クロス補聴器の聞こえ改善より行うために私が今、試していること


先日、クロス補聴器の欠点と調整する上で注意したい1つのことのようなことを記載しましたが、これにプラスして、今現在、私の方でさらにしていることに関して載せていきます。

前回の内容には、クロス補聴器の欠点と言いますか、問題点に関して記載しました。その点に関して、前回の内容だけでは、改善しにくい部分もありますので、さらにその部分を改善できないか。それを今、お客様と協力しながら行なっています。

その点についても記載してみます。

より聞きにくさを改善させるために

結論から言いますと、Cシェルと呼ばれる耳の型を採取して作る耳せんで、より聞きにくさを改善できないか。これを作って試している最中です。

Cシェルとは、このような形状をしたもの。耳の型を採取し、その人専用の耳せんを作る。

Cシェルとは、このような形状をしたもの。耳の型を採取し、その人専用の耳せんを作る。

Cシェルとは、このような形状をしているものです。少し穴をあけ、聞こえる耳側から音を入れるようにしています。聞こえる耳側が聞こえにくくならないようにするためですね。

なぜこんなことをしているのか。ということになるのですが、前回の通り、クロス補聴器を使用する場合

この画面におけるオープンドームという耳せんを使用しますので、主に低域の部分が抜けすぎて、聞こえる耳側に転送はされているけれども、実際には、耳から音が抜けてしまい、改善できていないためです。上記のCシェルであれば、2mmや3.5mmのようにベントと呼ばれるものを指定することで、低域の低下を防ぐことができます。

では、オープンドームを使用することで具体的にどんな問題が起こるの?となるわけですが、低い男性の声などが改善しにくくなる。となります。

数値だけだとわかりにくいのですが、まずクロス補聴器側でオープンドームを使った場合において抜ける量を計算し、そのぶんを補った場合、800~900Hzより上の周波数は、底上げすることにより、聞きやすくできます。1000Hzや2000Hzという高い周波数ですね。

しかし、それよりも前の周波数(低い周波数)、特に750Hz以降は、底上げしたとしてもなかなか改善に繋がりにくい状態です。必要以上に大きくしても改善された感覚がないことが多いため、おそらく全部抜けてしまっているのではないかと考えています。

では、これが何を意味するかというお話になるのですが、女性の声あたりは、750〜1500Hzあたりを大きくすると改善に繋がりやすいのですが、低い男性の声あたりは、500Hzあたりを改善させると聞きやすくなるため、女性の声はいいけれども、低い男性の声が改善しにくい。ということになります。

実際にクロス補聴器に関して試聴や購入した方にお話を聞いてみても、同じようにいう方が多く、その部分も改善できたらより聞きにくさがなくなり、よくなるよね。ということで、自分なりに改善実験をしています。それが理由ですね。

問題点の把握

しかし、上記のような耳せんを使うとさすがに聞きにくくなるのでは?という意見ももっともです。そこで、自分なりにどこまで聞こえる耳側が低下すると聞きにくくなるのか。それも調べました。

こちらは、実は、すでに調べ終わっていまして、クロス補聴器を使用した状態とない状態の音場域値と呼ばれる測定を行うことで、どのくらい聞きにくくなっているのか。そして、聞きにくさを感じやすい数値まで下がっているのかを見ることができます。

これは、本来の音場域値測定の使い方ではないのですが、補聴器を使用した状態がわかるのであれば、

  • 実際にCシェルで作ると聞きにくくならないのか
  • 体感と比較し、聞きにくさを感じやすくなる数値はどのあたりなのか
  • どのあたりまでは、聞きにくくならず、どのあたりから聞きにくくなるのか

の各数値を調べることにより、聞きにくくなっているのか。そうでないのかが調べられると読んだわけです。実際には、調べた数値と体感を数十件調べ、おおよその部分はわかるようになりました。

それが以下の通りです。

△が補聴器なし。▲が補聴器あり、できれば、▲は、このくらいまでで抑えられると良い。聞きにくさをどうも感じにくい傾向がある。

△が補聴器なし。▲が補聴器あり、できれば、▲は、このくらいまでで抑えられると良い。このくらいであれば聞きにくさは感じにくい傾向がある。

まず、耳を塞ぐものを作った場合、影響がで始める周波数は、1500Hz〜になります。低い周波数は、受けにくい状態です。具体的には、1500Hz、2000Hz、3000Hz、4000Hzですね。実際には、その先も影響を受けている可能性がありますが、今の所、調べていません。補聴器で主に調べる部分だけを調べました。

そして、影響を受ける数値ですが、2000Hz〜は、30dBくらいから確実に影響を受けます。多いのは、35dBまで下がった場合で、聞こえる耳側でも、小さい声や声が細い場合は、聞きにくさを感じやすくなります。25dBから世界保健機関WHOの軽度難聴に値するため、納得といえば納得ですね。

25dBは、未だにいないため、わからないのですが、20dBであれば、大丈夫でした。これは、実際にその数値になった方に使用いただき、聞きにくさを感じるようになっているかを調べた結果です。ただしまだ少数ですので、確実とは言えません。その点だけ、ご了承ください。エビデンスはないといえばわかりやすいかもしれません。

私のお店の場合は、偶然にも0dBまで音場域値を測定できる機器を入れていましたので、大変助かりました。通常のお店にあるものは、だいたい20dBまで(20dBより上が測れない、10dBや15dBなど)しか測れないため、測定することができないためです。私自身、かなりラッキーでした。

より改善させるために

今現在やっているのは、先ほどのCシェルというものを作り、より改善させることです。ただし、必要以上に聞きにくくなっていないのかを調べながら、より改善できるのか、どうなのかを試しながらやっています。

より聞きにくくなれば良いですし、それ以外でも耳の中にカサカサ入る感覚が軽減されて、別のところで評価されることもありますが、よりよくなっている感覚はつかめています。それでもまだ聞きにくさを感じてしまうことはあるのですが、よりよくなることに越したことはありません。

ということで、今、自分がさらによりよくさせるためにやっていることを載せてみました。