補聴器は、聞こえを改善させる機器ではありますが、その改善度、聴力をより良くさせる数値に関しては、限度があります。そのため、あまりにも聴力が良い方や補聴器を装用して目指す改善値付近の場合は、ちょっと効果を得にくい傾向があります。

こちらでは、補聴器で補える聴力から、補聴器は、どこまで改善させられるものなのか。それについて載せていきます。数値で理解できれば、より補聴器に関しては、理解しやすくなります。

結論から

結論から言いますと、平均聴力が40dBくらいからは、効果を得やすくなります。35dBから効果を得られるようになりますが、感じやすくなるのは、40dBくらいからです。

主な聴力図の見方、例。聴力レベルが下がると下がるほど、聞きにくくなり、周波数は、それぞれの音の高さを表す。

主な聴力図の見方、例。聴力レベルが下がると下がるほど、聞きにくくなり、周波数は、それぞれの音の高さを表す。

まず、聴力図の見方ですが、赤で囲んでいるラインが、一般の方や若い方(20〜30代くらいの方)の聴力です。若い方の場合、ほとんどの部分で、0〜10dBの間で反応があります。

その次に聴力には、正常の範囲があります。それが、0〜24dBです。0よりも数値が良い方も、もちろん正常の範囲です(0dBより上(マイナス)は、通常の方より聴力が良い方となります)

数値の意味。基本的には、備考欄の計算方式により、”平均聴力"を出すケースが多い。

数値の意味。基本的には、備考欄の計算方式により、”平均聴力”を出すケースが多い。

そして、その下に軽度難聴(25〜49dB)、中等度難聴(50〜69dB)、高度難聴(70〜90dB)、重度難聴(ろう、90dB以下)と続いていきます。

その次に重要になるのは、補聴器を装用することで、どこまで聴力を改善できるのか。という点です。

補聴器を装用して改善できる数値は、おおよそ決まっている。だいたい、35dBくらいまで改善でき、良いケースは、30dBくらい行くケースもある。

補聴器を装用して改善できる数値は、おおよそ決まっている。だいたい、35dBくらいまで改善でき、良いケースは、30dBくらい行くケースもある。

それに関しては、上記の通り、35dBくらいまでになります(軽度〜中等度難聴に限定)。一部の方は、30dBまで改善できますが、多いのは、このくらいまでの改善です。

つまり、補聴器を装用して目指せる数値よりも聴力が良い場合は、補聴器で聞こえを補うことはほとんどできません。厳密には、小さい音だけ大きくしたり、変化させることで、聞こえに違いは、出ますが、効果を感じるまでは、いきにくい傾向があります。

それらを考慮して考えますと聴力が40dBくらいから補聴器の効果は、感じやすくなります。厳密には、35dBくらいでも30dBまで改善を目指すことで、改善できるケースは、あります。

補聴器を調整している私から言える詳細の部分

「いや、もっと細かく教えてくれ!」「それだけじゃわからん!」という方のためにこちらではさらに詳細に関して載せていきます。こちらの内容は、どちらかというと聴力視点ではなく、補聴器で聴力を補う視点から見た、補聴器の効果が得られるケースになります。

補聴器を調整しているとわかるのは、500Hz、750Hz、1000Hz、1500Hzの部分のうち、1つでも35dBを超えるケースは、補聴器を装用することで、効果を得ることができる事です。言い方を変えれば、聞こえを改善できる可能性が十分にあるということになります。

ある部分から極端に下がる例。平均聴力からすると軽度になるケース。

ある部分から極端に下がる例。平均聴力からすると軽度になるケース。

聞こえているけれども、何か聞きにくい。と感じるケースで、多いのは、このようなケースです。こちらは、実際のお客様のデータではあるのですが、先ほどの周波数の中で1500Hzのみ35dBを超えています。

補聴器の世界には、補聴器を装用した状態でどのくらい聞こえるのかを調べる道具がある。こちらは、その道具を使用して調べた数値。

補聴器の世界には、補聴器を装用した状態でどのくらい聞こえるのかを調べる道具がある。こちらは、その道具を使用して調べた数値。▲は、補聴器を装用した状態。△は、補聴器なしの状態。

では、実際に、どのように補ったかと言いますと、このようにしました。

1500Hz以降も、聴力が低下していますので、その部分も補ってはいるのですが、1000Hzまでしっかり聞こえているケースは、補聴器の効果は、感じにくい傾向があります。しかし、このように補うことで、あると聞きやすくなり、かつ、仕事の際や周囲とのコミュニケーションを行う際には、重宝するとの評価でした。結果、販売になっています。

