軽・中等度難聴への補聴器の改善幅が上がってきた


私自身、常日頃から、どこまで改善できるのかを考えながら、改善をしていたりするのですが、このような考えで行なっていると、様々な学びがあったりします。

先日「原因不明の感音性難聴で軽・中等度難聴の方、補聴器で改善」という内容を記載したのですが、そこから感じたのは、より小さい音が聞こえるようになることで、改善の幅が徐々に上がってきているな。ということです。

前回の内容でわかった補う閾値の上昇

軽度〜中等度難聴くらいの方が対象になるのですが、750Hz、1000Hz、1500Hzは、30dBくらいまで改善できることが増えてきました。中には、前回のケースのように一部、25dB、20dBくらいまで改善する例もちらほら出てきています。

それでもまだ耳が治ると言うところまでは行かないのですが、徐々に改善できる数値が上がってきており、全体的に聞こえの改善度も上がってきているように感じています。

このように記載すると「必要以上に大きくしているのでは?」と思う方もいるかと思いますが、そんなことはありません。

例えば、前回の方の調整データをみてみますと、このようになります。これは、補聴器の調整データですね。

このデータで、音場閾値は、こんな感じで

音場語音は、こんな感じです。

データだけではわからない方のために記載しますと

補聴器の調整データには、実際に出ている音の大きさと聴力に対する目標がある。それぞれの数値をみながら、どのような状態なのか。それを判断していけるようになっている。

補聴器の調整データには、実際に出ている音の大きさと聴力に対する目標がある。それぞれの数値をみながら、どのような状態なのか。それを判断していけるようになっている。

データをみてもらうと、太い線と細い線があります。細い線は、聴力に対する目標値で、太い線は、現在出ている数値になります。この線が、近ければ、近いほど、目標値に近い状態で、離れていれば、離れているだけ、低い、もしくは、大きく出しすぎ。となるわけです。

仮に目標よりも実際に音が出ている場合は、このようになる。目標値より、実際の数値が上にくる(上に来ると来るほど、音が大きい状態になります)

仮に目標よりも実際に音が出ている場合は、このようになる。目標値より、実際の数値が上にくる(上に来ると来るほど、音が大きい状態になります)

例えば、このような場合は、上に現状の数値が出ているため、大きく出しすぎになりますし

逆に、目標に対し、実際に出している音の大きさが下にくれば、目標とする数値までは、出ていないことがわかる。このように比較できると、実際に、今現在、どのような状態なのかが理解できるようになる。

逆に、目標に対し、実際に出している音の大きさが下にくれば、目標とする数値までは、出ていないことがわかる。このように比較できると、実際に、今現在、どのような状態なのかが理解できるようになる。

逆に、この場合は、現状より、小さくしすぎ、というようにみれます。

それを踏まえた上で、みてもらうと、そこまで大きくせず、かつ、目標のところに来ると、それなりに効果が出ることがわかる。

それを踏まえた上で、みてもらうと、そこまで大きくせず、かつ、目標のところに来ると、それなりに効果が出ることがわかる。

それを理解した上で、みてもらいますと、別に必要以上大きく出している訳ではないのですが、音場の効果は、高くなっていることがわかります。

私の場合は、基本的に

  • 調整データの目標と現状
  • 補聴器の効果測定での目標と現状
  • 使用した補聴器の音の体感(大きすぎないか、使える範囲内か)

の三つを常に比べたり、バランスをとるように調整していたりするのですが、それらの部分でみてみると、やはり改善できる数値というのは、よりよくなっている傾向を感じますね。

ゴムの耳せんと型を採取した耳せん

最近、自分なりに調べていることにゴムの耳せんと耳型を採取して作った耳せん(イヤモールド、Cシェルなど)は、補聴器の効果に関して、どう変化が出るのか。があります。結論から記載すると、どうも耳型を採取して作った方のものを使う方が効果は高いようですね。

前回のケースで表現すると

これが耳せん(クローズドドーム)の時のデータ

そして、音場閾値測定のデータ

おまけで、音場語音

こちらがCシェルの場合のデータと

音場閾値測定のデータ

またまた、おまけで音場語音がこちらです。

これらをみてもらうとそれが明らかに違いが出ていますね。音の大きさの体感的には、それほど、大きさは変わらないようなのですが、耳の型を採取したものの方が聞こえる感覚としては、良いようです。

また、もう一つ、共通するのは、音場閾値測定が良くなることにより、そのまま音場語音についても良くなり、ダブルで改善されることが多いです。これは、他の方でも確認しています。

もちろん耳の型を採取して作るものは、耳を塞ぎますので、

  • 自分の声がこもった感覚で聞こえる
  • 噛む音(咀嚼、食事の時)が大きい
  • 耳がふさがった感覚がある

などが出やすくなります。あまり気にならない人しか使えないところはあるのですが、効果に関しては、さらに上げやすくなる傾向があります。

数値が良くなると何が良くなるのか?

数値がよくなると何がよくなるの?という部分ですが、音場閾値測定に関しては、聞こえる範囲、すなわち距離に関係してきますので、

  • 会議などの距離が関係するもの
  • 呼ばれて気がつくかどうか
  • 物音が聞こえるようになるか、どうか

というところに影響が出ます。簡単に言えば、より離れたところからの音や音声に気がつきやすくなるということです。

語音明瞭度測定については、簡単で、上がれば上がるほど、音声の理解のしやすさに影響します。もちろん、静かな中で測っていますので、その数値がそのまま、現実の世界に全て共通するかと言われれば、騒がしいところは、それよりも下がります。

しかし、静かなところで聞こえが悪い場合(音場の語音ですら結果が悪い場合)は、騒がしいところで聞こえるかと言いますと、まずそれはないので、改善の判断材料にはなりますね。

改善できる数値が上がってきた

昔は、35dBでもかなり改善されている方で、かつそこまで改善できて入れば結構な御の字でした。その昔と比較すると、明らかに改善できる数値が上がってきており、今現在、40〜50dBの聴力の方では、35dBではなく、可能であれば、30dB、25dBを目指せるケースが少しずつ、増えてきました。これは、いい傾向です。

もちろん、無理に音を入れすぎるのは、ダメですが、改善できる幅、改善ができる範囲内であれば、より改善させることにより、補聴器の効果をあげられることになりますので、非常にいい傾向です。補聴器を求める方は、補聴器を求めているというよりも聞こえの改善を求めているわけですから、当然ですね。

逆に今現在、私自身も見直しを行なっているところがありまして、それは、そのような方々の改善値は、どこを目指すか。というところです。

改善できる数値が上がってきたということは、改善できる目標に関しても更新、言い換えればアップデートが必要なことを示しており、ほとんどの販売員が基準としている聴覚医学会の補聴器適合検査の指針2010の内容のアップデートが必要なことを示唆しているとも言えます。

と、意味深なことを言って今日は終わりたいと思います(笑。