耳・補聴器のこと

補聴器を調整する人に必要なのは、技術力ではなく、問題解決能力

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

最近思うことを少し書いていこうかなと思うのですが、個人的に感じるのは、補聴器を調整する人に必要なのは、技術力ではなくて問題解決能力だよね。ということです。

調整がどうとか、補聴器の形状がどうとか、知識は、確かにあるのですが、それらの知識があっても、問題解決に導けなければ意味がありませんし、そもそもの部分として、それらの知識は、問題を解決するための知識であり、その知識単体では役に立ちません。

技術力とかも、聞く事がありますが、技術があっても、お客さんや患者さんが悩んでいる点を改善できなければ、あまり意味ないのかな。と感じます。

また、知識だけ蓄えても、できるようにならなければ意味がありませんので、ノウハウコレクターとかは、本当の意味で淘汰されていくのかな。とも思います。

この点に関して、少し書いていきます。

技術力と問題解決能力

この2つの違いは、個人的に思うに

  • 技術力:単に技術の高さ
  • 問題解決能力:現状を把握する能力の高さとゴール設定能力

になるのかな。と感じます。

そして、問題解決能力には、どのような状態であれば良いのかの一種の答え、正解があり(これを目標と呼ぶのですが)、それを目指してよくしていきます。それも、現状を把握した上で、どのように改善していったらよいかの道筋を立てられる。と言えば、わかりやすいかもしれません。

対して、技術力というのは、単なる技術の高さだけがある状態で、その技術力の活かし方がわからなければ、意味がないのではないかとも感じます。これは、考えすぎなだけなのでしょうか。

知っているだけでは、改善はできない

Googleで物事を調べられる時代になり、良くも悪くも情報を得られるようになったのは、良いのですが、問題解決能力があるかないかは、また、少し別の問題になるのかなと感じます。知っている事=問題を解決できるとは限らない。という事でしょうか。

知っていることが必ずしも、できることに繋がらないのは、誰しもが知る事実で、わかりやすい例は、車でしょうか。車の運転に関しては、勉強(ここでいう勉強は座学ですね)するだけで運転できるようになることはなく、実際に乗って操作することで、運転できるようになります。

気のせいか、最近、知っていることは、そんなに価値があることのように思えなくなって来ました。というのも本当に重要なのは、知っていて、それを実行できる力があるかどうか。になるからです。車で言えば、車のことを知っているのではなく、運転できる。と言えばわかりやすいかもしれませんね。

状況を解決するのに必要なのは、知っていること以上に、問題解決能力があるかないか。が重要に感じます。そして、その問題把握能力の鍵になるのは、状況を把握する力とゴール設定能力なのではないかと思います。補聴器の場合は、特にそれを感じます。

問題解決能力を高めるには

じゃあどうしたらその能力を高められるのだろうか?と考えているのですが、私自身から言えるのは、状況を把握する事と、仮でもいいからゴール(目標)を決める事と、なります。

補聴器の聞こえに関しては、数値化すると、状況がより見えるようになりますので、そこがポイントになるのかなと感じますね。それ以外は、どのようになれば良いかのゴール、チェックポイントを理解しておき、その状況を目指す。と、よくなります。ゴールに関しては、補聴器の調整にも当てはまります。

そして、数々のデータを見比べると、よく聞こえている人とそうでない人の違いがよく出るようになります。その後、よく聞こえている人の例を見習って、より良くしていく。そのようにできると、良いのかなと感じます。

もちろん補聴器は、人によって聴力が異なったり、音の感覚に関しても変化します。しかし、ある程度、応用できるところもあるのも事実で、数々の経験を積めれば、どうすればよくできるのか。の部分でカンが働くようになります。そのようになれば問題解決能力は高められるのかなと、感じます。

特にデータに関しては、集められると集められるほど「そう言えば、あんな例があったな」というように参照できたりもしますので、重要ですね。私自身は、基本的にデータをとって、それぞれのケースで、なぜうまく行ったのかを考えていたりします。聞こえは、少しでも改善できた方がいいですし、お客さんや患者さんもそれを望んでいるのですから。

と、少し思ったことを書いてみました。

そう言えば、私が入社して、何年か経ってからそんなことを言っていた人が居たようなことを今更、思い出しました。どうやら、ようやくそのレベルに達することができたようですね。私も。

という事で皆さん、知識ではなく、問題解決能力を高めていきましょう。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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