あくまでも私がやっている補う方針。聴力ごとにどこまで改善を目指すのか。私の場合は、決めながら調整をしている。

あくまでも私がやっている補う方針。聴力ごとにどこまで改善を目指すのか。私の場合は、決めながら調整をしている。

補う方針に関しては、このようになります。こちらは、どのように聞こえを改善させるかの方針だと思っていただいて構いません。

なお、余談ですが、初め他の販売店で購入したものの補聴器の効果がほとんど感じられず、使っていない状態でした。が、聞きにくいことがあるので、改善したいとのご相談を承り、改善させた例になります。

このようなケースも見る。左右とも軽度に該当する聴力。が、意外にも聞こえていることが多い聴力でもある。

このようなケースも見る。左右とも軽度に該当する聴力。が、意外にも聞こえていることが多い聴力でもある。

また、2つ以上あるケースも同様です。このようなケースも多かったりするのですが、こちらの場合においても、改善させることはできます。実際にこちらもお客様の聴力で、「補聴器がある方が、聞きやすく、かつ仕事の際は、役に立つので購入したい」と伺い、販売になったケースです。

上記のケース、同様。補聴器を装用した状態で測定したデータ。こちらは、1000Hzが改善されることにより、効果に関して感じやすくなった例になる。

上記のケース、同様。補聴器を装用した状態で測定したデータ。こちらは、1000Hzが改善されることにより、効果に関して感じやすくなった例になる。

実際には、このようにしました。1500Hzは、はかり忘れました。この点は、すみません・・・。

補う方針。このような聴力の場合、赤い部分は基本的に補える。が、青の部分は、人により大きく異なる。どこを補えば良いか探りながら、ベストな調整を目指していく聴力となる。

補う方針。このような聴力の場合、赤い部分は基本的に補える。が、青の部分は、人により大きく異なる。どこを補えば良いか探りながら、ベストな調整を目指していく聴力となる。

補う方針に関しては、こちらの通り。こちらは、聴力をベースに考えた場合ですね。

補聴器をベースに考えた場合の改善方針。重要なのは、1000Hzを35dBまで聞こえさせること。そのほかは、補えるだけ補い、不快感や耳の辛さが出ない程度に補う。

補聴器をベースに考えた場合の改善方針。重要なのは、1000Hzを35dBまで聞こえさせること。そのほかは、補えるだけ補い、不快感や耳の辛さが出ない程度に補う。

補聴器を装用した状態で測る数値で説明すると、このようになります。

そして、500Hz、750Hzの例は、まだないのですが、人の音声の部分が関わってきますので、この部分のみ低下している場合もおそらく改善は、できるはずです。満足する部分まで改善するかは、不明ですが、今現在の状態より、より良くすることは、できるかと考えています。

なお、実際には、500Hz、750Hz、1000Hz、1500Hzの一部分だけが35dB以下で、これを除く周波数の部分は、正常の範囲内になるケースは、ほとんど考えられません。ほとんどのケースでは、これ以外の部分も聞こえにくくなっていることが多いです。逆に4つの部分が聞こえており、それ以外の部分が下がっている場合は、補聴器の効果を得にくい傾向は、あります。が、そのようなケースは、聞きにくさを感じていない傾向もあります。

補聴器の調整を繰り返してわかるのは、500Hz、750Hz、1000Hz、1500Hzの部分で1部分でも35dB以上の聴力低下があれば、改善させることは可能であることが多い。という点になります。

今回のまとめ

基本的に補聴器は、正常の範囲内まで改善させるということができません。そのため、その改善値(補聴器で改善させられる値)を理解すると、補聴器を装用して、聞きにくさが少なくなるのか、あまり変わらないのか。それがわかりやすくなります。

私自身の判断基準は、詳細の部分で考えています。500Hz、750Hz、1000Hz、1500Hzのいずれか一つでも35dBを超えるケースは、自分自身の経験上(500Hzと750Hzは、まだ未経験ですが)改善できると考えています。これは、実際に改善できている例もあるためです。

こちらの内容で補聴器の使用を考える前に気になっていたことが解消できれば幸いです。

なお、一番手っ取り早いのは、補聴器を試してみることになります。もちろん、ちゃんと改善させられる部分まで音入れをした後、判断することが重要ですが、どのようになるのかは、わかりやすくなります。

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この記事を書いた人:深井 順一
自己紹介
聞こえにくい人を支援するお店、パートナーズ補聴器、代表。生まれつきの難聴者である事、補聴器の販売をしている事、この二つの視点で、ブログを書いています。お店では、耳の状態を理解した後、効果的な補い方を導き出し、お客様の聞こえを改善しています。私に関する内容は、書いている人の詳細をご覧下さい。当店の特徴は、こちらです。場所は、東京都墨田区の本所吾妻橋駅(都営浅草線)より徒歩3分のところにあります。

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